◆5/26 原発賠償京都訴訟 第8回口頭弁論の報告とお礼

  • 5/26の原発賠償京都訴訟第8回口頭弁論にはたくさんの方に傍聴に来ていただいたお蔭で、抽選となり、法廷を満杯にすることができました。ありがとうございました。
  • 原告側からは、準備書面(13)―津波について―、準備書面(14)―SA対策に関する求釈明に対する回答―、準備書面(15)―相当因果関係の判断方法についての求釈明に対する回答―の3つを提出しました。後ろの2つは、これまでに原告側が提出した準備書面に関連して東電から「どういう主張かを明らかにせよ」という求釈明があったので、それに回答したものです。
  • 法廷では、清洲真理弁護士が準備書面(13)についてプレゼンテーションを行いました。私なりに要点をまとめると、被告側は「実際に到来した15mの津波は予見されていなかった」と主張しているが、①津波は防波堤に達するとスピードが落ちるが、後ろから来た速い波が次々重なり、防波堤を超える高さに達する。つまり10mに満たない津波でも10mの防波堤を超える。敷地高を超える程度の津波が到来すれば、敷地に水が溢れ、事故に至る現実的な危険性があった②本件の津波高は、波高計が損壊したため正確な記録は残されていない。東電は敷地中央付近での津波高を13mとしているが、この数値は過大評価されている可能性が高い。国の公式見解も10m以上としか言っていない③到来する津波 を予見する方法としては津波評価技術と長期評価があり、後者は「福島沖を含む三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域のどこでもM8クラスの地震が発生する可能がある」としていた。また、当時の保安院は前者の適用にあたっては「潮位・台風などの影響の重ねあわせ」など不確実性を考慮して、1.5倍の余裕をもって対策を講じることを指示していた。専門家が言っていた「倍半分」(津波高の予測には2分の1から2倍までの誤差がありうる)を考慮すると、敷地高を優に超える津波の到来は予見できた、というものでした。
  • 今回も被告国は準備書面を出してプレゼンをしました。その要点は、①日本では法制度上、SA対策は法規制の対象とされていなかった②国は電気事業者に自主的な取り組みとしてSA対策を行うよう指導しており、違法性はない③IAEA(国際原子力機関)からも、日本の安全規制は良好であると評価され、SA対策の法規制化を求められていない、というものでした。   しかし、5月24日に公表されたIAEAの「福島第1原発事故に関する最終報告書」では、日本政府の対応は以下のように批判されています。
  • ◇(自然災害など)外的な危険要因に対する原発の脆弱(ぜいじゃく)性について、体系的で総合的な方法で見直したことがなかった。
  • ◇東電は福島県沖でマグニチュード8.3の地震が発生すれば最大約15メートルの津波が第一原発に達すると試算していたが、対策を取らなかった。原子力安全・保安院も迅速な対応を求めなかった。
  • ◇2007年の訪日調査で「日本には設計基準を超える事故について検討する法的規制がない」と指摘、保安院が安全規制の向上に中心的な役割を果たすよう求めた。
  • ◇第1原発の設計は、津波のような外的な危険要因に十分対応していなかった。IAEAの安全基準で勧告された確率的安全評価による審査は十分実施されず、非常用ディーゼル発電機の浸水対策などが欠けていた。
  • ◇事故当時の規制や指針、手続きは重要な分野で国際的な慣行に十分従っていなかった。…過酷事故の管理や安全文化でも国際慣行との違いが目立った。
  • ◇日本では、原発が技術的に堅固に設計されており十分に防護が施されているとの思い込みが何十年にもわたり強められてきた。その結果、電力会社や規制当局、政府の予想の範囲を超え、第1原発事故につながる事態が起きた。 (5月25日付東京新聞より)
  • このように、国の言い分は国際原発推進団体からも明確に否定されています。期日報告会では、弁護団からは原告側の主張を裏付ける新たな資料が見つかっていることが報告されました。今後の裁判の展開が楽しみです。また、個別の損害論を整理していくために8月頃に集中的に原告の個別面談を実施していきたいとの報告がありました。
  • この間各MLでお知らせしているように、避難者用の「みなし仮設住宅」の無料提供を2年後の3月で打ち切る動きが表面化しているため、原告・避難者が休みをとって参加する期日に合わせて、午後2時半から福島県大阪事務所への要請行動を設定しました。期日報告会終了後、京都からは裁判に参加した原告・避難者10名と支援者12名で梅田へ移動しました。大阪事務所にはML等での呼びかけを見て駆けつけてくださった約30名の方がた(避難者6人を含む)が京都からの到着を待っていてくださいました。
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