◆7/7 原発賠償京都訴訟第9回口頭弁論の報告

  • 7月7日の原発賠償京都訴訟第9回口頭弁論の報告です。
  • 雨の中、たくさんの方が傍聴に駆けつけてくださったことに感謝いたします。残念ながら、出足が悪く抽選にはなりませんでしたが、整理券配布時間が過ぎてからも続々と来場いただいたお蔭で、開廷時には満席に近い状態となりました。
  • 今回は期日に合わせて第3次提訴行動が行われました。11世帯31名の新たな参加で、原告は計58世帯175名になりました(これまでの世帯数の数え方に間違いがあったようです)。そのうち5名の方が提訴行動に参加され、記者発表後、傍聴・期日報告会にも参加されました。
  • 法廷では、原告側が4つの準備書面を提出し、そのうち2つについてプレゼンを行いました。
  • まず大江智子弁護士から、津波の予見可能性および結果回避可能性に関する弁論を行いました。その要点は、
    ①2012年4月11日に原子力安全保安院の高島賢二・統括安全審査官が「津波の計算は非常に難しく…極端な場合には倍または半分があるものと認識していた」と述べ、現在でも気象庁のHPに「現在の津波予測技術では『予想される津波の高さ』の予想精度は1/2~2倍程度」と記載しているように、国は津波の予測には2倍の誤差を考慮すべきことを認識していた。
    ②東電は株主訴訟において、2008年4月に敷地南側(敷地高O.P+10m)での最大津波はO.P+15.7mとなり、浸水深が約5.7mになるという試算結果を得ていたとの準備書面を提出した。また、東電は同年9月に社内向け説明資料で「現状より大きな津波高を評価せざるを得ないと想定され、津波対策は不可避である」と記載するなど、津波対策の必要性を認識していた。
    ③1999年に国交省は津波浸水予測図を作成しているが、津波高O.P+8.7mの場合には1~4号機すべてが浸水することが予測されている。
    ④このように敷地高を超える津波の到来は予測できたにもかかわらず、東電は津波対策を怠り、国は規制権限を行使しなかった。
    ―というものでした。
  • 次に、三上侑貴弁護士から因果関係論についての東電の準備書面に対する反論を行いました。その要点は、
    ①東電は、東京地裁の裁判例(2013年10月25日)を自分たちの主張を補強するものとして引用しているが、2つの裁判は争点が違う。
    ②東京地裁の方は、原告が被ばくによって直ちに健康リスクが増加するという損害を受けたかどうかだが、本件は被ばく線量と避難することの間に因果関係があるかどうかが争点だ。
    ③日本においては、ICRPの1990年勧告についての審議に基づいて、刑罰を含む法的担保によって国民を年間1ミリシーベルトを超える被ばくから保護する法的整備がなされた。東京地裁では原告側がこうした点を主張していないため、本件の参考にはならない。
    ④東京地裁は受忍限度論によって判断しているが、そもそも受忍限度論は騒音、振動、日照妨害などの生活妨害が適法な権利行使によって生じているケースに適用されるものだ。放射性物質の外部放出は適法な権利行使ではなく、国内法で公衆被ばく限度が定められているのだから、受忍限度論を適用するのは誤っている。
    ―というものでした。
  • 期日報告会では、進行協議に参加した弁護団が帰ってくるまでの間、初めて試みでしたが、白石草監督の『チェルノブイリ 28年目の子どもたち』というDVDを上映しました。上映後、会場から「いまの映画で観たように、今後日本でもさまざまな健康障害が起こる可能性があるが、そういう問題についてどう対応していこうと考えているのか?」という趣旨の質問が出され、弁護団サイドからは「賠償訴訟は個々人の賠償をかちとるだけではなく、原発事故に対する政府・東電の責任を追及し、裁判に勝利することを通じて原発被害者に対する総合的な支援策を立案させることをめざしている」という趣旨の回答があり、支援する会からは「この間、原告や支援者間の横のつながりを作ってきたが、全国の被害者団体によるひだんれんという連絡会も結成され、政府を攻める陣形はできつつある」という補足発言がありました。
  • なお、会報にも載せましたが、フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」7月号に、京都訴訟が取り上げられ、7名の原告の方の話も載っています。機会があれば、ぜひご購入ください。
  • 次回期日は少し飛んで9月29日(火)です。次回からは、具体的損害の立証に入って行きます。原告の本人尋問では被告側からの厳しい反対尋問も予想されるため、事前の準備と共に傍聴席からの応援がいっそう重要になってきます。抽選になるほど多くの傍聴で、原告を支えていただきますようお願い致します。
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