◆6/29 原発賠償 京都訴訟 第15回期日の御礼

原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局の上野です。

一昨日(6月29日)の京都訴訟第15回口頭弁論期日の報告です。長文ご容赦ください。

参議院選挙の真っ最中、しかも雨とあって、傍聴参加者が相当減るのではないかと危惧しておりましたが、徐々に人が増えて抽選番号リストバンドの配布が始まってそれほど時間が経たないうちに配布数が100枚を超えたという報告が入ってきました。抽選だ!いつもより記者席が多く取ってあったため、20名ほどの人が抽選に漏れ、弁護士会館での模擬法廷の方に行っていただきました。

雨の中、お越し下さったみなさま、本当にありがとうございました。

法廷では、前回持ち越しになった準備書面38,39については「陳述した」と確認。原告側は準備書面40(損害)、41(土壌汚染)、42(国の求釈明への回答)の3つを提出し、そのうちの41について鈴木順子弁護士がプレゼンを行ないました。

その要点は(と言いながら、少し長くなりますが)、
◇いわゆる自主避難の社会的相当性の判断には公衆被ばく線量限度を定めた法規範や基準が重要である。今回、すべての原告について原子力規制委員会のHPから避難元地域の避難時点および現時点の空間線量を整理した。
◇中には、その数値が1mSv/年を超えない地域もあるが、公衆防護の法規範は空間線量だけではない。弁護団は該当地域に赴き、避難元地域で土壌を採取してきた。その結果、多くの地域で4万ベクレル/㎡を超える土壌汚染を確認できた。これは放射線障害防止法でいう「管理区域」に相当する。
◇放射線障害防止法は「放射線作業に従事する者および一般国民の受ける放射線量を放射線障害の生ずる恐れのない線量以下にすること」を基本原則として、様々な規制をしている。放射線作業従事者につていは、適切な作業環境、被ばく線量の測定、定期的な健康診断を義務付けた上で年実効線量限度を50mSv/年としているのに対し、一般公衆は年実効線量限度を1mSv/年と低く設定されている。
◇その理由としては、①公衆には放射線感受性の強い子どもが含まれる、②公衆には被ばくについて選択の自由がない、③公衆には被ばくによる直接的利益がない、④公衆は放射線管理の下に置かれていないなどがあげられる。
◇上述の放射線管理区域においては、①立ち入り制限②放射線汚染物の持ち出し禁止③線量測定義務④教育訓練義務⑤健康診断実施義務が課されている。また飲食や喫煙も禁止されている。
◇原告らの避難元は、そのほとんどが管理区域および飲食等が禁止されるべき地域に該当する。そのような地域から避難し、避難を継続することは社会通念に照らして相当な行為であり、避難と原発事故との間には相当因果関係がある。
◇数は少ないが、土壌汚染が4万ベクレル/年に満たない避難元地域がある。原子炉等規制法には「廃棄物を安全に再利用できる基準(クリアランスレベル)」(100ベクレル/㎏、換算すると6500ベクレル/㎡)があり、このレベルを超える廃棄物は放射線汚染物として管理され、生活環境に存在してはならないものとされる。土壌汚染が低いところでもこのレベルを超えているので、放射線障害を防ぐ目的で避難し、避難を継続することは社会的相当性を有する。
というものでした。

閉廷後は弁護士会館で報告集会を開催しました。はじめに原告を代表してお礼の挨拶があり、傍聴ポイントカードの発案者でもある福島さんから、今回で完成したポイントカードの言葉、皆勤した場合は「あなたの参加が国を動かす」であることが発表されました。これまでの傍聴カードは今回で終わりますが、景品が当たった回以降のポイントは次の傍聴カードに引き継がれますので、捨てないで次回期日にお持ちください。

前回みなさまのカンパを頂いて参加した5月30日の福島県要請行動の報告のあと、支援する会の共同代表に就任された京都「被爆2世・3世の会」代表世話人の平信行さんによる「ノーモア・ヒバクシャ訴訟(原爆症認定訴訟)について」と題するミニ講演がありました。平さんは、被爆者の現状、ヒバクシャ援護制度の歴史とその問題点、支援活動を通して感じたことなどを限られた時間の中で簡潔に話してくださいました。原発賠償訴訟との関連で特に強調されたのは、①具体的な体験事実から出発すること―被害の実相と被爆体験を明らかにしていくことが最も重要、支援する側も原告被爆者の体験証言を最も大切にしてきた、原発賠償訴訟でも原告の陳述書、本人尋問はとても重要、②広範な人々に支持さ
れ、世論に支えられる闘い―被爆の実態、被爆の影響、裁判の実態をどれだけ多くの人々に知らせきれるか、毎回の裁判の様子を広く知らせることが必要という点でした。最後に平さんは、「原発賠償訴訟は原告のためだけではなく、社会が核の脅威から解き放たれる突破口となる裁判だ」として、「傍聴支援も裁判所を圧倒的に包囲するぐらいの状況をつくっていく必要がある」と強調されました。

続いて関西訴訟原告とサポーターからの連帯の挨拶、支援者の方々からの催しの呼びかけやアピールがあり、最後に「京都ピアノとうたの音楽ひろば」代表の上平知子さんが、自身が作詞された歌「あなたへ」(作曲は重吉和久さん)を披露され、会場に感動を与えました。この歌については、会場でもお配りした「民の声新聞」(フリージャーナリスト鈴木博喜さんのネット新聞)の記事(2016年3月24日「ただ大切な人を守りたい」。歌に込められた原発避難者のいま~京都の上平知子さん作詞「あなたへ」)がよく伝えています。傍聴に参加できなかった方はぜひネット検索して御覧ください。
http://ameblo.jp/rain37/entry-12141426319.html

次回期日は1か月後の8月3日(水)14時開廷(集合は13時20分)ですので、ぜひご参加ください。

なお、今回は久々に午後からの開廷だったこともあり、報告集会のあと「原告・弁護士・支援者の交流会」を行ないました。子どもの小さい原告さんは出席が難しい中、原告6名、関西訴訟原告1名、弁護士3名、支援者9名、支援する会共同代表2名、事務局スタッフ5名の計26名が参加し、交流を深めました。

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