◆1/27原発賠償 京都訴訟第22回期日の御礼と報告

支援する会事務局の上野と申します。

1/27に行われた原発賠償京都訴訟第22回期日の報告です。長文、ご容赦ください。

今回は、専門家証人尋問(主尋問)ということで、原告の証言がないということが影響したのか、前回、前々回よりも集まりが悪く傍聴席が埋まるかどうか心配しましたが、抽選となり、若干名の方が傍聴できませんでした。

原告側証人は崎山比早子さん(元国会事故調委員。医学博士。高木学校メンバー)、被告側証人は①酒井一夫(放射線医学総合研究所・放射線防護研究センター長。国際放射線防護委員会ICRP第5専門委員会委員)、②柴田義貞(長崎大学客員教授、元福島県立医大県民健康管理調査事業特命教授)、③佐々木康人(湘南鎌倉総合病院付属臨床研究センター・放射線治療研究センター長。元ICRP主委員会委員)の3人。

午前中は原告側の崎山さん。用意したプレゼン資料に沿って一通り説明したあと、代理人(弁護士)からの質問に答える形で主張すべき点を再確認したり補強するというスタイルで進行しました。

証言内容は、大きく①放射線傷害の標的 身体の設計図DNAとその合成、②放射線防護、③疫学調査結果について、④県民健康調査、甲状腺がんについての4つに分かれていました。

①では、
・すべての細胞に存在するDNA(その科学結合のエネルギーは5~7eV)に放射線(1万5千~2万eV)が当たると、そのエネルギー量の差によってDNAは簡単に切断されてしまうこと、
・切断されたDNAは修復される場合もあるが、修復できずに老化したり、間違った修復から突然変異が起こり発がんに至る場合もあること、
・被ばくに伴う発がん数やがん死亡率は被ばく線量に比例し「しきい値」(これ以下なら影響がないという値)は存在しないことがさまざまな研究調査によって明らかになっていること、
・放射線作業従事者の5年間の累積線量を調べた疫学調査では全体の65.4%が0.7ミリSv、83%が20ミリSv未満だったこと、などが述べられました。

②では、
・ICRP1990年勧告における公衆被ばく限度(年間1ミリSv)は「超えることが容認できない線量」とされていること、
・1ミリSvという数値はそれが安全量だからではなく、「合理的に達成できる限り低く保つ」という原則(ALARAの原則)に沿って、放射線障害と社会的コストを考慮して決めたものであり、その影響を減らすためにあらゆる合理的な手段をとることを目指すとされていること、
・ICRPのいう1ミリSvは外部被ばくだけでなく内部被ばくも含んでいる(その合計)こと、
・チェルノブイリ法(ウクライナ、ロシア、ベラルーシ)では、年間5ミリSv以上の地域は強制避難となり、年間1~5ミリSvの地域には「避難の権利」が与えられたこと、
・以上を踏まえると、避難という選択は被ばくを減らす賢明な方法であり、いま政府が進める帰還政策は現在の被ばく線量よりも線量を高めるものであり、そのような政策はICRPの放射線防護体系にも見当たらないこと、などが証言されました。

「低線量被ばくのリスクに関するワーキンググループ」(被告側証人の酒井一夫、佐々木康人はこのWGのメンバーだった)の報告書は、「国際的な合意では、放射線による発がんのリスクは、100ミリSv以下の被ばく線量では、他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとされる」と記述されています。③では、これに反論するために、これまでに明らかになった世界各地での低線量被ばくによるがんや白血病の疫学調査の結果が取り上げられました。さらに、ICRPは同じ線量でも一度に全量を浴びた場合(原爆被爆者)の方が長期間にわたって少しずつ浴びる場合(福島原発事故による被ばく)よりもリスクが大きいとし
、低線量率(後者)のリスクは高線量率(前者)のリスクの2分の1と見積もっています。しかし、世界保健機構(WHO)や国連科学委員会(UNSCEAR)、欧州放射線防護委員会(ECRR)はその比率を1:1と見ており、世界各地の疫学調査の結果でもICRPを支持するものは一つもなく、むしろ低線量率のの方が高い場合もあったと述べられました。

④では、
・甲状腺がんの多発について被告らは「スクリーニング効果」として否定されているが、二巡目の検査で悪性がん(またはその疑い)とされた68人のほとんどが一巡目の検査ではA1もしくはA2判定されており、新たに発がんしていると考えられること、
・また放っておいても症状のでないがんまで過剰に診断しているとの言い訳については、手術を症例のうちリンパ節への転移が74%、甲状腺外への浸潤が40%だったことをあげ、過剰診断とは言えないこと、
・日本甲状腺学会の「甲状腺腫瘍の診療ガイドラインQ&A」には「甲状腺がんのリスクファクターにはどのようなものが存在するか?」との問いに対して、「放射線被ばくは明らかなリスクファクターである」「一部の甲状腺がんには遺伝が関係する」とあり、「これ以外に科学的に立証されたリスクファクターは今のところ存在しない」と明記されているように、多発の原因は放射線被ばく以外には考えられないこと、などを証言され、最後に低線量でもリスクはあり、リスクを避けるために避難することは妥当な選択だと述べられました。

被告側の証人は、崎山証人が否定したICRPの見解を繰り返すのみで、甲状腺がんの多発という現実を踏まえた議論は一切なく、科学者としての良心はまったく感じることができませんでした。

次回期日(2月17日)は、今回と同じ専門家証人に対する反対尋問が行なわれます。崎山さんと弁護団が3人の被告側証人に対する効果的な反対尋問を練り上げることと思います。ぜひ期待して、裁判にご参加ください。

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◆クレーン倒壊と音海(おとみ)の大ダコ

【2017年1月27日,京都キンカンで配付。】

人の命と尊厳を軽視する傲慢(ごうまん)さの故(ゆえ)に、また事故が!
電力会社には、安全管理の体質、能力がない

高浜原発クレーン倒壊

・1月20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原発で、2号機の安全対策工事に使うクレーン(アーム部分の長さは約112メートル)が倒れた。

・原子炉補助建屋の一部が壊れ、使用済み燃料プールがある建屋の屋根の一部が壊れたが、天井からの落下物はなく、燃料に影響はないという。中央制御室にいた運転員が大きな音を聞き確認すると、クレーンが倒れていた。関電によると、周辺環境への影響はなく、けが人もいない。

・2号機は40年を超える老朽原発で、2020年に安全対策工事を完了する予定。コンクリート製のドーム屋根を原子炉格納容器の上部に設置する準備をしていた。

・強風が吹いていたというが、強風程度で倒れるクレーンの設置は、極めて杜撰で、安全無視と言わざるを得ない

トラブル続きの原発再稼働

・一昨年以来、再稼働した川内原発1号機、高浜原発4号機、伊方原発3号機は、何れも、再稼働前後に、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルを起こした(裏面参照)。再稼働を進める全ての電力会社でトラブルを起こしている。トラブル率100%である。

・これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や肉厚の減少、部品の摩耗などが進んでいることを示し、傲慢で安全性軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証している。さらに、原子力規制委員会(規制委)が適合とした全ての原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。

原発事故は人の命と尊厳、故郷を奪い、復旧は不可能に近い。
原発でのトラブルは許されない。
トラブル続きの原発(川内原発再稼働以降の原発関連トラブル)

川内原発 再稼働直後に復水器の細管5本の損傷が発覚

・一昨年8月11日に再稼働した九州電力川内原発1号機では、再稼働直後の8月20日、復水器内の塩分濃度が上がったことを示す警報が出た。発電に使った蒸気を冷やす「復水器」の中の細管(直径25ミリ)5本が損傷し、細管内を流れる海水が外側の2次冷却水に混入した。損傷した細管に栓をして原発を運転しているが、細管は約8万本あり、他の細管も損傷の可能性がある。2次冷却水に塩分が混じれば、2次系の配管も腐蝕しやすくなり、原子炉内を回り、放射性物質を含む高圧の1次冷却水が2次冷却水に噴出し、重大事故に繋がる可能性もある。

高浜原発 再稼働準備中に水漏れ:再稼働直後に変圧器異常で緊急停止

・関西電力高浜原発4号機では、再稼働準備中であった昨年2月20日、原子炉補助建屋で、放射性物質を含む水たまりが見つかった。計約34リットルの水が漏れた。水漏れが見つかったのは、原発の運転中に必ず使う1次冷却水の浄化設備。設備の一部に水を通したところ警報が鳴り、発覚した。関電は、原因を「配管の弁のボルトが緩んでいた」と発表。漏れた放射能は推定で約6万ベクレルで、国への報告基準値を下回っていたという。原子炉内を高圧の水が循環する1次冷却系のトラブルは深刻な問題である。なお、関電は再稼働作業中のトラブルについて「工程に影響を与えるものはその都度知らせる」としていたが、公表は約6時間後だった。

・2月26日に再稼働したばかりだった高浜原発4号機では、出力5%で送電を始めた29日午後2時頃、発電機と変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機が止まり、原子炉が自動で緊急停止し、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒がすべて差し込まれた。発送電の開始を報道陣に公開している最中のトラブルであった。関電は原発のトラブルを公表する基準を、公表しない「レベル0」から、速やかに公表する「レベル4」の5段階に分けており、今回は原子炉停止が必要なレベル4だった。送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高い。

関電資材運搬中のヘリ 美浜、十津川でそれぞれ1トン近くの資材を落下

・昨年3月1日午前10時頃、関電からの依頼で、電線の絶縁に使う部品「ガイシ」を鉄塔建て替え工事現場に運んでいたヘリコプターが、美浜町内の場外離着陸場を離陸した直後に、重さ約1トンの木箱を落とした。高度は約100 m であった。けが人はいなかった。国土交通省は、深刻な事故につながりかねない重大インシデントに認定した。

・8月5日午前10時半頃、関電の協力会社のヘリコプターが、奈良県五條市内のヘリポートから約3キロ離れた工事現場に運ぶ途中の約800キロの鉄板1枚を山中に落下させた。けが人や建物への被害はなかった。高度は約200メートルであった。

・国土交通省は重大インシデントと認定した。(なお、この事故は原発とは無関係。)

高浜原発1,2号機運転延長 関電課長自殺、特定職に負担集中:規制委審査は過密

・昨年4月20日、高浜原発1,2号機運転延長に関わっていた関電の課長が東京都内のホテルで自殺しているのが見つかった。同日、1、2号機運転延長審査の合格にあたる「審査書」が了承された。1、2号機について関電が原子力規制委員会に提出した資料は約8万7000ページに上っており、審査期限に間に合わせるよう、課長を含む担当職員は厳しい勤務状況にあったとみられる。高浜1、2号機の場合、1昨年3月の安全審査申請から昨年6月の運転延長認可まで、事務レベルでの会合は233回。亡くなった課長の残業が急増したとされる1~4月の4カ月間では、100回を数える。課長が全てには関わってはいないとみられるが、平日はほぼ毎日、複数回の打ち合わせがある過密日程であった。電力関係者は「(審査会合では)一つ資料を出すと、10個宿題が返ってくるような感じで、大変だとの話をよく聞いた」と証言する。

伊方原発 3号機の再稼働前後に相次ぐトラブル

・昨年7月14日、伊方原発内で実施した重大事故対応訓練で作業員2人が熱中症になり、原子力規制委員会から「作業手順に改善を要する点がある」として一部再訓練を指示された。

・7月16日、再稼働準備中の伊方原発3号機で、原子炉の冷却水を循環させるポンプから洗浄用の水が漏れ出ているのが見つかり、四国電力はポンプを緊急に停止した。洗浄水は、放射性物質を含む1次冷却水を循環させるポンプの軸を洗うためのもので、少なくとも数リットルが漏れ出した。カーボン製の部品を2つ組み合わせた部分にすき間ができて洗浄水が漏れたとみられる。復旧作業のため再稼働時期は8月にずれ込んだ。

・伊方原発3号機では、再稼働した8月12日以降もトラブルが続いた。8月26日に純水製造装置建屋内の配管のつなぎ目から水漏れが発生。亀裂が見つかったゴム製パッキンを交換する事態となった。

志賀(しか)原発 原子炉建屋内に雨水が流入

・昨年9月末、北陸電力志賀原発2号機(石川県)で6.6トンの雨水が原子炉建屋に流入した。原子力規制委員会は、重大なトラブルに発展した可能性が否定できないとして北陸電に再発防止策の報告を求めた。雨水流入は福島原発事故前の旧基準では想定しておらず、規制委は他原発の状況も調べる方針。 規制委によると、志賀原発では9月28日、1時間に約30ミリの降雨があり、構内道路が冠水。仮設ケーブルが通る地下空間を通して原子炉建屋の1階や地下に流れ込み、照明用の分電盤がショートした。降雨が排水用の仮設ポンプの容量を超えたことに加え、地下空間をふさぐふたに隙間(すきま)があったことや、原子炉建屋の床にあったひびを補修していなかったことが原因という。 浸水したエリアには、非常時に原子炉を冷やす機器に電源を送る配電盤や非常用の蓄電池など、重要度が特に高い設備があり、これらが水没して使えなくなる恐れがあった。2号機は再稼働を目指し、規制委の安全審査を受けている。

敦賀原発 作業員10人、1次冷却水浴びる

・昨年11月30日午前11頃、日本原電・敦賀原発2号機の原子炉補助建屋の地下2階で、作業員が高さ約1メートルの所にある配管の弁のボルトを緩めたところ、1次冷却水約160リットルが飛散した。日本原電は、作業員10人の衣服や顔に放射性物質を含んだ水がかかったが「けがや被ばくはない」としている。

島根原発 空調換気ダクトに腐食による穴19ヶ所が発覚

・昨年12月、島根原発2号機で中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトに腐食による穴(最大で30 cm×1 m)が19ヶ所あることが発覚。ダクトに使われる鋼鈑の厚みは、1.2~3.2 mm程度と薄く、腐蝕破損しやすい。海からの塩分により、腐食は加速する。

・長期使用、経年劣化による、ダクト、配管の腐食、配管の減肉厚等は当然考えられること。もしダクトの破損に気付かずに、放射能漏れ事故があれば中央制御室に外部から汚染空気が入り、作業員の被ばくを抑えることはできない。安全より経費削減を優先させる電力会社は事故が起きてからの応急処置しか考えていない。同様な腐食は全国の原発でも進んでいる。

このように、原発はトラブル続きです。原発は人類の手に負える装置ではありません。
したがって、脱原発、反原発は社会通念すなわち民意 となっています。この民意を反映して、一昨年、伊方町で行われた住民アンケートでは、原発再稼働反対が賛成の2倍でした、昨年の鹿児島県、新潟県の知事選では、脱原発を掲げる候補が圧勝しました。昨年末には、高浜原発の「地元中の地元」音海地区の自治会が、老朽原発運転反対を決議しました。国際的にも、ドイツ、イタリアに続いて、リトアニアが脱原発に向かい、昨年11月にはベトナムが原発建設計画を白紙撤回し、今年1月11日には台湾が脱原発法を成立させました。一方、この民意の故に、昨年3月9日、大津地裁は高浜原発の運転を差し止めました。(その抗告審が大阪地裁で行われ、2月にも決定が出されようとしています。)

大阪高裁の抗告審でも、民意に従った決定を勝ち取りましょう!
民意に敵対する関西電力を徹底的に糾弾し、原発全廃を勝ち取りましょう!

高浜原発という強欲(ごうよく)婆さんが音海の自然(大ダコ)から報復を受けたような話。
倒壊した高浜原発のクレーンは大ダコの足?

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民話:音海(おとみ)の大ダコ

今から,どのくらい昔のことだろうか。海は青く澄み,天気のよいのんびりとした日だった。

一人のおばあさんが,音海の岩場に岩海苔(いわのり)を採(と)りにやってきた。ざぶーん,ざぶーん。波が真っ白に砕けると,そこには美しい緑色をした岩海苔が,おいしそうに張りついている。
「どれどれ、今日はここいらの海苔を採るとしようかね」
おばあさんは,よっこらしょと腰をかがめると,岩海苔を採り始めた。夢中で仕事に精を出して,少し疲れたおばあさんは,腰をのばしてトントンとたたいた。すると,
「おや?」

隣の岩に目をやると,軟(やわ)らかそうな何かが動いているのが見えた。おそるおそる近寄って見ると,何と海の中からぐにゃりとのびたタコの足だった。
「こんな大きな足は見たことがない。よっぽど大きなタコに違いない」

おばあさんはそう呟(つぶや)くと,腰にさげたカマで一本だけ岩にのっている大ダコの足を切り落とした。しゅるしゅるー。大ダコの足はびっくりして,海の中に潜(もぐ)っていった。岩の上には,まだぐにゅぐにゅと動いている足の先っぽが残った。おばあさんは,それを篭(かご)の中に入れ,大急ぎで家に帰った。

あくる日,おばあさんは今日も岩海苔を採りにやってきた。すると,また岩場に大ダコの足がのっているではないか。
「今夜も,タコのごちそうや」
おばあさんはにこにこ顔で,またその足を切り落とした。

そんな日が一週間続き,お婆さんの家では七晩も思いがけないごちそうが続いた。
「さてと,今日は最後の一本だ」
少し残念に思いながら岩場にいってみると,やっぱり今日も大ダコの足はぐにゃぐにゃとそこにあった。
おばあさんはいつものように足めがけてカマを振りあげた。ところがその時,
「うわぁー」
大ダコの足はおばあさんの足に巻きつき,ものすごい力でおばあさんを海に引きずりこんだ。ばっしゃーん。あっという間に,おばあさんの姿は見えなくなってしまった。
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・高浜町教育委員会 編集・発行 平成4年3月 発刊『若狭高浜むかしばなし』より
・音海地区(おとみ:住民136人) ;高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない[地元中の地元」。同地区の自治会は、高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択した。

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

1.22「高浜原発うごかすな! 関電包囲全国集会」-ご報告とお礼-

・大阪高裁での高浜原発運転差し止め仮処分裁判・抗告審の決定を目前にした22日に開催された「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」に、寒風と氷雨の中、ご参加下さった皆様、本集会をご準備下さり、大成功にお導き下さった呼びかけ団体、実行委員、賛同者・団体の方々に心より感謝とお礼を申し上げます。22日は、デモ出発集会に400人、デモに600人、関電包囲集会に1000人の方が結集されました。この力をさらに拡大し、司法に脱原発・反原発の民意を反映した判断を求めると共に、人の命と尊厳をないがしろにする原発の再稼働の策動を粉砕しましょう!

1.22関電包囲全国集会実行委員会

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30km圏内に26万人の玄海原発

玄海原発再稼働を許すな!

・原子力規制委員会(規制委)は、18日の定例会合で、九州電力玄海原発3,4号機再稼働の前提となる新規制基準適合を認めた「審査書」を正式決定した。ただし、適合発表後も各施設の詳細設計に関する「工事計画」や運用管理体制を定めた「保安規定」の認可手続きのほか、地元同意を得る必要もあり、今までに再稼働した原発は、いずれも審査合格から再稼働まで1年程度かかっている。また、廃炉が決まった1号機、運転延長の判断をしていない2号機に燃料を装荷しない前提で審査しているため、将来2号機を再稼働する場合には、同時災害の想定などで改めて3、4号機の審査も必要になる。

・3、4号機が再稼働すれば、5年以内に使用済み燃料プールが満杯になる見通しであるが、九電は、燃料の間隔を狭めて貯蔵容量を高めるとしている。冷却不十分となるなど、危険極まりない。

・玄海原発再稼働については、玄海町は推進の立場であるが、周辺自治体の伊万里市などは反対を表明している。30 km 圏内には多数の離島があるが、事故時の離島住民の避難は極めて難しい。

3号機は危険なプルサーマル炉

・玄海3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル炉であるが、審査書案には特段の記載はない。規制委は、「厳しい新規制基準の下ではMOX燃料かどうかは議論にはならない」としている。しかし、プルサーマル炉は、次の例のように、ウラン燃料炉に比べて格段に危険である。

① MOX燃料では、ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化[プルトニウム239より重い元素(核種)が生成すること]が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム241等が生成されやすい。核燃料の高次化が進むと核分裂反応が阻害され、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。また、事故が発生した場合、従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなる。

② 原子炉内の中性子の密度が大きく、高出力。したがって、運転の過渡時(起動や停止時)に炉の制御性が悪くなる。(1/3 程度しか MOX を装荷できない。)

③ 核分裂生成物ガスとα線(ヘリウムガス)の放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなる。

④ MOX 燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であり、事故、廃棄物など、全ての点で危険度と経費が膨大に増える。(冷戦終結後、ウラン資源の需給は安定しており、再処理費までMOX燃料の製造コストと見なすと経済的に引き合わない。)

⑤ MOXにすれば融点は上るが、熱伝導率は下がり、電気抵抗率が上がり、燃料温度が高くなり、溶けやすくなる。

⑥ 一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れると、発熱量にムラが生じる。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなる。水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合に、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる。

既存原発のプルサーマル化は、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉でプルトニウムを燃すので、技術的な課題が多い。規制委はそのことを無視している。

玄海原発の概要

◆3号機

・加圧水型軽水炉(PWR) 118.0万kW
・低濃縮二酸化ウラン・MOX燃料 約89トン(t)193体
・運転開始 1994年3月18日
・建設費 3993億円
・2009年11月5日よりプルサーマル試運転
・同年12月2日より営業運転を開始
・MOX燃料費は、1回目18体10.7 tで139億6400万円。2回目20体13 tで150億8200万円

◆4号機

・加圧水型軽水炉(PWR) 118.0万kW
・低濃縮二酸化ウラン 約89 t 193体
・運転開始 1997年7月25日
・建設費 3244億円

◆住民

・5 km 圏内;約8,000人
・30 km 圏内;約260,000人(唐津、伊万里、松浦市を含む)
・60 km 圏内 福岡市;約1,500,000人、佐賀市;約240,000人、佐世保市;約300,000人、有明海北部も含む
・1号機は2015年廃炉決定、2号機は定期点検中。

玄海原発から30 km 圏内には26万人が暮らし、
60 km 圏内には大都市・福岡市、佐賀市、佐世保市があり、
海産物の宝庫・玄界灘、有明海がある。

・玄海原発から 5 km の圏内には約8千人、30 km 圏内には約26万人が生活している。また、60 km 圏内には150万人が暮らす福岡市を始め、佐賀市、佐世保市などもある。福島原発事故では、約50 km 離れた飯舘村も全村避難となったことを考え合わせると、重大事故では到底避難できない。この原発には玄海灘が接し、50 km 南には有明海があり、海産物の宝庫である。さらに、日本海は閉鎖水域であるから、福島事故並みの量の放射性物質が放出されれば、海を高濃度汚染させる。日本海を取り囲む国内各地はもとより、韓国、朝鮮、中国、ロシヤへの大きな被害も危惧される。

傲慢さに慣れ切った電力会社に、緊張感をもって原発を運転する資格はない

・電力会社にとって、原発再稼働は命運をかけた作業であったはずである。それにも拘らず、1昨年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の昨年2月20日,1次冷却系脱塩塔周辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が吹鳴し、原子炉が緊急停止した。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の7月17日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こした。何れも、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルである。これらの、一度ならず四度も起こったトラブルは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉などが進んでいることを示すとともに、傲慢で、安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた九電、関電、四電が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証している。

新規制基準はデタラメで、規制委の審査は無責任で、科学とは縁遠い
国民を愚弄する規制委審査

・規制委の田中俊一委員長は、昨年11月の定例会合後の会見で「福島のような事故を二度と繰り返さないために新規制基準を作り、適合性を厳密に見てきた」と、さも住民の安全を考えて審査したかのような発言をする一方、再稼働については「地元がどう判断するか規制委が関知することではない。地元の安心と審査は別の問題」と述べた。国民を愚ろうし、何が何でも原発再稼働に突っ走ろうという態度をますます露骨にしている。

・一方、田中委員長は、高浜原発1,2号機運転延長認可の発表にあたって、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べている。ここで、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。ところが、規制委の審査はこの過程を無視しており、したがって、科学とは縁遠いものである。原発に関して、実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故である。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にある。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然であり、大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘しているが、規制委はこの指摘を無視している。なお、川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働に関して、再稼働した全ての原発でトラブルが起こった事実は、再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。

最近のニュース

高浜原発の地元中の地元・音海地区自治会が老朽原発運転延長反対を決議し、立看板、のぼり旗を設置

・昨12月18日、高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない[地元中の地元」音海(おとみ)地区(住民136人)の自治会は、40年越えの老朽高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択した。

・12月19日の毎日新聞は、3、4号機の抗告審の結審が近いことに関連して、この採択が「考えてもらうのに良い時期だ」とする住民の意見も報道している。

・音海地区の住民は、反対を明記した看板(12月22日)やのぼり旗を設置した(1月10日)。

島根原発2号機で昨年12月、中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトに腐食による穴(最大で30 cm×1 m)が19ヶ所あることが発覚

・ダクトに使われる鋼鈑の厚みは、1.2~3.2 mm程度と薄く、腐蝕破損しやすい。海からの塩分により、腐食は加速する。

・長期使用、経年劣化による、ダクト、配管の腐食、配管の減肉厚等は当然考えられることである。もしダクトの破損に気付かずに、放射能漏れ事故があれば中央制御室に外部から汚染空気が入り、作業員の被ばくを抑えることはできない。安全より経費削減を優先させる電力会社は事故が起きてからの応急処置しか考えていない。同様な腐食は全国の原発でも進んでいる。

原発全廃の大きなうねりを!

・原発が人類と共存できないことは、チェルノブイリや福島の大惨事が、甚大な犠牲の上に教えています。全ての原発の再稼働を阻止し、原発を全廃し、現在と未来に不安のない社会を創りましょう!

・地震や火山噴火のような自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。事故が起こる前に、原発を全廃しましょう。

1.22「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」に大結集を!

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆1/13原発賠償 京都訴訟第21回期日の御礼と報告

みなさま
原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局の上野と申します。

13日(金)の原発賠償京都訴訟第21回期日の報告です。長文、ご容赦ください。

9時半に京都地裁に到着すると、すでに50~60名ぐらいの方が集まっておられました。最終的には130人ぐらいの方が来られたと思います。前回と同じように、抽選に当たった方のうち「午前中で帰られる方」を探したところ、ざっと7~8人ほど把握したのですが、実際に昼休み休廷となった時点で回収できた傍聴券は15枚でした。

昼休みに弁護士会館の地階大ホールに午後から傍聴を希望して来られた方が13名だったので、今回は無抽選となりました。車椅子で傍聴された方が3名(途中でさらに1名の方が参加)おられましたが、その方々の席を除いても、午後からは空席が目立ちました。傍聴券を預けずに、そのまま帰られた方がおられたのでしょう。

今回の原告本人尋問は、①健康被害を不安に思う避難者の代表、②身体に障がいのある避難者の代表、③避難を途中で諦めざるを得なかった避難者の代表の3人がロングタイム(主尋問30分、反対尋問30分)、それ以外に3人がショートタイム(主尋問5分、反対尋問20分)で行なわれました。因みに、3月8日の第24回期日以降はすべてショートタイム方式で行なわれます。

共同代表・萩原さんは、実際に自分や家族の身に生じた症状をあげ、健康不安について証言。食品の放射能検査についても、下限値が高いことや100ベクレル/㎏という食品基準は低レベル廃棄物として本来厳重に管理すべきものであること、チェルノブイリ法では年間1ミリSvを超える地域では移住の権利が認められていること、それ未満の地域でも雇用、医薬品の支給、健診などが保障されていることをしっかり証言しました。

反対尋問では、原告が話を聞いた野呂美加さんについて、東電の代理人が「専門家から批判されている人ではありませんか?」と質問する場面もありましたが、萩原さんは主尋問で、「山下俊一の講演も聞いたが、根拠を示さずに『安全だ』と言っていたので信用できない」と、被告側のいう「専門家」の実態についてもちゃんと批判していました。

午前中の証言は萩原さんだけ終わり、午後からは最初が鈴木絹江さん。鈴木さんは自身が運営していた施設の入所者(障がい者)の避難の大変さや事業所を閉鎖せざるを得なかったのつらさ、そして自分自身の避難に伴うさまざまな困難について証言しました。何か言いたいことはとの問いに、国や東電の責任の取り方があいまいであることを批判し、裁判長には「人として正義と真実に向き合えるよう、チャンスを与えてほしい」と要望しました。

それ以外の4人の原告も、それぞれの避難した経緯を述べ、被告側代理人の反対尋問にも堂々と答えました。そして、異口同音に「帰りたいという気持ちはあるが、元の状態に戻るまでは帰れない」と証言しました。夫の体調不良により福島に帰還した原告は「私たちに避難する権利があったと認めてほしい」と述べました。また、イギリス人と結婚している原告は、夫が海外の情報と日本国内での情報の違いやEUが輸入禁止している食品が日本国内では出回っていることなどから、日本で暮らしていくことに絶望しイギリスに帰ってしまったため、今はイギリスで家族で生活していることを証言しました。

被告側は相変わらず、原告がこれまでになかった症状が出たと証言すれば「病院には行ったか?」と問い、「行った」と答えると「その症状は放射線の影響だと診断されたか?」という質問を繰り返していました。ある支援者が感想に書いておられたように、再尋問で「放射線の影響ではないと言われましたか?」と問い返すことも必要ではないかと思いました。

今回は報告集会を行ないましたが、長丁場を終えたあとだけに、さすがに出席者はいつもの半分以下でした。原告のあいさつについて次のような感想が寄せられました。「『原告団メンバーの絆がつよくなっていて心強かった』という話を聞き、うれしくなりました。孤独になりがちなので、いい雰囲気の原告団にうれしくなりました」

最後に感想の中から、原告への激励メッセージを一つ紹介します。「本人尋問に立たれる原告は、証言台に立つ前にぜひ後ろを見て下さい。傍聴席に入れなかった人も含めて、みんなで全力で支えていきますから!!」

次回(1月27日)、次々回(2月17日)は専門家証人尋問です。次回は原告側証人、被告側証人それぞれの主尋問が行なわれ、次々回はそれぞれの反対尋問が行なわれます。

原告側証人は、元国会事故調委員で医学博士・高木学校メンバーの崎山比早子さんです。被告側証人は、①柴田義貞(長崎大学特任教授、福島県立医大県民健康管理調査事業特命教授)、②酒井一夫(放射線医学総合研究所・放射線防護研究セ ンター長)、③佐々木康人(特定医療法人・湘南鎌倉総合病院付属臨床研究センター・放射線治療研究センター長)の三人です。

傍聴席を満杯にして崎山さんを応援したいと思いますので、ぜひ裁判所にお越しください。

◆裁判官 様、2回目の訴え

【2017年1月11日,大阪高裁の4出入口で配付。2回目】

大阪高等裁判所 山下郁夫裁判長、杉江佳冶裁判官、吉川慎一裁判官 様

(昨年12月26日にもお願いしましたが、再度訴えます)

高浜原発運転差止め抗告審では
経済より,人を大切にするご判断をお願いします

1. 原発は現在科学技術で制御できる装置ではありません。

●原発が一旦重大事故を起こせば、その完全収束は不可能です。

・福島第一原発事故からもうすぐ6年になります。しかし、未だに事故炉の内部が詳(つまび)らかになったとするにはほど遠く、事故原因の確証も得られていません。

・汚染水は今でも増え続け、太平洋に漏洩されています。凍土壁は、当初から効果に否定的な意見が多いにも拘わらず、“汚染水抑制の切り札”として350億円以上の国費を投じて建設されましたが、東電が「全面凍結」を宣言して2か月経った今でも、その効果は限定的です(昨12月26日原子力規制委発表)。なお、凍土壁の維持には最大で家庭約1万3千軒の電力が必要と言われています。汚染水の除染も一部にとどまり、とくにトリチウムを除去する方法はありません。

・汚染土壌の除去は局所的で、表層に限られ、除去土壌を詰めたフレキシブルコンテナ(フレコン)バッグは、風化および放射線分解によって、ボロボロになろうとしています。

・チェルノブイリ原発事故からは4月で31年になります。この事故炉からの放射性物質の飛散を防ぐために炉を覆っていた「石棺」は老朽化し、崩壊の危機にさらされたため、「石棺」をさらに覆う「巨大シェルター」が建造されました。このように、事故炉の長期管理は困難を極めます。

・経産省は、12月9日、福島第1原発の廃炉、賠償などの事故対策費が、燃料デブリ(溶け落ちて固まった燃料)のり出し作業や除染作業の困難さ、賠償費の見込み違いにより、想定の11兆円から21兆5千億円に倍増することを公表しました。この事実は、原発重大事故の収束が科学的に困難であり、それ故、事故対策費の見積もりが本質的に不可能であることを実証しています。

●原発は、処理法も安全保管法もない使用済み核燃料、核廃棄物を残します。

・ウランやプルトニウムの原発燃料が核反応(燃焼)すると、各種の核分裂生成物(死の灰)、プルトニウムより重い元素(マイナーアクチニド)などが生成し、ごく一部のウランが反応した段階(大部分のウランは未反応のまま)で、原子炉の運転が困難になります。そこで、使用済み燃料を原子炉から取り出し、新しい燃料と交換しなければなりません。

・使用済核燃料は、原子炉に付置された燃料プールで3~5年間程度保管し、放射線量が低下した後、再処理するか、空冷で保管します。日本では、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていましたが、後述のように、危険極まりない再処理工場の運転は不可能とも言われています(裏面[注]をご覧ください)。再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中に保管する「直接処分」の方が安全で、廃棄物量も少ないとする考え方もあり、アメリカはその方向ですが、10万年以上の保管を要し、これも問題山積です。

・現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールと再処理工場(六ケ所村)の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

・再処理工場の一時保管スペース(容量3,000トン)の貯蔵量は、2012年9月で2,945トンに達しています。青森県は「現在一時預かりしている使用済み燃料は、再処理の前提が崩れれば、各原発に返す」と強調しています。

・若狭の原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割近くが使用済み燃料で埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。なお、使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉本体(圧力容器)に比べて、格段に脆弱で、冷却水喪失→メルトダウンの危険性が高いことは福島第1原発事故(4号機燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった)でも明らかになっています。

・一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットル(L)ドラム缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積していますが、その処分は極めて困難で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もありません。

使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面からも、原発は現代科学技術で制御できる装置でないことは明らかです。

●原発事故の原因を予知し、事故を完全に回避することは困難です。

・原発重大事故の要因の一つは大地震ですが、大地震が発生する時期や規模の予知は困難で、不可能と言っても過言ではありません。例えば、近年発生した阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本・大分大震災の時期と規模は誰も予測していませんでした。これらの地震も含めて、過去の大地震の多くが、深層にあって「未知の断層」と呼ばれる断層に起因しています。さらに、一つの断層の崩壊が、他の断層の崩壊を誘起することも、熊本・大分大震災が示唆しています。若狭にも、野坂断層、熊川断層、三方-花折断層、FO-A 断層など、多数の「既知の断層」がありますが、それに加えて、「未知の断層」に起因する大地震が発生する可能性もあります。それでも、電力会社や原子力規制委員会は地震の可能性や大きさを過小評価して、原発運転を強行しようとしています。本来、地震の多発する国に原発があってはならないのです。

・事故原因は、地震だけではありません。スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故の原因は、装置の欠陥や人の判断ミスです。重大事故に至る要因は、無数にあります。原発重大事故は、その被害の甚大性を考えるとき、起こってはならないものです。しかし、現代科学技術で、事故の原因である装置の異常や人の判断ミスを完全に防ぐことは困難です。

電力会社、規制委、政府は、上記のように現代科学技術で制御できないことが明白で、一旦重大事故が起これば、多くの人を傷つけ、命を奪い、故郷を奪う原発の再稼働に躍起です。これは、彼らが人の尊厳、生存の権利を犠牲にしても、経済発展を優先させようと考えているからです。

2. 高浜原発が重大事故を起こせば、避難は不可能に近く、避難できたとしても、故郷を失い、悲惨をきわめます。
事故の原因=原発を全廃することこそ原子力防災です。

・福島原発事故から約6年、チェルノブイリ原発事故から約31年、両事故避難された住民10数万人の大部分は、今でも財産と故郷を奪われたままです。福島事故に関連して、事故時の避難や復旧作業で亡くなられた方、避難生活の重圧で亡くなられた方、不安と悲観のために自ら命を絶たれた方が多数います(2千人に近いとも言われています)。また、多くの方が癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。

・ところで、昨8月27,28日に、内閣府、福井、滋賀、京都3府県および関西広域連合が主催する「平成28年度高浜・大飯地域における原子力防災訓練」が実施されました。

この、主催者が「国内最大級の規模」と自負する訓練を振り返っても、原発事故での避難の困難さが理解できます。

・27日の訓練を例とすれば、対象となった高浜原発から30 kmの圏内には、福井、京都、滋賀の12市町が含まれ、対象住民は179,400人ですが、今回の住民の参加者数は、屋内退避を含めて7,100人余りで、車両などでの避難に参加したのはわずか約1,300人で、それも県外への避難は約240人に留まりました。この規模は、重大事故時の避難の規模とはかけ離れた小ささです。

・27日の県外避難時に、85人のスクリーニングを行いましたが、このような少人数では、実際の場合の混乱の評価には繋がりません(測定器の数、測定者の数、汚染した人の除染に要する時間、汚染した車の処理等の規模が桁違いに異なります)。

・この訓練では、原発から5 km圏の住民の一部は船を使って避難するとしていましたが、船利用は悪天候のために、全て中止されました。大型ヘリによる輸送訓練も、悪天候のために中止されました。大地震に起因する事故では、道路が寸断され、海も利用できないことは十分予想されます。若狭湾での地震による事故を想定したにも関わらず、なぜ船での避難を計画し、気候条件に左右されやすい大型ヘリの利用を考えたのか、全く疑問です。

・高浜原発から50 km圏には、京都市、福知山市、高島市の多くの部分が含まれます。100 km圏には、京都府(人口約250万人)、滋賀県(人口約140万人)のほぼ全域、大阪駅、神戸駅を含む大阪府、兵庫県のかなりの部分が含まれます。このことと飯舘村(福島原発から50 km)が全村避難を強いられたこととを考え合わせれば、高浜原発で重大事故が起こったとき、数100万人が避難対象となる可能性が大であり、避難は不可能であることは自明です。この訓練では、そのことは、全く考えられていません。なお、50~100 km圏内には琵琶湖があり、1,450万人の飲用水の汚染も深刻な問題です。

・原発事故での避難は、数日間の旅行とは異なります。永遠に故郷に帰れない可能性が大であることは、福島やチェルノブイリが教えています。しかし、今回の避難訓練は、日帰りで移動するもので、長期避難の認識が全くと言って良いほどありません。

上述の訓練内容からは、この訓練が原発再稼働のための手続きの一環として実施されたものであるとしか考えられません。主催者が、この避難訓練から、再稼働に不都合な結論を導くことは無いでしょう。人の安全と尊厳は軽視されています。

3. 原発を推進し、避難者を汚染地域に帰還させる電力会社、政府、原子力規制委員会は、人の尊厳、生存の権利を蔑(ないがしろ)にしています。

・政府は、避難に関して、空間放射線量が20ミリシーベルト/年(mSv/y)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者に帰還を強要しています。この線量は、日本の平均値0.28 mSv/yの約70倍であり、チェルノブイリの移住義務基準5 mSv/yに比べても極めて高いと言えます。また、避難指示が解除された地域の電気、ガス、水道、交通網などの生活基盤の整備や、医療、介護などの生活関連サービスも復旧したとするには程遠い状態にあります。したがって、帰還の意志のある住民は少数にとどまり、ほとんどが高齢者です。今後、各世帯で分担してきた道路脇の草刈り、消防団活動、共同墓地の手入れなどの共同作業の担い手が不足し、後継者不足で地域が成り立たなくなることは明らかです。このような状況でも、強引に帰還を進めようとする政府は、帰還に応じない人への支援の打ち切りの恫喝も行っています。一方、福島県は、政府の意を受けて、自主避難者支援の打ち切りを決定しました。何れも、東電や政府の賠償負担や生活支援支出の軽減のためであり、責任回避のためです。人々の安全や生活の安寧を優先する考えは、いささかもありません。なお、自主避難に関して、各都道府県による今春以降の住宅支援に大きな温度差があり、支援を打ち出す自治体では、生活再建を図れる一方、支援が縮小される避難者は暮らしの基盤が揺らぎかねない事態になっています。

・政府の避難解除にあたっての姿勢は、自然災害の場合と変わらず、住民は原発事故という電力会社、財界、政府が一体となって引き起こした人災によって避難を強いられているという視点はありません。本来、原発を推進した政府や原子力ムラに、避難解除をうんぬんする資格はありません。彼らは、事故の責任の重さを噛みしめ、誠意ある償いに専念すべきです。避難解除を決定するのは、あくまでも住民でなければなりません。しかし、政府・与党は、住民の声を聴く前に、彼らの避難区域解除案(来年3月末解除)を既定路線として新聞発表するなど、住民切り捨ての態度に終始しています。

原発事故は、このような悲惨を産みます。再び事故が起こる前に全廃しなければなりません。

4. 脱原発・反原発は民意です。海外でも脱原発の動きが拡がっています。

・一昨年8月に愛媛県伊方町で、「伊方原発 50 km 圏内住民有志の会」が戸別訪問により実施した「はがきアンケート」では、原発再稼働反対51%、賛成27%、どちらとも言えない22%でした。伊方町民の民意は脱原発です。

・昨年3月9日、大津地裁は高浜原発3、4 号機の運転差止め仮処分を決定しました。司法は、本来、社会通念=民意を反映するところでなければなりません。この決定は、脱原発、反原発が民意であることを明らかにした勇気ある決定でした。

・7月10日の鹿児島県知事選挙、10月16日の新潟県知事選挙では、脱原発を主張する知事が誕生しました。 両県の民意を反映したものです。

・12月18日、高浜原発に隣接し、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない音海地区(住民136人)の自治会は、40年越えの老朽高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択しました。[地元中の地元」住民の民意です。

世界各国でも、脱原発の動きが拡がっています。

・10月、リトアニアの議会選挙で、反原発を掲げる農民・グリーン同盟が第1党になりました。なお、同国で2012年に行われた国民投票では、原発建設反対が6割を超えています。

・10月22日、台湾行政院(政府)は、再生可能エネルギー事業への民間参画を促進する電気事業法案を閣議決定しました。蔡英文政権は2025年に原発をゼロにすることを決断しています。

・11月22日、 ベトナムが日本からの原発輸入を白紙撤回し、原発建設を断念ました。経済より国民の安心安全を優先させたのです。

・この他、ドイツは、1990年代に脱原発を決定し、福島事故後、2022年までの全廃を決定しました、イタリアでは、2011年に国民投票が行われ、94%が脱原発の意志を示しました。アメリカでも、福島原発と同型の原発の全廃を発表し、2013年のキウォニー原発廃炉以来、9原発10基が廃炉あるいは廃炉決定をしています。10年以内に計15~20基の廃炉の可能性があると言われています。天然ガスなどに比べて操業コストが高く、採算が取れないことが理由です。イスラエル、ベネズエラ、クウェート、アメリカなどで原発計画が中止され、アメリカ、フランス、ロシアなどの原発大国でも脱原発派が多数になっています。

5.その他、昨年12月26日のチラシでも明らかにしましたように、

傲慢さに慣れ切った電力会社に原発を運転する資格はありません:原子力制委員会の審査は無責任で、科学とは縁遠いものです:原発は経済的にも成り立たない装置です:原発は無くても電気は足りています。

私たちは、司法の良心を信じています
原発再稼働を許さないで下さい

[注]再処理工場の危険性
・再処理工程では、燃料棒を切断して、鞘(さや)から使用済燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解します。溶解までの過程で、鞘の中に閉じ込められていた「死の灰」などが解放され、外部に放出されかねません。とくに気体(希ガスなど)の完全閉じ込めは困難です。溶解したウラン、プルトニウム、死の灰などを含む高濃度硝酸溶液中のウラン、プルトニウムは、これらの元素と結合しやすい試薬を含む有機溶媒を用いて取り出し(溶媒抽出)、さらに精製して核燃料の原料とします。この過程で、硝酸の分解ガスが発生し、爆発したこともあります。また、死の灰などの不要物質が、長期保管を要する高レベル(高放射線)廃棄物として大量に発生します。その処理・処分法は提案されていますが、長期の安全保管に耐える方法はなく、保管を受け入れる場所もありません。

・使用済核燃料は高放射線ですから、再処理工程の多くは、流れ系を採用し、遠隔自動操作で運転されます。そのため、再処理工場には、約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300 km にも及びます(ウラン、プルトニウム、死の灰が含まれる部分は約60 km:継ぎ目の数は約26,000箇所)。高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸が流れている容器や配管の腐蝕(とくに継ぎ目)、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がありません。長い配管を持つプラントは、地震に弱いことは容易にうなづけます。再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2 兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途は立っていません。

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原発 2016年の出来事

【2017年1月4日,若狭地域で配付。】

トラブル続きの原発再稼働

・2015年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の2016年2月20日,1次冷却系脱塩塔周辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が鳴り響き、原子炉が緊急停止しました。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の去る7月17日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。何れも、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルです。

・電力会社は、一度ならず四度も、それも再稼働を進める全ての電力会社でトラブルを起こしているのです。これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉(厚みの減少)、部品の摩耗などが進んでいること、また、傲慢で安全性軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、規制委が適合とした全ての原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨

脱原発、反原発は民意=社会通念であることが鮮明になりました

◆3月9日、大津地裁が高浜原発3、4 号機運転差止め仮処分を決定しました

・稼働中の原発の停止を司法が求めた世界初の決定です。この決定は、京都新聞「京都、滋賀 2016年10大ニュース」の1位に選ばれました。

・司法は、本来、社会通念すなわち民意を反映するところでなければなりません。大津地裁の決定は、脱原発、反原発が民意であることを明らかにした勇気ある決定でした。

・ところが、この決定に対して、関電は異議を申し立て、大阪高裁に抗告しました。この抗告審の決定は、2月にも出されようとしています。もし、逆転判決が出れば、2月中の再稼働の可能性があります。

・私たちは、このような状況の中で、敢然と「原発NO!」の声を関電に突きつけ、大阪高裁の決定前に、「脱原発・反原発」の断固とした民意を司法に示さなければなりません。

◆原発を主要な争点とした 鹿児島県知事選挙(7月10日)、新潟県知事選挙(10月16日)で脱原発を主張する知事が誕生しました

・この選挙結果は、原発立地県にあっても、脱原発が社会通念すなわち民意であることを実証しています。

・このような勝利にとって重要なことは、選挙そのものだけではありません。両知事選では、福島事故以降の反原発運動の高揚があったからこそ、また、原発を争点にしたゆえに勝利できたのだと思われます

・これらの選挙結果は、国民の60~80%が願う「脱原発・反原発」は、勝利の可能性が高い課題であることも示しています。

・選挙戦に勝利するには、それを支える民衆の運動の高揚が大切です。「脱原発・反原発」を掲げて、創意と工夫を凝らして、韓国のような大きな運動を展開しましょう。

◆11月22日、 ベトナムが日本からの原発輸入を白紙撤回しました

・ベトナム国会は、11月22日に、日本とロシアの受注が決まっていたベトナム初の原発建設計画を中止すること決定しました。建設コストの増大と国内財政の悪化が原因とされます。ベトナムは、国民の大きな負担となる原発建設を見直しているのです。安倍政権はベトナムを原発輸出の「モデルケース」としていましたので、ベトナムが取り消したことは、安倍政権の原発輸出戦略に深刻な打撃となります。

・福島の大惨事を経験した私たちは、原発輸出の暴挙を許さない大きな声をあげ、世界の反原発運動に連帯しなければなりません。

◆12月18日、高浜原発に隣接する音海(おとみ)地区の自治会が、老朽原発の運転延長に反対する意見書を採択しました

・高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない[地元中の地元」音海(住民136人)地区の自治会は、40年越えの老朽高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択しました。12月19日毎日新聞朝刊は、3、4号機の抗告審の結審が近いことに関連して、この採択が「考えてもらうのに良い時期だ」とする住民の意見も報道しています。

・原発全廃を訴える私たちにとって、本当に嬉しい出来事でした。

・音海地区の住民は、早速の22日、反対を明記した看板を釣り場や県道脇に設置しました。

◆12月9日、経済産業省は、東電福島第1原発の廃炉、賠償などの事故対策費用が、従来想定の11兆円から21兆5千億円に倍増することを公表しました

・燃料デブリ(溶け落ちて固まった核燃料)の取り出し作業や除染作業の困難さ、賠償費の見込み違いとされる。廃炉にとって、デブリ取出しは当然の作業であり、十分な賠償は東電や国の責任であるにもかかわらず、その経費の想定を誤った彼らの杜撰(ずさん)さは許されるものではありません。なお、原発の廃炉費は、原発を持つ電力会社が自社の電気料金収入からまかなうのが原則で、福島第一原発も例外ではありませんが、9日に示された金額はその域を大きく超え、東電や政府は新たな国民負担(電力料金に添加、税金の投入など)を求めています。4月の電力自由化で参入した「新電力」にも負担を求めるとしています。

・ところで、本年度の日本の税収は約58兆円ですが、これに比べても、20数兆円の事故対策費が国民の大きな負担であることは明らかです。それでも、政府、規制委員会、電力会社は、原発の再稼働に躍起です。もし、次の原発重大事故が若狭で起これば、100 km 圏内にある京都府、滋賀県の全域、大阪府のかなりの部分、1,450万人の水源・琵琶湖が汚染されかねません。福島事故では、50 km 離れた飯舘村も全村避難でした。このことを考え合わせれば、若狭の原発事故では、数百万人が避難を強いられ、故郷を失う可能性があります。被曝なしでの避難は、到底不可能で、事故対策費は数百兆円を超えるとも考えられます。そうなれば、国の経済は疲弊し、国民の生活が蹂躙(じゅうりん)されます。

◆12月21日、政府は、「もんじゅ」廃炉を正式決定しました

・「もんじゅ」は、多くの技術的な無謀性、困難性、危険性の指摘を無視して、約6,000億円をかけて建設され、1991年に運転を開始しましたが、1995年にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年には重さ3トンの炉内中継装置の落下事故を起こし、近年は1万件を上回る点検漏れを指摘されています。「もんじゅ」は、今までに、少なくとも1兆2千億円を浪費し、今でも年間200億円を無駄遣いしています。それでも、運転に漕ぎ着けられない「もんじゅ」が、現代科学技術で制御できる装置ではないことは明らかです。その「もんじゅ」を、「夢の原子炉」と偽って国民を騙し続けようとするから、事故や点検漏れが多発し、事故や違反を隠ぺいせざるを得なかったのです。

政府は、看板の掛け替えによって、高速炉を維持し、核燃料サイクルを推進しようとしています。「もんじゅ」の廃炉は、長期にわたる粘り強い反対運動の成果ですが、喜んでばかりはいられません。

・政府は、破綻した「もんじゅ」だけを切り捨て、それによって原子力政策への不信の矛先をかわし、別の高速炉計画を立ち上げ、荒唐無稽な核燃料サイクルをさらに推進し、全ての原発のプルサーマル化によって、プルトニウム利用に突っ走ろうとしています。とくに、原子力政策全般を取り仕切る経産省は、「もんじゅ」なしでも成立する核燃料サイクルのシナリオをアピールし始めました。「もんじゅ」で制御不可能が実証された高速増殖炉についても、これを断念するどころか、「高速炉開発会議」を新設して、その開発計画を存続させようとしているます。また、高速増殖炉、高速炉の存続とプルトニウム利用のために、使用済み核燃料の再処理を含む核燃料サイクルを推進しようとしています。その具体例として、超老朽高速実験炉「常陽」の再稼働、フランスの高速炉(アストリッド)での共同研究への参加などを目論んでいます。なお、アストリッドの開発費は総額約5700億円を要する(今後膨れ上がる可能性あり)とされ、フランス政府は、日本に半額負担を要請しています。

2017年を原発全廃の年へ!経済優先の安倍政権と決別し、
人が大切にされる社会を創ろう!

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)
配布協力:再稼働阻止全国ネットワーク

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