30km圏内に26万人の玄海原発

玄海原発再稼働を許すな!

・原子力規制委員会(規制委)は、18日の定例会合で、九州電力玄海原発3,4号機再稼働の前提となる新規制基準適合を認めた「審査書」を正式決定した。ただし、適合発表後も各施設の詳細設計に関する「工事計画」や運用管理体制を定めた「保安規定」の認可手続きのほか、地元同意を得る必要もあり、今までに再稼働した原発は、いずれも審査合格から再稼働まで1年程度かかっている。また、廃炉が決まった1号機、運転延長の判断をしていない2号機に燃料を装荷しない前提で審査しているため、将来2号機を再稼働する場合には、同時災害の想定などで改めて3、4号機の審査も必要になる。

・3、4号機が再稼働すれば、5年以内に使用済み燃料プールが満杯になる見通しであるが、九電は、燃料の間隔を狭めて貯蔵容量を高めるとしている。冷却不十分となるなど、危険極まりない。

・玄海原発再稼働については、玄海町は推進の立場であるが、周辺自治体の伊万里市などは反対を表明している。30 km 圏内には多数の離島があるが、事故時の離島住民の避難は極めて難しい。

3号機は危険なプルサーマル炉

・玄海3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル炉であるが、審査書案には特段の記載はない。規制委は、「厳しい新規制基準の下ではMOX燃料かどうかは議論にはならない」としている。しかし、プルサーマル炉は、次の例のように、ウラン燃料炉に比べて格段に危険である。

① MOX燃料では、ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化[プルトニウム239より重い元素(核種)が生成すること]が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム241等が生成されやすい。核燃料の高次化が進むと核分裂反応が阻害され、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。また、事故が発生した場合、従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなる。

② 原子炉内の中性子の密度が大きく、高出力。したがって、運転の過渡時(起動や停止時)に炉の制御性が悪くなる。(1/3 程度しか MOX を装荷できない。)

③ 核分裂生成物ガスとα線(ヘリウムガス)の放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなる。

④ MOX 燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であり、事故、廃棄物など、全ての点で危険度と経費が膨大に増える。(冷戦終結後、ウラン資源の需給は安定しており、再処理費までMOX燃料の製造コストと見なすと経済的に引き合わない。)

⑤ MOXにすれば融点は上るが、熱伝導率は下がり、電気抵抗率が上がり、燃料温度が高くなり、溶けやすくなる。

⑥ 一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れると、発熱量にムラが生じる。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなる。水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合に、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる。

既存原発のプルサーマル化は、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉でプルトニウムを燃すので、技術的な課題が多い。規制委はそのことを無視している。

玄海原発の概要

◆3号機

・加圧水型軽水炉(PWR) 118.0万kW
・低濃縮二酸化ウラン・MOX燃料 約89トン(t)193体
・運転開始 1994年3月18日
・建設費 3993億円
・2009年11月5日よりプルサーマル試運転
・同年12月2日より営業運転を開始
・MOX燃料費は、1回目18体10.7 tで139億6400万円。2回目20体13 tで150億8200万円

◆4号機

・加圧水型軽水炉(PWR) 118.0万kW
・低濃縮二酸化ウラン 約89 t 193体
・運転開始 1997年7月25日
・建設費 3244億円

◆住民

・5 km 圏内;約8,000人
・30 km 圏内;約260,000人(唐津、伊万里、松浦市を含む)
・60 km 圏内 福岡市;約1,500,000人、佐賀市;約240,000人、佐世保市;約300,000人、有明海北部も含む
・1号機は2015年廃炉決定、2号機は定期点検中。

玄海原発から30 km 圏内には26万人が暮らし、
60 km 圏内には大都市・福岡市、佐賀市、佐世保市があり、
海産物の宝庫・玄界灘、有明海がある。

・玄海原発から 5 km の圏内には約8千人、30 km 圏内には約26万人が生活している。また、60 km 圏内には150万人が暮らす福岡市を始め、佐賀市、佐世保市などもある。福島原発事故では、約50 km 離れた飯舘村も全村避難となったことを考え合わせると、重大事故では到底避難できない。この原発には玄海灘が接し、50 km 南には有明海があり、海産物の宝庫である。さらに、日本海は閉鎖水域であるから、福島事故並みの量の放射性物質が放出されれば、海を高濃度汚染させる。日本海を取り囲む国内各地はもとより、韓国、朝鮮、中国、ロシヤへの大きな被害も危惧される。

傲慢さに慣れ切った電力会社に、緊張感をもって原発を運転する資格はない

・電力会社にとって、原発再稼働は命運をかけた作業であったはずである。それにも拘らず、1昨年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の昨年2月20日,1次冷却系脱塩塔周辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が吹鳴し、原子炉が緊急停止した。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の7月17日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こした。何れも、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルである。これらの、一度ならず四度も起こったトラブルは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉などが進んでいることを示すとともに、傲慢で、安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた九電、関電、四電が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証している。

新規制基準はデタラメで、規制委の審査は無責任で、科学とは縁遠い
国民を愚弄する規制委審査

・規制委の田中俊一委員長は、昨年11月の定例会合後の会見で「福島のような事故を二度と繰り返さないために新規制基準を作り、適合性を厳密に見てきた」と、さも住民の安全を考えて審査したかのような発言をする一方、再稼働については「地元がどう判断するか規制委が関知することではない。地元の安心と審査は別の問題」と述べた。国民を愚ろうし、何が何でも原発再稼働に突っ走ろうという態度をますます露骨にしている。

・一方、田中委員長は、高浜原発1,2号機運転延長認可の発表にあたって、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べている。ここで、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。ところが、規制委の審査はこの過程を無視しており、したがって、科学とは縁遠いものである。原発に関して、実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故である。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にある。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然であり、大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘しているが、規制委はこの指摘を無視している。なお、川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働に関して、再稼働した全ての原発でトラブルが起こった事実は、再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。

最近のニュース

高浜原発の地元中の地元・音海地区自治会が老朽原発運転延長反対を決議し、立看板、のぼり旗を設置

・昨12月18日、高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない[地元中の地元」音海(おとみ)地区(住民136人)の自治会は、40年越えの老朽高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択した。

・12月19日の毎日新聞は、3、4号機の抗告審の結審が近いことに関連して、この採択が「考えてもらうのに良い時期だ」とする住民の意見も報道している。

・音海地区の住民は、反対を明記した看板(12月22日)やのぼり旗を設置した(1月10日)。

島根原発2号機で昨年12月、中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトに腐食による穴(最大で30 cm×1 m)が19ヶ所あることが発覚

・ダクトに使われる鋼鈑の厚みは、1.2~3.2 mm程度と薄く、腐蝕破損しやすい。海からの塩分により、腐食は加速する。

・長期使用、経年劣化による、ダクト、配管の腐食、配管の減肉厚等は当然考えられることである。もしダクトの破損に気付かずに、放射能漏れ事故があれば中央制御室に外部から汚染空気が入り、作業員の被ばくを抑えることはできない。安全より経費削減を優先させる電力会社は事故が起きてからの応急処置しか考えていない。同様な腐食は全国の原発でも進んでいる。

原発全廃の大きなうねりを!

・原発が人類と共存できないことは、チェルノブイリや福島の大惨事が、甚大な犠牲の上に教えています。全ての原発の再稼働を阻止し、原発を全廃し、現在と未来に不安のない社会を創りましょう!

・地震や火山噴火のような自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。事故が起こる前に、原発を全廃しましょう。

1.22「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」に大結集を!

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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