◆クレーン倒壊と音海(おとみ)の大ダコ

【2017年1月27日,京都キンカンで配付。】

人の命と尊厳を軽視する傲慢(ごうまん)さの故(ゆえ)に、また事故が!
電力会社には、安全管理の体質、能力がない

高浜原発クレーン倒壊

・1月20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原発で、2号機の安全対策工事に使うクレーン(アーム部分の長さは約112メートル)が倒れた。

・原子炉補助建屋の一部が壊れ、使用済み燃料プールがある建屋の屋根の一部が壊れたが、天井からの落下物はなく、燃料に影響はないという。中央制御室にいた運転員が大きな音を聞き確認すると、クレーンが倒れていた。関電によると、周辺環境への影響はなく、けが人もいない。

・2号機は40年を超える老朽原発で、2020年に安全対策工事を完了する予定。コンクリート製のドーム屋根を原子炉格納容器の上部に設置する準備をしていた。

・強風が吹いていたというが、強風程度で倒れるクレーンの設置は、極めて杜撰で、安全無視と言わざるを得ない

トラブル続きの原発再稼働

・一昨年以来、再稼働した川内原発1号機、高浜原発4号機、伊方原発3号機は、何れも、再稼働前後に、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルを起こした(裏面参照)。再稼働を進める全ての電力会社でトラブルを起こしている。トラブル率100%である。

・これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や肉厚の減少、部品の摩耗などが進んでいることを示し、傲慢で安全性軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証している。さらに、原子力規制委員会(規制委)が適合とした全ての原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。

原発事故は人の命と尊厳、故郷を奪い、復旧は不可能に近い。
原発でのトラブルは許されない。
トラブル続きの原発(川内原発再稼働以降の原発関連トラブル)

川内原発 再稼働直後に復水器の細管5本の損傷が発覚

・一昨年8月11日に再稼働した九州電力川内原発1号機では、再稼働直後の8月20日、復水器内の塩分濃度が上がったことを示す警報が出た。発電に使った蒸気を冷やす「復水器」の中の細管(直径25ミリ)5本が損傷し、細管内を流れる海水が外側の2次冷却水に混入した。損傷した細管に栓をして原発を運転しているが、細管は約8万本あり、他の細管も損傷の可能性がある。2次冷却水に塩分が混じれば、2次系の配管も腐蝕しやすくなり、原子炉内を回り、放射性物質を含む高圧の1次冷却水が2次冷却水に噴出し、重大事故に繋がる可能性もある。

高浜原発 再稼働準備中に水漏れ:再稼働直後に変圧器異常で緊急停止

・関西電力高浜原発4号機では、再稼働準備中であった昨年2月20日、原子炉補助建屋で、放射性物質を含む水たまりが見つかった。計約34リットルの水が漏れた。水漏れが見つかったのは、原発の運転中に必ず使う1次冷却水の浄化設備。設備の一部に水を通したところ警報が鳴り、発覚した。関電は、原因を「配管の弁のボルトが緩んでいた」と発表。漏れた放射能は推定で約6万ベクレルで、国への報告基準値を下回っていたという。原子炉内を高圧の水が循環する1次冷却系のトラブルは深刻な問題である。なお、関電は再稼働作業中のトラブルについて「工程に影響を与えるものはその都度知らせる」としていたが、公表は約6時間後だった。

・2月26日に再稼働したばかりだった高浜原発4号機では、出力5%で送電を始めた29日午後2時頃、発電機と変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機が止まり、原子炉が自動で緊急停止し、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒がすべて差し込まれた。発送電の開始を報道陣に公開している最中のトラブルであった。関電は原発のトラブルを公表する基準を、公表しない「レベル0」から、速やかに公表する「レベル4」の5段階に分けており、今回は原子炉停止が必要なレベル4だった。送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高い。

関電資材運搬中のヘリ 美浜、十津川でそれぞれ1トン近くの資材を落下

・昨年3月1日午前10時頃、関電からの依頼で、電線の絶縁に使う部品「ガイシ」を鉄塔建て替え工事現場に運んでいたヘリコプターが、美浜町内の場外離着陸場を離陸した直後に、重さ約1トンの木箱を落とした。高度は約100 m であった。けが人はいなかった。国土交通省は、深刻な事故につながりかねない重大インシデントに認定した。

・8月5日午前10時半頃、関電の協力会社のヘリコプターが、奈良県五條市内のヘリポートから約3キロ離れた工事現場に運ぶ途中の約800キロの鉄板1枚を山中に落下させた。けが人や建物への被害はなかった。高度は約200メートルであった。

・国土交通省は重大インシデントと認定した。(なお、この事故は原発とは無関係。)

高浜原発1,2号機運転延長 関電課長自殺、特定職に負担集中:規制委審査は過密

・昨年4月20日、高浜原発1,2号機運転延長に関わっていた関電の課長が東京都内のホテルで自殺しているのが見つかった。同日、1、2号機運転延長審査の合格にあたる「審査書」が了承された。1、2号機について関電が原子力規制委員会に提出した資料は約8万7000ページに上っており、審査期限に間に合わせるよう、課長を含む担当職員は厳しい勤務状況にあったとみられる。高浜1、2号機の場合、1昨年3月の安全審査申請から昨年6月の運転延長認可まで、事務レベルでの会合は233回。亡くなった課長の残業が急増したとされる1~4月の4カ月間では、100回を数える。課長が全てには関わってはいないとみられるが、平日はほぼ毎日、複数回の打ち合わせがある過密日程であった。電力関係者は「(審査会合では)一つ資料を出すと、10個宿題が返ってくるような感じで、大変だとの話をよく聞いた」と証言する。

伊方原発 3号機の再稼働前後に相次ぐトラブル

・昨年7月14日、伊方原発内で実施した重大事故対応訓練で作業員2人が熱中症になり、原子力規制委員会から「作業手順に改善を要する点がある」として一部再訓練を指示された。

・7月16日、再稼働準備中の伊方原発3号機で、原子炉の冷却水を循環させるポンプから洗浄用の水が漏れ出ているのが見つかり、四国電力はポンプを緊急に停止した。洗浄水は、放射性物質を含む1次冷却水を循環させるポンプの軸を洗うためのもので、少なくとも数リットルが漏れ出した。カーボン製の部品を2つ組み合わせた部分にすき間ができて洗浄水が漏れたとみられる。復旧作業のため再稼働時期は8月にずれ込んだ。

・伊方原発3号機では、再稼働した8月12日以降もトラブルが続いた。8月26日に純水製造装置建屋内の配管のつなぎ目から水漏れが発生。亀裂が見つかったゴム製パッキンを交換する事態となった。

志賀(しか)原発 原子炉建屋内に雨水が流入

・昨年9月末、北陸電力志賀原発2号機(石川県)で6.6トンの雨水が原子炉建屋に流入した。原子力規制委員会は、重大なトラブルに発展した可能性が否定できないとして北陸電に再発防止策の報告を求めた。雨水流入は福島原発事故前の旧基準では想定しておらず、規制委は他原発の状況も調べる方針。 規制委によると、志賀原発では9月28日、1時間に約30ミリの降雨があり、構内道路が冠水。仮設ケーブルが通る地下空間を通して原子炉建屋の1階や地下に流れ込み、照明用の分電盤がショートした。降雨が排水用の仮設ポンプの容量を超えたことに加え、地下空間をふさぐふたに隙間(すきま)があったことや、原子炉建屋の床にあったひびを補修していなかったことが原因という。 浸水したエリアには、非常時に原子炉を冷やす機器に電源を送る配電盤や非常用の蓄電池など、重要度が特に高い設備があり、これらが水没して使えなくなる恐れがあった。2号機は再稼働を目指し、規制委の安全審査を受けている。

敦賀原発 作業員10人、1次冷却水浴びる

・昨年11月30日午前11頃、日本原電・敦賀原発2号機の原子炉補助建屋の地下2階で、作業員が高さ約1メートルの所にある配管の弁のボルトを緩めたところ、1次冷却水約160リットルが飛散した。日本原電は、作業員10人の衣服や顔に放射性物質を含んだ水がかかったが「けがや被ばくはない」としている。

島根原発 空調換気ダクトに腐食による穴19ヶ所が発覚

・昨年12月、島根原発2号機で中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトに腐食による穴(最大で30 cm×1 m)が19ヶ所あることが発覚。ダクトに使われる鋼鈑の厚みは、1.2~3.2 mm程度と薄く、腐蝕破損しやすい。海からの塩分により、腐食は加速する。

・長期使用、経年劣化による、ダクト、配管の腐食、配管の減肉厚等は当然考えられること。もしダクトの破損に気付かずに、放射能漏れ事故があれば中央制御室に外部から汚染空気が入り、作業員の被ばくを抑えることはできない。安全より経費削減を優先させる電力会社は事故が起きてからの応急処置しか考えていない。同様な腐食は全国の原発でも進んでいる。

このように、原発はトラブル続きです。原発は人類の手に負える装置ではありません。
したがって、脱原発、反原発は社会通念すなわち民意 となっています。この民意を反映して、一昨年、伊方町で行われた住民アンケートでは、原発再稼働反対が賛成の2倍でした、昨年の鹿児島県、新潟県の知事選では、脱原発を掲げる候補が圧勝しました。昨年末には、高浜原発の「地元中の地元」音海地区の自治会が、老朽原発運転反対を決議しました。国際的にも、ドイツ、イタリアに続いて、リトアニアが脱原発に向かい、昨年11月にはベトナムが原発建設計画を白紙撤回し、今年1月11日には台湾が脱原発法を成立させました。一方、この民意の故に、昨年3月9日、大津地裁は高浜原発の運転を差し止めました。(その抗告審が大阪地裁で行われ、2月にも決定が出されようとしています。)

大阪高裁の抗告審でも、民意に従った決定を勝ち取りましょう!
民意に敵対する関西電力を徹底的に糾弾し、原発全廃を勝ち取りましょう!

高浜原発という強欲(ごうよく)婆さんが音海の自然(大ダコ)から報復を受けたような話。
倒壊した高浜原発のクレーンは大ダコの足?

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民話:音海(おとみ)の大ダコ

今から,どのくらい昔のことだろうか。海は青く澄み,天気のよいのんびりとした日だった。

一人のおばあさんが,音海の岩場に岩海苔(いわのり)を採(と)りにやってきた。ざぶーん,ざぶーん。波が真っ白に砕けると,そこには美しい緑色をした岩海苔が,おいしそうに張りついている。
「どれどれ、今日はここいらの海苔を採るとしようかね」
おばあさんは,よっこらしょと腰をかがめると,岩海苔を採り始めた。夢中で仕事に精を出して,少し疲れたおばあさんは,腰をのばしてトントンとたたいた。すると,
「おや?」

隣の岩に目をやると,軟(やわ)らかそうな何かが動いているのが見えた。おそるおそる近寄って見ると,何と海の中からぐにゃりとのびたタコの足だった。
「こんな大きな足は見たことがない。よっぽど大きなタコに違いない」

おばあさんはそう呟(つぶや)くと,腰にさげたカマで一本だけ岩にのっている大ダコの足を切り落とした。しゅるしゅるー。大ダコの足はびっくりして,海の中に潜(もぐ)っていった。岩の上には,まだぐにゅぐにゅと動いている足の先っぽが残った。おばあさんは,それを篭(かご)の中に入れ,大急ぎで家に帰った。

あくる日,おばあさんは今日も岩海苔を採りにやってきた。すると,また岩場に大ダコの足がのっているではないか。
「今夜も,タコのごちそうや」
おばあさんはにこにこ顔で,またその足を切り落とした。

そんな日が一週間続き,お婆さんの家では七晩も思いがけないごちそうが続いた。
「さてと,今日は最後の一本だ」
少し残念に思いながら岩場にいってみると,やっぱり今日も大ダコの足はぐにゃぐにゃとそこにあった。
おばあさんはいつものように足めがけてカマを振りあげた。ところがその時,
「うわぁー」
大ダコの足はおばあさんの足に巻きつき,ものすごい力でおばあさんを海に引きずりこんだ。ばっしゃーん。あっという間に,おばあさんの姿は見えなくなってしまった。
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・高浜町教育委員会 編集・発行 平成4年3月 発刊『若狭高浜むかしばなし』より
・音海地区(おとみ:住民136人) ;高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前を通らざるを得ない[地元中の地元」。同地区の自治会は、高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択した。

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

1.22「高浜原発うごかすな! 関電包囲全国集会」-ご報告とお礼-

・大阪高裁での高浜原発運転差し止め仮処分裁判・抗告審の決定を目前にした22日に開催された「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」に、寒風と氷雨の中、ご参加下さった皆様、本集会をご準備下さり、大成功にお導き下さった呼びかけ団体、実行委員、賛同者・団体の方々に心より感謝とお礼を申し上げます。22日は、デモ出発集会に400人、デモに600人、関電包囲集会に1000人の方が結集されました。この力をさらに拡大し、司法に脱原発・反原発の民意を反映した判断を求めると共に、人の命と尊厳をないがしろにする原発の再稼働の策動を粉砕しましょう!

1.22関電包囲全国集会実行委員会

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