◆大飯原発再稼働を許すな!

【2017年2月24日,京都キンカンで配付。】

22日、規制委が新規制基準適合の「審査書案」を了承

再稼働ありきの出来レース・国民だましの審査

・原子力規制委員会(規制委)は、2月22日の定例会合で、関西電大飯原発3,4号機が新規制基準を満たしているとする「審査書案]を了承した。事実上の再稼働検査合格である。これで、規制委は、関電が審査を申請した全ての原発を合格としたことになる。なお、大飯原発3,4号機の再稼働審査は大幅に遅れた。その理由の一つは、老朽原発高浜1、2号機、美浜3号機の審査を優先させたためである。老朽原発は、運転開始から40年になる前に規制委の正式認可を受けなければならないので、規制委は、老朽原発審査を優先したのである。この一事からも、どんな手段を用いても申請された全原発の再稼働を進めようとする規制委の姿勢が見て取れる。

—————————————-

大飯原発3,4号機の「審査書案」の概要

基準値振動は最大加速度856ガル
耐震重要施設付近の断層は将来活動する可能性はない
重要施設がある敷地の高さは9.7 m で津波は流入しない
炉心損傷防止対策や格納容器破損防止対策として複数のケースを審査した結果、関電の対策は何れも有効と判断
水素爆発による原子炉建屋の破損を防ぐため水素排出設備を整備
敷地外への放射性物質の拡散を抑えるため、放水銃などを設置
緊急時対策所を中央制御室とは離れた別の建屋に設置
航空機衝突テロなどに備え、休日にも発電所内に対応要員を確保
3、4号機は新規制基準に適合
—————————————-

大飯原発3,4号機の「審査書案」の問題点

「基準値振動を最大加速度856ガル」としているが、地震学者(元日本地震学会会長、元地震予知連絡会会長、前原子力規制委員長代理)の島崎邦彦氏は「基準地震動が過小評価されている可能性がある」という。島崎氏によれば、再計算した推定では、「不確かさ」も加味(かみ)すれば1500ガル超になり、福島事故後の安全評価(ストレステスト)で「炉心冷却が出来なくなる下限値」として関電が示した1260ガルをも大きく上回る。(なお、基準地震動のようなあいまいさを含む数値を、856ガルなど、3桁の精度で議論することも、科学的でない。)

「耐震重要施設付近の断層は将来活動する可能性はない」としているが、大地震が発生する時期や規模を予知することの困難さは、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本・大分大震災が教えている。若狭にも、分かっているものだけでも多数の断層があり、これらの断層が動いて大地震が発生する可能性もあるが、過去の大地震の多くが、深層にあって「未知の断層」と呼ばれる断層に起因している。大地震は、何時、何処で起こるか分からない。それでも、電力会社や規制委は地震の可能性や大きさを過小評価して、原発運転を強行しようとしている。本来、地震の多発する国に原発があってはならない。

「重要施設がある敷地の高さは9.7 m で津波は流入しない」としているが、地震の規模の予測が困難であるように、津波の大きさを簡単に想定できないことも、東日本大震災が教えている。若狭でも、1586年に発生した天正地震で、「町全体が山と思われるほどの大きな津波に覆(おお)われ、家屋も男女もさらってしまい、塩水で覆われた土地以外には何も残らず、全員が海中で溺れた」とする記録があり、海岸から500 m の水田で津波跡を発見したという報告もある。

「炉心損傷防止対策や格納容器破損防止対策として複数のケースを審査した結果、関電の対策は何れも有効と判断、

「水素爆発による原子炉建屋の破損を防ぐため水素排出設備を整備」、

「敷地外への放射性物質の拡散を抑えるため、放水銃などを設置」としているが、福島事故で、どのように、どの規模の水素発生したかも確証されていない段階で、水素除去対策ができる筈がない(触媒で水素を除去するなどは机上の空論である)。また、空中に放出された放射性物質は、放水銃で撃ち落とし、海に流れでた放射性物質は、これを吸着する蚊帳のようなシルトフェンスで食い止めるとしてるが、このような子供だましの仕掛けで、放射性物質の拡散が防げるのなら、福島の汚染を今すぐくい止めてほしい。

「緊急時対策所を中央制御室とは離れた別の建屋に設置」としているが、本来、免震重要棟の建設が望まれ、当初はその建設を予定していたが、免震重要棟は止めて、免震性が小さく、経費のかからない耐震構造のものとしている。

「航空機衝突テロなどに備え、休日にも発電所内に対応要員を確保」としているが、航空機衝突テロを軍備も持たない対応要員で防げる筈がない。

この他、以下のような重要な問題もある。

①地震、津波、火山噴火、テロによる重大事故は想定しても、人為ミスや施設老朽化に起因する重大事故についても触れていない。なお、チェルノブイリ事故、スリーマイル島事故など、ほとんどの原発事故は、自然災害ではなく、人災や老朽化に起因する不具合によって発生している。

②重大事故時の住民避難の問題には全く触れていない。

・なお、福島原発事故では事故炉から30~50 km の距離にある飯舘村も全村避難を強いられた。また、約 200 km 離れた東京や千葉にも高濃度の放射性物質が飛来した。このことは、若狭の原発で重大事故が起こった場合、原発のある若狭だけでなく、約150万人が暮らす滋賀県や約250万人が暮らす京都府の全域が永遠に住めない放射性物質汚染地域になりかねないことを示している。琵琶湖が汚染されれば、関西 1,450 万人の飲料水がなくなる。重大事故時の避難の困難さだけでなく、一旦避難したら、帰ることが出来ない故郷ができることは、福島やチュエルノブイリが教える所である。数百万人の原発被害難民が生まれる。避難者の自殺が事故後4年経った1昨年より急増している現実も直視しなければならない。

関電は、大飯原発3,4号機のプルサーマル化も企(たくら)んでいる

・昨年2月、関電の八木社長(当時)は、MOX燃料使用のプルサーマル発電に関して、具体的な計画は未定であるが、「大飯原発も」と強調している。一方、規制委は、「厳しい新規制基準の下ではMOX燃料かどうかは議論にはならない」としている。しかし、プルサーマル炉は、ウラン燃料炉に比べて格段に危険である(詳細は別途述べる)。とくに、既存原発のプルサーマル化は、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉でプルトニウムを燃すので、技術的な課題が多い。

再稼働反対の民意を踏み躙(にじ)る規制委

・規制委は、原発の「審査書」の案や正式決定を発表するたびに、「あくまでも新規制基準に適合か否かを判断しただけで、安全性を保証したわけでもなく、再稼働を許可したものでもない」と述べている。しかし、この新規制基準適合判断が、原発の安全性と大きく関わり、実質的に、国による再稼働許可となることは明らかである。本来、国の機関は、国民の民意を実行し、国民の安全と安心に奉仕すべきものであって、私企業や財界の経済的利益への貢献が任務ではない。

・今、国民の大多数が原発再稼働に反対していて、脱原発。反原発が民意である。例えば、一昨年、伊方町で行われた住民アンケートでは、原発再稼働反対が53%で賛成の約2倍であった。昨年の鹿児島県、新潟県の知事選では、脱原発を掲げる候補が圧勝した。昨年末には、高浜原発の「地元中の地元」音海地区の自治会が、老朽原発運転反対を決議した。今月の朝日新聞の世論調査でも、原発再稼働反対が57%で賛成のほぼ2倍であった。また、周知のように、この民意の後押しの中で、大津地裁は、昨年3月、高浜原発の運転を差し止めたのだと考えられる。なお、国際的にも、ドイツ、イタリアに続いて、リトアニアが脱原発に向かい、昨年11月にはベトナムが原発建設計画を白紙撤回し、今年1月には台湾が脱原発法を成立させた。米国でさえ、原発の発電コストの高さが際立つようになったため、原発からの撤退が相次いでいる。

・規制委は、このような民意や国際的潮流に逆らって、原発再稼働に加担しようとしている。許してはならない。

「新規制基準」および適合性審査は、安心、安全を保証するものではない

・規制委は、これまでに5原発10基を、安全とは縁遠い「新規制基準」で審査し適合とした。また、今回、大飯原発3,4号機の審査書案を出した。

・審査では、福島原発事故の原因調査も進んでいないにもかかわらず、福島事故に学んだと偽り、原発やその周辺の簡単な改善は要求しても、電力会社に大きな負担となる変更は要求していない。したがって、原発の危険性は取り除かれていない。そのことは、次のように、再稼働を行った全ての電力会社が再稼働の前後に重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルを起こしたこと(トラブル率100%)からも明らかである。すなわち、1昨年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の昨年2月20日,1次冷却系脱塩塔周辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が吹鳴し、原子炉が緊急停止し、伊方原発3号機は、再稼働準備中の7月17日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こした。

・電力会社にとって、原発再稼働は命運をかけた作業であったはずである。それにも拘らず、一度ならず四度も起こったトラブルは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉などが進んでいることを示すとともに、傲慢で、安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた九電、関電、四電が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証している。

規制委審査は科学とは縁遠く無責任;国民を愚弄(ぐろう)する規制委審査

・規制委の田中俊一委員長は、1昨年11月の定例会合後の会見で「福島のような事故を二度と繰り返さないために新規制基準を作り、原発の適合性を厳密に見てきた」と、さも住民の安全を考えて審査したかのような発言をしながら、再稼働については「地元がどう判断するか規制委が関知することではない、地元の安心と審査は別の問題」と責任回避している。また、老朽高浜原発1,2号機の再稼働審査にあたっては、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べる一方「お金さえかければ、技術的な点は克服できる」と、未解明課題が山積する現代科学技術の水準を理解できず、人間としての謙虚さに欠け、思い上がった発言をしている。全てのことが「お金で解決できる」のなら、福島事故からの復興をいち早く成し遂(と)げて頂きたい。

・ここで、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。ところが、規制委の審査はこの過程を無視しており、したがって、科学とは縁遠いものである原発に関して、実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故である。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にある。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然であり、大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘しているが、規制委はこの指摘を無視している。

・上記のように、「原子力ムラ」の一員と言っても過言でない規制委は、福島事故を招いたことを反省するどころか、国民を愚弄し、何が何でも原発再稼働に突っ走ろうという態度を露骨(ろこつ)にしている。その規制委の委員長が、今回の大飯原発審査では、地震学者・前規制委員長代理の島崎邦彦氏による「基準地震動が過小評価されている可能性がある」という警告を「根拠がない」と一蹴(いっしゅう)している。規制委に、真理探究を旨(むね)とする研究者の姿勢は全くない。

・なお、川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働に関して、再稼働した全ての原発でトラブルが起こった事実は、再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。

再稼働すれば、行き場のない使用済み核燃料が蓄積:貯蔵プールは満杯に近い

・原発を運転すると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物が生成する。したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、新燃料と交換せざるを得なくなる。そのため、使用済み核燃料がたまる。現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや青森県六ケ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%が埋まっている。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になる。

・福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンであるが、その7割近くが3,550トンの使用済み燃料で埋まっている。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなる。なお、使用済み核燃料貯蔵プールは脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかである。

・一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットルドラム缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積されているが、その処分は極めて困難で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もない。

・数万年を超える長期の保管を要する使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面からも、原発は全廃しなければならない。

****************************************

原発全廃の大きなうねりを!

◆次の原発重大事故は、明日にも起こりかねません。重大事故が起こる前に、原発を全廃しましょう! 使用済み核燃料や放射性廃棄物の安全保管の在り方を早急に検討しましょう!

◆原発全廃こそが「原子力防災」です。不可能な避難の計画に費やす時間と経費を原発のない社会創りに使いましょう!

◆今、大阪高裁で、高浜原発再稼働差止め仮処分決定(大津地裁)抗告審の決定が出されようとしています。本来、司法は社会通念=民意を反映しなければならない所です。あらゆる知恵を絞った行動によって、司法に脱原発、反原発の民意を示しましょう!

◆民意を踏み躙る関電を徹底糾弾しましょう!

****************************************

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

前のページに戻る

◆2/13大飯原発差止訴訟 第14回 口頭弁論のご報告

◆2/13(月)に京都地裁で大飯原発差止訴訟 第14回 口頭弁論が開かれま
した。多くの皆さまにご参加いただき,ありがとうございました。
その報告を,写真とともに以下にアップしています。
http://nonukes-kyoto.net/?p=1513

◆2/13には,第五次追加原告として,184名の原告が加わり,原告総数は,
3270名になりました。引き続き,2017年中をめどに,第六次原告募集を行
っています
http://nonukes-kyoto.net/?page_id=194

◆今回の口頭弁論では,第29準備書面として以下の内容を詳述しました。東
芝など原子力産業の衰退,裁判官にプレーヤーとしての自覚を訴える内容
など,読み応えがあります。
http://nonukes-kyoto.net/?p=1492

[ 再生可能エネルギーの可能性と原発の不経済性 ]
第1 自然再生可能エネルギー利用で脱原発は可能であり、危険な原発
は子孫に残すべきでない
第2 原子力発電のコスト・非経済性について
第3 原子力発電の不経済性が産業の健全な発展すら阻害すること
第4 傍観者ではなくプレーヤーとして

◆2/17原発賠償 京都訴訟第23回期日の御礼と報告

原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局の上野と申します。

2月17日に行われた京都訴訟第23回期日の報告です。長文、ご容赦願います。

今回は、専門家証人に対する反対尋問が行なわれました。低線量被ばくと健康への影響に関して専門家証人が証言台に立つのは全国でも初めてのことであり、全国的にも注目されています。難しい内容にもかかわらず多くの支援者の方が詰めかけてくださり、抽選となりました。昼休みで帰られた方が16名おられ、午後から来られた方はほぼ全員が傍聴できたのではないかと思います。

日頃から連携して裁判を進めている関西訴訟弁護団との協議で、原告側の崎山比早子証人に対する主尋問は京都弁護団が担当し、被告側証人への反対尋問は大阪の弁護団が担当するという役割分担をしたそうで、大阪の加藤弁護士、西念弁護士、柳弁護士の3名が尋問に立ちました。

午前中は、原告側の崎山証人に対する反対尋問でした。崎山証人は約2時間立ちっぱなしで、堂々と尋問に応じられました。

原告側代理人が最も時間をとって尋問したのは、元福島県立医大特命教授だった柴田義貞証人。論点はいろいろありましたが、専門的で理解しがたいことも多かったので、みなさんにも馴染みのある「しきい値」問題と福島県民健康調査に絞って紹介します。

◇被告側の連名意見書が、崎山意見書の「原爆被爆者の死亡率に関する研究」(LSS)14報の評価は「明らかな誤りだ」と批判している点を取り上げました。崎山意見書が引用した「ゼロ線量が最良のしきい値推定値であった」は「要約に書かれたもので、本文とはニュアンスが違う」と主張しているのに対し、証人に本文を示しながら要約と違うことが書かれているわけではないことを確認していきました。反論できない柴田証人は、最後には「最良と書くなら、どういう意味での最良なのかを書かないといけない」などと14報の著者である小笹晃太郎氏にいちゃもんを付ける始末でした。

◇福島県民健康調査について、被告側は甲状腺がん多発の原因についてスクリーニング効果だと言っています。柴田証人は、「これだけの甲状腺がんが見つかると予想されたか」の問いに「予想された」と強弁。「事前の説明には予想されるとは書いていないではないか」の問いには「議論はされたと思う」と筋違いの答弁。
「予想されたのなら、そう説明しておかないと却って不安を与えるのではないか」との問いに明確な反論はありませんでした。

◇崎山意見書が先行検査(1巡目)でA判定とされた子どもから本格検査(2巡目)で甲状腺がんが見つかる例が多くあったことを指摘したのに対し、前回の主尋問で柴田証人は1巡目でB判定とされたものが2巡目でA判定に戻った例もあったと証言しました。これについて「いったん甲状腺がんと確認されたものが、2巡目でA判定に戻った例はないですね」との問いには「はい」と答えるしかありませんでした。

◇チェルノブイリ事故の時も当初はスクリーニング効果だと言われ、その後放射線によるものと確認されましたが、その論争に「決着をつけた」のが実は柴田証人もかかわった調査報告書でした。事故後に生まれた子どもをスクリーニングしたところ、甲状腺がんは一人も見つからなかったのです。「決着をつける調査がされていない段階で、放射線の影響ではないとは言えないのではないか」の問いには「チェルノブイリと福島では被ばく線量が違う」、「本格検査の結果はスクリーニング効果では説明がつかないのではないか」の問いには「画像に出ない場合もある」などの苦しい言い訳しかできませんでした。

佐々木康人証人には、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告の「公衆被ばく限度=年1ミリシーベルト」や「現存被ばく状況」などについて尋問。この中で佐々木証人は、「公衆の被ばく限度は現存被ばく状況では適用されない」と述べ、参考レベル(年1~20ミリシーベルト)について「規制のための数値ではなく、防護の最適化を行なうための指標、目安である」と言いながら、「勧告の対象は、国や電力会社ですね」との問いに「いや、一般的に述べている」とそれを認めず、最後は「公衆も含めて」とまで言いました。

*酒井一夫証人についての反対尋問は、放射線による発がん問題に関してでしたが、割愛します。

最後に崎山証人への再主尋問があり、崎山証人は国連科学委員会(UNSCEARアンスケア)について証言。アンスケアは純粋に科学者が集まる通常の国際学会とはまったく違うもの。ICRPは電力会社の支配下にあるが、その委員とIAEA(国際原子力機関)、アンスケアの委員は兼任している人が多い。ゴンザレスはすべて兼ねている。この3つは密接に繋がっている。チェルノブイリの小児甲状腺がんについてもアンスケアが認めたのは事故から14年後の2000年になってからだった。これに対して、再主尋問を要求した国側代理人からはそれに対する反論は一切なく、裁判長から「アンスケアについては尋ねないんですか。そのために許可したのに」と皮肉を言われる有様でした。

閉廷後に開かれた報告集会には反対尋問に立った大阪の弁護団も出席し、それぞれ自分の担当した尋問について解説。崎山証人への再主尋問を担当した京都弁護団の田辺事務局長は「本当はアンスケアの話はしたくなかったんだけど、昨夜崎山先生の方から逃げてたらだめだと言われた」と裏話を披露。「今日の反対尋問は成功だったと思う」と総括されました。川中弁護団長は「なんと言っても、最終尋問の崎山先生の気迫がすごかった。今日で大きなヤマを越して、より一層明るい展望が見えてきた」とまとめられました。

次回は3月8日(水)。再び原告本人尋問に戻り、9名の原告が証言台に立ちます。ぜひとも傍聴席を満杯にして、原告を支えていただくようお願い致します

◆「高浜原発再稼働に反対する全国自治体議員の会」の一斉申入れ行動

「高浜原発再稼働に反対する全国自治体議員の会」の高浜原発から 30 km 圏内の自治体への一斉申入れ行動を応援しましょう。

◆関西電力は、高浜原発3、4号機の運転を差し止めた大津地裁の仮処分を、大阪高裁抗告審でくつがえすことを期待して、3、4号機再稼働の準備を進めています。2月中に彼らに都合の良い高裁決定が出れば、3月中にも再稼働を強行する構えです。許してはなりません。

◆この状況の中で、全国の自治体議員と市民団体の有志は、2月9日、大阪で会合し、標記の申入れ行動を2月21日と23日に以下のスケジュールで行うことを決定しました。是非、ご参加・応援をお願いします。とくに、23日の滋賀県と京都府への申入れへのご支援をお願いします。

・2月21日(火)(3班で分担して申入れをします。)
希望者は、熊川宿に宿泊し、翌日、アメーバデモを行います。
(1)第1班(大阪発:新大阪駅、「阪急高速バス乗り場」付近、午前9時出発。)
運転者:村上(090-8531-0574)
午後1時綾部市、2時半宮津市、4時伊根町
(2)第2班(山科発:JR山科駅付近、午前8時30分出発。)
運転者:木原(090-1965-7102)
午後1時舞鶴市、2時半高浜町、4時おおい町
(3)第3班(堅田発:JR湖西線堅田駅前、午前9時30分出発。)
運転者:稲村(080-5713-8629)
午後1時高島市、2時半若狭町、4時小浜町

・2月23日(木)
午前8時40分滋賀県庁正面玄関に集合、9時より申入れ。
午前10時40分京都府庁府議会議場ロビーに集合、11時より申入れ。
午後2時南丹市、3時30分京丹波町に申入れ。
ご参加可能な方は、木原(090-1965-7102)までご連絡ください。

前のページに戻る

◆柏崎刈羽原発免震重要棟の耐震性不足

【2017年2月17日,京都キンカンで配付。】

原発、またも杜撰(ずさん)、虚偽(きょぎ)
東電、柏崎刈羽原発免震重要棟の耐震性不足を 3年以上隠蔽(いんぺい)のまま規制委審査
震度7で免震重要棟が崩壊する危険性

◆東京電力(東電)柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)は、2013年9月に新規制基準への適合性を申請し、原子力規制委員会(規制委)での審査が進められている原発である。

◆この規制委審査は終盤に入っていて、2月14日は、焦点として残っている緊急時の対応拠点の議論が行われた。審査申請から3年間以上も経過したこの日の会合で、東電は初めて、原発事故の対応拠点である免震重要棟が新規制基準で求められる性能を大幅に欠くことを明らかにした。東電は、3年前に、免震構造の建物の耐震性について、強さや周期が異なる7パターンの地震の揺れを仮定して試算し、2つの免震重要棟は、7パターン全ての揺れに耐えられず、想定される地震の揺れ(基準地震動)の半分の揺れでも、横揺れが許容限度を超え、建屋が隣の壁にぶつかる可能性があるという結果を得ていた。しかし、東電はこのことを公表せず、規制委には「震度7に耐えられる」などと説明してきた。3年前に、このように重要な試算結果が得られていたのに、これまで、このことを隠蔽していたのである。東電は、土木部門が行った試算が、設備の設計を担当する部門に伝わっていなかったためとしているが、最重要課題である免震重要棟の耐震性を軽んじる姿勢は、都合の悪いことは隠しても再稼働を進めようとする原子力ムラの体質であり、許されない。なお、柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で大きな被害を受けたため、東電は2009年に免震重要棟を設置した。この免震重要棟では、建物の下に設置した免震装置で地震による揺れを吸収して、震度7級の揺れを1/3~1/4に低減し、建物の損傷を防ぎ、原発事故時の対応拠点とすることを想定していた。また、この建物は、建築基準法の1.5倍の地震動にも耐えられるとしていた。2013年に新規制基準が導入されて地震の想定が厳しくなっても、「長周期の一部の揺れを除き、震度7でも耐えられる」と説明してきた。また、免震重要棟は、7パターン中5パターンの揺れには耐えられないとしたうえで、こうした地震の際はこの建物を使用しないという対応策を示していた。

◆今回の東電の説明を受けて、原発推進の原子力規制庁でさえ、柏崎刈羽原発では地震にともなう液状化による防潮堤への影響をめぐっても、連携がとれていなかったと指摘して「今日のようなことが起きているのをそのまま見過ごすわけにはいかない」と述べ、東京電力に、今後の審査会合で詳しい経緯と対応方針を説明するよう求めた。また、再稼働推進の中心人物・田中規制委員長までもが、新審査基準の欺瞞性、自らの審査のいい加減さを棚上げにして、「社内的な情報連絡が大事なところで抜けているのは、かなりの重症だ」と不快感を示した。

◆一方、新潟県の米山隆一知事は、「東電の説明が疑わしくなり、対話しようという話が根底から覆ってしまう。反省してきちんと説明してほしい」と述べ、原因や対策に関する説明を求めるとした。また、再稼働の「条件付き容認」を掲げて昨年11月に初当選した柏崎市の桜井雅浩市長も、「非常に遺憾だ。東電の体質はいまだ改善途上だと見せつけられた。再稼働を認める条件を厳しいものにせざるを得ない」と強調した。東電が目指す同原発6、7号機の再稼働に向けた地元同意に影響することは必至である。

◆柏崎刈羽6、7号機は福島第1と同じ型式の「沸騰水型」であり、「沸騰水型」の再稼働審査の先頭を走り、昨年夏にも安全審査に合格する見通しだったが、防潮堤の地盤が地震で液状化する懸念が出るなどして遅れている。立地する新潟県の米山隆一知事はかねて「福島事故などの徹底的な検証がされない限り、再稼働の議論はできない」と表明している。

柏崎刈羽原発は、中越沖を震源とする地震で、
火災を起こすなど、重大事態に直面した

◆2007年7月16日の10時13分、新潟県中越沖を震源とするマグニチュード6.8(震度6)の地震が発生した。震源近くの原子力発電所の施設に火災の発生などの甚大な被害をもたらし、原発の地震に対する安全性への問題提起となった。参考までに、以下にこの火災事故の経過と原因の概要を示す。

◆経過

◆震源地から約16 kmの柏崎刈羽原子力発電所で稼働していた同発電所の発電機のうち、2号機、3号機、4号機および7号機は、地震により自動停止した(1号機、5号機および6号機は定期検査のため停止中)。10時15分、パトロール中の2号機補機捜査員が、3号機タービン建屋外部の変圧器からの発煙を発見し、3号機当直長に連絡、当直長の指示により、社員2名と現場作業員2名で初期消火活動を開始した。10時15分頃、3号当直長が119番通報を開始するがなかなか繋がらず、発電所緊急対策室のホットライン(消防署への通報・緊急連絡線)は、地震により対策室入口扉が開かず、活用できなかった。10時27分、ようやく消防署に繋がった時「地震による出動要請が多く、到着が遅れるので、消防隊到着まで自衛消防隊で対応して欲しい。」との回答があった。防火衣も着用せずに消火に当たった4名は、水による冷却の目的で消火栓から放水したが、屋外に敷設されている用水から消火設備の間の配管破断により放水量が少なく、消火が思うように進まなかった。10時30分頃、火災を起こした変圧器の油が燃え始めたため、危険を感じた4名は安全な場所に退避し、消防署の到着を待った。11時32分、消防署による放水が始まり12時10分頃に鎮火した。

◆この地震により、6号機で、微量の放射能を含んだ水が外部に漏えいした(1年間に自然界から受2月ける放射線量2.4ミリシーベルトの1億分の1程度)(新潟県調査では人工放射性物質は、周辺においては検出せず:7月18日、新潟県発表)。7号機においても主排気筒より放射性物質を検出(1年間に自然界から受ける放射線量2.4ミリシーベルトの1千万分の1程度)(7月20日以降、検出なし)。

◆原因

1.設計時の想定加速度を超える地震動
マグニチュード6.8の地震の震源地に近かったため、想定加速度(設計加速度)を超えた地震動であった。3号機タービン近くの建屋上部での観測値は、東西方向2,058ガルで設計値834ガルを大きく超えていた。そのため、3号機の変圧器付近の不等沈下によって、火災が発生した。
2.火災の消火に時間を要した原因
・消火用の配管が、地盤の不等沈下で破断し消火作業ができず、必要なときに機能しなかった。
・自衛消防隊に化学消防車が配備されていなかった。
・原発と消防機関を繋ぐ発電所緊急対策室のホットラインが機能しなかった。
・地震と火災への対応は別々のマニュアルとなっており、大規模地震による火災発生を想定した対応策(マニュアルや訓練など)が不十分であった。

原発は、現代科学技術で制御できない
高放射線下での作業の困難さ、機器の放射線損傷

◆東電や政府が、メルトダウンした原子炉の内部調査の本命としていたサソリ型の自走式ロボットは、格納容器内の既存レール(7.2 m)を2 m進んだところで走行用ベルトが動かなくなり、力尽きた。レールを走行して、圧力容器直下まで達して、溶け落ちた燃料(デブリ)の撮影を目指していた。

◆この作業は、当初から想定外の難題に直面し、作業実施は1年半も遅れていた。先ず、ロボットの投入口となる貫通部手前のコンクリートブロックが、事故時の高温蒸気などの影響で、床にくっ付いていたため、その撤去が難航した。これを撤去したところ、貫通部の放射線量が予想外に高いことが判明した(1~2時間で死に至るレベル)。

◆ロボット投入時には人が近寄らなければならないため、遠隔操作での除染を試みたが、これに手間取った。

◆やっと鉄と鉛の遮蔽体を据え付けて、毎時6ミリシーベルトまで漕ぎ着けて、ロボット作業を行った。(なお、相当量の被曝をしながらの作業であると推則される。)

◆上記のような作業は、放射線が無ければ、簡単なものであり、高放射線下作業の困難さを示す。

◆高放射線下では、装置やその材料の放射線による損傷も深刻である。例えば、ゴムやプラスチックでできた材料は、放射線で分解される。半導体は損傷して機能しなくなる。ガラスは、放射線を受けて着色したり、ひび割れする。

◆このような高放射線下の作業を、簡単に行えるほど現代科学技術は進歩していない。

老朽原発では、材料の腐食、脆化(ぜいか:もろくなること)、疲労が進んでいる

◆中国電力島根原発2号機は、1989年2月に稼働し、28年を経た原発である。長期にわたって高放射線に曝されてきたという点では、老朽原発に属する。原発の材料である鉄鋼は、中性子などの放射線曝露で脆化することはよく知られている。今回の圧力容器内のひびは、材料の脆化に起因する可能性が高く、深刻である。なお、脆化は老朽化とともに、急激となる。島根原発では、最近、空調ダクトの腐蝕も見つかっている(昨年12月)。

◆このような材料の脆化、腐蝕、疲労は原子炉の各部で進行していると考えられる。一昨年稼働した川内原発1号機の復水器細管の破損や昨年再稼働した伊方原発3号機の水漏れ事故も材料の老朽化に起因している。

この事故からも、40年越えの高浜1,2号機や美浜3号機の運転を延長してはならないことは明らかである。

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

前のページに戻る

◆福島原発事故からもうすぐ6年

【2017年2月13日,若狭地域で配付。】

福島原発事故からもうすぐ6年
明らかになる政府、電力会社の技術的、
経済的、政治的、杜撰(ずさん)傲慢(ごうまん)横暴(おうぼう)
「原発NO!」の民意で原発全廃を!

技術面での杜撰傲慢横暴

◆原発、原子力施設は過去1年半だけでも下記のようなトラブルを起こしています。

・この事実は、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示し、配管の腐食や減肉(厚みの減少)、部品の摩耗などが進んでいることを示し、傲慢で安全性軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、原子力規制委が適合とした全て原発を所有する電力会社が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っています。

・九州電力川内原発1号機、再稼働直後に復水器の細管5本の損傷が発覚(2015年8月)。

・関西電力①高浜原発4号機、再稼働準備中に水漏れ(2016年2月):再稼働直後に変圧器異常で緊急停止(2016年2月)。
資材運搬中のヘリが美浜(2016年3月)、十津川(2016年8月)でそれぞれ1トン近くの資材を落下させる。(なお、十津川の事故は原発とは無関係です。)

・関西電力②高浜原発1、2号機運転延長担当の課長自殺(2016年4月)。負担集中:原子力規制委審査は過密

・関西電力③高浜原発2号機、運転延長対策工事中の長さ112 m のクレーンが燃料プール建屋上に倒壊(2017年1月)。

・四国電力伊方原発3号機、再稼働準備中に冷却水循環ポンプから水漏れ(2016年7月):純水製造装置建屋内の配管から水漏れ(2016年7月):純水製造装置建屋内の配管から水漏れ(2016年8月)。

・北陸電力志賀(しか)原発2号機、原子炉建屋内に雨水流入。分電盤ショート(2016年9月)。

・日本原電敦賀原発2号機、作業員10人、1次冷却水浴びる(2016年10月)。

・中国電力島根原発2号機、空調換気ダクトに腐食による穴19ヶ所が発覚(2016年12月)。

・原子力機構廃止再処理施設、放射性廃棄物800個、山積の杜撰管理が発覚(2017年1月)。

◆福島原発、凍土壁の効果はほとんどなく、汚染土壌を詰めたフレコンバッグはボロボロ。

・福島原発の汚染水は今でも増え続け、太平洋に漏洩されています。凍土壁は、当初から効果に否定的な意見が多いにも拘わらず、“汚染水抑制の切り札”として350億円以上の国費を投じて建設されましたが、東電が「全面凍結」を宣言して4か月近く経った今でも、その効果は限定的です。なお、凍土壁の維持には最大で家庭約1万3千軒の電力が必要と言われています。汚染水の除染も一部にとどまり、とくにトリチウムを除去する方法はありません。

・汚染土壌の除去は局所的で、表層に限られ、除去土壌を詰めたフレキシブルコンテナ(フレコン)バッグは、風化および放射線分解によって、ボロボロになろうとしています。

◆福島原発2号機、圧力容器外で過去最高の空間線量650シーベルト(Sv)を観測。さらに高放射線量が確認される可能性も。

・2月9日、福島第一原発2号機格納容器内部で過去最高値の650 Svの空間放射線量が観測されました。2月2日には530 Svが測定されています。それまでに測定された最高値は73 Svでした。

・この高放射線量は、原子炉本体である圧力容器を支える壁付近で観察されており、溶け落ち固まった核燃料(デブリ)が、圧力容器を溶かして相当量格納容器内に飛散している可能性を示しています。今後のデブリ取出し作業が困難を極めることは必定です。2号機のデブリについては、これまでに宇宙線「ミュウ粒子」を用いた透視が行われ、ほとんどが圧力容器内に留まっていると推定されていました。現代科学技術は、高放射線の事故炉内部を簡単に探査できるほど進歩していないのです。

◆除染、汚染水対策、廃炉作業でさえ食い物にする政府、原子力企業、ゼネコン

・原発事故の終息に適用される技術は、特別の場合を除いて、検証されたものでなければなりません。例えば、汚染水の漏洩防止には、コンクリートや鉄板などの壁の建設が最も確実と考えられます。しかし、政府(規制委を含む)や電力会社は、長大な「凍土壁」という今までに検証されたことのない技術を選びました。

・これは、ゼネコンの将来技術開発費を助成するためであり、結果の成否は問わず、ゼネコンに暴利を与えるためです。この姿勢は、汚染水の除染や廃炉にあたって「研究開発的要素」を含む技術を優先的に採用するという政府の政策に貫かれています。すなわち、政府は、原発事故を利用して、企業に技術開発費を投下し、原発産業の基盤を支えるとともに、研究成果を宣伝することによって原発輸出に競争力を付けさせようとしているのです。

・政府は、早期の事故終息より企業の利益を優先させているといっても過言ではありません。(もちろん、技術開発は必要ですが、企業利益のみを考える技術開発は許されません。)

★経済面での杜撰傲慢横暴

◆福島第1原発の廃炉、賠償などの事故対策費用が、従来想定の2倍に(経産省が公表)

・昨年12月、標記の事故対策費用が、従来想定の11兆円から21兆5千億円に倍増することを経済産業省が公表しました。

・この膨大な費用は、原発が一度重大事故を起こせば、現代だけでなく、遠く未来にも大きな負担を残し、原発は経済的にも成り立たない装置であることを示しています。費用が膨れ上がった理由は、燃料デブリの取出し作業や除染作業の困難さ、賠償費の見込み違いとされています。ただし、この事故対策費は、事故炉の内部が分からず、汚染水が垂れ流されている現状での試算ですから、今後、さらに膨れ上がる可能性があります。

・廃炉にとって、デブリ取出しは当然の作業であり、十分な賠償は東電や国の責任であるにもかかわらず、その経費の想定を誤った彼らの杜撰さは許されるものではありません。科学的な根拠も、人間を尊重する姿勢もなく、適当に費用を見積もって国民を騙そうとするからこのような杜撰が生まれるのです。なお、原発の廃炉費は、原発を持つ電力会社がまかなうのが原則で、福島原発も例外ではありませんが、12月に示された金額はその域を大きく超え、東電や政府は新たな国民負担(電力料金への添加、税金の投入)を求めています。電力自由化で参入した「新電力」にも負担を求めています。

・20数兆円の事故対策費が国民の大きな負担であることは明らかです。それでも、政府、規制委、電力会社は、原発の再稼働に躍起です。もし、次の原発重大事故が若狭で起これば、100 km 圏内にある京都府、滋賀県の全域、大阪府のかなりの部分、1,450万人の水源・琵琶湖が汚染されかねません。福島事故では、50 km 離れた飯舘村も全村避難でした。このことを考え合わせれば、若狭の原発事故では、数百万人が避難を強いられ、故郷を失う可能性があります。被曝なしでの避難は不可能で、事故対策費は数百兆円を超えるとも考えられます。そうなれば、国の経済は疲弊し、国民の生活が蹂躙(じゅうりん)されます。

◆国策に従って暴利を得ようとした杜撰経営の東芝が破綻

・東芝は、米原発建設で最大7千億円の損失が見込まれるため、新たな原発建設の受注を取り止め、軸足を原発建設から原発の保守、廃炉に移すと発表しました(1月29日報道)。東芝は、子会社ウエスティングハウス・エレクトリック(米国)を通じて、米国の原発建設会社CB&Iストーン・アンド・ウエブスターを2015年に買収しましたが、その際、同社の資産価値や技術能力を杜撰に評価したため、巨大損失が発生する事態となりました。福島原発事故後の原発建設の停滞、安全基準の厳格化などによる原発建設費の高騰なども東芝の破綻に拍車をかけました。

・それでも東芝は、これまで事実を隠ぺいし、米原子力事業は好調としてきました。今後は、虎の子である半導体事業も切り売りするといわれています。一般には、海外からの資金導入も考えられますが、原発の重要技術の海外流出を嫌う政府は難色を示しています。国策でもある原発事業は、技術流出を防ぐ観点だけでなく、各種の秘密保持の観点からも、容易に撤退や売却が出来ません。東芝は、引くも進むもままならない状況にあります。

★政治面での杜撰傲慢横暴

◆政府は福島からの避難者を汚染地域に帰還させる方針

・政府は、昨年7月、1年間の空間放射線量が20ミリSv/年(mSv/y)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者を帰還させると発表しました。この線量は、日本の空間線量の平均値0.28 mSv/yの約70倍であり、チェルノブイリの移住義務基準5 mSv/yに比べても極めて高いと言えます。また、避難指示が解除された地域の電気、ガス、水道、交通網などの生活基盤の整備や、医療、介護などの生活関連サービスも復旧したとするには程遠い状態にあります。したがって、帰還の意志のある住民は少数にとどまり、ほとんどが高齢者です。今後、消防団活動、共同墓地の手入れなどの共同作業の担い手が不足し、後継者不足で地域が成り立たなくなることは明らかです。このような状況でも、強引に帰還を進めようとする政府は、帰還に応じない人への支援の打ち切りの恫喝も行っています。一方、福島県は、政府の意を受けて、自主避難者支援の打ち切りを決定しました。何れも、東電や政府の賠償負担や生活支援支出の軽減のため、責任回避のためです。人々の安全や生活の安寧(あんねい)を優先する考えは、いささかもありません。原発事故は、このような悲惨を産みます。再び事故が起こる前に全廃しなければなりません。

・本来、原発を推進した政府や原子力ムラに、避難解除をうんぬんする資格はありません。彼らは、事故の責任の重さを噛みしめ、誠意ある償いに専念すべきです。避難解除を決定するのは、あくまでも住民でなければなりません。しかし、政府・与党は、住民の声を聴く前に、彼らの避難区域解除案を既定路線として新聞発表するなど、住民切り捨ての態度に終始しています。政府、電力会社の傲慢、横暴です。

◆最も杜撰な科学技術政策=「もんじゅ」の廃炉を傲慢で横暴な政府までが正式決定

・「もんじゅ」は、多くの技術的な無謀性、困難性、危険性の指摘を無視して、約6,000億円をかけて建設され、1991年に運転を開始しましたが、1995年にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年には重さ3トンの炉内中継装置の落下事故を起こし、近年は1万件を上回る点検漏れを指摘されています。「もんじゅ」は、今までに、少なくとも1兆2千億円を浪費し、今でも年間200億円を無駄遣いしています。それでも、運転に漕ぎ着けられない「もんじゅ」が、現代科学技術で制御できる装置でないことは明らかです。その「もんじゅ」を、「夢の原子炉」と偽って国民を騙し続けようとするから、事故や点検漏れが多発し、事故や違反を隠ぺいせざるを得なかったのです。「もんじゅ」は、傲慢で横暴な政府や原子力ムラが進めた杜撰極まりない政策の象徴です。その象徴が破たんしたのです。

それでも、政府は、看板の掛け替えによって、高速炉を維持し、核燃料サイクルを推進しようとしています。政府は、破綻した「もんじゅ」だけを切り捨て、それによって原子力政策への不信の矛先(ほこさき)をかわし、別の高速炉計画を立ち上げ、荒唐無稽な核燃料サイクルを推進し、全ての原発のプルサーマル化によって、プルトニウム利用に突っ走ろうとしています。とくに、原子力政策全般を取り仕切る経済産業省は、「もんじゅ」なしでも成立する核燃料サイクルのシナリオをアピールし始めました。「もんじゅ」で制御不可能が実証された高速増殖炉についても、これを断念するどころか、「高速炉開発会議」を新設して、その開発計画を存続させようとしています。また、高速増殖炉、高速炉の存続とプルトニウム利用のために、使用済み核燃料の再処理を含む核燃料サイクルを推進しようとしています。その具体例として、超老朽高速実験炉「常陽」の再稼働、フランスの高速炉(アストリッド)での共同研究への参加などを目論んでいます。なお、アストリッドの開発費は総額約5700億円を要する(今後膨れ上がる可能性あり)とされ、フランス政府は、日本に半額負担を要請しています。

・この原子力政策は、戦争になった時の基盤電源を原発で確保し、核兵器の開発を進めようとする政府の姿勢の表われです。

脱原発、反原発の民意を、断固とした行動で司法に示し、
民意に敵対する電力会社、政府を糾弾しましょう!
2017年を原発全廃へ向かう年へ! 経済優先と決別し、
人が大切にされる社会を実現しましょう!

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)
配布協力:再稼働阻止全国ネットワーク

前のページに戻る

◆裁判官 様、3回目の訴え

【2017年2月2日,大阪高裁の4出入口で配付。3回目】

大阪高等裁判所 山下郁夫裁判長、杉江佳冶裁判官、吉川慎一裁判官 様

(昨年12月26日、本年1月11日にもお願いしましたが、再度訴えます)

高浜原発運転差止め抗告審では
人の命、尊厳が大切にされるご判断をお願いします

1.人の命と尊厳を軽視する傲慢さの故に、また事故が起きました!
電力会社には、安全管理の体質、能力がないことを物語っています。

◆高浜原発クレーン倒壊

・1月20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原発で、2号機の安全対策工事に使うクレーン(アーム部分の長さは約112メートル)が倒れました。中央制御室にいた運転員が大きな音を聞き確認すると、クレーンが倒れていたということです。原子炉補助建屋の一部が壊れ、使用済み燃料プールがある建屋の屋根の一部が壊れました。関西電力は、周辺環境への影響はなく、けが人もいないと発表しています。また、燃料プール建屋天井からの落下物はなく、燃料に影響はないと報道されています。

・2号機は40年を超える老朽原発で、2020年に安全対策工事を完了する予定でコンクリート製のドーム屋根を原子炉格納容器の上部に設置する準備をしていたとのことです。

・クレーンは、風速42 m/秒の風に耐えられるように設置することになっていましたが、当日は風速15 m/秒程度の風でした。この程度の風で倒れるクレーンの設置は、極めて杜撰で、安全無視と言わざるを得ません。

2.再稼働を進める全ての電力会社が、再稼働前後にトラブルを起こしています。

・以下に述べますように、一昨年8月以来、再稼働した川内原発1号機、高浜原発4号機、伊方原発3号機は、何れも、再稼働前後に重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルを起こしています。再稼働を進める全ての電力会社でトラブルを起こしているのです。トラブル率100%です。これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や肉厚の減少、部品の摩耗などが進んでいることを示し、傲慢で安全性軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、原子力規制委員会(規制委)が適合とした原発を所有する電力会社の全てが再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っています。

◆九州電力 川内原発1号機 再稼働直後に復水器の細管5本の損傷が発覚。

・一昨年8月11日に再稼働した九州電力川内原発1号機では、再稼働直後の8月20日、復水器内の塩分濃度が上がったことを示す警報が出ました。発電に使った蒸気を冷やす「復水器」の中の細管(直径25ミリ)5本が損傷し、細管内を流れる海水が外側の2次冷却水に混入したためです。損傷した細管に栓をして原発を運転していますが、細管は約8万本あり、他の細管も損傷の可能性があります。2次冷却水に塩分が混じれば、2次系の配管も腐蝕しやすくなり、原子炉内を回り、放射性物質を含む高圧の1次冷却水が2次冷却水中に噴出し、重大事故に繋がる可能性もあります。

◆関西電力 高浜原発 再稼働準備中に水漏れ:再稼働直後に変圧器異常で緊急停止。

・関西電力高浜原発4号機では、再稼働準備中の昨年2月20日、原子炉補助建屋で、放射性物質を含む水たまりが見つかりました。計約34リットルの水が漏れました。水漏れが見つかったのは、原発の運転中に必ず使う1次冷却水の浄化設備。設備の一部に水を通したところ警報が鳴り、発覚したということです。関電は、原因を「配管の弁のボルトが緩んでいたため」とし、漏れた放射能は約6万ベクレルと発表しました。原子炉内を高圧の水が循環する1次冷却系のトラブルは深刻な問題です。なお、関電は再稼働作業中のトラブルについて「工程に影響を与えるものはその都度知らせる」としていましたが、公表は約6時間後でした。

・2月26日に再稼働したばかりの高浜原発4号機では、出力5%で送電を始めた29日午後2時頃、発電機と変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機が止まり、原子炉が自動で緊急停止し、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒が総て差し込まれました。発送電の開始を報道陣に公開している最中のトラブルでした。関電は、原発のトラブルを公表する基準を、公表しない「レベル0」から、速やかに公表する「レベル4」の5段階に分けており、今回は原子炉停止が必要なレベル4であったとしています。送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高いと言われています。

◆四国電力 伊方原発 冷却水循環ポンプから水漏れ:純水製造装置建屋内の配管から水漏れ。

・昨年7月14日、伊方原発内で実施した重大事故対応訓練で作業員2人が熱中症になり、原子力規制委員会から「作業手順に改善を要する点がある」として一部再訓練を指示されました。

・7月16日、再稼働準備中の伊方原発3号機で、原子炉の冷却水を循環させるポンプから洗浄用の水が漏れ出ているのが見つかり、四国電力はポンプを緊急停止しました。洗浄水は、放射性物質を含む1次冷却水を循環させるポンプの軸を洗うためのもので、少なくとも数リットルが漏れ出しました。カーボン製の部品を2つ組み合わせた部分にすき間ができて洗浄水が漏れたとみられています。復旧作業のため再稼働時期は8月にずれ込みました。

・伊方原発3号機では、再稼働した8月12日以降もトラブルが続きました。8月26日に純水製造装置建屋内の配管のつなぎ目から水漏れが発生、亀裂が見つかったゴム製パッキンを交換する事態となりました。

3.原発関連トラブルは再稼働時だけではありません。過去1年間だでも次のようなトラブルが起こっています。

◆関西電力 資材運搬中のヘリが美浜、十津川でそれぞれ1トン近くの資材を落下させる。

・昨年3月1日午前10時頃、関電からの依頼で、電線の絶縁に使う部品「ガイシ」を鉄塔建て替え工事現場に運んでいヘリコプターが、美浜町内の場外離着陸場を離陸した直後に、高度約100 mから、重さ約1トンの木箱を落としました。国土交通省は、深刻な事故につながりかねない重大インシデントに認定しました。

・8月5日午前10時半頃、関電の協力会社のヘリコプターが、奈良県五條市内のヘリポートから約3 km 離れた工事現場に運ぶ途中の約800キログラムの鉄板1枚を、高度約200 m から、山中に落下させました。国土交通省は重大インシデントと認定しました。(なお、十津川の事故は原発とは無関係です。)

◆関西電力 高浜原発1、2号機運転延長担当の課長自殺。負担集中:規制委審査は過密。

・昨年4月20日、東京都内のホテルで、高浜原発1,2号機運転延長に関わっていた関電課長の自殺が見つかりました。同日、1、2号機運転延長審査の合格にあたる「審査書」が了承されました。1、2号機について関電が原子力規制委員会に提出した資料は約8万7000ページに上っており、審査期限に間に合わせるよう、課長を含む担当職員は厳しい勤務状況にあったとみられています。高浜1、2号機の場合、1昨年3月の安全審査申請から昨年6月の運転延長認可まで、事務レベルでの会合は233回、亡くなられた課長の残業が急増した1~4月の4カ月間では、100回を数え、平日はほぼ毎日、複数回の打ち合わせがある過密日程であったと言われています。電力関係者は「(審査会合では)一つ資料を出すと、10個宿題が返ってくるような感じで、大変だとの話をよく聞いた」と証言しています。

◆北陸電力 志賀(しか)原発 原子炉建屋内に雨水が流入。

・昨年9月末、北陸電力志賀原発2号機(石川県)で6.6トンの雨水が原子炉建屋に流入しました。原子力規制委員会は、重大なトラブルに発展した可能性が否定できないとして北陸電に再発防止策の報告を求めました。雨水流入は福島原発事故前の旧基準では想定しておらず、規制委は他原発の状況も調べる方針です。 規制委によると、志賀原発では9月28日、1時間に約30 mm の降雨があり、構内道路が冠水、仮設ケーブルが通る地下空間を通して原子炉建屋の1階や地下に流れ込み、照明用の分電盤がショートしたとされています。降雨が排水用の仮設ポンプの容量を超えたことに加え、地下空間を塞ぐ蓋に隙間(すきま)があったことや、原子炉建屋の床にあったひびを補修していなかったことが原因と言われています。 浸水したエリアには、非常時に原子炉を冷やす機器に電源を送る配電盤や非常用の蓄電池など、重要度が特に高い設備があり、これらが水没する恐れがありました。2号機は再稼働を目指し、規制委の安全審査を受けていました。

◆日本原電 敦賀原発 作業員10人、1次冷却水浴びる。

・昨年11月30日午前11頃、日本原電・敦賀原発2号機の原子炉補助建屋の地下2階で、作業員が高さ約1 m の所にある配管の弁のボルトを緩めたところ、1次冷却水約160リットルが飛散しました。日本原電は、作業員10人の衣服や顔に放射性物質を含んだ水がかかったが「けがや被ばくはない」としています。

◆中国電力 島根原発 空調換気ダクトに腐食による穴19ヶ所が発覚。

・昨年12月、島根原発2号機で中央制御室と外部をつなぐ空調換気ダクトに腐食による穴(最大で30 cm×1 m)が19ヶ所あることが発覚しました。ダクトに使われる鋼鈑は、厚み1.2~3.2 mm程度と薄いため、腐蝕破損しやすく、とくに海からの塩分が加わると腐食は加速されます。長期使用、経年劣化による、ダクト、配管の腐食、配管の減肉等は当然考えられることです。もし、ダクトの破損に気付かずに放射能漏れ事故が起これば、中央制御室に外部から汚染空気が入り、作業員の被ばくを抑えることはできません。安全より経費削減を優先させる電力会社は事故が起きてからの応急処置しか考えていません。同様な腐食は全国の原発でも進んでいると考えられます。

4.原発は経済的にも成り立たないことが明らかです。

・昨年12月9日、経済産業省が福島第1原発の廃炉、賠償などの事故対策費用が、従来想定の11兆円から21兆5千億円に倍増することを公表しました。しかし、この新たな試算は、事故炉内の詳細は分からず、汚染水の漏洩防止策もない現状でのものですから、今後さらに膨れ上がる可能性は大です。原発には、重大事故は無くても、使用済み燃料、放射性廃棄物の処理・処分・保管費がかかります。避けることが出来ない事故を防止するための対策費も膨大です。これらを勘案すれば、原発は経済的にも成り立たないことは明らかです。したがって、米国でさえ、原子力発電からの撤退が相次いでいるのです。最大の理由は、安全性への懸念ではなく、シェールガス革命の影響で原発の発電コストの高さが際立つようになってきたためとされています。

・原発が経済的にも成り立たないことは、国の原発政策の一翼を担ってきた東芝が、巨額損失で主力事業の一つである原子力事業を縮小し、今後は、廃炉や保守などを原子力事業の中心に据えようとしている事実も証明しています。

5.原発は無くても電気は足りています。省エネ技術は日進月歩で、再生可能エネルギーは急速に普及しています。

・福島の大惨事以降、日本にあった商用原発数は54基から、廃炉などによって、42基に減少しました。その42基も、地震の影響や点検によってほとんど運転されず、現在は2基が稼働しているのみです。それでも、電力は十分賄われ、例えば関電は、過去2番目の純益(2016年4~12月期連結決算で1,438億円)をあげています(1月31日発表)。また、周知のように、近年、照明器具、冷蔵庫などの家電、産業用電気機器の省エネ化、発電法、蓄電法の高効率化が進み、新しい発電法(各種の再生可能エネルギー)、蓄電法(新しい概念の電池)も開発されています。一方、日本では年間0.8%の割合で人口が減少し、世界の人口も40年後には減少に転ずると言われています。すなわち、日本のみならず世界のエネルギー消費は近い内に減少に転ずると考えられます。

・したがって、事故が起これば、人の命と尊厳を蔑(ないがし)ろにし、故郷を奪い、復旧は不可能に近い原発を、再稼働し、推進する必要は全くないのです。

6. 脱原発、反原発は社会通念すなわち民意です。

・以上のように、原発はトラブル続きです。原発は人類の手に負える装置ではありません。一方、原発を運転する必要性も見出だせません。そのため、脱原発、反原発は社会通念すなわち民意 となっています。この民意を反映して、一昨年、伊方町で行われた住民アンケートでは、原発再稼働反対が賛成の2倍でした。昨年の鹿児島県、新潟県の知事選では、脱原発を掲げる候補が圧勝しました。昨年末には、高浜原発の「地元中の地元」音海地区の自治会が、老朽原発運転反対を決議しました。国際的にも、ドイツ、イタリアに続いて、リトアニアが脱原発に向かい、昨年11月にはベトナムが原発建設計画を白紙撤回し、今年1月11日には台湾が脱原発法を成立させました。この民意の故に、大津地裁は、昨年3月9日、高浜原発の運転を差し止めたのだと考えられます。

1月22日、
脱原発、反原発の民意を司法にご理解いただき、
民意に逆らって原発の再稼働を進めようとする関電に抗議するため、
近畿と福井の6市民団体が呼び掛けて、
「高浜原発うごかすな! 関電包囲全国集会」を開催しました。

・この集会には、300を超える団体、個人が賛同しました。当日は、北海道から鹿児島までの原発立地(泊、大間、福島、東海、柏崎刈羽、志賀、浜岡、敦賀、美浜、大飯、高浜、伊方、玄海、川内)および原発電力の消費地(首都圏、近畿圏、中京圏など)の反原発市民団体の代表約1,000人が参加し、寒風と氷雨の中、デモ行進と関電包囲集会を行い、脱原発、反原発を声高らかに訴えました。

私たちは、司法の良心を信じています
原発再稼働を許さないで下さい

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

前のページに戻る