◆再稼働を許さず、重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

【2017年6月23日,京都キンカンで配付。今後、若狭でのアメーバデモで配布予定】

原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発が極めて事故率の高い装置であることは、過去40年間に稼働した世界の原発570余機の中の9機が大事故を起こしていること(5機は炉心溶融事故)からも明らかです。また、原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

◆福島原発事故から 6 年と3ヶ月経ちましたが、避難された10 数万人の多くは今でも故郷を奪われたままです。長期の避難生活が健康をむしばみ、家族の絆を奪い、大きな精神的負担となっています。多くの方が、避難の苦痛で病死され、自ら命を絶たれました。癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。福島事故から4年経った一昨年から、自殺者が急増しています。原発事故でなければ、もう復興の目途が立っているはずですが、原発事故は、復興の希望も奪っているのです。

◆一方、事故炉内部の調査は、ミューオン(宇宙線の1種)を使った透視や各種のロボットの投入によって行われれていますが、高放射線のため、今でも溶け落ちた燃料の存在場所の全体像すら分っていません。また、事故原因も解明したとするには程遠い状態です。。汚染水対策の切り札と言われた凍土壁は、完全には凍らず、その効果を発揮していません。汚染土壌を詰めたフレコンバッグは、放射線分解と風化によってボロボロです。したがって、事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は今も解除されていません。それでも政府は、今年3月から年間空間放射線量が20ミリシーベルト(国際放射線防護委員会が勧告する平常時の管理基準年間1 ミリシーベルトの20倍でチェルノブイリの移住義務基準の4倍)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者(子供を含む)の帰還を強要しています。

◆政府は昨年末に、事故を起こした福島原発の廃炉費、除染費、被害を受けた人々への賠償費などの事故対策費の総額は想定の11兆円を大幅に上回り、21兆5000億円に膨れ上がったと発表しました。ただし、この経費は、事故を起こした原子炉の内部も分からず、溶融核燃料がどこに、どの程度あるかも分からない現時点での試算ですから、額はさらに膨れ上がるともいわれています。原発は、事故や使用済み核燃料の保管を考え合わせれば、経済的にも成り立たないことは明らかです。

反原発・脱原発が民意です

◆上記のように、原発は人類の手に負える装置ではありません。一方、福島事故以降の経験から、原発は無くても不都合がないことを学びました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません。そのため、日本でも、脱原発、反原発は社会通念=民意 となっています。

◆本年2月の朝日新聞、3月の毎日新聞の世論調査でも、原発再稼働反対がそれぞれ57%、55%で、賛成のほぼ2倍でした。一昨年2月から11月に伊方町で実施された住民アンケートでは、伊方原発再稼働に反対が53.2%、賛成は26.6%でした。昨年12月には、高浜原発の地元・音海(おとみ)地区の自治会が老朽原発運転延長反対を決議されました。また、高浜原発のクレーン倒壊事故以降には、高浜原発全ての再稼働にも反対されています。若狭の他の地域でも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費や維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵を切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、最近では、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、設計寿命(30年)を10年超えた古里原発1号機の永久停止を決定しました。文在寅(ムンジェイン)新大統領は「新規の原発建設計画は全面的に白紙撤回する」と脱原発を宣言しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、シェールガス発電などに比べても経済的に成り立たないとして、原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭の原発は老朽原発です:
原発の危険度は運転年数とともに急増します

◆原発は本来事故の確率が大きい装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。したがって、韓国の古里原発1号機(40年越え)が永久停止され、若狭でも、2015年に、当時45年あるいは43年越えであった敦賀1号機、美浜1号機、2号機の廃炉が決定されています。

◆しかし、昨年、原子力規制委員会(規制委)は、関電、政府の意を受けて、運転期間を原則40年に制限する制度・「40年原則」を無視して高浜原発1号機(43年越え)、2号機(42年越え)、美浜3号機(41年越え)の20年間運転延長を適当としました。これは、「2030年の電源構成で、原発比率を20~22%とする」という、安倍政権のエネルギー政策に迎合し、政治や経済のためには、安全・安心を犠牲にしても原発を運転しようとするものです。原発新設は望めないから、安全はないがしろにしても、老朽原発を活用して目標を達成しようとしているのです。

◆若狭のその他の原発、高浜3号機(32年越え)、4号機(32年越え)、大飯1号機(38年越え)、2号機(38年越え)、3号機(26年越え)、4号機(24年越え)の老朽化も進んでいます。

◆老朽原発の危険度が急増すると考える多くの理由のうちの2例を以下に述べます。

①原発の圧力容器、配管等は長期にわたって高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(ぜいか:金属などが軟らかさを失い、硬く、もろくなること)、腐食(とくに、溶接部)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です(下記【注】をご参照下さい)。電気配線の老朽化も問題です。

②老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。

【注】老朽原発圧力容器の脆性破壊
金属は、ある程度の軟らかさを持っていますが、高温で中性子などの放射線にさらされると、硬化しやすくなり、脆(もろ)くなります。脆くなると、ガラスのように、高温から急冷したとき破壊されます。原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で放射線にさらされています。この鋼鉄が脆くなる温度は、、運転時間と共に上昇します。例えば、初期には‐16℃で脆くなった鋼鉄も、40年間炉内に置くと100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。したがって、老朽原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が破裂する危険があります。

MOX燃料・プルサーマル炉はさらに危険です

◆高浜原発3、4号機は、元々ウラン酸化物を燃料とする軽水炉ですが、現在は、燃料の一部をウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料で置き換えて(プルサーマル化して)運転しています。関電は、大飯原発3、4号機のプルサーマル化も画策しています。一部燃料のMOX化には技術的な課題が山積です。それでも、規制委は「厳しい新規制基準の下では、MOX燃料かどうかは議論にならない」として新規制基準適合審査では、ウラン炉心のみを解析対象とし、MOX使用については何の評価もしていません。プルサーマル炉が重大事故を起こしやすいと考える理由の例を以下に述べます。

①燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食する。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる。

②ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。

使用済みになったMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。

④MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であるが、再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物、など全ての点で危険度と経費が膨大に増える。なお、再処理工場は稼働の見通しもない。

無防備で、脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プールは
もうすぐ満杯です

◆原発を運転すると、

①核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。また、
②核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します。さらに、
③核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。関電の廃炉が決まっていない原発の全て(9基)が運転されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉本体の上部あるいは横に設置されていて、燃料集合体はプール内に臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。

使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければお手上げです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて2~3年以内のものであれば、冷却水喪失で燃料溶融に至ります。一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(セシウム137など)が世界を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、プールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増します

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。

原子力機構、傲慢(ごうまん)、杜撰(ずさん)な
「原子力ムラ」体質を露呈

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日、茨城県の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究所で、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)の酸化物粉末(U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生した。U・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人が被曝したという。最悪の内部被曝で、発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い、知識不足の原子力機構、隠ぺい体質の「原子力ムラ」

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入されたが、内部の点検は26年間されていなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされる。尋常な量ではない。

◆このU・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面の窓は、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なPuはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内で扱わなければならない。しかも、今回のPuの量はフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明しました。Pu-239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射します。したがって、多量のPuを長期保管していれば、ヘリウムが蓄積し、これにビニールなどの放射線分解によるガスが加われば、密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識です。上記の説明は、原子力機構がこのような常識すら忘れ去っていることを示しています。なお、原子力機構は、22日になって、放射性物質の粉末を固定するためにエポキシ樹脂を用いていたことを明らかにし(本チラシの著者注:Puを吸入して内部被曝しているので、粉末が完全に固定されていたとは考えられない)、「この樹脂が放射線分解されてガスを出す可能性は否定できない」と発表した。

◆原子力機構の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがありません。日本最大の研究機関・原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)しているのです。原子力を安全に利用できる筈がありません。

◆なお、6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」 など、事故を過小評価する言辞が目立ちます。さらに、その後、被曝者の搬送先・放射線医学総合研究所は、あたかもPuの内部被曝は無かったような発表をしています。Puと共存するアメリシウムが検出されていますから、Puも吸収されたと考えるのが当然ですが、知識不足あるいは隠蔽のためです。19日には、被曝者の尿からPuが検出されたことを「微量である」というコメント付きで発表し、Puの内部被曝を認めましたが、尿に出てくるほどの被曝は相当深刻です。

◆事故を深刻に受け止める姿勢を欠いた「原子力ムラ」体質が、福島事故を拡大したことへの反省が全く感じられません。

◆この事故と、1昨年再稼働した川内原発1号機での復水器冷却細管破損、昨年の高浜原発4号機での1次冷却系での水漏れ、発電機と送電設備の接続不具合による原子炉が緊急停止、伊方原発3号機での1次冷却水系ポンプでの水漏れなどの事故、関電の関連企業が、昨年、運搬中の鉄塔工事用の資材1トン近くをヘリコプターから落下させた2度の事故、今年1月の高浜原発でのクレーン倒壊事故などを考え合わせるとき、

「原子力ムラ」に原発を安全運転する能力、資格、体質が
無いことは明らかです。
重大事故が起ってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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