◆8月4日に高浜町で行った「講演・討論会 in 若狭 〝原発にたよらない町づくりを目指して″」の報告

【2017年8月下旬,若狭で配付。】

高浜町で「講演・討論会 in 若狭」
〝原発にたよらない町づくりを目指して″
が開催されました

◆標記の講演・討論会は、8月4日(金)13時~17時、JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」で、「若狭の原発を考える会」の主催で開催されました。ご講演は、本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆敏さん(和紙会社経営)および韓国で脱原発運動を進める青年・琴東運(クム・ドンウン、25歳、男性、青年緑ネットワーク会員)さん、裵聖敏(ペ・ソンミン、31歳、男性、脱核釜山市民連帯執行委員)さん、安瀅準 (アン・ヒョンジュン、24歳、男性、脱核蔚山市民共同行動執行委員)さん。

◆講演、質疑応答の後、若狭にお住まいで、脱原発社会を願って活動されている皆さんからの簡単なご報告・アピールがあり、原発にたよらない町づくりを目指して討論しました。

◆会場(60人定員)は溢れんばかりの盛況でした。なお、講演・討論会終了後には、「キャンプ at 若狭和田ビーチ」が企画され、韓国、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、徳島、福島、関東などからのご参加を得て、脱原発の議論と交流が続きました。

◆以下に、会を開催した趣旨と、会の模様のご報告を致します。原発重大事故の不安のない町、使用済み核燃料を蓄積しない町を目指すためのご参考になることを願います。

「講演・討論会 in 若狭」開催の趣旨

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。本年行われた各種報道機関の世論調査でも、原発反対が53~57%と、賛成の20数%のほぼ2倍でした。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。

◆また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本など少数の経済先進国です。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭にも脱原発を願う声は多数あります

◆原発立地の若狭にも、表立ってはいないものの、原発に不安を感じる声、脱原発を望む声は多数あります(原発推進の声を大きく上回っているといっても過言ではありません)。脱原発には、この隠れた声を顕在化させて頂かなければなりません。それには、今までタブー視されてきた脱原発後の社会を展望する議論を日常茶飯事にして頂くことが大切です。

重大事故が起る前に、原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、若狭でも脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう。

本講演・討論集会は、「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願って開催されました。

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2017年8月5日毎日新聞朝刊

報告「原発依存こそが町おこしの阻害要因?」
山崎隆敏さん原発地元で語る

若狭の原発を考える会・橋田秀美

◆『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか』の著者・山崎さんのご講演の概要を報告する。
原発で地元が振興しなかったこと、原発の未来は危ういこと、推進派はそれをよく知っているし、危機感も抱いている。しかし「脱原発」に舵を切ることをしない。減価償却による固定資産税の減収や電源三法交付金の目減りを、「もんじゅ」再稼動や原発増設を「取引材料」として一時しのぎの金を引き出して、補おうとしてきた。

◆そして、原発立地には、普通交付税や国庫支出金(原発がなくても得られる国庫補助)に加えて、原発関連の税金や交付金が入ってくると期待していたら、大間違いで、原発関連の税金や交付金が相殺される形で差し引かれて支給されるからくりが明らかになり、愕然とした。結局、原発がない町の方が国の財源配分率が高いのだ。

◆原発収入がある美浜町を「御曹司」、原発に頼れない旧三方町を「苦学生」に例え、原発に依存し、自助努力を怠ってきた美浜町が、原発に依存できず独自に努力してきた旧三方町に観光客数、製造品出荷額、商品販売額で追い抜かれたことを報じた新聞記事を紹介し、原発依存が地域の振興を阻んできた事実を明らかにされた。

◆自前の収入がどれくらいあるかを示す「財政力指数」が県内上位を占めるのはやはり原発立地市町であるが、原発頼みの「財政力指数」の高さを市民、町民は誇りに思えるのか。幸いにもおおい町や高浜町は、借金返済など将来に及ぼす影響の度合いを示す「将来負担比率」が0である。今が麻薬のような原発を捨てて町の再生を目指すチャンスであると山崎さんは力説された。若狭のきれいな自然、歴史や文化、海産物や山の幸、これらは原発に頼らない町づくりに大いに活かせるだろう。そのためにも、原発は一日も早く無くしたい代物であると結ばれた。

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報告「原発反対を訴える韓国青年たちの息吹に触れて」

若狭の原発を考える会・松原康彦

◆韓国で反原発運動を取り組んでいる20代から30代の青年3人が、この集会に参加して「韓国の脱核運動」と題して韓国での反原発運動の現状などについて報告した。

◆韓国の原発は運転中が24基、建設中が5基、計画中が6基あり、その大半が釜山から北の半島東海岸に集中している。韓国ではこれまで地震をほとんど経験してこなかったが、昨年9月、原発が50%以上立地する地域・釜山北部の慶州で、マグニチュード5.8の地震が起こり、多くの人が恐怖に震え、2011年の福島地震・原発事故を思い起こした。

◆他方、古里(コリ)3、4号機の格納建屋鉄板腐食と原子炉冷却材露出事故が起こった。ただ一つの電力会社・韓国電力がすべての電力を支配し、巨大な2企業の独占で原発関連工事が行われている韓国では、「核マフィア」(日本の「原子力ムラ」に相当)が「安心」と宣伝しているが、原発立地の海岸では誰一人泳ごうとしない。今回、高浜の海岸で多くの海水浴客が楽しんでいることに正直、驚いたそうだ。

◆また、建設中の新古里5、6号機の送電のために従来の送電塔の2倍以上の94 mの巨大鉄塔が蜜陽(ミリャン)で建設され、多くの住民が立ち退かされ、地域の共同体が破壊された。住民は「何のための電力なのだ」と怒っている。

◆韓国民衆の「ローソク革命」によってパク・クネを打倒し、就任したムン・ジェイン新大統領は、選挙前は「原発ゼロ」を公約しながら、当選後には、老朽化した古里1号機を永久停止して、稼働原発24基という現状を生んだものの、すべての原発が耐久年度40年を過ぎる2079年を「原発ゼロ」にすると変節し、しかも、建設中の古里5、6号機などの是非は「世論に問う」と変わっている。そして、米韓首脳会談と北の共和国のICBM発射を受けて、THAAD(サード;終末高高度防衛ミサイル)配備を強化するなど、多くの韓国民衆の思いと離れている現実が指摘された。

◆また、「若い人たちが頑張っている」という聴衆からの声に、「子どもたちの貧しさが尋常ではなく、それに大学を卒業しても職がない」現実を指摘された上で、「韓国でも1980年代に頑張った大人たちが指導部を牛耳っていて、日本とそれほどかわらないのでは」と答えられた。

報告「原発にたよらない町づくりをめざして、地元から」

若狭の原発を考える会・木戸恵子

◆山崎隆敏さん、韓国青年の講演後、若狭の市民や地方議会議員から、原発立地の現状や活動について報告があった。

◆「ふるさとを守る高浜・おおいの会」の東山幸弘さん(高浜町在住)が、昨年12月、高浜町音海地区が関電と高浜町対し、高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を提出したことについて、音海地区だけにとどまらず、多くの高浜町民の支持を得ていると、地元の状況を語られた。同会の宮崎慈空さん(おおい町在住)は、7月20日おおい町が実施した大飯原発3、4号機に関する住民説明会の報告をされた。再稼働には福井県とおおい町の同意が必要で、おおい町は説明会の内容、住民や町議会の考えを踏まえて可否を判断する。当日は、200人程度が出席したが、一般公募で選ばれた住民はわずか20数名で、大半は、町内の区長、商工会など各種代表者であった。住民からの質問には十分に答えず、再稼働ありきの形だけの住民説明会となった。

◆美浜町議の河本猛さんは、経産省発表の核廃棄物処分地地図「科学的特性マップ」について、地層が隆起し活断層も多い若狭の沿岸も「適性が高い地域」とされたことに対し、住民は「核のゴミ捨て場になるのではないか」と不安や疑念の声を上げていると報告された。また、町の財源を原発に頼っている限り、安易な再稼働容認が続くと指摘され、原発依存から脱却する産業の一つとして、再生可能エネルギーの普及促進を挙げられた。

◆敦賀市議の今大地はるみさんは、福井県・敦賀市・美浜町が、もんじゅ廃炉にかかわる地域振興策について国へ要請に出かけるに先立って敦賀市が開いた説明会は、姑息にも、非公開で原発推進派議員重視で行われたことが披露された。また、今年5月、福井地裁に高浜原発運転差し止め仮処分を、弁護士をたてずに、「原発事故が起きて放射性物質が拡散されれば人格権が侵害される」として、提訴したことを報告された。この仮処分申請は難しいものではないので、大いに活用することを勧められた。

◆若狭町議の北原たけみちさんは、地場産業のひとつとして「コケ屋上緑化植物」の栽培工場を紹介された。ヒートアイランド緩和効果などのある「コケパネル」は、普及段階に入っていると報告された。

◆「原子力発電に反対する福井県民会議」代表委員の中嶌哲演さんは、福井県の2017年度の一般会計当初予算案における歳入は、全体は前年度と比べて3%減少したにもかかわらず、電源三法交付金や核燃料税などの原発関連歳入は過去10年で最多になり、6.9%(326億円)を占めたこと、この福井県の歳入は、原発立地の市や町の原発関連歳入(敦賀市:約49億円、美浜町:約28億円、高浜町:約54億円、おおい町:約64億円)より圧倒的に多いことを資料を提示しながら指摘された。なお、高浜町、おおい町の2017年度の原発関連歳入は、一般会計予算の55%、63%を占め、本年度は大幅に増額したことも述べられた。

◆「若狭の原発を考える会」の木戸恵子は、若狭で行っているアメーバデモは、原発立地の住民と琵琶湖の水を飲んでいる関西の住民が、若狭の街角で原発への思いを交換する場であると紹介し、そこで聞いた地元の声を報告した。少しづつではあるが、かつては見られなかった地元のみなさんの変化が感じられ、それに希望をつなげたいとした。

2017年8月

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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