◆関電、大飯原発1,2号機を廃炉?

【2017年10月27日,京都キンカンで配付。】

関電、大飯原発1,2号機を廃炉?

危険な原発の運転は、経済的にも成り立たない

◆10月17日~18日、報道各社は、「関電が、稼働して40年近くになる大飯原発1、2号機(両機とも出力は117.5万キロワット)の廃炉を検討している。これから2千億円を超えるとも言われる安全対策費を投じても、採算が取れない恐れが出ているため。11月中にも判断する見込み。」と発表した。この2基の原発は、構造が特殊で、安全対策工事に多額の費用を要することが廃炉に向かう一因である。ただし、関電は17日、「大飯1、2号機の運転方針に関する報道は、当社が発表したものでなく、廃炉の方針を固めた事実はなく、現在、原子炉設置変更許可申請の準備を進めている」と発表している。

◆東日本大震災後、原発の運転期間は原則40年と決められたが、政府は、最長20年の運転延長も認めている。大飯1号機は2019年3月に、2号機は2019年12月に稼働40年を迎えるが、それまでに「新規制基準」による運転延長審査が終了しなければ、自動的に廃炉となる。この審査には最短でも1年数か月を要するので、関電が近日中に運転延長申請をしなければ、大飯1、2号機の廃炉は決定される。なお、大飯1、2号機廃炉の報道について、福井県とおおい町は、「寝耳に水」とし、「地元に説明なく、廃炉を検討しているのであれば、立地自治体軽視。」とコメントしている。

大飯原発1,2号機は、特殊な構造をしていて、安全対策費がとくに膨らむ

◆原子力規制委員会(規制委)は、10月18日、重大事故時に格納容器(原子炉本体と重要機器を覆っている容器)の破損を防ぐための新たな炉内冷却装置の設置を義務化することを決めた。とくに、沸騰水型は、格納容器の容積が比較的小さく、冷却機能が失われると炉心温度の上昇で、内圧が高まりやすい。現行の規制基準では放射性物質(とくにヨウ素)を除去しながら内部の空気を外部に排気(ベント)するフィルター付きベント装置の設置などの対策を求めている(しかし、実際には設置を猶予している)。この日の会合で、規制委は、全ての沸騰水型と、格納容器の小さい加圧水型・大飯1、2号機に対し、格納容器内の水を外部で冷やして循環させながら原子炉の冷却に使う装置の設置を義務付ける案を提案した。事故時には、まず、この循環冷却装置を使用し、事態が収束しない場合には、フィルター付きベントを使用するとしている。この循環冷却装置は、柏崎刈羽原発6、7号機、東海第2原発が設置を決めている。

◆大飯原発1,2号機は、加圧水型であるが、すでに「新規制基準」審査に合格している3、4号機(加圧水型)に比べると、格納容器の体積が半分余りと小さいので、事故の際、沸騰水型と同様に炉心温度の上昇によって内圧が高まりやすく、格納容器を冷す対策をより厳しく行わなければならない。ただし、さまざまな機器や設備が入った狭い格納容器内での、配管の補修などの安全対策工事は難しい。一方、格納容器を覆う天井の厚さは、3、4号機の20%余りの30 cmほどで、事故の際、外部に放射性物質が漏れないようにするために天井を厚くする工事も必要である。

◆大飯原発1、2号機は、国内では例を見ない「アイスコンデンサー方式」といわれる過酷事故時冷却装置を採用している。格納容器の周りに設けられた1,944本のバスケットに、ブロック状の氷を入れ、事故時に発生する蒸気を急速に冷却し、圧力を下げて、格納容器の破損を防ぐ仕組みである。アイスコンデンサーには、計1,250トンの氷を常備している。格納容器を小さく抑えたため、過酷事故時に格納容器内の温度および圧力が上昇し易い原子炉で、アイスコンデンサーが有効に働かなければ、格納容器破損の恐れがあり、関電が1、2号機の審査を申請すれば、「アイスコンデンサー方式」の有効性が争点になり、規制委が大規模な改修を迫る可能性は高い。なお、大飯原発3、4号機には、格納容器のコンクリート壁内部にPC鋼撚(よ)り線(高強度線;テンドン、ピアノ線とも呼ばれる)を入れて、予め格納容器全体を締め付けておき、事故時に発生する圧力に耐える「プレストレスト・コンクリーㇳ(PC)方式」が採用されている。

原発廃炉の流れ

◆現在までに廃炉が決定されている原発は、美浜1号機(34万キロワット)、美浜2号機(50万キロワット)、伊方1号機(56.6万キロワット)、島根1号機(46万キロワット)、玄海1号機(55.9万キロワット)、敦賀1号機(35.7万キロワット)の6基であり、大飯1、2号機のような100万キロワット超の大型原発の廃炉は、事故を起こした東電福島第一原発を除いて、初めてである。100万キロワットを超える大型老朽原発の廃炉が決定されれば、老朽原発は規模を問わず廃炉となる可能性が高くなり、安倍政権の「2030年までに、ベースロード電源として、原発電力を20~22%とする。」という原発戦略にも影響する。それでも、関電にとっては、経営的に「背に腹は代えられない。」というところであろう。

◆原発比率を20%にするには、30基程度の再稼動が必要であるが、国内の原発45基のうち規制委の「新規制基準」審査に合格しているのは7原発14基で、再稼働した原発は5基のみである。福島第2原発を含む19基は再稼働申請をしていない。福島事故以降に規制基準が強化され(それでも、安全を保証するものではない!)、安全対策費が大幅に膨らんだことで、電力各社は、比較的古い原発の再稼働コストを見極めようとして躊躇しているのが実情である。

◆なお、関電は、高浜原発1~4号機、大飯原発3,4号機、美浜原発3号機の7基を動かすために8,300億円を投じる計画であるが、さらに大飯原発1、2号機を動かせば、額が1兆円以上に膨らむ。関電は、2基を動かして、火力発電の燃料費を減らしても、安全対策費に見合うメリットはないとの判断に傾きつつある。(今になって、安全対策費に多額を投入しなければならない事実は、福島事故以前には、原発が、極めて不安全な状態で運転され続けていたことを実証している。)

膨大な費用がかかるのは、安全対策費だけではない

◆関電が大飯原発1、2号機の廃炉に向かっているのは、事故を防止するための対策費が膨大なると考えたからであるが、原発運転には、重大事故は無くても、膨大な使用済み燃料、放射性廃棄物の処理・処分・保管費がかかる。また、福島原発のような過酷事故が起れば、その対策費は天文学的金額になる。これらを勘案すれば、原発は経済的にも成り立たないことは明らかである。

電力会社が老朽原発再稼働を躊躇する原因は、経費の問題だけではない

◆福島原発事故以降のほとんどの世論調査でも、原発反対は賛成の2倍以上となっていて、脱原発、反原発が多数の人々の願いであり、民意であることを示している。規制委や電力会社といえども、この民意を無視することはできず、極めて不十分ながらも、安全性対策を強化しなければならず、それに多額を投じなければならないのである。原発全廃のために、原発事故の回避のために、脱原発、反原発の民意をさらに拡大しよう!

◆福井地裁の樋口判決、大津地裁の山本判決は、脱原発、反原発の民意を代弁し、脱原発、反原発を願う人々に大きな感動と勇気を与えた。一方、電力会社にとっては、運転中であっても運転中止を求めることができる司法の判断、いわゆる「司法リスク」に戦々恐々としなければならない事態となった。この「司法リスク」を避けるためにも、電力会社は安全対策を強化しなければならず、老朽電発の運転を躊躇せざるを得ないのである。「司法リスク」をさらに拡大しよう!

◆電力の地域独占の時代は終わり、家庭向け電力販売自由化で他業種からの参入が進み、激しい競争の中で、大手電力九社からの顧客流出が拡大している。脱原発、反原発の民意が顧客流出を加速している。再稼働すれば、経営が上向くという「経営神話」は、原発の「安全神話」と同様に崩壊している。関電を例にとれば、その発電量のうち、原発電力の割合は、福島事故前は40%程度であったが、福島事故後、企業や家庭で節電が進み、関電の16年度の電力販売量は、10年度の20%減となった。電力販売自由化で顧客流出が続く17年度には、さらに6%減が見込まれている。大飯の2基を廃炉にしても供給には余力がある。(それのみならず、原発は無くても電気は足りることは、経産省の外郭団体まで、公表している。)

脱原発は世界の潮流

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めている。そのため、周辺住民の反対運動、訴訟などが活発化し、また、安全対策などで原発の建設費、維持費、安全対策費、事故保険などが高騰して、原発はビジネスとしての魅力を失っている。さらに、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けている。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止した。また、韓国でも、40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断した。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいる。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスである。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げているが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかである。

老朽原発の廃炉を進めて、原発の新増設への反発を弱めようとする策動を許してはならない。
安倍政権の原発推進政策を断固阻止しよう!

◆安倍政権は、なくても何の支障もないことが福島原発事故以降の経験によって実証され、経済的にも成り立たないため、電力会社まで、撤退しようとしている原発を、強引に動かそうとしている。それは、

①使用済み核燃料や事故による損失を度外視すれば安上がりな原発電力によって、電力会社や大企業を儲けさせるためであり、
②原発の輸出によって、原発産業に暴利を与えるためであり、
③戦争になり、石油や天然ガスの輸入が途絶えたときの基盤電源を原発で確保するためであり、
④また、核兵器の原料プルトニウムを生産するためである。

すなわち、安倍政権下での原発の再稼働は、「巨大資本に奉仕する国造り、戦争出来る国造り」の一環として行われている。

◆安倍政権の一部には、この政策の実現のために、原発の新設、増設を推進しようとする動きもある。また、老朽原発の廃炉を進めて、原発新増設への反発を弱めようとする狙いも見え隠れする。原発新増設の策動を許してはならない。


ご報告とお礼


人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、
大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことはありません!

1、3月ともいわれる大飯原発3、4号機の再稼働を断固阻止し、
原発全廃を勝ち取りましょう!


12.3大飯原発うごかすな!現地集会・町内デモ

日 時:2017年12月3日(日)13時~
場 所:おおい町総合町民センター(町役場横)、集会後町内デモ
主 催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議、若狭の原発を考える会、ふるさとを守る高浜・おおいの会


2017年10月27日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆国連人権理事会でのアピール--その報告

原発賠償京都訴訟の原告 園田さんの国連人権理事会でのアピールの報告

【長文ご容赦ください】
【UPRなどの用語の意味は最後に記載しています】

*******************
みなさま。ジュネーブから戻りました、園田です。

みなさまの大きな応援が私を支えて下さり、無事に国連でのスピーチとロビー活動を成し遂げることができました。
スピーチ当日の早朝、グリーンピース・スイスの協力で折り鶴メッセージを展示することができました。
スイス各地から若いメンバー達が応援に駆けつけてくれたのです。
前夜にスイス事務所に集まり、私の話を聞いていただきました。
涙を流し心を寄せてくれる若者達からも、翌日のスピーチに向けて勇気を与えてもらいました。

国連加盟国から日本政府に勧告を与える4年に一度チャンスです。
ジュネーブに到着してから、国連政府代表者、特別報告部などへのロビーイングが連日続きました。
7分間のスピーチでは語りきれないため、直接お話を聞いてもらえるロビー活動も大変重要でした。
行動を共にしたグリーンピース・ジャパンのケンドラさん、城野さんも寝る間もないほどでした。
被災者を救いたいと懸命になってくださいました。

今回日本は5つの提案をしました。
*福島原発事故被災者への人権侵害
*日弁連からの人権侵害
*ヘイトスピーチなど、在日韓国人への人権侵害
*沖縄の人権侵害
*メンタル障害者への人権侵害

スイス在住の日本人の方々も会場に駆けつけてくださいました。
各国の人たちは私のスピーチをしっかり聞いてくれていたそうです。
私たちの声が伝わったと思います。

日本人ジャーナリストがスピーチ会場の様子などをアップされています。
https://ajisaich.jimdo.com/

11月の審査で一国でも多くの国が勧告を出してくれることを願っています。
支えてくださった皆さん、心から感謝いたします。
*******************
ジュネーブ報告の続きです。

グリーンピースのプレスリリースです。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20171012/
グリーンピース・ブログ
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/60485/

4年に一度スイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会の普遍的・定期的審査査(UPR)の人権に関するセッションについて少し説明させていただきます。

前回2012年のUPRでは、元双葉町長の井戸川さんが発言されました。
そして、オーストリアが日本政府に勧告を出してくれました。
日本政府はそれを受けて、特別報告者のグローバー氏を招きました。
そして2013年、グローバー氏が報告書を出しました。
しかし、日本政府はそのグローバー勧告は科学的根拠がないとして受け入れませんでした。(私のスピーチでも触れています。)
それが、現在までの流れです。

今回、3日間に渡り13カ国がスピーチをしました。
そして、各国の国連政府代理部がその中から勧告を選びます。
つまり福島原発事故が選ばれるとは限りません。
そのため、スピーチと国連内のロビー活動はとても重要だったのです。
最終決定は私たちの判決と同じく来年の3月です。

私のスピーチを和訳しました。→UPR-jananese
7分という限られた中、主催者からのフォーマットに沿って原稿を書かなくてはなりませんでした。
スピーチに合わせて作ったスライドにも規制がありました。
伝えたいことはたくさんあったので、書ききれなくてもどかしかったです。
PDFを添付しましたので、ご覧になってください。

主催者から写真が届きました。

*******************
グリーンピース・ジャパン より

グリーンピース・ジャパン一同からも、改めてお礼を申し上げたいと思います。
このプロジェクトを一緒に前に進めてくださり、本当にありがとうございます。

動画をみる >
[https://e-activist.com/ea-action/broadcast.record.message.click.do?ea.url.id=1096107&ea.campaigner.email=lYnL4KYbmY7phY%2BYc3T6h2Jcge2LejG8&ea.campaigner.id=oUcPG6%2BjWey%2FgO2vkuoghg==&ea_broadcast_target_id=0]

クラウドファンディングを始めてからわずか数日で第一目標を達成したとき、国連に訴えるというこのプロジェクトにどれだけみなさんがご期待くださっているかが伝わりました。

プロジェクトはこれで終わりではありません。
11月には、この人権状況審査の本会合がジュネーブで行われます。
日本の審査は、11月14日です。
園田さんのスピーチやロビー活動の効果を最大化するために、グリーンピースは、11月の会合にも職員を派遣して働きかけを続けます。
3月に国連人権理事会が、原発事故被害者の人権侵害について日本政府に勧告してくれるよう、 できる限りの活動をしていきます。

国際社会に声が届き始めていることを広めてくださいませんか? 動画をシェアしてください。

facebookでシェア >
[https://e-activist.com/ea-action/broadcast.record.message.click.do?ea.url.id=1096108&ea.campaigner.email=lYnL4KYbmY7phY%2BYc3T6h2Jcge2LejG8&ea.campaigner.id=oUcPG6%2BjWey%2FgO2vkuoghg==&ea_broadcast_target_id=0]

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[https://e-activist.com/ea-action/broadcast.record.message.click.do?ea.url.id=1096109&ea.campaigner.email=lYnL4KYbmY7phY%2BYc3T6h2Jcge2LejG8&ea.campaigner.id=oUcPG6%2BjWey%2FgO2vkuoghg==&ea_broadcast_target_id=0]

いま、このように国連に向けての働きかけができているのは、事故が起きてから6 年半、園田さんのように、声をあげ続けてきた避難者や住民の方々がいらっしゃるからです。
その声をみんなの力でもっと大きくしましょう。必ず、日本政府に届けましょう。

高田久代 グリーンピース・ジャパン一同を代表して

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【UPR(普遍的定期的審査)】国連における人権理事会の創設(2006年)に伴い,国連加盟国全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組み。2008年より審査を実施。2017年の第3回審査(2017年11月)では,日本についての審査が行われる。政府報告書,日弁連報告書,グリーンピース報告書などが提出されている。10月の事前セッションのあと,11月の作業部会で国連加盟国すべてが議論に参加,審査結果としてのレポートは来年3月の人権理事会本会合で採択される。結果文書は,勧告及び(または)結論と被 審査国の自発的誓約から構成される。

【2017/03/7 グリーンピース・ジャパン報告書】政府の帰還政策は原発事故被害者の人権侵害と指摘--女性・子どもへの被害は深刻。(グリーンピースのホームページに掲載)

【クラウドファンディング】今回は「原発事故被害者10万人の声を代弁する福島のお母さんを国連に送りたい」という趣旨のインターネット上の募金。グリーンピース・ジャパンが主催。9/15~9/28,800名の支援で目標額250万円を達成。
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◆原発のない町づくりを進めよう

【2017年10月13日,京都キンカンで配付。】

大飯原発、玄海原発、伊方原発、柏崎刈羽原発の再稼働を許さず、
原発のない町づくりを進めよう

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません。反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。原発立地・若狭、伊予にも、脱原発、反原発の声は多数あります。新潟県民は、原発再稼働に慎重な知事を選んでいます。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町づくりを始めましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

◆以下に、山崎隆敏著『福井の原発これまでとこれから』(サヨナラ原発福井ネットワーク)、山崎隆敏著『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』(白馬社)、脱原発を考える四万十・耕地会議『フクシマそしてクボカワ』(高知新聞総合印刷)などを参照・引用して、原発が如何に地域振興を阻害するかを考察します。

原発は地域を豊かにするか?

◆次の表 1に、原発立地自治体(茨城県東海村)と原発のない自治体(三重県菰野町;こものちょう;隣は四日市市)の財政、福祉予算、教育予算が比較してある。両自治体の人口はほほ同様である。

●表 1 東海村と菰野町の財政、福祉、教育予算の比較

◆東海村には、原発、原子力機構、原子力企業に加えて、火力発電所や企業も多い。そのため、同村の自主財源は潤沢で地方交付税不交付団体であり、一般会計予算も、菰野町に比べて、原子力関係収入分だけ多い。それでも、菰野町より、健康保険、介護保険関係予算は少なく、手厚い教育になっているとは言えない。

◆なお、東海村は例外的に人口が増えている。他の原発立地自治体は、栄えているとは言えない。それまで地域を支えてきた産業は、ほとんど消えている。

◆次の表 2に、原発立地自治体と非立地自治体の製造品出荷額および人口が、原発建設以降どう推移したかを示してある。

●表 2 1965年→2001年の製造品出荷額の増加率と人口推移(出荷額の単位;億円)

【注】大飯町と名田庄町は2006年に合併しておおい町に、
三方町と上中町は2005年に合併して若狭町になった。

赤字*で示した原発立地自治体では、製造業の1965年から2001年の36年間での伸び率が、明らかに低い。人口の推移と原発の相関は顕著でない。

◆次の表 3に、原発が立地する嶺南(福井県のうち、若狭湾の沿岸で、敦賀市より南西の地域:江戸時代の小浜藩にほぼ街頭)と原発のない嶺北(福井県のうち、南越前町より北東の地域)の製造品出荷額および人口が、原発建設以降どう推移したかを示してある。

●表 3 1966年→2012年の製造品出荷額と人口の推移:嶺南と嶺北の比較(出荷額の単位;万円)

◆原発が立地する嶺南では、製造業の1966年から2012年の46年間での伸び率が低いことが「嶺南/嶺北の比」、「一人当たりの額」の変化から明らかである。人口の推移と原発の相関は顕著でない。

◆次の表 4に、原発が立地する嶺南と原発のない嶺北の観光客入込数(訪れた観光客の数)が原発建設以降どう推移したかを示してある。

●表 4 1968年→2002年の観光客入込数の推移:嶺南と嶺北の比較

◆美しいリアス式海岸や名所旧跡の多い嶺南は、本来は、漁業や観光で十分生活できる地域である。その嶺南への観光客入込数の伸び率が低いことが「嶺南/嶺北の比」の変化から明らかである。原発依存に偏重して、地場産業の育成や観光資源の活用がおろそかにされたのではなかろうか。

◆次の表 5に、福井県の財政を福井県と同程度の人口を有する徳島県の財政と比較してある。

●表 5 福井県と徳島県との財政比較(単位:億円)

【注】県税収入の( )内は電力会社からの法人県民税、法人事業税、核燃料税の合計。国庫支出金の( )内は電電源3法交付金。

◆徳島県には、( )内に示した原子力関連収入がないが、地方交付税交付金でその分を補てんできることがうかがえる。

若者、ファミリー世代の農山漁村への移住希望が増え、
30代女性の多くが「農山漁村での子育て」を志向している。
しかし、原発立地は選ばれない。

[明治大学農学部・小田切徳美教授の講演「田園回帰が創る地域の未来」報告(米田怜央氏)から引用]

●表 6 国民の農山漁村地域に対する意識(内閣府世論調査)(単位:%)

●都市からの移住者は5年間で4倍に

  • 20~30歳代を中心に農山漁村への定住希望者(とくに女性)の割合が上昇し、多くが農山漁村が子育てに適していると考えている。
  • 農山漁村では「ナリワイ」の多業化が進み、物を育て(第1次産業)、加工し(第2次産業)、販売する(第3次産業)いわゆる第6次産業を志向する移住者が多い。
  • I ターン(都市出身者の農山漁村への移住)がUターン(故郷である農山漁村への帰還)を刺激している。
  • 「地域づくり(磨き)」と「田園回帰」の好循環による地域づくりが求められている。
  • 食糧消費額74兆円と国内食用農水産物生産額9兆円の差65兆円が、第6次産業の経済規模となり得る。現在、自給率は12%であるが、これを増やすことが、新しい社会と生き方を作る。

以上のように、農山漁村が注目されているが、原発立地を選択するはずがない。原発を全廃すれば、安心して、移住できる町づくりを進めることが可能になる。事故が起ってからでは遅すぎる。一日も早く原発を全廃しよう。


10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

集会後御堂筋デモ。ご結集をお願いします。

日 時:2017年10月15日(日)13時~14時45分
場 所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
主 催:大飯原発うごかすな!実行委員会


2017年10月13日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆柏崎原発再稼働を許すな!

【2017年10月6日,京都キンカンで配付。】

柏崎原発再稼働を許すな!

東電に原発を動かす能力はなく、
規制委に再稼働を云々(うんぬん)する資格はない。

◆原子力規制委員会(規制委)は、10月4日、東電柏崎刈羽原発6、7号機の審査で、重大事故対策が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承した。事実上の再稼働審査合格で、東電の原発としても、福島事故炉と同型の沸騰水型原発としても初めての再稼動承認である。今後、1カ月のパブコメを経て、年内に正式決定の見通しという。

◆政府、規制委、電力会社は、これを皮切りに、次々に沸騰水型原発を再稼働させようとしている。

ころころ変わり、結局は「再稼働ありき」の規制委判断。

◆規制委の田中委員長は今年7月、小早川智明社長ら東電の新経営陣を呼び、「福島原発の廃炉をやりきる覚悟と実績を示さなければ原発を運転する資格がない」とし、福島第一原発の汚染水対策などを主体的に取り組むよう求め、東電の社会的・道義的責任を問う姿勢を示した。ところが、田中委員長は、8月に東電が社長名で「主体的に関係者に向き合い、廃炉をやり遂げる」、「福島原発の廃炉と柏崎刈羽の安全性向上を両立させる」という内容の文書を規制委に提出するや、これをあっさり受け入れ、「決意表明」の文書だけで、東電は原発運転に適格とした。この文書には、東電の決意は書かれていたが、具体的な汚染水対策、廃炉作業の説明はなかった。

◆規制委の更田豊志新委員長は、9月22日の就任会見で、「福島に対する思いを持ち続け、最善をつくす」とは述べたが、東電の「決意表明」をどのような尺度で受け止め、どう評価するのかの説明はなかった。

◆一方、9月26日、東電福島第一原発1,2号機の廃炉工程が3年遅れることが明らかになり、9月28日、福島第一原発1~4号機周辺の地下水くみ上げ井戸の水位計設定のミスによって、4月から高濃度汚染水が外部に漏えいしていた可能性が大きいことが明らかになり、東電もそれを認めた。それでも、更田委員長は「技術的に再稼働の能力があるか否かだけで判断した」と釈明し、適格性議論を抜きに、「新規制基準」適合と判断した。再稼働ありきの規制委の姿勢は許されるものではない。

◆なお、東電は、福島事故に伴う損害賠償や・汚染水処理、除染などの費用を自力で工面できていない。そのような東電に巨大なリスクを抱える原発を新たに動かす資格などない。想定の2倍の21兆5千憶円に膨れ上がった福島事故処理費は税金や電気料金で賄われるが、再稼働によって事故が起きれば、さらに過酷な国民負担を強いられることは明らかである。

柏崎刈羽原発6、7号機は、新潟中越沖地震で破損し、
何度も放射能漏れを起こした原発で、活断層の真上に建設されている。

◆2007年7月16日に新潟中越沖地震が発生した。この地震の強さ(加速度)は、2,058ガルで、東電が想定していた834ガル(設計値)を大きく超えた。そのため不均等地盤沈下が起こり、3号機の変圧器では火災が発生した。消火は困難を極め、鎮火まで2時間を要した。一方、6号機では制御棒2本が引き抜けなくなり、緊急時の手順を適用して、同年11月27日にやっと引き抜けた。7号機の排気塔からは、7月18日夜までの間、放射性ヨウ素の放出が検出された。操作ミスよって、タービンの軸を封じる箇所から、復水器内の放射性物質が排気塔に流れでたためと報告された。

◆この他、次のトラブルも報告されている。
10月17日、炉内点検中の7号機で、制御棒1本が引き出せないことが判明した。

10月21日、点検中の7号機の原子炉建屋2階で、コンクリート壁にひびが入り、放射能を含んだ水が漏れだしているのを作業員が発見した。水は、巾約1ミリ、長さ約3.5メートルのヒビからもれていて、検査の結果、250ベクレルの放射能が検出された。

2009年5月、7号機で、緊急時に炉内に冷却水を送る冷却系などに不具合が生じる事故が起きた。

◆このように危険な柏崎刈羽原発の再稼働は、「胴体着陸した飛行機を再度飛行させるようなものだ」と言える。

◆なお、活断層の専門家・渡辺満久氏は、2007年9月、地球観測衛星「だいち」のデータを分析して、「柏崎刈羽原発は、活褶曲(しゅうきょく)という地形の下に潜む断層の真上にあるようだ」と発表している。

地元自治体は、「柏崎刈羽原発再稼働の必要性はない」と批判。

◆米山隆一新潟県知事は、今年4月、医師団体の会合に招かれ、「(原発は〉地域経済の貢献が大きいという話もあるが、なくてはならないものではない」、「東電が目指す6、7号機の再稼働を中止した場合に失われる利益は、農業や製造業の活性化で補完したい」と述べた。また、九電川内原発の再稼働を容認した三反園鹿児島県知事が「原発を止める権限はない」と話した点について、「『権限がない』と知事がいうのは困る。法的にも、知事には住民の安全を守る義務があり、東電と新潟県を結ぶ協定を根拠に、運転停止を求めることが出来る」と説明した。さらに、「もう1回事故が起きれば、人も、お金も対処できなくなり、日本が終わるというのを肝に銘じるべきだ」と原発の再稼働を批判した。

◆9月6日、規制委による柏崎刈羽6、7号機の「新規制基準審査」は適合の目途となった。これに対し、米山隆一知事は、新潟県独自で行っている福島第一原発事故の検証作業が終わるまでは、再稼働の議論に応じない方針を示した。また、地元の東電不信も根強く、米山知事は、「こちらとして(再稼働を)認めると言うつもりはない」と断言した。

◆一方、篠田 昭 新潟市長は9月7日の記者会見で、「東電には世界最大級の原発を再稼働して欲しくない。無理筋だ」と述べ、「福島第一原発事故を起こした東電は、原子力事業者としての適格性に欠ける」との考えを強調した。さらに、篠田市長は、2007年の中越沖地震による柏崎刈羽原発で起きた火災が鎮火するまでに長時間を要したことを挙げ、「日本海側に人が来なくなるような大変な風評被害を受けた」と指摘した。「規制委は、『安全』の面で判断されると思うが、県民と市民は安心感を持てない」とし、規制委は、県民や市民の立場には立っていないと批判し、再稼働に反対するとともに柏崎刈羽原発を廃炉にすべきとの考えを改めて示した。

政府、規制委は次々に沸騰水型原発を再稼働させようとしている。

◆柏崎刈羽6、7号機の再稼働を許せば、運転を休止中の他の沸騰水型原子炉の再稼働を認めてしまうことになりかねない。

◆更田規制委員長は、柏崎刈羽原発に導入する「新冷却装置」を全ての沸騰水型原発に義務付け、「新冷却装置」導入を条件に、女川原発(東北電力)、浜岡原発(中部電力)、志賀原発(北陸電力)、島根原発(中国電力)など、沸騰水型原発を目白押しに「新規制基準」適合とすることを目論んでいる。「福島に対する思い…」と述べた更田委員長の本心が見えてくる。なお、「新冷却装置」は、重大事故によって格納容器内の圧力が高まったとき、格納容器が破裂するのを防ぐための循環冷却システムであり、規制委は、フィルター付きベントに代って、第一の選択肢と位置付けている。単なる目新しさで国民を騙すもので、これによって、重大事故が防げるものではない。

◆福島原発事故から6年半経った今でも、汚染水は垂れ流され、廃炉作業は延期の連続で、何一つ解決していない現状で、危険極まりない原発の再稼働を行なおうとする国、東電、規制委を許してはならない。

(以上、若狭の原発を考える会・木戸惠子)

「新規制基準」は「安全基準」ではない!

◆前規制委員長までもが「“新規制基準”は安全を保証するものではない」と明言している。それでも、規制委、政府、電力会社は、“新規制基準”適合を原発再稼働認可と同等に扱っている。また、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張し、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」とする電力会社は、“新規制基準”を「安全基準」と宣伝している。「新しい安全神話」を作ろうとするものであり、電力会社や原発産業の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものである。「新規制基準」や規制委の審査は、極めて非科学的であり、欺瞞である。

1.新基準では「過酷事故も起きうる」ことを前提とした安全対策(?)を導入したという。

◆福島原発事故以前には、過酷事故を考えていなかった。また、炉心損傷に至らないとした設計基準を採用していた。「新規制基準」では、それを改めたという。新規制基準では、例えば、フィルター付きベント(排気)装置の設置、移動式の電源車、全電源喪失でも炉を冷やせる注水車の装備を義務付けた。これらの過酷事故対策は、すでに国際原子力機関(IAEA)が各国に求めていたが、日本の「原子力ムラ」は、日本の原発は完全な安全対策がとられており、過酷事故は起こり得ないとして、福島事故まで動かなかった。その同じ「原子力ムラ」が、福島大惨事の責任も取らずに、福島事故後には「新規制基準」を作り、「今度こそ安全だ」と言っているのである。「新規制基準」は、やっと世界基準に近付いただけである。

2. 福島原発の事故原因を深く追及していない「新規制基準」は、科学とは縁遠い。

◆事故から6年半経った今でも、事故炉内部の詳細は分っていない。それでも、政府は、事故から2年半もたたず、事故原因の議論も全く不十分な2013年7月、事故の教訓や知見を反映するものとして、「新規制基準」を施行した。

◆事故原因について、東電や政府は、事故直後に発表した「津波による全電源喪失」に固執している。事故原因は、冷却水配管の地震による破断など、この他にも種々考えられる。また、人災と考えられる部分も多い。事故原因が異なれば、対策も当然異なる。「新規制基準」では、そのことがほとんど勘案されていない。

◆なお、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。「新規制基準」や規制委の審査は、この過程を全く無視しており、科学とは縁遠い。

3.安全に不可欠でも、実現不能なことは要求しない「新規制基準」。

例1:かつて、原発立地について、[a] 重大な事故の発生を仮定しても、周辺の公衆に放射線障害を与えないこと、 [b] 重大事故を超えるような、技術的見地からは起こるとは考えられない事故の発生を仮想しても、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを定める立地審査指針があったが、福島事故の被害はこの指針の定める枠を越え、この指針の下での原発稼働は不可能になったため、「新規制基準」では、この指針を廃止した。

例2:コアキャチャーや航空機落下に備えた二重ドームの設置は不要としている(設置に多額の費用と長時間を要するから)。

4.都合の良いデータのみ採用して適合とする規制委審査

◆例えば、炉心溶融時の水素の発生量について、出力規模、ループ数、格納容器型式などが同一である川内1、2号機と高浜3,4号機の審査を同じ基準で評価をすれば、高浜3,4号機では、水素濃度が爆轟(爆発)発生濃度を明らかに超えることが分かったため、高浜原発の審査書では、水素発生量の不確かさの度合いを、意図的に小さくして、基準をクリヤーしている。

5.杜撰(ずさん)かつ非科学的な事故対策でも容認する規制委審査

◆例えば、原発重大事故の対策として、空気中へ飛散した放射性物質は放水設備で打ち落とし、また、海への放射性物質流出は、吸着剤と吸着性シルト(沈泥)フェンスで食い止めるという。放水で放射性物質の拡散が防げるのはほんの一部であり、放水された水は結局汚染水になる。吸着剤とシルトフェンスだけで放射性物質を除去できるのなら、福島での放射性物質流出防止に適用すべきである。規制委の審査では、こういう子供だましの対策でも可と評価している。

6.杜撰、手抜きかつ虚偽の規制委審査

例1:「新規制基準」への適合評価は事業者(電力会社)任せ。

例2:地震による配管破断はほとんど考慮せず、対策を講じないなど、重大事故対策のシナリオ策定は事業者任せである。

例3:原発立地の表層数km以内の活断層の有無が、再稼働の大きな判断基準とされている。しかし、これまでの大地震のほとんどは、探査不能な地中数10 km の震源、いわゆる「未知の深層活断層」に起因している。表層に活断層が無くても、原発は地震で破壊される可能性がある。規制委は、都合の良いデータだけで審査しているとしか考えられない。

例4:想定した原発事故に関する解析のほとんどは、コンピュータによる計算結果に基づいていて、実験的検証は少ない。コンピュータ解析は、プログラムと入力データの質に強く依存するが、現代科学は実証された完全な条件やデータを持合わせていない。したがって、解析者の原発を動かそうとする恣意(しい)が大きく結果に反映される。

7.住民避難計画は審査の対象外であるが、それでも規制委の審査結果が再稼働を左右する。

◆原発事故時の避難計画について、規制委は立地自治体や周辺自治体に丸投げしている。一方、自治体は、どこかでできたパターンに沿って避難計画を作成している。そのため、避難計画では当該自治体の地理的、人的特殊性はほとんど斟酌(しんしゃく)されていない。また、事業者(電力会社)はその作成に責任を負っていない。しかも、自治体の作成した避難計画たるや、数日のピクニックにでも出かけるような計画であり、過酷事故では、永久に故郷を失うという危機感がない。また、避難地域は100 km 圏を超える広域におよぶという認識がない。さらに、避難指示解除に関して、住民の意向を聴かないし、避難指示が解除されても(放射線量20ミリシーベルト/年で解除)、帰還先は高放射線量で、必要な生活基盤も整っていないこと、帰還後一定期間の後には賠償金や支援が打ち切られること、種々の事情で避難継続を選択すれば、賠償や支援はないこと、などの非人道性も念頭にない。原発事故に関しては、「地方自治体住民の福祉の増進を図ることを基準とする」という地方自治法の精神は全く生かされていない。

◆原発の再稼働は、住民の生命・財産に大きく関わるので、それを判断する地方自治体には、原子力利用推進政策から独立した姿勢が要求される。また、原発の被害は、極めて広域におよぶので、原発立地自治体だけでなく、周辺自治体の住民の声を十分聴かなければならない。

8.とんでもないパブリックコメント(パブコメ)のとり方

◆規制委の審査結果に対するパブコメは、わずか1ヶ月間、「科学的・技術的」部分に限って募集されている。しかし、国民のほとんどは、原子力分野の専門家ではない。専門家でも、原子力のような広範囲の知識を要する分野へのコメントを1ヶ月で出すことは至難である。また、ある意見が「虚偽である」ことを実証するには大変な労力を要する。規制委は、プロでない国民が、片手間でできる筈がないことを見越して、非科学的審査書を作り、パブコメを求めている。さらに、国民の生命と財産に関わる原発再稼働に関しては、その是非や、防災・避難計画も含めて、国民的議論を展開すべきであるが、パブコメでは、その意見は受け入れていない。

原発は無くても電気は足りている。

人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことは無い! 今すぐ、全ての原発を廃炉にしよう!


10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

集会後御堂筋デモ。ご結集をお願いします。

・日時;2017年10月15日(日)13時~14時45分
・場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
・主催:大飯原発うごかすな!実行委員会


2017年10月6日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆[原発賠償京都訴訟]9/29 結審の法廷,当日の報告

◆支援する会事務局の上野です。昨日の京都訴訟第31回期日(結審)の報告です。

◆結審とあって、支援者や各地の原告・弁護士の方であふれ、多数の報道陣が来ていたこともあり、150部用意したプレゼン資料がなくなりました。第3次提訴以来のデモ行進を行ない、ホールに入った時に一斉に沸き起こった盛大な拍手に、原告の堀江さんは「とても嬉しく、こんなにたくさんの方に支えられているのだとしみじみ思いました」と述べています。

【法 廷】

◆法廷でも最初の3分間静止画像が撮影され、夕方のカンテレ(8チャンネル)で放映されました。この様子は、
https://www.ktv.jp/news/index.html
を開いて、「前日のニュースを読む」をクリックし、「福島第一原発事故で避難、京都訴訟が結審」から観ることができます。

◆法廷では、原告側が最終弁論をを行ないました。最初に川中宏弁護団長が「本件訴訟の審理を終えるにあたって」として弁護団としての思いを述べました。その内容を大胆に要約すれば、提訴の10日前にIOC総会で安倍首相が述べた「状況は統御されています」という虚偽の発言は今なお官邸のホームページに載せられており、この嘘を押し通すのが国の基本方針と言わざるを得ない。司法もこれまでは国策の原発推進を側面から支援してきた。原告たちは、いまや見捨てられようとしているが、原告の要求は幸福追求権が保障されている憲法下(憲法13条)では、当たり前の要求であり権利である。裁判所は原告らの思いを受け止める「希望の裁判所」であって欲しい、というものでした。

◆次に森田基彦弁護士が責任論(津波に関する過失)について述べました。その内容は、2002年に土木学会が策定した「津波評価技術」は、ある地震が起こった場合に、ある地点でどのくらいの水位の津波が生じるかを計算する手法のことだが、そこでは地震に関する新しい知見が生じた場合には、津波水位の再計算を行なうことが予定されていた。同年に国の機関である地震調査研究推進本部が公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」と題する報告書では、プレート間地震の発生確率は今後30年以内に20%程度、今後50年以内に30%程度と推定していた。2008年3月、東電設計(株)は東電に対し、明治三陸沖地震規模の地震が福島県沖で発生した場合、原発敷地を超える津波が到来し、4号機のタービン建屋では2メートルを超える浸水が予測されると報告した。この解析結果は2002年の時点で知り得たものであり、予見可能だった。政府事故調が提示した施設の開口部や電気品室を水密化したり、設備を高所化する浸水被害回避の方法、あるいは失敗学会が提示した代替設備の準備、手順のマニュアル化などは短期間で実施可能だった。伊方原発に関する最高裁判決は、国に設置許可の段階で災害が万が一にも起こらないようにすることを求めている。国には規制権限行使(東電に結果回避を義務付ける)の責任があった、というものでした。

◆高木野衣弁護士は避難の社会的相当性について述べました。その内容は、社会規範である「国内法」は年間1ミリSvを超える被ばくから公衆を徹底的に保護している。年間1ミリSvを超える線量の地点を含む生活圏からの避難は社会的に相当である。また、空間線量にかかわらず、立入制限や飲食禁止とされる管理区域同様の場所、核燃料物質によって汚染されたものとして取り扱わなければならない土壌が近くに存在する場所からの避難にも相当性がある。避難者は年間1ミリSv未満になった場合にのみ帰還を推奨されるべきであるとする国連特別報告者の報告もある。今なお避難を継続していることも社会的に相当である。事故は収束せず放射能汚染は続いており、甲状腺がんの多発も指摘されている。近年の疫学調査の多くで100ミリSv以下の低線量でも健康影響は線量に比例することが明らかになっている。被災地の国民だけが、容認不可とされる線量以上の場所や管理区域、汚染された土壌のそばでくらさなければならないのか。避難という選択は何ら不合理ではなく相当であったと判示していただきたい、というものでした。

◆白土哲也弁護士は損害総論について述べました。その内容は、健康に対する強い不安は原告に共通する。専門家の知見が分かれる中、原告らが健康被害に不安を持つことは決して不合理なものではない。区域外避難者は行政による実態を無視した区域設定により、行政の援助や賠償の面で不当な差別を受けている。避難元に家族を残した世帯では、双方が家族一緒に暮らせないつらさを味わい、二重生活の経済負担で家計を圧迫されている。離婚を含め家族関係にも深刻な影を落としている。世帯全員で避難している世帯も、就労や人間関係で苦労を強いられている。障がい者や高齢者はさらに大きな負担を強いられる。帰還を選択した原告も、経済的な生活の再建やいったん断ち切られた人間関係の修復は困難な上、健康不安は避難中よりも深刻だ。損害の算定にあたっては、被告自身が策定に関わった最低基準を下回ることのないよう認定すべきだ。

◆次に原告の共同代表2人による意見陳述が行なわれました。萩原ゆきみさんは、汚染が一番低い避難元でも低レベル放射性廃棄物(100ベクレル/Kg以上)の範疇に入る程の汚染された土地で、本来なら黄色いドラム缶に入れて半減期の10倍の期間保管管理されなくてはいけない。そんな土地で生活し、子育てするなんてあってはならないことだとして、裁判所に対して避難の正当性を認めてほしいと訴えました。また、提訴したことで多くの人に被害の実相を知って頂けた、と裁判に携わった弁護団や関わったすべての人に感謝すると一方、被告国と東電に対しては謝罪を求めました。

◆福島敦子さんは、今夏戻ってきた南相馬市で見た情景について、かつては鮭がのぼっていた請戸川の川岸にフレコンバックが積みあがり、破れたフレコンバックkらは雑草が生えていると紹介。そんな場所へ帰れという国の姿勢について、「国民の知る権利をも統制し、目に見えるものはなるべく『見えないように』仕向けていく。目に見えないものは『見えないのだからなかったものであるように』仕向けてく」と痛烈に批判し、被告席に座る人もその家族も、みんなが被ばくしてはならない権利を持っている。原告はこの権利を訴え続けてきたし、「命」の問題として訴えるとのべ、最後に裁判官に対して、勇気をもって後世に明るい展望を持てる判断を下してほしいと述べました。

◆最後に浅見裁判長は「双方の真摯な問いかけに答えを出していきたい。協力を得て今日まで来られたことに感謝したい」と異例の発言をし、4年間にわたる京都訴訟を締めくくりました。

◆そして、さらに驚いたことに突然、判決日の変更を申し渡したのです。これまで3月29日(木)とされていたのを3月15日(木)に前倒しすることになりました。その理由はわかりませんが、国側が人事異動を理由に前倒しを申し出たようです。これは僕の勝手な推論ですが、これまでの裁判長の訴訟指揮から見て京都の判決よりは東京の判決の方がまだ国としてはましな判決が出るのではないか。だとしたら東京の判決が先に出て、それを打ち消すような判決があとで京都で出るよりも、先に京都の判決を出させ、東京の判決でそれを打ち消す効果を狙ったのではないか、と。

【記者会見&報告集会】

◆閉廷後、場所を弁護士会館の地階大ホールで記者会見&報告集会を開催しました。壇上に弁護団と原告団が並び、最前列に記者席を設けました。会場に来た原告は20名余り、そのうち壇上に登った原告は16名。「一人見たことない人がいるなあ」と思って、あとで隣にいた堀江さんに聞いたところ、その人は原告ではなかったそうです。なぜ壇上に座りにいったんでしょうね?謎です。

◆会場は座れない支援者が後ろの方にびっしり。僕は、原告の手記集『私たちの決断』の予約販売を引き受けて下さった方への受け渡しや新たな販売のコーナーにいたり、写真を撮ったりで忙しく、発言についてはほとんど聞き取れていませんので、新聞を見てください。

◆記者会見が終わったあと、弁護団から先日の千葉訴訟判決の評価について報告があり、全国連事務局長の佐藤三男さんや東京訴訟原告団長の鴨下祐也さん、かながわ訴訟原告団長の村田弘さん、関西訴訟原告、ひょうご訴訟原告から連帯の挨拶がありました。

◆三次会で鴨下さんが「壇上に原告がずらっと並んだのを見てびっくりしました。東京では、あれだけの人が顔をさらすことは考えられないです」と言っておられました。僕もずらっと並んだ原告団を見て感動を覚えました。

【ラストスパート集会(レセプション)】

◆午後からはキャンパスプラザに場所を移して、「提訴から4年! みんなの思いを集めて勝利をめざそう ラストスパート集会」という名のレセプションを開催しました。ほぼ定員の80名ほどが参加し、京都原告団が作成した「京都訴訟の歩み」というスライドを見ながら、その場面に関係した原告や事務局スタッフなどが1分間で説明したりその時の思いを語りました。12名の原告が登場しました。初めてに企画でしたが、みんなが結構真剣に見てくれ、反応もあり、好評でした。

◆みなさま、4年間の法廷闘争へのご支援、本当にありがとうございました。結審で、とりあえずの一区切りですが、これからもできることは公正判決署名と『私たちの決断』の販売です。引き続きご協力をお願いします。

◆[原発賠償京都訴訟]9/29 結審期日のお礼

支援する会のみなさま

◆完全勝利を目指した結審期日になりましたお礼と報告です。原告団共同代表萩原、福島です。

◆昨日の結審期日へたくさんの方が、多くの想いを持って駆けつけてくださいました。抽選には140名を超える方が列をなし、福島県や神奈川県、東京都や千葉県、そして滋賀県やひょうご、大阪、三重方々からも強い絆の同志がエールを送るべく駆けつけてくださいました。その前をプラカードを持ち、20名以上の原告と弁護士先生が提訴以来の堂々たる行進に気が引き締まりました。

◆緊張感に包まれた中で、抽選に並ぶみなさまからの拍手が湧き起こりました。ホールに入った時も、拍手は私たちを包み込みました。いつも傍聴にきてくださり、温かい声をかけてくださるみなさまのお顔を一人一人みまわしていましたら、一次提訴からの4年間が走馬灯のようにめぐり、私は涙を堪えるのが必死でした。

◆法廷に向かう前に、第7民事部へ署名を提出に原告、橋本さんと向かいました。18,000筆を超える人々が世界から明るい希望を持てる判決を望んでいると伝えました。

◆今日の最終陳述は、本人尋問に立った55世帯すべての想いと、弁護士先生のこれまでの努力、そして傍聴席から一体となりこれまでともに歩んできてくださったみなさまの想いを、余すことなく泣くことなく裁判官に伝るべく法廷に立とうと思っていたからです。

◆川中団長の棄民にならざるを得なかった避難者の苦悩と司法がどう向き合うべきかという深い陳述、森田先生と高木先生、白土先生のまとめのお話、萩原共同代表の声を枯らしながら心身消耗した中での悲痛の叫び。すべてが京都訴訟クライマックスでした。浅見裁判官から、原告、被告、傍聴席へ向け、感謝の言葉があったのは、裁判官に万感の思いとなり届いたのだろうと思います。
記者会見、期日報告会では、立ち見の大勢の方々が、長時間見守ってくださいました。

◆たくさんの原告が堂々と記者会見場に臨み、名前を言い、話す。完全勝利まで私はこの原告たちと闘うんだと心に留めた瞬間でした。

◆また、原告の判決への交通費カンパ金として、みなさまから多くの気持ちをいただきました。

◆各訴訟団、みなさまからのエールも、次に繋がるエネルギーになります。
レセプションでも、85名の参加者。美味しいひょうごの日本酒の差し入れがあったり、行列が出来るパン屋さんのパンをこしらえてくださったり。原告と支援する会スタッフから、4年間の写真を通した思い出を披露しました。

◆国連での発言予定の園田さんが、日本へ帰ってきた時の報告集会にむけたカンパ金もたくさん集まりました。

◆歌あり、マジックあり、弁護士先生の苦労話と勝利宣言あり。支援する会共同代表の心強い言葉、支援ネットの吉田さん、宗川先生、奈良の美濃さんはじめ今日までともに寄り添ってくださったみなさまからのありがたい一言、そして福島からきてくださった佐藤さんの強い思いや、神奈川の村田さん、東京の鴨下さんや、弁護士先生、ひょうごと関西訴訟団などからの次に繋がるメッセージ。

◆すべてがこの濃い4年間を表していました。
思いは溢れすぎて、すべてを書ききれません。
判決は、来年3月15日木曜日。
それまでは、原告の手記を販売し、署名活動をし、話の場をいただきながら、私たちの活動を伝えてまいります。
みなさま、これからもともに進んでいただけますように。
長くなりました。感謝の気持ちを込めて。

◆みなさまと会える次の機会は、
署名活動10月14日 土曜日 13時から14時まで。
京阪三条駅周辺です。

【支援する会のウェブサイトが開設されています。ぜひ、一度お立ち寄りください。→こちら。】