◆柏崎原発再稼働を許すな!

【2017年10月6日,京都キンカンで配付。】

柏崎原発再稼働を許すな!

東電に原発を動かす能力はなく、
規制委に再稼働を云々(うんぬん)する資格はない。

◆原子力規制委員会(規制委)は、10月4日、東電柏崎刈羽原発6、7号機の審査で、重大事故対策が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承した。事実上の再稼働審査合格で、東電の原発としても、福島事故炉と同型の沸騰水型原発としても初めての再稼動承認である。今後、1カ月のパブコメを経て、年内に正式決定の見通しという。

◆政府、規制委、電力会社は、これを皮切りに、次々に沸騰水型原発を再稼働させようとしている。

ころころ変わり、結局は「再稼働ありき」の規制委判断。

◆規制委の田中委員長は今年7月、小早川智明社長ら東電の新経営陣を呼び、「福島原発の廃炉をやりきる覚悟と実績を示さなければ原発を運転する資格がない」とし、福島第一原発の汚染水対策などを主体的に取り組むよう求め、東電の社会的・道義的責任を問う姿勢を示した。ところが、田中委員長は、8月に東電が社長名で「主体的に関係者に向き合い、廃炉をやり遂げる」、「福島原発の廃炉と柏崎刈羽の安全性向上を両立させる」という内容の文書を規制委に提出するや、これをあっさり受け入れ、「決意表明」の文書だけで、東電は原発運転に適格とした。この文書には、東電の決意は書かれていたが、具体的な汚染水対策、廃炉作業の説明はなかった。

◆規制委の更田豊志新委員長は、9月22日の就任会見で、「福島に対する思いを持ち続け、最善をつくす」とは述べたが、東電の「決意表明」をどのような尺度で受け止め、どう評価するのかの説明はなかった。

◆一方、9月26日、東電福島第一原発1,2号機の廃炉工程が3年遅れることが明らかになり、9月28日、福島第一原発1~4号機周辺の地下水くみ上げ井戸の水位計設定のミスによって、4月から高濃度汚染水が外部に漏えいしていた可能性が大きいことが明らかになり、東電もそれを認めた。それでも、更田委員長は「技術的に再稼働の能力があるか否かだけで判断した」と釈明し、適格性議論を抜きに、「新規制基準」適合と判断した。再稼働ありきの規制委の姿勢は許されるものではない。

◆なお、東電は、福島事故に伴う損害賠償や・汚染水処理、除染などの費用を自力で工面できていない。そのような東電に巨大なリスクを抱える原発を新たに動かす資格などない。想定の2倍の21兆5千憶円に膨れ上がった福島事故処理費は税金や電気料金で賄われるが、再稼働によって事故が起きれば、さらに過酷な国民負担を強いられることは明らかである。

柏崎刈羽原発6、7号機は、新潟中越沖地震で破損し、
何度も放射能漏れを起こした原発で、活断層の真上に建設されている。

◆2007年7月16日に新潟中越沖地震が発生した。この地震の強さ(加速度)は、2,058ガルで、東電が想定していた834ガル(設計値)を大きく超えた。そのため不均等地盤沈下が起こり、3号機の変圧器では火災が発生した。消火は困難を極め、鎮火まで2時間を要した。一方、6号機では制御棒2本が引き抜けなくなり、緊急時の手順を適用して、同年11月27日にやっと引き抜けた。7号機の排気塔からは、7月18日夜までの間、放射性ヨウ素の放出が検出された。操作ミスよって、タービンの軸を封じる箇所から、復水器内の放射性物質が排気塔に流れでたためと報告された。

◆この他、次のトラブルも報告されている。
10月17日、炉内点検中の7号機で、制御棒1本が引き出せないことが判明した。

10月21日、点検中の7号機の原子炉建屋2階で、コンクリート壁にひびが入り、放射能を含んだ水が漏れだしているのを作業員が発見した。水は、巾約1ミリ、長さ約3.5メートルのヒビからもれていて、検査の結果、250ベクレルの放射能が検出された。

2009年5月、7号機で、緊急時に炉内に冷却水を送る冷却系などに不具合が生じる事故が起きた。

◆このように危険な柏崎刈羽原発の再稼働は、「胴体着陸した飛行機を再度飛行させるようなものだ」と言える。

◆なお、活断層の専門家・渡辺満久氏は、2007年9月、地球観測衛星「だいち」のデータを分析して、「柏崎刈羽原発は、活褶曲(しゅうきょく)という地形の下に潜む断層の真上にあるようだ」と発表している。

地元自治体は、「柏崎刈羽原発再稼働の必要性はない」と批判。

◆米山隆一新潟県知事は、今年4月、医師団体の会合に招かれ、「(原発は〉地域経済の貢献が大きいという話もあるが、なくてはならないものではない」、「東電が目指す6、7号機の再稼働を中止した場合に失われる利益は、農業や製造業の活性化で補完したい」と述べた。また、九電川内原発の再稼働を容認した三反園鹿児島県知事が「原発を止める権限はない」と話した点について、「『権限がない』と知事がいうのは困る。法的にも、知事には住民の安全を守る義務があり、東電と新潟県を結ぶ協定を根拠に、運転停止を求めることが出来る」と説明した。さらに、「もう1回事故が起きれば、人も、お金も対処できなくなり、日本が終わるというのを肝に銘じるべきだ」と原発の再稼働を批判した。

◆9月6日、規制委による柏崎刈羽6、7号機の「新規制基準審査」は適合の目途となった。これに対し、米山隆一知事は、新潟県独自で行っている福島第一原発事故の検証作業が終わるまでは、再稼働の議論に応じない方針を示した。また、地元の東電不信も根強く、米山知事は、「こちらとして(再稼働を)認めると言うつもりはない」と断言した。

◆一方、篠田 昭 新潟市長は9月7日の記者会見で、「東電には世界最大級の原発を再稼働して欲しくない。無理筋だ」と述べ、「福島第一原発事故を起こした東電は、原子力事業者としての適格性に欠ける」との考えを強調した。さらに、篠田市長は、2007年の中越沖地震による柏崎刈羽原発で起きた火災が鎮火するまでに長時間を要したことを挙げ、「日本海側に人が来なくなるような大変な風評被害を受けた」と指摘した。「規制委は、『安全』の面で判断されると思うが、県民と市民は安心感を持てない」とし、規制委は、県民や市民の立場には立っていないと批判し、再稼働に反対するとともに柏崎刈羽原発を廃炉にすべきとの考えを改めて示した。

政府、規制委は次々に沸騰水型原発を再稼働させようとしている。

◆柏崎刈羽6、7号機の再稼働を許せば、運転を休止中の他の沸騰水型原子炉の再稼働を認めてしまうことになりかねない。

◆更田規制委員長は、柏崎刈羽原発に導入する「新冷却装置」を全ての沸騰水型原発に義務付け、「新冷却装置」導入を条件に、女川原発(東北電力)、浜岡原発(中部電力)、志賀原発(北陸電力)、島根原発(中国電力)など、沸騰水型原発を目白押しに「新規制基準」適合とすることを目論んでいる。「福島に対する思い…」と述べた更田委員長の本心が見えてくる。なお、「新冷却装置」は、重大事故によって格納容器内の圧力が高まったとき、格納容器が破裂するのを防ぐための循環冷却システムであり、規制委は、フィルター付きベントに代って、第一の選択肢と位置付けている。単なる目新しさで国民を騙すもので、これによって、重大事故が防げるものではない。

◆福島原発事故から6年半経った今でも、汚染水は垂れ流され、廃炉作業は延期の連続で、何一つ解決していない現状で、危険極まりない原発の再稼働を行なおうとする国、東電、規制委を許してはならない。

(以上、若狭の原発を考える会・木戸惠子)

「新規制基準」は「安全基準」ではない!

◆前規制委員長までもが「“新規制基準”は安全を保証するものではない」と明言している。それでも、規制委、政府、電力会社は、“新規制基準”適合を原発再稼働認可と同等に扱っている。また、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張し、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」とする電力会社は、“新規制基準”を「安全基準」と宣伝している。「新しい安全神話」を作ろうとするものであり、電力会社や原発産業の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものである。「新規制基準」や規制委の審査は、極めて非科学的であり、欺瞞である。

1.新基準では「過酷事故も起きうる」ことを前提とした安全対策(?)を導入したという。

◆福島原発事故以前には、過酷事故を考えていなかった。また、炉心損傷に至らないとした設計基準を採用していた。「新規制基準」では、それを改めたという。新規制基準では、例えば、フィルター付きベント(排気)装置の設置、移動式の電源車、全電源喪失でも炉を冷やせる注水車の装備を義務付けた。これらの過酷事故対策は、すでに国際原子力機関(IAEA)が各国に求めていたが、日本の「原子力ムラ」は、日本の原発は完全な安全対策がとられており、過酷事故は起こり得ないとして、福島事故まで動かなかった。その同じ「原子力ムラ」が、福島大惨事の責任も取らずに、福島事故後には「新規制基準」を作り、「今度こそ安全だ」と言っているのである。「新規制基準」は、やっと世界基準に近付いただけである。

2. 福島原発の事故原因を深く追及していない「新規制基準」は、科学とは縁遠い。

◆事故から6年半経った今でも、事故炉内部の詳細は分っていない。それでも、政府は、事故から2年半もたたず、事故原因の議論も全く不十分な2013年7月、事故の教訓や知見を反映するものとして、「新規制基準」を施行した。

◆事故原因について、東電や政府は、事故直後に発表した「津波による全電源喪失」に固執している。事故原因は、冷却水配管の地震による破断など、この他にも種々考えられる。また、人災と考えられる部分も多い。事故原因が異なれば、対策も当然異なる。「新規制基準」では、そのことがほとんど勘案されていない。

◆なお、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。「新規制基準」や規制委の審査は、この過程を全く無視しており、科学とは縁遠い。

3.安全に不可欠でも、実現不能なことは要求しない「新規制基準」。

例1:かつて、原発立地について、[a] 重大な事故の発生を仮定しても、周辺の公衆に放射線障害を与えないこと、 [b] 重大事故を超えるような、技術的見地からは起こるとは考えられない事故の発生を仮想しても、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを定める立地審査指針があったが、福島事故の被害はこの指針の定める枠を越え、この指針の下での原発稼働は不可能になったため、「新規制基準」では、この指針を廃止した。

例2:コアキャチャーや航空機落下に備えた二重ドームの設置は不要としている(設置に多額の費用と長時間を要するから)。

4.都合の良いデータのみ採用して適合とする規制委審査

◆例えば、炉心溶融時の水素の発生量について、出力規模、ループ数、格納容器型式などが同一である川内1、2号機と高浜3,4号機の審査を同じ基準で評価をすれば、高浜3,4号機では、水素濃度が爆轟(爆発)発生濃度を明らかに超えることが分かったため、高浜原発の審査書では、水素発生量の不確かさの度合いを、意図的に小さくして、基準をクリヤーしている。

5.杜撰(ずさん)かつ非科学的な事故対策でも容認する規制委審査

◆例えば、原発重大事故の対策として、空気中へ飛散した放射性物質は放水設備で打ち落とし、また、海への放射性物質流出は、吸着剤と吸着性シルト(沈泥)フェンスで食い止めるという。放水で放射性物質の拡散が防げるのはほんの一部であり、放水された水は結局汚染水になる。吸着剤とシルトフェンスだけで放射性物質を除去できるのなら、福島での放射性物質流出防止に適用すべきである。規制委の審査では、こういう子供だましの対策でも可と評価している。

6.杜撰、手抜きかつ虚偽の規制委審査

例1:「新規制基準」への適合評価は事業者(電力会社)任せ。

例2:地震による配管破断はほとんど考慮せず、対策を講じないなど、重大事故対策のシナリオ策定は事業者任せである。

例3:原発立地の表層数km以内の活断層の有無が、再稼働の大きな判断基準とされている。しかし、これまでの大地震のほとんどは、探査不能な地中数10 km の震源、いわゆる「未知の深層活断層」に起因している。表層に活断層が無くても、原発は地震で破壊される可能性がある。規制委は、都合の良いデータだけで審査しているとしか考えられない。

例4:想定した原発事故に関する解析のほとんどは、コンピュータによる計算結果に基づいていて、実験的検証は少ない。コンピュータ解析は、プログラムと入力データの質に強く依存するが、現代科学は実証された完全な条件やデータを持合わせていない。したがって、解析者の原発を動かそうとする恣意(しい)が大きく結果に反映される。

7.住民避難計画は審査の対象外であるが、それでも規制委の審査結果が再稼働を左右する。

◆原発事故時の避難計画について、規制委は立地自治体や周辺自治体に丸投げしている。一方、自治体は、どこかでできたパターンに沿って避難計画を作成している。そのため、避難計画では当該自治体の地理的、人的特殊性はほとんど斟酌(しんしゃく)されていない。また、事業者(電力会社)はその作成に責任を負っていない。しかも、自治体の作成した避難計画たるや、数日のピクニックにでも出かけるような計画であり、過酷事故では、永久に故郷を失うという危機感がない。また、避難地域は100 km 圏を超える広域におよぶという認識がない。さらに、避難指示解除に関して、住民の意向を聴かないし、避難指示が解除されても(放射線量20ミリシーベルト/年で解除)、帰還先は高放射線量で、必要な生活基盤も整っていないこと、帰還後一定期間の後には賠償金や支援が打ち切られること、種々の事情で避難継続を選択すれば、賠償や支援はないこと、などの非人道性も念頭にない。原発事故に関しては、「地方自治体住民の福祉の増進を図ることを基準とする」という地方自治法の精神は全く生かされていない。

◆原発の再稼働は、住民の生命・財産に大きく関わるので、それを判断する地方自治体には、原子力利用推進政策から独立した姿勢が要求される。また、原発の被害は、極めて広域におよぶので、原発立地自治体だけでなく、周辺自治体の住民の声を十分聴かなければならない。

8.とんでもないパブリックコメント(パブコメ)のとり方

◆規制委の審査結果に対するパブコメは、わずか1ヶ月間、「科学的・技術的」部分に限って募集されている。しかし、国民のほとんどは、原子力分野の専門家ではない。専門家でも、原子力のような広範囲の知識を要する分野へのコメントを1ヶ月で出すことは至難である。また、ある意見が「虚偽である」ことを実証するには大変な労力を要する。規制委は、プロでない国民が、片手間でできる筈がないことを見越して、非科学的審査書を作り、パブコメを求めている。さらに、国民の生命と財産に関わる原発再稼働に関しては、その是非や、防災・避難計画も含めて、国民的議論を展開すべきであるが、パブコメでは、その意見は受け入れていない。

原発は無くても電気は足りている。

人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことは無い! 今すぐ、全ての原発を廃炉にしよう!


10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

集会後御堂筋デモ。ご結集をお願いします。

・日時;2017年10月15日(日)13時~14時45分
・場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
・主催:大飯原発うごかすな!実行委員会


2017年10月6日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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