◆「若狭の原発を考える会」は今年も闘いました

【2017年12月29日、京都キンカンで配付。】

「若狭の原発を考える会」は今年も闘いました
ご支援ありがとうございました

ここに、本年の「若狭の原発を考える会」の活動の主なものをご報告し、感謝申し上げます。
原発全廃を目ざす来年の活動への一層のご支援をお願いします。

1.50日間アメーバデモを行い、
約7万枚のチラシを各戸配布しました

原発立地でも脱原発、反原発が多数の願いであり民意です

◆アメーバデモは、関西や福井から原発立地の若狭に集まり、3~4人がグループになり、徒歩で、鳴り物を鳴らしながら、「反原発」の旗を掲げ、肩にかけたスピーカーで呼びかけながら、チラシを若狭、京都府北部、滋賀県北部の隅から隅まで配る行動です。通常は、2グループ程度ですが、多いときには、全国からの応援を得て、10グループ以上になることもあります。毎月2回・計4日間かけて行い、今年は約7万枚のチラシを配布しました。

◆私たちは、このアメーバデモをすでに3年以上継続し、お会いした住民1000人以上から、直接お話をうかがってきましたが、その中でも、「原発はいやだ」の声が圧倒的に多数であり、原発推進の声はほとんど聞かれていません。原発立地でも、表には現れていないけれども、脱原発、反原発が多数の願いであり、民意なのです。

2.原発電気の消費地・大阪での関電包囲全国集会とデモ

3月28日、大阪高裁第11民事部は、高浜原発3、4号機の運転差止めを命じた大津地裁20l6年3月9日仮処分決定、および、これに対する関電の異議を退けた同裁判所7月12日決定を取り消しました。大阪高裁の決定は、関電、政府、原子力規制委員会の主張のみを追認し、圧倒的多数の脱原発・反原発の民意を踏みにじり、人の生命と尊厳をないがしろにするものです。

◆関電は、この裁判の中で、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”を「安全基準」とし、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張しています。さらに、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」としています。

◆一方、大阪高裁は、新規制基準が不合理であるとするのなら、住民側がそれを立証しなければならないとしています。司法制度の根幹を自ら否定する判決です。

◆この決定に先立つ1月22日、「若狭の原発を考える会」は、「原子力発電に反対する福井県民会議」(以下 「福井県民会議」と略)などと共に、「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」を呼びかけ、実行しました。中之島での前段集会には400人が参加しました。集会後には荒天の中、デモで西梅田へ向かいましたが、参加者は600人に膨れ、関電包囲集会には1000人の参加を得ました。

◆大阪高裁決定直後の4月2日、「福井県民会議」の呼びかけで「高浜原発うごかすな!実行委員会」を結成しました。この会の実務は「福井県民会議」と「若狭の原発を考える会」で担うことになりました。

4 月27 日、「高浜原発うごかすな!実行委員会」主催で、700 名の参加の下、怒りの「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」と御堂筋デモを行いました。

8月11日、「福井県民会議」と「若狭の原発を考える会」との呼びかけで 「大飯原発うごかすな!実行委員会」が結成されました。
10月15日「大飯原発うごかすな!実行委員会」の主催で、「10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会」と御堂筋デモが、衆院選挙の最中、豪雨にも拘らずNHK発表で600 人(主催者発表500 人)の参加を得、大飯原発再稼働反対!原発全廃!を訴えました。

3.原発現地・若狭での集会、デモ、セミナー

5月7日、「高浜原発うごかすな!実行委員会」主催で、「高浜原発うごかすな!高浜集会」と高浜町内デモを400人の参加で貫徹しました。集会に先だち、高浜原発ゲート前では、抗議集会と申入れを行いました。デモでは、町民からのご声援が多数あり、参加者一同感激しました。

5 月8~12 日、「高浜原発うごかすな!高浜―福井リレーデモ」と「沿線13自治体への申入れ」を行いました。出発集会には約l00人、延べ400人が参加しました。申入れでは、福井県を除く自治体は、おおむね丁寧な対応をし、原発の安全性、避難の困難さなど、原発への懸念が表明されました。とくに、立地自治体でない市町村からは脱原発に近い反応もありました。治道などからは温かい声援、カンパなどを多数戴きました。

5月17日の高浜原発4号機再稼働当日、「若狭の原発を考える会」の呼びかけで、正午より夕刻まで、現地デモ、原発ゲート前集会、申入れを行い、再稼動に断固とした抗議をしました (100人参加)。
6月6日の高浜原発3号機再稼働当日、「若狭の原発を考える会」の呼びかけで、早朝から高浜町役場にビラ入れ、街宣(関東からを含む20人参加)、午前中、原発周辺、東舞鶴でアメーバデモ (関東からを含む20人)、午後、現地デモ、集会、申入れを行い、原発再稼働の暴挙を糾弾しました (l20人参加)。

8月4日、高浜町で、「講演・討論会in 若狭」“原発にたよらない町づくりを目指して”を「若狭の原発を考える会」の主催で開催しました。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか』の著者・山崎隆敬さんおよび韓国で脱原発運動を進める青年3人に講演を戴きました。会場 (60人定員)は溢れんばかりの盛況でした。講演・討論会終了後には、「キャンプat若狭和田ビーチ」が企画され、韓国、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、徳島、福島、関東などからの参加を得て、脱原発の議論と交流が続きました。

9月8日、おおい町議会の大飯原発3、4号機再稼働同意に抗議する行動が、町役場前および議場で行われました。若狭の原発を考える会の呼びかけで42人が参加しました。

9月21日、MOX燃料の高浜原発到着の当日、福井県民会議と若狭の原発を考える会の呼びかけで、早朝より抗議行動が30人の参加を得て行われました。

12月3日、大飯原発1、2号機の廃炉が決定的になり、3、4号機再稼動の策動が神戸製鋼のデータ改ざんの余波で2ヶ月遅れたとはいえ、3、4号機再稼働が来年3、5月に企まれていることに鑑み、「大飯原発うごかすな!実行委員会」主催で、おおい町現地全国集会と町内デモが、500人の大結集をえて貫徹されました。デモ時には、町民から多くのご声援を得ることが出来ました。

来年を
原発ゼ口元年にしましょう!

2017年12月29日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原発稼働をめぐるおもな司法判断

…住民側勝訴の判決,決定】


【福島第一原発事故の前】
「原発訴訟」をほとんど全て敗訴にした最高裁事務総局は[原子力ムラ]の守護神!→こちらにくわしい。

住民側勝訴は2例のみで,2勝32敗。
参考図書→『原発訴訟』(海渡雄一著,岩波新書)

(1)もんじゅ訴訟
2003-01-27,名古屋高裁金沢支部(川崎和夫裁判長)
設置許可は無効…一審の判決を取り消し。
その後,2005-05-30に最高裁が控訴審判決を破棄。

(2)志賀原発2号機訴訟
2006-03-24,金沢地裁(井戸謙一裁判長)
日本ではじめて原発運転差し止めを認める判決…耐震指針や活断層の評価に問題。原発は地震によってメルトダウンする可能性。
ただし2009-03-18名古屋高裁金沢支部で取り消し判決,2010-10-28最高裁で確定。


【2011-03-11 福島第一原発事故の後】

(1)大飯原発3・4号機
2014-05-21
福井地裁(樋口英明裁判長)
本訴,差し止め…福島事故のような事態を招く可能性。原発は人格権よりも劣位。

名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)
2017-11-20結審,判決日未定

(2)高浜原発3・4号機
2015-04-14
福井地裁(樋口英明裁判長)
仮処分,差し止め…新基準は合理性を欠く。地震への備えは不十分。

2015-12-24
福井地裁 異議審(林潤裁判長)
▲差し止め,取り消し…新基準は合理的。

(3)川内原発1・2号機
2015-04-22
鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)
▲仮処分,申し立てを却下。火山噴火の危険性は高くない。

2016-04-06
福岡高裁宮崎支部 即時抗告審(西川知一郎裁判長)
▲抗告を棄却…火山噴火は頻度が低く、原発運転中には噴火しない。

(4)高浜原発3・4号機
2016-03-09
大津地裁(山本善彦裁判長)
仮処分,差し止め…福島事故の原因は未解明。規制委の姿勢は不安。

2017-03-28
大阪高裁 保全抗告審(山下郁夫裁判長)
▲差し止め,取り消し…新基準は合理的。安全性は明らか。

(5)伊方原発3号機
2017-03-30
広島地裁(吉岡茂之裁判長)
▲仮処分,申し立てを却下…火山噴火の可能性はない。

2017-12-13
広島高裁 即時抗告審(野々上友之裁判長)
差し止め…阿蘇山噴火の火砕流の到達の可能性あり。

◆伊方原発をめぐる仮処分–2017年12月

(1)【伊方原発をめぐる仮処分は4裁判所で係争】

・広島高裁…[決定前の前評判]12月上旬の広島高裁に注目を。広島高裁では,運転容認の広島地裁の決定(3月)を不服とする即時抗告が争われています。10月4日に双方が書面を出し終え審理が終結し,12月上旬の裁判所の決定を待つばかりです。この裁判は被爆地広島の裁判として注目されていますが,愛媛からは小倉正さん(松山市)が抗告人として参加しています。この間の審理では,裁判官が四電側書面について細部にわたり的確な質問をしていることなどから,裁判所の判断が待たれています。
[2017/12/13の決定主文 → 次項に ]

・大分地裁…10月11日に審尋があり,次回の審尋は12月20日。

・山口地裁岩国支部…本格的な審理はこれからという段階で,立証計画として愛媛大学元学長の小松正幸さんによる第三者審尋の実施などの予定。

・高松高裁抗告審…11月16日に第1回の審尋。7月21日の松山地裁の運転容認の不当な決定を不服として即時抗告をしたもの。裁判長は「拙速な審理はしない」と明言し,2月13日に第2回審尋,5月16日に第3回の予定。

(2)【広島高裁。2017年12月13日の決定主文】

主文

1 原決定を次のとおり変更する。
(1) 相手方は,平成30年9月30日まで,愛媛県西宇和郡伊方町九町字コチワキ3番耕地40番地の3において,伊方発電所3号機の原子炉を運転してはならない。
(2) 抗告人らのその余の申立てをいずれも却下する。

(以下,中略)

5 結論(決定398頁~399頁)
(1) 以上によれば,火山事象の影響による危険性について,伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理であり,抗告人らの生命身体に対する具体的危険の存在が事実上推定されるから,抗告人らの申立ては,被保全権利の立証(疎明)がなされたといえる。
(2) 伊方原発は,現在稼働中であるから,差止めの必要性(保全の必要性)も認められる。
もっとも,本件は,証調べの手続に制約のある仮処分であり,火山事象の影響による危険性の評価について,現在係属中の本案訴訟(広島地方裁判所平成28年(ワ)第289号,第902号)において,証拠調べの結果,本案裁判所が当裁判所と異なる判断をする可能性もあること等の事情を考慮し,四国電力に運転停止を命じる期間は,平成30年9月30日までと定めることとする。
(3) 担保金の額については,事案の性質に鑑み,担保を付さないこととする。
(4) よって,以上と異なる原決定を変更し,主文のとおり決定する。

裁判長裁判官 野々上 友之
裁判官 太田 雅也
裁判官 山本 正道

(3)【今後の展開】

(浅野則明弁護士のFacebookより)

この即時抗告審(高裁)に対する異議申立は、地裁段階と同様に「保全異議」という手続です。これは債務者からの申立として同一審級の不服申立です(この点、債権者からの不服申立が審級を異にする即時抗告であることと違っています)。これは、大津地裁の高浜原発の差し止め仮処分決定の異議審が同地裁の審理になったのと同じです。ただ、実際に保全異議を担当する裁判官は誰かという点については、広島高裁の場合は違う部に係属する可能性が高いかも知れません。同時に、保全執行の停止の裁判も審理されることが可能となっています。

異議審(高裁)において、異議を認めない却下決定が出された場合の債務者側の不服申立としては、最高裁への「特別抗告」と「許可抗告」しかない。特別抗告には、特別上告の規定が準用されるので、抗告理由は憲法違反しかない。これに対し、許可抗告は、判例違反等法令解釈の違反を理由とするものであるところ、この許可の判断をするのは高裁自身である。高裁、つまり抗告審決定を行った裁判体が最高裁への抗告を許可するかどうかを判断することになる。許可されれば、最高裁に移審するが、原裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反がある場合に限って、原裁判を破棄することができるとされている。

◆使用済み核燃料プールが危ない

【2017年12月15日,京都キンカンで配付。】

使用済み核燃料プールが危ない

たまり続ける使用済核燃料

◆原発を運転し、ウラン酸化物燃料やウラン-プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を核反応(燃焼)させると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物(死の灰)やマイナーアクチニド(ネプツニウム、アメリシウムなどのウランより重い元素)が生成する。したがって、核燃料を永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼(核分裂)させ、一部のウランやプルトニウムが燃焼した段階(大部分のウランやプルトニウムは未反応のまま)で、新燃料と交換せざるを得なくなる。そのため、使用済み核燃料がたまる。

◆使用済み核燃料は、原子炉に付置された水冷式の燃料貯蔵所(沸騰水型では燃料プール、加圧水型では燃料ピットと呼ぶが、ここでは、両者ともに燃料プールと呼ぶことにする。このプールには新燃料も保管する)で保管し、放射線量と発熱量がある程度低下した後、空冷式容器(キャスク)に移されて、再処理工場にある貯蔵施設(日本では、青森県六ケ所村) に運ばれることになっている。再処理工場では、燃料棒を切断して、鞘(さや)から使用済み核燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解し、ウランやプルトニウムを分離して取り出し、新しい燃料に加工する。ただし、再処理工程では、それまで閉じ込められていた放射性物質が放出されることになり、危険度は、とんでもなく高い。そのため、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、再処理工場の完成の目途(めど)は立っていない。危険極まりないこの工場の運転は不可能と言われている。したがって、使用済み核燃料のほとんどは、全国の原発の燃料プールに保管されている。

全国の使用済核燃料プールは満杯に近い

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,820 トン以上たまり(2016年9月)、3,000トンが六ケ所村の再処理工場に、残りが全国の原発に保管されていて、全国の貯蔵場所の73%が埋まっている。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になる。使用済み核燃料を消滅させる方法はない。福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンで、その7割近くがすでに埋まっている。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなる。

危険な使用済燃料プール

以下、燃料プールについて考察する。広瀬 隆著「白熱授業 日本列島の全原発が危ない!」を参照した。

◆燃料プールは、上の概念図のように、原子炉の上部横に設置されていて、水で満たされている。原子炉圧力容器中の使用済み核燃料を燃料プールに移送するにあたっては、原子炉上部の原子炉ウエルに水を満たした後、圧力容器の上蓋を空け、クレーンで圧力容器内の燃料棒を釣り上げる。沸騰水型では、プールゲートを開けて、燃料棒をプールに移動させ、プール内のラックと呼ばれる仕切りの中に納める。加圧水型では、燃料棒を原子炉ウエル中で横にして、トンネルを潜(くぐ)って燃料プールに移し、プールで直立させて、ラックに納める。プール中の水は、冷却材の役目だけでなく、放射線遮蔽材の役目も果たし、その水深は燃料棒の上端から7~8 m 程度である。

使用済み燃料プールの水が減少すれば、燃料溶融に至り、核爆発を起こす。

◆燃料プールは、圧力容器から取り出した核燃料を何の防御もないプールで保管しているのであるから、「むき出しの原子炉」とも考えられ、脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高い。例えば、地震によって、燃料プールの水位が下がって、燃料が水から顔を出すと、水が沸騰を始め、無くなる。そうすると、ジルコニウム合金の燃料被覆管が燃え上がり、発生した水素が爆発する。この状態になると、燃料は溶融し、核爆発に至る。直近の原子炉本体も制御困難になる。

福島第1原発4号機の燃料プールは、崩壊の危機にあった。

◆福島原発事故当時、4号機の燃料プールには、使用済み核燃料1,535体が保管されていた。含まれる放射性物質の量は、事故で放出された放射性物質の量の27倍と推定されている。この4号機では、水素爆発のために、プールの下の支えが破壊され、プール崩壊寸前であったが、コンクリートで補強して危機を回避した。当時、近藤俊介原子力委員長は、管直人首相に、プール崩壊による「首都圏壊滅」の最悪の事故シナリオを伝えていた。東電は、事故から3年8ヶ月後にやっと使用済み燃料の全てを取り出し、別のプールに移した。移送前に大地震が無かったから、「首都圏壊滅」を免れたともいえる。

リラッキングによって、燃料プールはさらに危険になっている。

◆核燃料は、一定の量を接近面核分裂連鎖反応を始める。したがって、燃料プール内では、ラックといわれる仕切りを用いて、燃料棒集合体の間隔を確保して、臨界反応(核爆発)を回避している。ところが、使用済み核燃料の行き場に困窮した電力各社は、このラックを改造(リラッキング)して、燃料棒間の距離を近づけ、燃料棒をぎゅうぎゅう詰めにしてしまった。例えば、高浜原発3、4号機では、2005年と2006年にリラッキングし、プールの貯蔵能力を2.67倍に増やしている。プールで核爆発が生じる危険性は極めて大きくなったと言える。

福島第1原発3号機では、燃料プールで核爆発した?

◆2011年3月14日に起こった3号機の爆発では、最初に黄褐色の炎が出た後、大爆発の煙が猛烈な勢いで真上に上がり、キノコ雲となり、雲の中から黒い塊がバラバラと降った。このように、ウラン-プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の3号炉では、2段階の爆発が起こったが、後の爆発の特徴は、核爆発の可能性を強く暗示している。降下物は核燃料と考えられるが、高放射線のため、詳細は未解明である。推定される経過は、
①まず、前段の爆発(水素爆発)で、燃料プールが激震し、
②ラックに異変が生じ、燃料棒集合体間の距離が近づき過ぎて、
③臨界核爆発に至った、というもの。
他のシナリオは、
①燃料プールの水が沸騰状態にあったとき、水素爆発が起こり、
②その衝撃で水中の気泡が消え、中性子の減速効果が高まり(中性子の速度が減速すると、核反応が生じやすくなる)、
③出力が急上昇し、核分裂に至った、
というもの。

加圧水型原発の燃料プールは、沸騰水型のそれより、格段に危険。

◆関電が所有する若狭の原発のような加圧水型原発の燃料プールは、さらに危険である。先述のように、使用済み核燃料は、過熱と高放射線を避けるために、水中を潜(くぐ)って燃料プールに移送される。加圧水型での移送は、燃料集合体を一旦横に寝かせて、トンネルを経て運ばれる。これは、放射性物質を閉じ込める格納容器に大きな穴を開けられないためである。この燃料交換作業が煩雑であることは言うまでもないが、原発重大事故時に、燃料をプールに迅速移送することも困難である。また、移送中に大地震が起れば、トンネル内で燃料が立ち往生する、また、トンネルが塞がれば、燃料移送が不可能になる。さらに、そのようなトラブルの間に、プールの水が漏れだせば、重大事故に至る可能性が大きい。

使用済み混合酸化物(MOX)燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて、格段に下がり難い。

◆使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。また、取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍であり、使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要する。燃料プールは脆弱であり、冷却水を喪失しやすいことは、福島原発4号機のプールが倒壊寸前であった事実からも明らかである。保管の面からも、MOX燃料によるプルサーマル運転を許してはならない。

一刻も早く原発を全廃し、燃料プールを空にしよう!

提案;東京や大阪で保管しても安全な使用済み燃料乾式保管法を開発せよ。

◆人類は、原発を運転するという、大きな過(あやま)ちを犯してしまった。この原発を全廃するには、生じた使用済み核燃料、放射性物質の処理と保管にについて、考えざるを得ない。これらを、盥(たらい)回しをしていても、原発廃炉は進まない。以下は、使用済み燃料、放射性廃棄物をどう保管するかについての提案である。

①まず、原発の廃炉を決定する。使用済み核燃料、放射性廃棄物を増やしてはならない。原発は、重大事故対策費、使用済み燃料の処理・保管費を考えると、経済的にも成り立たないことは明らかである。

②原発から取り出した使用済み核燃料を、耐震性、耐災害性を強化した使用済み燃料プールで一定期間保管。現在のプール
では、保管中に発生する大災害に耐えられない。改造しても、安全なプールの建設は不可能。

③使用済み核燃料は、プールで一定期間保管後、放射線量、発熱量の減少した燃料は、一刻も早く空冷保管する。前述のように、燃料プールは、極めて不安全であるから、一刻も早くこれを空にし、使用済み核燃料をより安全性の高い空冷容器(キャスク)で乾式貯蔵する。空冷保管法は、膨大な費用がかかっても、東京や大阪のような都市(原発電気の消費地)で保管しても不安が無いような、頑丈なものを開発する。例えば、厚い不銹鋼(ステンレス)でできた2重、3重の容器に入れ、2重、3重におおわれた気密性建屋に保管する。都市で、人の監視下にあることも重要。

④危険極まりない使用済み燃料プールを一日も早く空にする。プールを空けて、新しい使用済み燃料を入れ、原発を継続させようとする策動を許してはならない。

⑤使用済み核燃料は再処理はせず、放射性廃棄物は、できるだけコンパクトなものとし、少量に分けて、③に順じた方法で厳重保管をする。再処理のように使用済み核燃料を溶解することは廃棄物を増やすだけ。ガラス固化は安全でもなく、将来、別の保管法が見つかったとき、放射性物質を取り出して、新保管法を適用できない。


火山大国、地震大国に原発があってはならない。

広島高裁が、伊方原発の運転を差止め!
(高裁では初めて:意義は計り知れない)

◆去る13日、広島高裁(野々上友之裁判長)は、四国電力伊方原発3号機の運転を9月末まで差し止める決定をした。期限付きとはいえ、反原発、脱原発の圧倒的な民意を尊重した画期的な決定である。他の原発裁判に与える影響は大きく、反原発、脱原発を熱望する多くの人々に大きな勇気と感動を与えるものである。

◆この抗告審の中で、広島高裁は、伊方原発が阿蘇カルデラから130 km の距離にある点を重視し、同カルデラで大規模噴火が起きると「火砕流が到達する可能性が小さいとはいえず、伊方は原発立地に適さない」とした。原子力規制委員会(規制委)には「火山ガイド」と呼ばれる安全審査に関する内規がある。その中では、原発から160 km 以内に位置し、活動の可能性がある火山については、その活動の大きさを調査し、火砕流が原発に到達する可能性が小さくないと評価されたときには、原発の立地を認めないとしている。

◆広島高裁は、四国電力が実施した伊方原発内の地質調査やシミュレーションを検討し、約9万年前の阿蘇カルデラ噴火で火砕流が伊方原発敷地内に到達した可能性は小さいとは言えないとし、四国電力の想定は過小だと判断した。最大級の噴火で無い場合でも、大量の火山灰が降り積もり、原発の運転は不可能になるため、立地は不可としている。規制委自身の内規に照らし合わせた、極めて明快な判断である。

◆福岡高裁宮崎支部は、昨年4月に、同じ問題意識をもちながら、正反対の結論を出している。宮崎支部は、「火山ガイド」を知りながら、このガイドに従って論理を展開することはせず、原発推進が「社会通念」であるとして、脱原発、反原発の民意を蹂躙した。

◆広島高裁決定の持つ意義は、次の点で極めて大きい。

第1に、今回の決定は、火山大国である日本の原発の何れにも当てはまることである。火砕流であれば、九州、東北、北海道で起こり得る。火山灰であれば、全国のどの原発にも降り注ぐ。

第2に、伊方原発3号機を「新規制基準」に適合とした、規制委審査に不合理があるとした点である。電力会社の側に立った審査を行い、原発推進に突っ走る規制委の姿勢を指弾(糾弾)している。


人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、
大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことはありません!
一刻も早く、原発全廃を勝ち取りましょう!

2017年12月15日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆来年2/17 広瀬隆さん&守田敏也さん~ジョイント講演会

「日本列島の全原発が危ない!
次の大事故で市民の命と生活は?」

◆日時や場所など

  • 講 師…広瀬隆さん,守田敏也さん。
  • 参加費…1,000円。ただし,大学生,原発事故避難者,障がい者は500円。高校生以下無料。
  • 連絡先…吉田明生 090-5660-2416 meiseiあっとpp.iij4u.or.jp。蒔田直子090 3704 3640。
  • Facebookのイベントページも同様の内容を掲載していますが,賛同団体・個人のお名前の掲載は,こちらのWebのみとしました。Facebookではご自由に投稿していただけますので,書き込みを歓迎いたします。→こちら

◆講師の紹介

  • 広瀬隆さん

    ■1979年のスリーマイル島原発事故を機に,「原発がそんなに安全というならば,電力の大消費地である首都圏に原子力発電所を建設してはどうか」と指摘した『東京に原発を!』(1981年),がんや白血病で死んだハリウッドスターの死因と,ネバダ州で行われていた大気圏内核実験の因果関係を示唆した『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』(1982年)を出版。
    ■1986年にチェルノブイリ原発事故が発生すると,『危険な話』(1987年,八月書館)で原子力発電や放射性廃棄物の危険性を主張するなど,脱原発の論客として活動。
    ■近著に『日本列島の全原発が危ない!』(2017年11月,デイズジャパン。税込み2322円)。1943年生まれ。
  • 守田敏也さん

    ■同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどをへて,フリーライター。環境問題や平和問題に関わりつつ,福島原発事故以降は各地で放射線防護の講演を行い,ヨウ素剤配布などを訴えている。日本の脱原発運動をヨーロッパやトルコなど海外へ発信する活動も積極的に進めている。2012年より兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員に就任。
    ■『内部被曝』(共著,岩波ブックレット),『原発からの命の守り方』(2015年,海象社。税込み1490円)。1959年生まれ。
    BlogWebTwitterFacebookがあります。

◆賛同の団体や個人…2017/12/30 現在。(五十音順,敬称略)

  • 団体(33)…■アジェンダ・プロジェクト■関西合同労働組合京都支部■キッチン・ハリーナ■京田辺・綴喜原発ゼロプログラムの会■京都「被爆2世・3世の会」■グリーン・アクション■原発ゼロをめざす左京の会■原発ゼロをめざす西京ネットワーク■原発なくそう宇治の会■原発なしで暮らしたい丹波の会■原発なしで暮らしたい宮津の会■原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会■原発をなくす向日市民の会■憲法9条・メッセージ・プロジェクト■子ども脱被ばく裁判を支える会-西日本■さよなら原発長岡京市民の会■さよなら原発なら県ネット■さらば原発の会・京都■3.11ゆいネット京田辺■市民環境研究所■出版労連・出版情報関連ユニオン京都支部■新聞うずみ火■ストップ・ザ・もんじゅ■生活協同組合コープ自然派京都■地の人・宗教対話ネット■使い捨て時代を考える会■とめよう原発!!関西ネットワーク■NAZEN京都■奈良脱原発ネットワーク■反原発自治体議員・市民連盟■反原発自治体議員・市民連盟 関西ブロック■ふしみ「原発0」パレードの会■若狭の原発を考える会■
  • 個人(41)…■稲村守■井上賀世■内富一■宇野朗子■榎田基明■榎本晶彦■奥西知子■栢下壽■河原よしみ■河本紳一朗■小針修子■榊原義道■佐藤大介■杉谷伸夫■泉寺卓(堀内隆喜)■宗川吉汪■槌田劭■とうてらお■中井豊■西川生子■西川隆善■萩原ゆきみ■橋本昭■橋本宏一■原強■福島敦子■古澤房子■松本修■松本美津男■満田雄■溝江清美■水戸喜世子■向平恵子■村上敏明■森松明希子■山崎正彦■山田和幸■山田耕作■山田みすず■山田勝暉■吉田和義■

◆カラー宣伝チラシ…完成しています。お送りするなりお届けできます。お送りする場合,住所のほか,着払いが可能の場合はその旨ご連絡ください。

◆その他…参考

  • 2018/2/17(土)の夜には福島原発告訴団関西支部などが主催する集会が開かれます(18:00~20:00,ハートピア京都)。こちらの講師は,佐藤和良さん(福島原発刑事訴訟支援団・団長)。くわしくは→こちら。両方参加可能です(^o^)。盛りだくさんの日ですね(^o^)
  • 2017/12/10(日)関連企画。
  •  2017/11/27(月)〈週刊朝日 7:00配信〉原発事故“予言”の広瀬隆が再び警告「近く大事故が起こる」その場所は…→こちら

◆「12.3大飯原発うごかすな!現地全国集会」報告

◆12月3日の集会には、全国各地から約500人が参加され、北海道から鹿児島までの全国の原発立地、若狭湾沿岸の京都北部と若狭、福井県北部、関西各地の市や町の代表、労働組合の代表、裁判を闘う弁護団などから力強い「大飯原発うごかすな!」のメッセージが発せられました。集会後には、絶好のデモ日和の下、約1時間の町内デモが断行され、おおい町内に「大飯原発うごかすな!」、「原発全廃」の声が響きわたりました。デモに手を振って下さる住民もそこここで見かけられました。
◆以上、ご報告申し上げます。ご参加、ご支援を戴きました皆様には、心よりお礼申し上げます。
◆10月15日の「大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会」と昨日の現地集会の大きな成果の上に、若狭の原発の全廃を勝ち取りましょう!
(若狭の原発を考える会 木原壯林)


◆実行委員会のBlog報告は→こちら

◆以下2紙で報道されました。

  • 朝日新聞デジタル→171204-asahi(pdfファイル)
  • しんぶん赤旗1面→171204-akahata(pdfファイル)

◆決議文  大飯原発再稼働の策動を糾弾し、原発全廃を求める!

原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の処理や保管の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手に負える装置ではありません。福島の事故炉は、現在でも廃炉の見通しが立たず、汚染水は垂れ流され続けています。避難された人々は、除染が進んだとするには程遠く、高放射線でインフラも整備されていない故郷への帰還を強要されています。

一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても何の支障もないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は全く見出だせません。不要な原発を稼働させて、事故のリスクに怯える必要はないのです。

そのため、最近のほとんどの世論調査でも、原発反対は賛成の2倍以上となっています。脱原発、反原発が多数の人々の願いであり、民意であることを示しています。

それでも、関電は、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”に適合とされたことを拠り所にし、また、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張して、去る5月、6月に、高浜原発4、3号機を再稼働させました。

一方、関電は、来年早々の大飯原発3、4号機の再稼働を企てるのみならず、40年超え老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の再稼動をも画策し、「原発銀座・若狭」の復活を狙っています。脱原発、反原発の民意を蹂躙し、経済的利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものです。また、イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾、スイス、韓国が脱原発に向かい、アメリカでも原発からの撤退が相次いでいるという、世界の潮流に逆らうものでもあります。

政府と関電は、若狭の原発を次々に再稼動させることによって、日本中の原発再稼働に弾みをつけ、原発依存時代の再来を狙っています。

私たちは、原発の危険性を再三にわたって指摘してきました。政府や電力会社が、この指摘を無視して、原発を運転して事故が起ったら、それは彼らの故意による犯罪です。許されるものではありません。

私たちは、去る10月15日の「大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会」および本日の「大飯原発うごかすな!おおい現地全国集会」を突破口にして、電力会社や政府を震え上がらせるような大衆運動を高揚させ、「脱原発、反原発の民意を無視したら大変なことになる」ことを彼らに思い知らせ、あらゆる手段を駆使して、粘り強く原発全廃を勝ち取ることを決議します。

2017年12月3日

12.3大飯原発うごかすな!現地全国集会参加者一同

◆原発に関わる最近の出来事

【2017年12月1日,京都キンカンで配付。】

1.またも「原子力ムラ」体質を暴露

核ごみ処分地意見交換会に謝礼を約束した学生や原燃社員を動員

◆経産省(資源エネルギー庁)は7月28日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)について、最終処分場の候補地となり得る地域を示した「科学的特性マップ」を公表した。日本の基礎自治体約1,750のうち、約900が安全に処分できる可能性が高い地域にあたるという。日本の陸域の約3割を占める。(チラシ作成者注;地震、火山大国に処分場適地があるはずがない:このマップには科学性のかけらもない)。経産省はマップをもとに9月から自治体への説明(意見交換会)を始め、候補地の選定作業に入っている。

◆この意見交換会の一部会場では、主催した原子力発電環境整備機構の孫請け会社が、謝礼を約束して学生を動員したことが判明した。例えば、11月6日にさいたま市で開かれた会に、1人1万円の謝礼を約束して学生12人を動員した。また、4都府県で1人当たり5千円の謝礼を約束した27人を参加させた。11月24日には、核燃料サイクル施設を運営する日本原燃の社員が「情報収集の一環」として参加していたことも明らかとなった。利害関係者の望む方向に議論が歪められる可能性が大きい。原発導入の初期から「原子力ムラ」が採用してきた常套手段(=金銭バラマキによる賛成派獲得、スパイ行為による反対派排除)をまたも採用したことになる。

2.老朽東海第2原発も運転延長を申請

老朽原発の運転延長は、安倍政権の戦争政策への迎合

◆日本原子力発電(日本原電)は、11月24日、来年11月で運転開始から40年になる東海第2原発について、20年の運転延長を原子力規制委員会に申請した。事故を起こした福島原発と同型の沸騰水型の運転延長申請は初めて。関電の老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機(いずれも加圧水型)の運転延長は認可されており、「原発の運転期間は減速40年」としたルールの空洞化である。これは、安倍政権が目指す「2030年にベースロード電源(チラシ作成者注;戦争するために最低限必要な電源)として、原発電力を20~22%とする」という政策に迎合するためである(チラシ作成者注;老朽原発を動かさなければ、この目標を達成できない)。

◆東海第2原発の再稼働審査は、ほぼ終了したと言われるが、安全対策費は当初想定(780億円)の2倍以上の約1,800億円に膨らんでいる。(チラシ作成者注;老朽原発再稼働は経済的には成り立たない。したがって、老朽原発再稼働は、戦争という非常時を想定したものといえる。その費用は、電気料金と税金でまかなわれる)。安全対策費高騰の主な理由は、津波対策として、盛り土ではなく、鉄筋コンクリート製防潮壁の建設が求められたこと、また、老朽原発特有の問題として、総延長400 km の電気ケーブルを燃えにくくする工事が求められたことである。日本原電は、原発専業であり、他の発電法による発電収入は得られないので、今後、資金調達能力が問題となる。なお、規制委は、安定的な資金調達が確認できない場合は、再稼働審査の合否判断をしないとしている。

◆一方、東海原発の場合、重大事故時に避難対象となる30 km 圏内の住民数が全国最多の96万人で、避難計画の策定ができる筈もなく、地元同意の見通しも立っていない。

◆関連して、10月中旬に、老朽原発・大飯原発1、2号機(1979年3月、12月運転開始)の廃炉を、関電が検討していると報道された。(遅くとも今年中に運転延長の申請が出されなければ、運転延長審査を期限内に終えることが出来ず、必然的に廃炉となる)。廃炉が決定されれば、100万キロワット超級大型原発では、福島事故炉を除いて、初である。安全対策費の高騰が理由とされる。福島事故の大きな犠牲の上に、脱原発、反原発を求める市民運動の盛り上がりがあり、福井地裁、大津地裁での原発運転を認めない画期的な判決があって、電力会社が安全対策に膨大な費用をつぎ込まなければならなくなったためであり、市民運動、裁判闘争の勝利ともいえる。ただし、老朽原発の廃炉と引き換えに、原発の建て替えや新設を企む動きもあり、警戒を要する。

3.金儲け第一の大企業、倫理や技術は崩壊し、地に落ちている

素材データの改ざん、捏造、自動車の不正検査・・・・等々

◆原発の再稼動を進める電力会社は、傲慢で、事故だらけで、たるみ切り、トラブル続きの企業である。トラブルの急増は、電力会社に限ったものではない。最近では、東芝の放漫経営、神戸製鋼、三菱マテリアルズ、東レの関連企業のデータ改ざん、日産やスバルの不正検査、在日米軍機や自衛隊機の相次ぐ墜落・炎上など、枚挙のいとまがない。

◆金儲けにのみに突っ走る、日本資本主義の倫理や技術は崩壊し、地に落ちていることを物語っている。岸、佐藤、中曽根、小泉、安倍らが、50年以上にわたって続けた人間性無視の政策、すなわち、極端な合理化、派遣労働、非正規雇用の助長、過剰な科学技術依存、後先考えぬ教育破壊、労働組合破壊、農業破壊、社会構造破壊の付けが回ってきたのだ。

データを改ざん、捏造された素材が原発や汚染水タンクにも?
玄海原発3、4号機、大飯原発3、4号機の再稼働は2か月程度遅れ

◆九州電力は、原子力規制委員会の要請で調査した玄海原発3、4号機について、原子炉格納容器の鉄筋や重要装置の溶接材などに神戸製鋼の製品が使用されていたことを確認したと発表した(11月22日。ただし、九電は、不正が確認された工場とは別の工場で生産されたものという)。このため、調査が必要となり、1月に企まれていた3号機の再稼働は2月以降に遅れることになった。3号機と同時に規制委の審査に合格した(全審査終了は9月14日)4号機の再稼働も、来年3月に企てられていたが、連動して遅れる。

◆同様に、大飯原発3、4号機でも神戸製鋼製の部品が使われていることが明らかになり(11月30日)、現在行われている「原子炉の使用前検査」が遅れるため、再稼働も2か月程度遅れ、3号機が3月、4号機が5月の再稼働になると関電が発表した。

◆一方、東京電力福島原発事故で増え続ける汚染水を敷地内で貯蔵しているタンク約850基中の約730基の「溶接型」タンクにも神戸製鋼が製造した部品が使われていることが明らかになった(11月14日。ただし、東電は、不正が確認された工場とは別の工場で生産されたものと発表)。ほとんどの溶接部で使われていて、腐蝕→破損による汚染水漏れが懸念される。

4.再稼働ありき、空約束下の茶番劇

大飯原発3、4号機の再稼働に福井県知事同意

◆11月27日、西川福井県知事は、脱原発、反原発の圧倒的な民意を蹂躙して、大飯原発3,4号機の再稼働に同意した。同知事は、判断に当たり、関電に使用済み核燃料の中間貯蔵施設の計画を具体化するよう求めていたが、11月23日に岩根関電社長が「18年中に計画を示す方針」という、実行に何の保証もない、空約束をしたことで同意に踏み切った。再稼働ありきの姿勢は明白である。なお、知事は、11月25~26日、中川原子力防災担当相、世耕経産相と会談し、2基の再稼働への理解を求められ「県民に信頼される判断をしたい」と述べていた。(チラシ作成者注;使用済み核燃料の貯蔵を喜んで引き受ける場所があるはずがない。使用済み燃料を中間貯蔵地に移し、空いた燃料プールを使って、さらに原発運転を続けようとする企みを許してはならない)。

◆2基の再稼働には、すでに、おおい町と福井県議会が同意している。この県知事の同意で、再稼働に向けた地元手続きは完了したことになり、関電は、来年1月中旬の3号機再稼働、3月中旬の4号機再稼働を企んでいる(前述のように、関電は11月30日時点で2か月遅延を発表)。地元からは、重大事故時の避難に関する不安などが、噴出している。

◆高浜原発3、4号機再稼働前の昨年8月には、「最大級の避難訓練」といわれた訓練が行われた。この訓練では、やや強い風のため、船は出せず、ヘリコプターは飛ばせなかったばかりでなく、訓練に参加したといわれる1万人弱のほとんどは自宅待機であり、実際に県外に避難したのは200数10人のみであった。それも、ピクニックにでも出かけるような避難訓練であり、原発重大事故は2度と帰れない故郷を作るという危機感は全くなかった。さらに、原発事故は、極めて広域に及び、若狭のみならず、京都、滋賀、大阪などの住民数100万人の避難の可能性、琵琶湖が汚染して、1450万人の飲用水が失われることも念頭になかった。福島事故に学んだ訓練とは、ほど遠いものであり、再稼働のための手続きとしか考えられないものであった。しかし、今回の大飯原発3、4号機の再稼働に当たっては、このような手続き的な避難訓練も行われないまま、福井県知事の同意を得ている。周辺府県や市町村の意見は、完全に無視されている。

◆大飯原発に関する緊急防護措置区域(UPZ;概ね30 km 圏内)の市町村は、原発の安全対策の推進を求め、国の避難計画などの事故対策の実効性に関する疑問や焦りも表明している。

◆大飯原発3、4号機が再稼働されれば、直線距離にして14 km しか離れていない近接した高浜原発と合わせて、2つの原発が稼働することになり、新規制基準下では初めてのケースとなる。地震や津波の被害が一方の原発だけて生じるとは考えられず、同時事故となれば、避難は一層困難になり(両原発に挟まれた高浜町役場周辺の住民は、東西どちらに逃げても事故炉に向かって逃げることになる)、原発集中立地の危険性は特に深刻である。

人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、大きな犠牲を
払うこと、事故の不安に慄(おのの)くことはありません!
大飯原発3、4号機の再稼働を阻止し、原発全廃を勝ち取りましょう!


12.3大飯原発うごかすな!現地集会・町内デモ

日 時:2017年12月3日(日)13時~
場 所:おおい町総合町民センター(町役場横)、集会後町内デモ
主 催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議、若狭の原発を考える会、ふるさとを守る高浜・おおいの会


STOP! 伊方原発 高松集会

日 時:2017年12月10日(日)13時~
場 所:高松市JR高松駅前広場、集会後デモ
主 催:四国4県共同主催[脱原発アクションin 香川、グリーン市民ネットワーク高知、原発さよなら四国ネットワーク(愛媛)、脱原発市民ネットワーク徳島]


上記の2集会には関西からバスを配車します。乗車ご希望の方は、下記連絡先(木原)まで。


2017年12月1日発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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