◆原発、最近の出来事(本年1月~)

【2018年2月9日,京都キンカンで配付。】

◆安倍政権は、福島原発事故炉の内部の様子もほとんど分からず、汚染水は垂れ流され続けているにもかかわらず、福島事故は収束したかのように、世界をだまして、オリンピックに邁進し、福島の避難者に、高放射線で、インフラも整っていない故郷への帰還を強要しています。一方、脱原発・反原発の民意をないがしろにして、全国の原発を次々に再稼働させようとしています。経済的利益のために、人の命と尊厳を踏みにじるものです。

◆以下に、2018年になってから話題になった原発関連の出来事をまとめてみました(出来事の発生日順)。脱原発、反原発運動をさらに高揚させ、原発のない社会を展望する上で、参考になれば幸いです。

日立が進める英原発新設計画に官民で3兆円の融資方針

【1月3日報道】
◆日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと、国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が総額1.5兆円の融資を行う方針を固めた。事故などによる貸倒れに備えて、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する。政府系の日本政策投資銀行(政投銀)も出資を行い、中部電力などの電力各社も出資を検討している。総額3兆円規模に上る原発輸出を政府主導の「オールジャパン体制」で後押ししている。投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年に稼働を目指して英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクトである。

◆この融資方針だけを見ても、安倍政権が、大資本に暴利を与えるために原発を推進していることは明らかである。なお、JBICや政投銀は政府系であるので、事故などで、損失が発生すれば、最終的には国民にツケが回ってくる。

関電は福井の使用済み核燃料を青森で中間貯蔵する方針:むつ市は拒否

【1月7日報道】
◆関電が若狭の3原発から出た使用済み核燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入し、一時保管する方針を1月6日に固めた。関電は、福井県から県外への搬出を求められており、今年中に決定すると明言していた。使用済み燃料は、各原発のプールに保管されているが、容量に限界がある。国は、関電以外にも相乗りさせ、使用済み燃料をむつ市に集中させる方針で検討している。むつ市の中間貯蔵施設は、東電と日本原子力発電の共同出資で建設され、両者の使用済み燃料のみを受け入れる予定であったが、福島事故などの影響で稼働していない。関電が出資する代わりに一部のスペースを使用する計画である。関電など西日本に多い加圧水型原発の燃料を本格的に受け入れるには、今後、改造や増設が必要になるという。

◆この関電の計画について、7日、宮下むつ市長は、「仮に関電にそうした計画だあったとしても、事業者の立場で判断できるレベルの話ではない。地域の気持ちを無視したやり方では到底受け入れられない」と拒否の考えを示した。

原発即時停止に賛成は49%

【1月15日報道】
◆共同通信社が1月13、14日に行った全国世論調査で、全原発の即時停止に賛成は49.0%、反対は45.2%であった。調査は、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける方法で行われた。有権者がいる世帯の固定電話739件に電話がかかり、507人から回答を得た。また、1122件の携帯電話に電話がかかり、506人から回答を得た。

日米原子力協定自動延長に

【1月16日報道】
◆米国は、原子力技術を他国に供与する際、核不拡散の立場から、原子力協定で核物質や関連施設の取り扱いを規制している。日米原子力協定では、非核保有国の日本に、使用済み核燃料からのプルトニウムの抽出(再処理)、混合酸化物(MOX)燃料としての再利用、ウラン濃縮などの核燃料サイクル事業を行うことを特例的に認めている。

◆1988年7月に発効した日米原子力協定は今年7月16日に期限の30年を迎えるが、その6か月前までに、日米いずれかが終了を通告しなければ、自動延長されることになっているため、1月16日に自動延長が事実上確定した。この自動延長により、再処理などの日本の核燃料サイクル政策は継続できることになる。なお、延長後は、日米いずれかが通告すれば、半年後に協定を終了できる。

◆核燃料サイクルは、高速増殖炉と再処理を基軸にしているが、「もんじゅ」の廃炉が決まり、危険極まりなく、トラブル続きの再処理工場(青森県)は運転の目途がたっていない。核燃料サイクルはとっくに破綻している。それでも、安倍政権は核燃料サイクル政策の維持に躍起である。

◆日本は、再処理で得たプルトニウムを国内外に47トンも保有し、再処理工場を運転すれば、年間最大8トンのプルトニウムが増える。核兵器に転用できるプルトニウムを消費するあてのないまま大量に持つことは、核の拡散防止の視点から問題が多い。中国や韓国との間に緊張をもたらし、米国からも懸念の声が上がる。なお、プルトニウムをMOX燃料にして軽水炉で燃やすプルサーマル発電を2基(高浜3、4号機)で実施しているが、ウラン燃料軽水炉に比べても格段に危険度が高く、使用済み核燃料になったとき、ウラン燃料の4倍もの冷却期間を要し、経済性もない。

福島2号機、事故後7年にして、やっとデブリ(溶け落ちた核燃料)の一部を確認

【1月20日報道】
◆東電は、1月19日、福島第1原発2号機でカメラ付きパイプを使って原子炉格納容器(原子炉本体である圧力容器を格納する容器)内を調査し、燃料集合体の一部が、溶けてできた圧力容器の穴を通って格納容器の底部に落下していること、また、その周辺にデブリと考えられる堆積物があることを確認した。

◆調査は、格納容器の貫通部から長さ13 m のパイプを挿入、圧力容器の真下にある作業用足場の脱落部分から、先端のカメラをケーブルで釣り下ろして撮影することによって行われた。昨年1~2月の前回調査では、圧力容器から落ちたとみられる金属などの溶融物が作業用の足場を広範囲に脱落させ、足場の下から水蒸気が立ち上がる様子を観察していた。今回は、格納容器底部全体に広がる小石状の堆積物(デブリと考えられる)と粘土状の堆積物(デブリかどうかは不明)が観察されている。小石状堆積物をデブリと断定した根拠について、東電の原子力・立地本部長代理は「燃料集合体の部品が近くにあること、デブリでないという方が難しいから」としている。科学的な説明とは程遠い。

◆この調査で、圧力容器の直下の空間放射線量は毎時7~8シーベルトで、温度は21度であったこと、また、前回調査で毎時70シーベルトが観察された圧力容器を支える土台の外側は、今回の測定では毎時15~42シーベルトであったことを明らかにしている。デブリ取り出し作業などは、このような高放射線下(人は1時間以内に確実に死ぬ)で、遠隔操作で行わなければならす、困難を極めることが予測される。

◆原発事故から7年近くたった今回の調査でやっとデブリが確認されたが、確認までにこのように長期を要すること自体が、原発事故収束の困難さを物語っている。なお、この観察作業を行った作業員の被曝は相当なものではないかと懸念される。

草津白根山が噴火:火山の噴火予測は至難

【1月26日報道】
◆1月23日、草津白根山が噴火し、訓練中の自衛隊員が亡くなられ、11人が負傷した。草津白根山は、活動が低下していた火山で、噴火前には、地下で熱水やマグマが動いたとき発生する火山性微動は観測されていたものの、気象庁が設定する噴火警戒レベルで、危険性が最も低いレベル1であった。レベル1は、かつては「平常」とされていたが、2014年に御岳山がレベル1の状態から噴火したことを受け、「活火山であることに留意」へと変更された。御岳山や草津白根山の噴火は、「現在の火山学では予測不可能な噴火」であった。

◆噴火の可能性のある「活火山」は国内に111ヵ所ある。このうち、気象庁などが異常がないかを常時観察しているのは、50火山に絞られる。観測体制が敷かれていても、いつ、どこで噴火するかを予測することは難しい。

◆火山噴火に関連して、昨年12月13日、広島高裁は、伊方原発3号機運転差止めの決定を出した。9万年前の阿蘇山の噴火では、火砕流が伊方原発まで届いており、今後もこのような噴火で、原発に大きな損傷を与える可能性があると判断したためである。なお、9万年前の阿蘇の大噴火では、北海道に15 cm、関東に20 cm、関西に1 mの火山灰が積もり、日本中が火山灰に覆われたといわれている。

◆前述のように、日本には阿蘇以外にも多くの火山があり、したがって、日本中の全ての原発が火山灰や火砕流に襲われる可能性がある。草津白根山の噴火はこのことを裏付けている。

◆現在科学技術は、火山の噴火や大地震の発生を予知するにはほど遠いものである。人間にはなすすべがない自然の脅威は沢山ある。火山大国、地震大国に原発があってはならない。

「空きゼロ」とされた送電線の利用率は23%に過ぎない:原発稼働のために空けている

【1月28日報道】
◆基幹送電線の利用率は19.4%に過ぎないと、京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽特任教授が分析した。このことは、全国の送電線には十分な余裕があり、この余裕を利用すれば、風力や太陽光で発電した電気を送ることが十分可能であることを意味する。それにもかかわらず、大手電力会社は、「空き容量ゼロ」として、新たな再生可能エネルギー設備への接続を認めない送電線を続出させている。

◆電力各社の高電圧(50万ボルトや27万5千ボルトなど)の基幹送電線399路線について、電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表しているデータ(2016年9月~17年8月)をもとに調査した送電線利用状況である。1年間に送電線に流せる電気の最大量に対する実際に流れた量の割合を「利用率」としている。

◆全国の基幹送電線の平均利用率は19.4%、東京電力が最も高く27.0%、最低は東北電力で12.0%であった。一時的に利用率が100%を超える「送電混雑」が1回でも起こったのは60路線で、東京電力が22路線を占めた。

◆一方、「空き容量ゼロ」とされた基幹送電線は、139路線であったが、実際の平均利用率は23.0%であった。「空き容量ゼロ」は運転停止中の原発や老朽火力がフル稼働した時の送電量を想定したもので、実際の送電量ははるかに少ない。送電線に余裕があるのに、「空き容量ゼロ」とする理由は、「原発電力をベースロード(基幹)電力として優先して利用しよう」という、安倍政権の政策の実行のために送電線を開けておきたい意図があるからである。なお、欧米では、実際の電気量を基にしたルールで送電線を運用していて、そのために、再生可能エネルギーの大量導入が進んでいる。

東電、旧保安院の津波見直し試算勧告を無視

【1月30日報道】
◆東電は、福島原発事故の9年前に、福島沖での津波地震のシミュレーション(試算)を勧告されていたにもかかわらず、反発し試算を見送っていたことが、原発避難者が国などを相手に起こした訴訟で、千葉地裁に提出された陳述書で判明した。東電がこの段階で試算していたら、津波対策に早く着手でき、事故を避け得た可能性もある。

◆福島原発事故は、想定外の津波によって電源が喪失し、冷却水が送れなくなったために発生したとされている。福島第1原発では、1号機の建設当時(1971年)は、最大の津波を高さ海抜約3.1 m と想定していた。しかし、2002年7月に政府の地震調査委員会が、大津波の危険性を指摘する長期評価を発表したため、当時の経産省原子力安全・保安院は、東電に、福島沖で津波地震が起きた時のシミュレーションを勧告した。しかし、東電は反発し、動かなかった。東電がやっとシミュレーションを行ったのは、2008年春、国の原発耐震指針改定を受けた安全性見直し作業によるものであった。この作業では、敷地の高さを大きく超える最大15.7 m の津波の危険性が示されたが、東電はこの結果を、3.11事故の直前まで原子力安全・保安院に報告せず、具体的な対策も取らなかった。傲慢で、安全を軽視し、経済的利益のみに奔走する東電が、福島事故を引き起こしたともいえる。

大飯原発の揺れに関する規制委の算定法は「不十分」、地震を「過少評価」

【1月30日報道】
◆東京新聞や中日新聞によると、大飯原発の安全審査の主要な判断基準=基準地震動(最大の揺れ)の算定方式をめぐり、算定元である政府の地震調査委員会(調査委)内で、原子力規制委員会(規制委)の認識を否定する見解が示されていた。規制委は、2つある計算手法(①地震を起こす活断層の形状をあらかじめ設定して算出する、②地表で確認できる活断層の長さから算出する)のうち1つだけ(①だけ)で再稼働を認めたが、算定方式(レシピ)を定めた調査委は「1つでは不十分」との見解を示していた。

◆レシピでは、2つの手法の使用を義務付けてはいないが、規制委が審査中の2016年9月、調査委の強震動評価部会では、①の手法について、「知見が不足している」、「不確実性が残っている。両方やることに賛成」などの意見が出、より精度の高い計算手法の確立には「3年くらいかかる」との見方も示された。しかし、規制委の更田委員長は、「関電が採用した計算手法で信頼できる」とした。規制委の姿勢や審査のあり方が問われている。

大飯原発3号機、2月9日に燃料装填(そうてん)を開始

【2月2日報道】
◆関電は2月1日、神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社のデータ改ざんに関わる調査結果を福井県に報告したが、その際、大飯原発3号機の再稼働に向け、原子炉への核燃料の装填を9日から始めることを明らかにした。関電によると、三菱マテリアル子会社製のゴム製品が使われ、品質基準を満たしているか否かを確認できなかった大飯原発3、4号機の装置約100台のうち、3号機の約50台の交換が1日に終り、4号機は2月中旬に交換を終えるという。データ改ざんのあった神戸製鋼所製の製品は使用していないとしている。関電は、3号機を3月中旬、4号機を5月中旬に再稼働させようとしている。

◆原発は万が一にも事故を起こしてはならない装置である。神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社の製品のみのモグラたたき的な検査や交換で、原発の安全が保証されるとは考えられない。事故が起こる前に、原発は全廃しなければならない。

東京地裁、東電に対して南相馬市住民への賠償支払いを命令

【2月8日報道】
◆福島原発事故で避難指示区域になった南相馬市小高区の住民321人が「ふるさとの暮らしを奪われて精神的苦痛を受けた」として、東電に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は7日、318人に計約11億円(1人当たり原則330万円)の支払いを命じた。

◆故郷に生きる権利を認め、「生活基盤の大幅な変容という過去に類を見ない極めて甚大な被害が生じた」と避難生活による損害を認めた点では評価できるが、人が安全に、安心して生きる権利の代償としては、額が極めて不十分である。したがって、原告側は控訴を検討中という。なお、南相馬市小高区の人口は、事故前には約1万2800人であったが、昨年12月時点で実際に居住しているのは約2400人にとどまっている。


2月25日(日)— 26日(月)大飯原発うごかすな!
若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)

主催:大飯原発うごかすな!実行委員会
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。
(カンパ郵便振込先;加入者名:若狭の原発を考える会;口座記号・番号:00930‐9‐313644)
(お振込みにあたっては、通信欄に「若狭湾岸一斉チラシ配りへのカンパ」とお書きください。)


2018年2月9日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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