◆人々を愚弄(ぐろう)する原発政策

原発避難円滑化モデル事業で福井県、京都府、愛媛県に
補助金・計4億9千万円
本質的に不可能な避難に「端(はした)金」

◆6月22日、中川原子力防災担当大臣は、原発周辺地域の避難経路の道路改修費等を補助するモデル事業として、福井県、京都府、愛媛県の計4事業を選んだと発表しました。本年度は、計4億9千万円が交付され、例えば、高浜町の狭い道路を部分的に拡幅する事業、伊方町の避難経路の土砂崩れ防止用のり面保護対策に使用されます。

◆このような端金で、原発事故時の円滑な住民避難が保証されるはずがありません。住民懐柔策であることは明らかです。

◆若狭で福島級の重大事故が起これば、若狭や京都北部の地形や交通事情からして、これらの地域からの避難は著しく困難です。さらに、滋賀や京都も避難地域に加われば、数百万人の避難となり不可能であることは明らかです。小手先の道路改修で、避難が可能になることはありません。このことは、1昨年8月に行われた、最大級といわれる避難訓練でも、ちょっとした風で、ヘリコプターは飛ばず、船すら出せなかったこと一つをとっても明らかです。

不可能な避難の計画に費やす時間と経費を原発のない社会創りに使いましょう。原発全廃こそ原子力防災です!

関電の使用済み核燃料の中間貯蔵を引き受ける場所はない
再稼動で、保管場所もない使用済み核燃料が増え続けている

◆若狭の原発の使用済み核燃料プールは、貯蔵容量の7割以上が埋まっていて、再稼動が続いて数年もすれば満杯になります。とくに、MOX燃料が使用済みになったとき、その放射線量、発熱量は、ウラン燃料に比べて減衰し難く、4倍近くの水冷保管を要します。そのため、プルサーマル運転は、使用済み核燃料プールの満杯を加速することになります。

◆なお、使用済み核燃料プールは脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。使用済み核燃料プールは一刻も早く空にしなければなりません。

◆ところで、関電は、西川福井県知事が求める「使用済み核燃料の県外搬出」について、大飯原発再稼動前の昨年11月、「2018年に具体的な場所を示す」と約束しています。大飯原発を再稼動させるための、無責任な方便です。

◆この約束のために、関電は、原子力関連施設が多い青森県に目をつけ、事業に参画する構想をチラつかせ、地元の反発をかっています。今年1月には、関電の原発から出た使用済み核燃料の一時保管先の候補地として、同県むつ市に東電と日本原子力発電(原電)が建設した中間貯蔵施設の名が挙がり、市が強く反発しています。

◆その後、同県東通(ひがしどおり)村で建設中の東通原発の共同事業化の協議に関電が加わるとの見方も浮上しました。関電には「東通原発に参画すれば、中間貯蔵施設への相乗りが認められるのでは」との思惑が見え隠れします。この他、関電は、今月、青森市に事務処理拠点を開設し、さらに2件目の設置も発表するなど“青森進出”を強めています。

◆なお、関電は、むつ市への使用済み燃料搬入について「方針を固めた事実は一切ない」と否定はしていますが、岩根社長は、使用済み核燃料を福井県外に搬出する候補地について、「あらゆる可能性はある」と発言し、青森県について「対象外ということはない」と話したとも報道されています。

行き場がなく、危険極まりな使用済み核燃料を増やす、原発を全廃しましよう!

東海第2原発、「新規性基準」適合の策動

◆東海第2原発(茨城県東海村)は、日本原子力発電(原電)の原発で、日本で初めて建設された百万kW級(110.0万kW)沸騰水型軽水炉1基を所有しています。1978年11月の運転開始で、今年11月で40年越えとなります。同原発から半径30km圏内に96万人が居住し、東京駅まで直線距離で約120kmしか離れていない、いわば、首都圏の原発です。

◆2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、原子炉が自動停止し、常用の外部電源も停止したため、非常用ディーゼル発電機3台で電源を確保しましたが、1台が津波によって故障したため、2台で原子炉冷却に必要な電源を確保しました。その後、外部予備電源が回復し、3月15日0時過ぎに原子炉水温度が100℃未満の冷温停止状態となりましたが、その間は、注水と水蒸気逃がし弁の綱渡り的な操作で、冷温停止までには通常の2倍以上の時間がかかりました。

◆原発専業会社で、他の発電法を持たない原電は、7年以上も発電してこなかったので、業績と財務状態は最悪で、東電、東北電、関電、中部電からの基本料金収入と債務保証によって、かろうじて命脈を保っています。

◆東海第2原発には、日本原子力研究開発機構・東海再処理施設が近接(約2.5km)していますが、同施設には、東海第二原発の炉心・使用済燃料プールの合計を上回る放射性物質がより無防備な状態で貯留されています。いずれかが緊急事態に陥った場合には、関係者も退避せざるを得ず双方の対処ができなくなる可能性もあります。

◆以上のように、東海第2原発は、首都圏立地、老朽化、地震による設備劣化など、何処から見ても即時廃炉とすべき原発です。しかし、あろうことか原電は、2017年11月、この原発の20年間運転延長を原子力規制委員会(規制委)に申請し、規制委は、去る6月21日、再稼働の条件となる「新規制基準」適合の審査書案を近くとりまとめると発表しました。ただし、実際に再稼働させるには、茨城県と東海村など6市村の同意が必要になります(注1)。一方、安全対策に必要な1740億円の工事費の確保も難題です(今後増える可能性も高い)。

(注1)東海第2原発所がある東海村と周辺の水戸、日立、ひたちなか、那珂、常陸太田の5市で構成する「原子力所在地域首長懇談会」は、3月29日、原電が5市にも実質的な事前了解権を与える安全協定を全国で初めて締結しています。

◆さらに、東海村JCO臨界事故(1999年9月)や福島原発事故、同種の事故につながりかねない東北地方太平洋沖地震の津波によるトラブルなどを経験した地元では、近年、廃炉を求める声が高まっています。最近でも、一部が30km圏内にある高萩市の大部市長、高萩市の北隣の北茨城市豊田市長が「再稼動を反対」を表明し(4月25日)、今月19日には水戸市議会が再稼働に反対する意見書を可決しています。

規制委の「新規性基準」審査が極めていい加減であることは、今までに再稼動した原発の大半が、再稼動前後にトラブルを起こしたことからも明らかです。とくに、高浜1、2号機、美浜3号機の審査が示すように、老朽原発審査は全くの手抜きです。

◆断固として、東海第2原発運転延長を阻止しましよう!

高浜原発4号機の蒸気発生器伝熱管に損傷

◆福井県と規制委は、6月22日、定期検査中の高浜原発4号機で、3台ある蒸気発生器のうち1台の伝熱管2本に傷が見つかったと発表しました。運転開始後33年の高浜原発でも、配管の腐食、減肉が相当進んでいることを示しています。

◆また、規制委が「新規制基準」適合とした原発の大半が再稼動直後にトラブルを起こしている事実は、規制委の検査や電力会社の点検が極めていい加減で、今回のような損傷は、他にも多数ある可能性を示しています。

大飯原発もプルサーマル化を企む

◆関電岩根社長は、6月27日、大飯原発4号機でMOX燃料を使ったプルサーマル発電に取り組む方針を示しました。岩根社長は「大飯原発の1基か2基かをプルサーマルにして、余剰プルトニウムを減らす」としています。(原発を動かすから、プルトニウムが増えるのです。)

◆MOX燃料原発は、運転が難しく、燃料が不均質化しやすく、燃料被覆管の腐食が進み易く、使用済み核燃料の冷却に長期を要するなど、危険極まりありません。とくに、ウラン燃料使用を前提にして審査された原発でMOX燃料を使用するなどもっての他です。さらに、MOX燃料使用は、現在科学技術の手に負えない再処理工場の運転を前提にしています。
(プルサーマルの問題点については、別途述べます。)

プルサーマル発電を阻止し、原発を全廃しましょう!


素晴らしい感性、平和への想い
感激の涙で聞きました
6月23日沖縄「慰霊の日」、
中学3年生の相良倫子さんが詩を朗読


私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕(はら)んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒(しおざい)に耳を傾けて。

私は今、生きている。

私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶(いなな)き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、
照りつける太陽の光。

私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。

ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。

私はこの瞬間を、生きている。

この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。

たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。

七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟(とどろき)に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚(あびきょうかん)の壮絶な戦の記憶。

みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜(むこ)の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。

摩文仁(まぶに)の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。

私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、
絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、
あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭(いと)わないことを。

あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。

今を一緒に、生きているのだ。

だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。

私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。

大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。

これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。

摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。


2018年6月29日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林090-1965-7102)

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