◆2019年を、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機廃炉の年に!

【2019年1月4日,京都キンカンで配付】

◆新しい年が、原発のない世界、戦争のない世界に向かって大きく前進し、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現する突破口となることを祈念しながら連帯のご挨拶を申し上げます。

◆安倍政権は、今、憲法に規定する戦争放棄、表現の自由、集会・結社の自由、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、勤労者の団結する権利を蹂躙する政策を次々に推し進め、平和主義、国民主権、基本的人権を基調とする憲法の実質的な改悪を進めています。庶民の犠牲のうえに、大資本にのみ奉仕する国を造り、戦争の出来る国を造るための政策です。

◆原発関係でも、安倍政権は横暴を極めています。安倍政権と電力会社は、圧倒的な脱原発・反原発の民意を踏み躙(にじ)り、脱原発に向かう世界の潮流に逆らって、川内、伊方、高浜、大飯、玄海原発を再稼働させ、今年以降は、運転開始後40年をはるかに超える老朽原発・高浜1号機(45年越え)、2号機(44年越え)、美浜3号機(43年越え)まで再稼働させようとしています。

◆既存の原発全ての運転を60年まで延長して、原発電力を「巨大資本に奉仕する国を造り、戦争の出来る国を造る」ための基盤電源にしようとする「エネルギー基本計画」を強行するためです。関電はその露払いをしようとしているのです。

◆本来、原発の40年越え運転は「例外中の例外」であったはずです。安倍政権は、この約束もなかったものにしようとしています。人々を愚弄するにも程があります。

◆しかも、原発稼働によって蓄積する使用済み核燃料は行き場もないのです。関電は、1昨年暮れ、西川福井県知事に「2018年中に使用済み燃料保管地を福井県外に探す」と約束しましたが、この約束は反故(ほご)にされています。原発稼働への同意を取り付けるための「口から出まかせ」の空(から)約束であったことは明らかです。

◆このように、安倍政権や電力をはじめとする大資本は、嘘と欺瞞に溢れています。一刻も早く打倒し、人の命と尊厳が大切にされる社会、戦争のない世界を実現しなければなりません。ともに奮闘しましょう!

◆今年もよろしくお願い申し上げます。

2019年元旦

若狭の原発を考える会・木原壯林


老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機
再稼動阻止全国集会
(高浜現地、関電包囲)に、
ご賛同、ご参加をお願いします。

◆原発が人間の手におえる装置でないことは、福島第一原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。それでも、関電は、40年の運転期限を越え、危険極まりない老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機まで、2019年9月~2020年3月にかけて再稼動させ、全国の原発の20年運転延長を先導しようとしています。

◆老朽原発再稼働阻止のため、来る3月に高浜現地で、5月には大阪関電本店前で、全国集会(及びデモ)を企画しています。ご賛同、ご参加、ご支援をお願いします。

① 3月24日(日)14時から
「老朽原発うごかすな!高浜全国集会」

・ところ:高浜町文化会館(福井県高浜町)

② 5月19日(日)13時から
「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」

・ところ:関西電力本店前(大阪市北区中之島)

①、②とも
・主催 原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
・呼びかけ
(1) オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)
(2) ふるさとを守る高浜・おおいの会
(3) 若狭の原発を考える会
・連絡先
(1) 林広員(オール福井反原発連絡会)090-8263⊸6104
(2) 東山幸弘(ふるさとを守る高浜・おおいの会)0770-72-3705
(3) 木原壯林(若狭の原発を考える会)090-1965-7102 FAX:075-501-7102
E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp

3.24集会、5.19集会にご賛同いただける方は、
下記事項を上記連絡先へご連絡ください。

→個人賛同の場合:お名前、お名前公表の可否、ご住所、電話番号、E-メールアドレス(あれば)
→団体賛同の場合:団体名、団体名公表の可否、代表者名、担当者名、担当者住所・電話番号・E-メールアドレス


寄稿

海は人をつなぐ 母の如し

―韓国船遭難救護の記録・絵本「風の吹いてきた村」の紹介―

若狭の原発を考える会・木戸 恵子

◆「風の吹いてきた村」の舞台となった集落は、福井県遠敷郡内外海(うちとみ)村泊(とまり:現在の小浜市泊)です。

◆内外海半島の小浜市泊は、下記のように原発を拒否した地区ですが、住民は小浜湾を挟んで約5 kmの目前に迫る大飯原発を見ながらの生活を強いられています(大飯原発の立地・おおい町からは、山に隠れて、原発は見えません)。

◆泊地区に反原発のチラシを配りに行くと、お会いする方々は「政治が悪い!」、「あんなもん動かして、どうするつもりや!福島をみたらわかる」と、私たちに訴えられます。

◆以下では、内外海半島での原発建設を拒否した運動を概説し、現在でも反原発・脱原発がこの地域の民意であることを示す中日新聞の報道を紹介した後、絵本「風の吹いてきた村」を紹介します。絵本からは、ヒューマニズム(人間愛)とインターナショナリズム(国際主義)の原点を感じ取ることができます。

内外海半島での原発建設拒否の闘い

◆福井県で原発建設の動きが相次ぐ中、1968年、内外海半島の田烏に関電の原発設置計画が持ち上がりました。当時、田烏や矢代の集落から市街地まで車で行ける道がなかったため、道路の整備を求める田烏の住民や漁協が誘致に傾く中、周辺に漁業権を持つ内外海漁協が、「先祖代々受け継いできた田畑、山や海を美しいまま次の世代に伝えたい」として、反対の声を上げ調印を拒否しました。また、「道さえ良くなれば原発の金をもらわなくても生活は十分成り立つ」と県選出の国会議員に訴え、県道を作ることに成功しました。

◆その後は、原発誘致熱は冷めていったものの、推進派はあきらめませんでした。しかし、市民団体、労働組合、宗教団体が、小浜市への原発設置と若狭湾岸への原発集中化に反対する署名活動を第5次まで粘り強く取り組み、1972年、市長の誘致断念宣言を勝ち取りました。

大飯原発5 km 圏の小浜市民の大多数は廃炉を求めている

◆2018年5月8日の中日新聞朝刊に、小浜市内外海地区での世論調査の結果についての記事「小浜の 5 km 圏住民、反対が多数/大飯原発再稼働」が掲載されていました。以下は、その抜粋です。

◆関西電力大飯原発4号機の再稼働を前に、小浜市で原発から5 km圏内にある全戸を対象に本誌が実施した意識調査で、ほぼ半数が再稼働に反対し、8割以上が廃炉を求めていることが分かった。小浜市は一部が5 km圏にありながら原発の立地自治体ではないため、地元同意の手続きから外れている。調査では、住民の意思が反映されないまま再稼働が進んでいる実態が浮かんだ。

◆大飯原発は、立地自治体のおおい町と福井県が再稼働に同意し、既に3号機が稼働している。小浜市で事故時にすぐ避難が必要な原発5 km圏の「予防防護措置区域(PAZ)」にあるのは内外海地区の一部で、昨年4月時点の人口は267人。調査は居住を確認できた65戸を訪問し、59戸の住人が回答した。

◆大飯原発の再稼働の賛否では、「賛成」が11人(18.6%)、「反対」が28人(47.4%)、「わからない」が20人。賛否の理由を複数回答で尋ねたところ、反対理由は「避難計画に不安がある」を挙げた人が20人でもっとも多く、「原子力規制委員会や県が安全性を確認しても事故は起きる」が18人だった。賛成では「地域経済に必要とされている」が5人で最多。「国策だから」が3人続いた。

◆また、小浜市が地元同意手続きに対象に入っていないことについては、全体の66.1%が「同意が必要」との考えを示した。おおい町と県だけの同意で再稼働が認められる現状に「危険性はおおい町と変わらない」など訴える人もいた。大飯原発を今後どうすべきかとの質問には、49人が回答。「将来的に廃炉」が25人で最も多く、「即廃炉」を選んだ18人と合わせると87.7%が廃炉を望んだ。
(福井支社・中崎裕)


絵本「風の吹いてきた村」

(文/大森知良、絵/上原徳治:発行人/大森知良:2014年10月発行)

◆この絵本に書かれた韓国船遭難があった1900年頃は、日本が朝鮮半島を侵略し、朝鮮人の名前を日本名に強制的に替える「創氏改名」や日本語の強制、教育勅語による差別的な教育、田畑の略奪などを行い、朝鮮人を搾取した時代でした。その時代に、寒風吹き荒(すさ)ぶ中、危険を顧みず、韓国船遭難者全員を救出・保護した誇らしい歴史を、泊の人達は、今でも大切に語り継いでおられます。以下には、絵本のほぼ全文を紹介します。

◆1900年1月12日、北西の風が吹き荒れた翌日のことです。福井県遠敷郡内外海村泊(現在の小浜市泊)の浜には多くの漂着物が流れついていました。村の若衆・長太夫が浜に出ると、海はまだうねりがあり波が打ち寄せていました。沖を見ると船がいました。見たこともない船です。「これは日本の船とはちがう。外国の船に違いない。一大事や!」長太夫は村の衆を呼びに走りました。豊蔵、仲太夫、清蔵、兼松が来ました。「これはたいへんだ!えらいことや!」5人で手分けして村中を走り回り、人を集めました。区長の孫右衛門と輿太夫の指揮で小舟を出すことになりました。冬の荒海を懸命に櫓を漕いで沖の船に向かいます。

◆船に近づくと、人たちが手をふって何やら叫んでいます。しかし何を言っているか言葉がわかりません。困り果てていると、頭と思われる人が紙を出してきて何か書き始めました。それは漢字でした。

韓国人「ここは、いったいどこですか?」
村人「ここは日本国の北陸地方です。」
村人「この船はどこから来ましたか?」
韓国人「朝鮮です。」
村人「船に病人や死人はいませんか?」
韓国人「いません。」

◆筆談でおおよそのことは分かりました。乗船者は寒さと空腹でぐったりしている様子です。40名、いや50名、いやまだまだ船底にもいる様子です。「とにかく、舟に乗せて浜にあげよう。」小舟に乗れるだけ乗せて浜にあげました。船がまだ足りません。「皆の衆、出せる船は全部出してくれ!」 区長の指揮で船小屋にある船を出して沖に向かいました。そして、小舟に乗せて次々に陸にあげました。村の浜には村中の人が集まりました。浜に上陸した韓国船の乗船者は全部で93人もいました。助かった安どで泣き出す者もいました。

◆村人は、韓国人の身体を温め、村中の米を炊いて食べてもらいました。次は93人の宿泊ですが、皆で手分けして泊め、子供達も総出で風呂を焚いて、冷え切った体を温めてもらいました。生き返った喜びが村中にあふれたそうです。

◆翌日から村にある寺院・海照院に遭難救護の仮事務所が設けられました。内外海(うちとみ)村役場と小浜警察署から役人や警察官が来て取り調べが始まりました。

◆筆談で分かったことは、船の名前は、「四仁伴載(サインバンゼ)」、八百石積める木造船です。乗船者は、商人、運搬人、乗組員など93人。仕事で来ていたウラジオストックを出港し、大韓国の明川にある沙浦に向かっていたら、出港した日の夕方、急に嵐になり、激しい波風で木造船は帆が折れ、船内に海水が入ってきました。転覆を避けるために、多くの積み荷を投げ捨てました。真冬の中、わずかな乾米を分け合い、自分の尿を飲んで14日間漂流し、死も覚悟していたという悲惨な話でした。

◆韓国人の滞在は8日間続きました。言葉は通じませんが、応対の中でお互いの心が通じ合うようになり、好奇の感情から親しみの感情へと変わっていきました。最初の4日間は、韓国人に白米を1日1人1升5合食べてもらいましたが、5日目、官からの命令で、水難救護法に従って1日7合5勺に減らすよう言われました。村人は、韓国人の空腹の様子を見て気の毒に思い、内緒で芋や餅、大豆煮、韓国人の好きな生大根や蕪を村中皆で差し入れました。韓国人はたいそう喜び、村人に手を合わせ、それを見ると村人は憐れみを感じ、涙をこぼしたと言われています。

◆滞在8日後の1月19日、村の浜には、老若男女、子供に至るまで区民全員が集まり、村長が送別の挨拶を以下のとおりしました。

「大韓国吉州・明州にお住いの皆様は、海上で暴風に遭い、この地に漂流してこられました。わが村民は、皆様方全員を救助できましたことを光栄におもいます。この地で8日間お世話をしましたが、不便な土地ゆえ、十分なことはできませんでした。今日、皆様方を帰国させることになりましたが、別れるとなると胸がいっぱいになります。どうかご無事で、故郷へお帰りになりますよう心からお祈り申し上げます。」

◆韓国人を代表して崔卿汝(チェキョンヨ)がお礼の気持ちを書いた書状を渡したそうです。それには「夢にも思わずあなたの国へ着きました。飢えや寒さは耐え難く、死の境をさまよっていましたが、村の皆様方の小舟に助けられて上陸することができました。そして、きわめて深いおもてなしを受けました。ご飯も腹一杯食べさせていただきました。この恩は山の如く海の如くであります。私たちは本国に帰り、それぞれの故郷へ戻ります。いつまたお会いできるかわかりません。お別れするのはとてもつらく悲しいです。皆様方のお幸せとご健康をお祈り申し上げます。この御恩を万年の世まで語り伝えていくつもりです。」と書かれてありました。韓国人たちが眼に涙して別れを告げると、村人も涙を流し、その様子は親子兄弟の別れのようだったと言われています。

◆救援により93人の韓国人全員が救助され、93人は敦賀から大阪港へ行き、蒸気船「恐鴻丸」で釜山まで送られました。

◆事件から100年後の2001年1月、日韓の有志によって救護の現場を望む海岸に記念碑が建立されました。碑には「海は人をつなぐ母のごとし」と日本語と韓国語で刻まれています。

記念碑
絵本「風の吹いてきた村」

2019年1月発行

(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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