◆原発にかかわる最近の出来事(2018年12月~2019年3月)

過去4カ月間の原発に関わる出来事を振り返ってみました

◆原発事故から8年経った福島では、原発事故被害者の人権がますます蹂躙され、不完全処理の汚染水がたまり続けるなど事故収束の目途はたっていません。安倍政権が経済政策の柱の一つとしていた原発輸出計画が完全に頓挫しました。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・保管の困難さはますます明らかになり、中間貯蔵すら引き受けるところがありません。去年の夏は酷暑でしたが、停電にはならず、原発は不要であることが再確認されました。

◆それでも、安倍政権の「大資本に奉仕する国づくり」、「戦争できる国づくり」のためのエネルギー政策に迎合するように、関電や日本原電は老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機、東海第2原発の再稼働に躍起です。

◆老朽原発の再稼働を阻止し、それを突破口にして原発全廃を実現し、人の命と尊厳が大切にされる社会を展望しましょう!

以下に、出来事を列挙します。

経産省が小型原発の開発を画策(12月1日報道)

◆この方針は、11月14日に経産省内で開かれた非公開国際会議で、経産省資源エネルギー庁の武田原子力国際推進室長が表明。地球温暖化対策を名目に、2040年頃までの実用化を目指すという。国内の多くの原発が40年頃に寿命を迎えることを受け、地球温暖化防止のためには、天候で変わる太陽光などの不安定出力をならす必要があり、既存の大型原発より出力を調整しやすい小型原発が必要とした。(この室長は、節電、省エネの流れを理解せず、蓄電法や再生可能エネルギーなどの発電法の進歩を全く考えていない、原子力ムラの不見識、自己利益優先の立場を代弁している。)一方で、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムが国内外で蓄積しており、核不拡散の視点からはプルトニウムを大量に燃やす原発が必要とし、大都市での電力需要を満たすためには大型の原発も必要とし、従来の軽水炉の改良も目指すと述べている。(原発を廃炉にし、核燃料再処理を止めれば、プルトニウムは増えないし、核拡散への各国の懸念も払拭できることは、素人でも理解できるはずである。)

日本政府と三菱重工がトルコの原発建設計画断念へ(12月6日報道)

◆この原発計画は、2013年、安倍首相とエルドアン大統領(当時)の首脳会談を機に実現へと動き出した。トルコの黒海沿岸のシノップ地区に三菱重工と仏企業が共同開発した新型炉を建設し、2023年に稼働させようというもの。事業費は、4基で2兆円程度と見込まれていたが、日本側による調査で総額4兆円以上に膨らむ見通しが判明。福島原発事故後、安全基準が厳しくなったためであるが、トルコ側は、当初想定に近い条件での事業化を望み、交渉が難航していた。

原子力規制委員会(規制委)が核燃料乾式貯蔵に関する全国共通の新基準を了承(12月6日報道)

◆規制委は、使用済み核燃料の「乾式貯蔵」に使う金属製容器(キャスク)について、耐震性や強度の新基準に関する規則改正案を了承した。現状では、各原発で乾式貯蔵を行う際には、規制委の個別の審査が必要であったが、新基準は全国共通であるため、一度認証された形式のキャスクは、何処の原発でも、導入時の審査を省略できる。各原発の使用済み燃料プールが満杯になりつつあり、乾式貯蔵に移してプールを空けて、原発の運転を容易にしようとする意図も見える。なお、更田規制委員長は、「地面に半分埋まった形で転がしておくというのが最も安全」と、無造作な扱いを許容するような発言をし、「原発の敷地境界から離しておけば、放射線の遮蔽能力を建物に持たせる必要はない」と、屋外保管でも問題ないとの認識も示している。

規制委、関電3原発への火山噴火降灰量の見直しを指示:運転停止は求めず(12月13日報道)

◆規制委は、鳥取県の大山が噴火した際の若狭の原発への降灰量を再評価するよう関電に指示した。火山灰は非常用発電機のフィルターを詰まらせる恐れなどがある。関電は、これまで降灰量を約10 cmと想定していた。しかし、大山からの距離が若狭と同程度の京都市内の約8万年前の地層に約30 cmの火山灰層があるとの研究が発表され、規制委が調査したところ、約25 cmの火山灰層が確認された。そのため、若狭の原発での降灰量を再検討する必要があると判断したが、間違った事実を基に「規制委審査」に合格し、運転中の大飯3、4号機、高浜3、4号機の運転停止は求めなかった。

大飯原発、鍵貸し出し違反(12月17日報道)

◆原子力規制委員会は、関電が大飯原発で、核物質防護区域などの出入り口の鍵計14本を、管理者以外の関電社員と下請け会社社員の2人に貸し出していたことを明らかにした。たるみ切った核物質管理体制で、核物質防護規定の遵守義務違反。

日立、英原発計画凍結へ(12月18日報道)

◆日立は英国中部アングルシー島で英原発子会社「ホライズン・ニューウクレア・パワー」を通じて計画している原発新設(2基)を凍結する方針を英政府に非公式に伝えた。安全対策費などでコストが膨らみ、当初計画の2倍近くの3兆円規模になった事業への出資企業の確保が困難になり(とくに日本での出資者集めが難航)、一方で、英政府は電力買取価格の引き上げに消極的で(再生可能エネルギー発電コストの低下などのため)、採算確保の見通しも立たないため。安倍政権は、原発建設を「インフラ輸出の柱」としていたが、その全てが頓挫したことになる。

東海第2原発で作業員死亡(12月18日報道)

◆日本原電東海第2原発の放射線管理区域外にある屋内開閉所の設備機器の定期点検中であった作業員(43歳)が倒れ、死亡した。感電死とみられる。

使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地、県外候補地明示できず(12月27日報道)

◆使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、関電の岩根社長は、2017年11月、「2018年内に、福井県外で具体的な計画地点を見出す」と西川福井県知事に、記者団の前で約束した。しかし、12月26日になって、候補地提示を断念したことを知事に伝え、謝罪した。この約束は、大飯原発3、4号機の再稼働への知事の同意を取り付けるための、何の成算もない空約束であったことは明らか。また、西川知事は2017年11月27日、岩根社長の約束発言を受けて、その発言の信憑性も検証せずに、大飯原発3、4号機の再稼働に同意した。「空約束を承知の上での出来レースであり、県民の安心・安全など念頭にない」との誹りを受けて当然。県内には、廃炉となった4基を含めて11基の商用原発があり、使用済み燃料プールの全貯蔵容量は1万1309体であり、2018年11月末で全体の67%にあたる7616体を保管しており、6~9年でそれぞれ満杯になる見込み。

原子力機構の79施設廃止に1.9兆円、70年を要する:原子力開発の負の側面を浮き彫り(12月27日報道)

◆日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、青森、茨城、福井、岡山に保有する79施設を廃止した場合、70年の期間と約1兆9千億円を要すると公表。東海再処理施設が約7700億円と最大で、「もんじゅ」は約1500億円。費用の中には廃止までの維持費や老朽化対策費は含まれず、さらに大幅に膨らむことは必定。機構は国の交付金で運営されているので、この費用は国民負担(税金)となる。

国内の商業用原子力施設(民間73施設)の廃止費12兆円:原資は電気料金(12月31日報道)

◆国内にある原発や核燃料サイクル工場など主な商業用原子力関連の全73民間施設を廃止した場合、費用が少なくとも計12兆8千億円以上に上ることが分かった(共同通信が発表)。電力11社を含む民間事業者計19社が公表した「廃止措置実施方針」での69施設の廃止費用見積額の累計4兆8千億円に福島第1原発1~4号機の廃炉費8兆円(政府試算)を加えた。原発1基の廃止費用は323~885億円。この費用に含まれるのは、施設の解体費、放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの「処理費」、処分場に埋設する「処分費」だけで、公表費用は氷山の一角に過ぎない。「廃止措置実施方針」では大半の原発の廃止完了年数を30~40年と見込むが、今回は施設の維持管理費や老朽化対策費を含んでおらず、費用がさらに膨らむことは確実。この費用は、電気料金として国民が負担することになる。政府は、原発は「発電コストが安価」として推進してきたが、全くの偽り。

政府、トルコ原発計画撤退、輸出白紙に(1月4日報道)

◆政府は、三菱重工とトルコで進める新型原発建設計画について、トルコ政府に大幅な負担増を求める最終条件を提示する方針を固めた。安全対策費などの高騰などから採算性が悪化したためであるが、トルコが受け入れる可能性は低く、事実上の撤退となる見通し。

経団連会長「原発、国民反対なら無理」と発言(1月5日報道)

◆中西経団連会長(日立製作所会長)は今後の原発政策について、年頭の記者会見(1月1日)で「国民が反対するものは作れない。エネルギー業者や日立のような設備納入業者が無理に作ることは民主国家ではない」と指摘した。ただし、中西会長は、1月15日にはこの発言を撤回し、一転、原発推進を訴えている。原発の輸出戦略がコスト高や安全不安で相次いで頓挫している中での右往左往の発言である。なお、原発を推進する安倍政権に対して、従来、経団連は「原子力は最も重要な基幹エネルギー」として同調していた。

原電社長、東海第2原発再稼働について周辺6市村に「事前同意を得る」と発言(1月8日報道)

◆日本原子力発電(原電)の東海第2原発(1978年11月運転開始の老朽原発:110万KW)の再稼働に関する周辺6市村の事前同意権について、原電村松社長が各首長との会合(運転延長の申請期限が2017年秋に迫った2017年3月の会合)で「自治体の合意が得られるまでは再稼働できないという覚悟を持っている」と発言していたことが分かった。那珂市が、会合の内容に関する公文書を開示。一方、事前同意権を巡っては昨2018年、原電幹部が否定的な見解を示して6市村が反発している。また、原電と6市村は昨年3月、「事前協議により実質的に事前了解を得る仕組みとする」との協定を締結したが、原電はその後に「それぞれが納得するまでとことん協議する」と述べるにとどめ、6市村の事前同意権の有無を曖昧にした。さらに、昨年11月には、和智副社長が「拒否権という言葉は協定にない」と発言し、6市村が反発。和智副社長は謝罪し、発言を撤回した。同意権の拡大は、関電の老朽原発運転にも大きな影響を与える。

西川福井県知事、関電の老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機に関する国の説明不足を指摘(1月8日報道)

◆知事は、政府が2030年度の電源構成比率で原発を20~22%とする目標を掲げていることに触れ、「日本のそれぞれの地域でどう実現できるのか。40年を超える運転の必要性や安全性について、国の説明がもっと必要」と指摘し、説明不足の現時点は、再稼働への同意を議論する状況にないとした。

台湾、「2025年までに原発全廃」を決定:アジア初(1月12日報道)

◆台湾の立法院(国会、一院制)は、3原発6基の原子炉を事実上、全て廃炉にすることを盛り込んだ電気事業法の改正案を可決した。代替の再生エネルギー拡大を進める内容。福島原発事故後、欧州ではドイツなどが脱原発に舵を切ったが、アジアでは初めて。

原発和解、次々に打ち切り(1月15日報道)

◆福島原発事故の損害賠償を巡り、昨年以降、集団申し立てを受けた原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)の和解案を東電が拒否し、センターが手続きを打ち切り始めている。少なくとも昨年19件、今年1件(1月10日)あり、打ち切られた住民は1万7千人に上る。住民側は、時間や費用がかかる裁判に訴えるしかなく、反発を強めている。東電は、個人レベルでは多くの和解に応じているが、昨年以降の打ち切りは主に100人以上の住民による申し立てで、国の原子力損害賠償紛争審査会が示した賠償指針を上回る和解案が示されたケース。最も規模が大きいのは、全町避難となった浪江町の町民約1万6千人の申し立てで、東電が拒否。指針を上回る賠償を認めると、別の地域でも増額を求められる恐れがあるためであろう。

経団連中西会長、原発で「大ブレ発言」(1月15日報道)

◆中西会長は年頭のあいさつで「原発ノー」であるかのような発言をしたが、15日の定例記者会見では、一転して「原発の再稼働はどんどんやるべき」と発言し、原発推進の安倍首相に怒られたのでは?などの憶測を呼び、日本財団の笹川会長からは「今や軽団連?」と揶揄(やゆ)されている。なお、同会長は、日立の会長兼執行役員でもあるが、日立の内部からも英国の原発新設事業からの撤退によって3000億円の損失を出した責任を問われている。会長はこの会見で、「原発再稼働を積極的に進めるべきだ。安全性の議論は尽くされていても、地元の理解が得られない。その説得は電力会社だけでできるものではなく、広く議論することが必要だ」と述べているが、一方、後に中西会長は、「エモーショナル(感情的)な反対運動について議論してもしょうがない」、「絶対にダメという方と議論しても始まらない」と述べ、立場を超えた対話は拒否している(3月11日報道)。なお、この右往左往の会長発言は、原子力業界が廃炉ビジネスへ方向転換するための布石ではないかとの見方もある。

規制委、高浜原発に「警報のない津波の影響評価」を要求(1月16日報道)

◆昨年12月インドネシア・スンダ海峡で火山島の噴火に伴う山体崩壊が原因とみられる津波が発生し、その際に警報が発表されなかったことを受けて、規制委は、関電に高浜原発が警報が発表されない津波に襲われた場合の施設への影響を評価し、報告するように求めることを決定した。高浜原発の敷地は標高3.5 mの低地にあり、警報によって防潮ゲートを閉めなければ、津波による過酷事故が起こりかねない。しかし、更田委員長は、「多くの原発の場合は防潮堤の高さが十分であり、施設が深刻な状態になるとは考えられず、直ちに危険ではない」として、稼働中の原発を止めることは要求しなかった。なお、若狭湾の海底にも土砂崩れの跡があるともいわれている。

日立、英原発計画凍結を正式に決定(1月18日報道)

◆日立が英国での原発新設(2基)計画を凍結することを正式に決定し、日本が官民で手掛ける原発輸出計画の全てが頓挫した。福島原発事故後も、成長戦略に原発輸出を掲げ。官邸主導で民間を後押ししてきた安倍政権の責任が問われる。

青森の原野、相次ぐ高額入札(1月24日報道)

◆青森県むつ市のリサイクル燃料備蓄センター(使用済み燃料を最長50年間保管する中間貯蔵施設)の隣の原野(接する道路もない)約4万平方メートルをめぐり、青森地裁で高額入札の競売が繰り返されている。評価額は715万円に過ぎないが、15億円(1回目)、5億1千万円(2回目)、6億1千万円(3回目)、2億4千万円(4回目)で落札した。しかし、いずれも期限内に落札額が払われず、売却に至らなかった(評価額と同額の保証金は裁判所に没収された)。中間貯蔵施設の用地買いへの期待感から高値がついていると考えられる。なお、関電も中間貯蔵地としてむつ市に食指を動かしているが、むつ市長は「許されない」と反発している。

関電、40年超原発再稼働時期を延期(2月5日報道)

◆関電は、2月4日、40年越え老朽原発高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働に関わる安全対策工事の完了時期を高浜で約9カ月、美浜で6カ月遅らせると発表。3基の再稼働時期も同様に遅れる。(関電は、それまで再稼働時期を、高浜1号機で早ければ2019年9月、2号機で20年4月、美浜3号機で20年2月としていた。)関電の収支への影響は計約1080憶円になる見通し。高浜原発での工事の遅れは1昨年1月のクレーン倒壊事故などのトラブルと資機材を置くスペースや輸送ルートなどの見直しが必要になったため、美浜原発では、使用済み燃料プールの耐震補強で地盤をより深く掘削する必要があることが判明したためとしている。工事計画もまともに立てられない関電が老朽原発を安全に運転できるとは考えられない。

玄海原発2号機を廃炉(2月13日報道)

◆九電は、2月13日、老朽化が進んで巨額の安全対策費がかかる玄海原発2号機(1981年3月運転開始、55.9万kW)の廃炉を決定した。再稼働する場合には、「新規制基準」に基づき、テロ対策施設の建設も必要とされるが、そのための土地を確保できないことも廃炉に踏み切る一因。玄海原発1号機(1975年10月運転開始、55.9万kW)の廃炉も2015年に決まっているが、出力が2倍近くの3、4号機(1994年3月、1997年7月運転開始、118.0万kW)は2018年に再稼働している。

原電と8市町が協定(2月20日報道)

◆2038年までの運転延長が認められた日本原電の東海第2原発に関して、30 km 圏内にある8市町と原電が、再稼働などの重要事項について8市町は意見を述べる権利があるとする協定を結んだ。東海村と周辺の5市は昨年3月、再稼働に際して「実質的に事前了解を得る」とする協定を結んでいる。今回協定を結んだのはその周囲で30 km 圏内にある8市町。30 km 圏外ながら原電との交渉に参加してきた小美玉市についても8市町と同等の権利が担保された。

除染土再利用反対61%、処理水海洋放出反対65%:福島県民世論調査(2月28日報道)

◆政府は、福島原発事故の除染作業で出た土のうち、放射性物質濃度の低いものを公共工事で利用する計画を進めている。この土地利用について、福島県民への世論調査を行ったところ、「反対」が61%で、「賛成」27%を大きく上回った。男女差が大きく、男性は「反対」49%、「賛成」40%、女性は「反対」73%、「賛成」14%であった。女性の中でも、40歳代以下で反対が多かった。福島原発では、除去困難なトリチウムを含む汚染水がたまり続けている。この処理水を海に流すことにも「反対」65%、「賛成」19%であった。また、9割が処理水の海洋放出による風評被害に不安を感じると答えた。原発再稼働については、「反対」68%、「賛成」13%と、全国世論調査の「反対」56%、「賛成」32%に比べて、福島県民の方が反対が多かった。国の原子力政策に、原発事故の教訓が生かされているかについて、65%が生かされていない、16%が生かされていると答えた。この調査は、政府の原子力政策が福島の民意を蹂躙していることを示している。

東電、東海第2支援1900億円:安全対策3000億円に膨張(3月2日報道)

◆日本原電が再稼働を目指す老朽原発・東海第2原発の安全対策工事費は、従来想定の2倍近い約3千億円に膨らんでいる。この原発の電気を受け取る東電は、その3分の2にあたる約1900億円を支援することが明らかとなった。中部電、関電、北陸電の3社も支援する。再稼働時期は2023年を想定しているが、周辺自治体から再稼働の了解を得るめどはたっていない。自治体の同意が得られずに廃炉になった場合、東電などは巨額の損失を被る可能性がある。原発事故を起こした東電は、国費投入で実質国有化されたにもかかわらず、再稼働が見通せない他社の原発を支援することに批判が出るのは必至。

関電、原発安全対策費1兆円超:大飯テロ対策に1300億円(3月9日報道)

◆関電は、大飯原発3、4号機の敷地内につくるテロ対策施設の計画をまとめ、規制委に許可申請を出した。施設建設費は1308億円の見込み。関電が原発に投じる安全対策費は、総額1兆円を超えた。

東電、再建厳しさ増す(3月12日報道)

◆福島原発事故で経営危機に陥り、事実上国有化された東電の経営再建への道は、電気の小売り全面自由化で顧客の流出が続く[2019年3月末で、契約先を切り替えた顧客数は558.9万件(小口需要の24.6%):ちなみに関電は229.7万件(約21%)]など、厳しさを増している。東電が2017年5月に公表した経営再建計画では、柏崎刈羽原発の再稼働や火力発電、送配電の再編を進めるとし、2027年度以降に廃炉と賠償に年5000億円を確保し、これとは別に年4500億円の経常利益を上げるとしていた。2017年度の実績は、廃炉と賠償に2867億円を使い、経常利益が2548億円であった。目標達成には合わせて4千億円の積み上げが求められる。2027年度の株価は1株1500円を想定するが、現在は600円。再編統合で、火力は進んでいるが、原発と送配電事業には進展がない。柏崎刈羽6、7号機に必要な審査には合格したが、立地自治体の同意が得られる見通しはない。東海第2原発の電気を購入して販売する方針であるが、安全対策費は当初の1740億円から3千億円規模に膨らみ、東電が支援する資金も1900億円と大幅に増やす案が協議されているが、立地自治体の同意取り付けが難航すると予想される中、新たな負担が増えることが懸念されている。

民間シンクタンク、福島原発処理に最大81兆円試算:経産省の約4倍(3月23日報道)

◆「日本経済研究センター」は、福島原発の事故処理費用は総額35~81兆円になるとの試算をまとめた。溶け落ちた核燃料(デブリ)や汚染水の扱いによって3通りの金額を算出したが、いずれも経産省が2016年12月に発表した22兆円を上回った。最大の81兆円は、汚染水から全ての放射性物質を除去できると仮定し、海など環境に放出しない場合、デブリ取り出しも含めた廃炉・汚染水処理費に51兆円、賠償に10兆円、除染に20兆円が必要とした。デブリを取り出し、取り除くことが困難なトリチウムの残った水は希釈して海洋放出するという国と東電の方針に近い想定では、廃炉・汚染水処理を11兆円として総額は41兆円と見積もった。

原発支援へ補助制度案:売電価格アップを容認:実現なら電気料金増も(3月23日報道)

◆経産省が、原発で発電する電力会社への補助制度の創設を検討している。原発で発電した電気については、発電事業者と小売事業者との間で取り引きする際の市場価格に一定の価格を上乗せすることを認めるというもの。発電事業者は、原発の電気をより高い価格で買ってもらえるため収入が増えるので、事実上の補助金になるとの想定。原発を温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション電源」と位置づけ、「環境への貢献で付加価値をもたらしている」との理屈による。(福島事故など、放射性物質は垂れ流しても「ゼロエミッション電源」???)経産省がこの制度の検討を進める背景には、福島原発事故後、安全対策費用が高騰し、原発で作った電気の価格競争力が低下しているにもかかわらず、原発を推進しようとする意図がある。安倍政権の「エネルギー基本計画」下では、小売事業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度買わざるを得なくなる可能性がある。その負担は基本的には消費者や企業が引き受けざるを得ず、「原発の電気は安い」としてきた政府の説明とは矛盾する。

大熊町避難指示、4月10日に一部解除:立地自治体で初(3月26日報道)

◆福島原発事故で全町避難が続いていた大熊町について、一部地域の避難指示を4月10日に解除することを政府の原子力災害現地対策本部が提案し、町も同意した。政府は放射線量の低下、生活インフラの復旧、復興公営住宅や仮設商業施設西部が進んでいることなどを踏まえたとしているが、いずれも全く不十分であることは明らかであり、住民帰還の動きは鈍い。人間性無視の政策である。対象区域は、大熊町の人口約1万人のうち374人が住民登録している区域に過ぎない。

関電、計画のない第2再処理工場費用(総額12兆円)も電気料金に転嫁:説明なく消費者負担(3月26日報道)

◆関電は、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の事業費に加え、具体的な計画がないウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料再処理工場(「第2再処理工場」)の費用も2017年、18年の料金値下げの際に電気料金に盛り込んでいた。九電をはじめ、他の大手電力も追随する見込み。未計画の「第2再処理工場」の総事業費は過去の試算で12兆円に上り、六ケ所分の計約16兆円と併せて各電力の消費者が負担することとなる。関電は、料金転嫁の事実や負担額を消費者に説明していない。

関電3原発への火山噴火降灰量想定を引き上げ(3月30日報道)

◆関電は、鳥取県の大山が噴火した際の若狭の原発への降灰量を再評価するように規制から求められていたが(昨年12月12日)、降灰量の想定を10 cm から最大で2倍超の21.9 cm(高浜)、19.3 cm(大飯)、13.5 cm(美浜)とする報告書を規制委へ提出した。これについて関電は「現在の建物や設備で耐えられることを確認しており、安全上問題はない」としている。いい加減な想定で審査に合格した原発は即時停止して、再稼働を再検討すべきであろう。なお、このような想定に3桁の数値を出せるほど現在科学は進歩していず、3桁の数値を報告すること自体が科学・技術者の資質を疑わせる。


「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」で、
関電と政府に若狭の原発全廃を決断させましょう!

【5月19日(日)13時より、集会後御堂筋デモ
「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」主催】
集会へのご賛同、ご参加をお願いします。連絡は下記へ。


2019年4月発行
若狭の原発を考える会 連絡先;木原壯林
電話:090-1965-7102
FAX:075-501-7102
E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp


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