◆韓国の文在寅大統領に要請文を提出

【2018年10月19日,京都キンカンで配付。】

「核と戦争のない世界のための韓日反核巡礼団」は、
韓国の文在寅大統領に要請文を提出しました

(韓国では、「反原発」を「反核」、「ツアー」を「巡礼団」と呼びます。
また、抗議集会などが禁止されているため、「記者会見」の名目で集会を行います。)

◆韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、2017年6月、韓国の最も古い原発・コリ原発1号機の閉鎖式典で、
①原発建設計画の撤回(6基)、
②老朽原発の寿命延長はしない、
③慶州ウオルソン1号機の早期閉鎖、
④新コリ原発5、6号機増設計画については市民が決める、
⑤脱原発ロードマップを策定する、
と宣言しました。しかし、同大統領は、その宣言を反故にし、2018年3月、韓国が外国で初めて請け負ったアラブ首長国連邦のバカラ原子力発電所の完工式に出席し、また、5基の新核発電所をコリとウルチンに建設を進めるとするなど、核マフィアとともに原発の稼働政策を進めています。

◆この状況の中、9月13日(木)~16日(日)、韓国の「核廃棄のための全国ネットワーク(準)」などが企画された「核と戦争のない世界のための日韓反核ツアー」に、「若狭の原発を考える会」などから13名が参加し、韓国の4か所(24基)で稼働する原発の内、2か所の原発の現地で反原発を闘う人達と交流するとともに、反基地を闘っている方たちとも交流を深めました。ツアーの中で、文在寅大統領に原発と基地に関する以下のような要請文を提出することが話し合われ、10月8日のソウルの青瓦台(大統領官邸)前広場で開かれた「記者会見」で伝達されました。


韓国 文在寅大統領殿

私たち「核と戦争のない世界のための韓日反核巡礼団」は、9月13日から16日まで、ソウル~大田(テジョン)~霊光(ヨングァン)~星州(ソンジュ)~慶州(キョンジュ)と延べ1000キロに及ぶ韓国の反核・反原発の現場、サード反対の現場をめぐって地域住民のお話を聞き、経験を分かち合い、討論をしました。

韓国政府と原発推進勢力は、3.11福島事故前の日本とまったく同じように、韓国の原発は世界一安全で、完全な安全対策が採られていると強弁しています。しかし私たちは訪問した韓国の各地域で、現実はまったく異なるという住民たちの具体的な声を聞きました。

原発立地である全羅南道の霊光では、韓国型原発である3、4号機建設時の手抜き工事や不良部品問題が明らかになり、住民はいつ重大事故が起こるか知れない不安の中で暮らしています。使用済み核燃料の中間貯蔵施設という、引き受け手のない政府の計画を原発立地の住民たちに引き受けさせるため途方もない金を使った分裂工作が行われています。

また慶尚北道慶州の月城原発に隣接するナア里の住民たちは、赤ん坊から高齢者まで体からトリチウムが検出され、移住の権利を求めて丸4年を超えるテントろう城闘争を続けています。テントの前に棺桶を用意して死ぬ覚悟で闘っています。地元住民の多くは、生活のために原発の定期点検時に派遣労働者として被爆労働につかざるを得ません。

韓国の原発推進勢力の拠点である原子力研究院がある大田では、原子力研究院が数々の汚職や不正の温床で、危険きわまりない使用済み核燃料再処理実験が行われている核施設であり、一日も早く解体すべきであることを地元住民や若者たちが告発しています。

韓国政府は、これら地元住民たちの訴えを黙殺し、原発を動かし続けています。原発を動かす限り増え続ける使用済み核燃料の貯蔵プールはすでに飽和状態になっているのに、貯蔵プールの危険な稠密化や使用済み核燃料再処理の嘘によって期限を引き伸ばしつつ2024年までに原発敷地内に中間貯蔵施設を作るとして世論を欺こうとしています。

さらに慶尚北道星州のソソン里では、朝鮮民主主義人民共和国の核ミサイルからの防御を口実に朴槿恵政権末期に2基、文在寅政権成立後に仮配備された4基、計6基のサードミサイルが未だに撤去されていません。朝鮮半島に吹いている平和の風はソソン里にはなぜ吹かないのか。警察権力の暴力と対峙して闘う地元住民の怒りと闘いに私たちは感動しました。

私たちは、4.27以降3回にわたる南北首脳会談によって朝鮮半島平和と非核化の道が切り開かれつつあることを心から歓迎しています。だからこそ朝鮮半島の真の平和のためには、サードミサイルシステムが星州ソソン里から撤去されねばならず、朝鮮半島の真の非核化のためには韓国から米軍の戦術核と原発がなくならねばならないと考えます。3.11原発事故の現場である福島、原発集中地域である若狭、また最大の原発電力消費地である首都圏と関西から参加した日本の参加者は、安倍政権の原発再稼働強行・原発新設・原発輸出策動、そして9条改憲や戦争政策を阻止するために努力するとともに、韓日民衆が共同して、核と戦争のない世界を実現するために、今後も全力を尽くします。

「核と戦争のない世界のための韓日反核巡礼団」の日本参加者と韓国各地からの参加者は、この旅で学んだことに基づき、文在寅大統領に以下のように要求します。

1. ロウソク市民の要求である脱核の公約を守り、原発全廃に向かえ!
1. 老朽原発の稼働、中間貯蔵施設の押し付け反対!原発新設・輸出を直ちに止めよ!
1. 核マフィアの総本山・原子力研究院を解体し、脱核時代のために再編せよ!
1. 日々被曝を強制される原発隣接地域住民の移住の権利を保障する法律を制定せよ!
1. 違法なサード配備を撤回し、住民への弾圧と監視を直ちに止めよ!
1. 文在寅大統領は、ナア里・霊光・大田・星州ソソン里の住民たちの声に耳を傾けよ!

核と戦争のない世界のための韓日反核巡礼団
参加者一同


2018年10月8日、韓国ソウルの青瓦台前広場で、核廃棄のための全国ネットワーク(準)などが取り組んだ「文在寅大統領に送る要請書」の伝達のための行動


▲(横断幕)文在寅大統領は脱核公約を履行し原発全面閉鎖に直ちにとりかかれ!


▲(丸いプラカード)電気は余ってる!核発電所、もうやめて!


相次ぐ老朽原発廃炉:
それでも高浜1,2号機、美浜3号機を動かし、
全国の老朽原発再稼働を先導しようとする関電と政府

◆原発の安全対策費は、福島事故の大きな犠牲の上に、また、反原発の闘いの故に、高騰し続けています。そのため、傲慢な電力会社と言えども、安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなり、福島事故以降9基の老朽原発の廃炉が決定しています (福島第1、2を含めれば、廃炉は19基)。また、去る9月27日には東北電が34年越え女川原発1号機の廃炉の検討を始めたと報道されました。

◆それでも、関電は、来年以降、老朽原発高浜1号機(来年で45年越え)、2号機(来年で44年越え)、美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ、全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしています。安倍政権のエネルギー政策に迎合するものです。

◆しかし、安全対策費が膨大で、経済的にも成り立たない、老朽原発の運転を関電に断念させることは、私たちの行動如何では、可能であろうと考えます。老朽原発運転を止めさせ、原発新設を止めさせれば、美浜町の原発は即時ゼロに、高浜町の原発は7年後にゼロになり、2033年には、若狭の全原発が廃炉に向かいます。もちろん、その前に重大事故が起こる可能性もありますから、断固として、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。

脱原発・反原発の声を大きくし、
高浜、美浜の老朽原発を廃炉に追い込みましょう!
原発のない新しい社会を創造しましょう!

2018年10月19日発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆老朽高浜原発1、2号機、美浜3号機を今すぐ廃炉に

【2018年10月5日,京都キンカンで配付。】

原発の危険度は、運転期間とともに高くなる

老朽高浜原発1、2号機、美浜3号機を今すぐ廃炉に

◆原発は事故の確率が高い装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。例えば、次のような理由によります。

・高温、高圧、高放射線(とくに中性子の照射)に長年さらされた圧力容器、配管等では、脆化(ぜいか;下記【1】を参照)、金属疲労(下記【2】を参照)、腐食(下記【3】を参照)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の老朽化は深刻です。電気配線の老朽化も問題です。老朽原発には、難燃性でない電気配線も使われています。

・建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分は多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。最近は、安全系と一般系の電気配線の分離敷設の不徹底なども指摘されています。

・建設当時の記録(図面など)が散逸している可能性があり、原発の安全管理の支障となります。

・建設当時を知っている技術者は殆どいないので、非常時、事故時の対応に困難を生じます。

・高浜3、4号機(運転開始後33年越え)のようなウラン燃料対応の老朽原発でMOX燃料を使用することは、炉の構造上、問題山積です。

以下に、脆化、金属疲労、腐食について簡単に説明します。

【1】老朽原発圧力容器の脆化

◆原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境(加圧水型PWRの場合)で中性子などの放射線に曝(さら)されています。この鋼鉄は、高温ではある程度の軟らかさを持っていますが、温度が下がると、ガラスのように硬く、脆(もろ)くなります。圧力容器は原子炉運転期間が長くなると、硬化温度(脆性遷移温度)が上昇します。

◆例えば、初期にはマイナス16℃で硬くなった鋼鉄も、1、18、34年炉内に置くとそれぞれ35、56、98℃で、40年を超えると100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が脆化していれば、ガラスを急冷したときのように、破損する(割れる)危険性があります。初期(使用前)の鋼鉄は、脆性遷移温度が零度以下ですから、水冷では破壊されません。とくに、不純物である銅、リン、炭素などの含有量が多い鋼鉄で出来た老朽圧力容器の脆化は深刻です。

◆なお、脆化の機構は解明途中であり、脆性遷移温度の評価法にも問題が多いことも指摘されています。

◆ちなみに、老朽原発の脆性遷移温度は、次のように推定されています(原子力資料室発行「別冊TWO SCENE」17、2018年夏号より)。
・高浜原発1号機(運転開始1974年):99℃
・玄海原発1号機(運転開始1975年;廃炉):98℃
・美浜原発2号機(運転開始1972年;廃炉):86℃
・美浜原発1号機(運転開始1970年;廃炉):74℃
・大飯原発2号機(運転開始1979年;廃炉):70℃

【2】老朽原発の金属疲労

◆金属疲労とは、金属材料に繰り返して(振動的に)「力」を加えたとき、はじめ小さな傷が生じ、やがて大きな破壊に至る現象です。「力」は機械的に加わるだけでなく、温度変化の繰り返しによって加わることもあります。金属が高温で膨張し、低温で収縮するためです。

◆1985年8月の日航ジャンボ機墜落(御巣鷹尾根)事故は、後部圧力隔壁の金属疲労が原因とされました。

◆1991年2月に、美浜原発2号機で蒸気発生器伝熱細管がギロチン破断(刃物で断ち切ったように真っ二つになる事)して一次冷却水が2次側に漏洩した事故の原因は、高サイクル振動による金属疲労と判定されました。この事故は、メルトダウンにつながりかねない深刻なもので、国内の原発で緊急炉心冷却装置(ECCS)が動作する最初の事例となりました。金属疲労による損傷は、ポンプやタービンによる機械的振動や配管を水や水蒸気が流れるときに生じる振動が長期にわたって加わったときにも生じます。

【3】老朽原発の金属腐食

◆金属の腐食とは、金属が接触している他種の金属、液体、気体と化学反応して溶けたり、腐食生成物(いわゆるさび)を生成することです。表面が一様にさびる「全面腐食」、弱い部分から腐食が進行し、孔が開いたりする「局所腐食」があります。原子炉内ではいずれの腐食も生じますが、老朽原発でしばしば問題となるのは「局所腐食」の一つ「応力腐食割れ」です。代表的な発生部位は、圧力容器内で燃料集合体、制御棒の周囲に円筒状に配されているシュラウドと呼ばれる部品、再循環系配管、炉内計装管台などです。1960年代末から1980年代初頭にかけて、特に沸騰水型プラントでは共通する不具合として問題になりました。

◆当時発生した応力腐食割れの大半は炭素含有率が比較的高いステンレス配管の溶接部近傍(数㎜以内)で発生しました。ステンレスは、鉄に10~20%のクロムを混ぜて、さびにくくした合金ですが、溶接時に600℃~800℃に加熱された部分ではクロム炭化物が生成し、クロム濃度が周囲より低くなる欠乏層(結晶粒界)が生じます。この部分に溶存酸素を含んだ炉水が接触しつつ引張応力(材料が引っ張られたとき、材料内部に生じる抵抗力)が加わると、応力腐食割れが発生、進展します。

◆「エロージョン・コロージョン」と呼ばれる腐食も生じますが、メカニズムは確定されていません。「エロージョン」とは、局所的沸騰(キャビテーション)あるいは液滴や固体粒子の衝突によって材料表面が徐々に脱離する現象(腐食;コロージョン)とされています。

◆1986年12月、米国のサリー原発2号機(加圧水型軽水炉で1973年5月に運転開始)の二次冷却系配管でギロチン破断事故が発生しました。この事故は、給水ポンプ入口側の90°エルボ部で生じました。破断した配管の材質は、板厚12.7 mmの炭素鋼です。破断の原因は、エロージョン・コロージョンによる配管の減肉です。この事故により破断部近傍で工事を行っていた4名が死亡し、2名が負傷しました。

◆2004年8月に、美浜原発3号機(1976年3月に運転開始)の二次冷却系の復水系配管が突然破裂し、高温高圧の二次系冷却水が大量に漏れ出して、高温の蒸気となって周囲に広がった事故の原因もエロージョン・コロージョンによる配管の減肉です。

◆この配管は、直径55 cm、肉厚10 mmの炭素鋼(鉄と炭素の合金:加工が容易で廉価)製で、破裂箇所の上流側には圧力差から流量を計測するためのオリフィスと呼ばれる狭窄部が設けられています。オリフィスで生じた渦流によるキャビテーションは、徐々に配管内面を削り、運転開始から28年後の事故当時には、配管は肉厚1.4 mmにまで減肉していました。この状況で、配管は、150℃、10気圧という運転圧力と振動に耐えられず、大きく破裂したと考えられています。

◆本来は肉厚4.7 mmまで減肉する前に予防措置をとるという内部規則があり、1989年には配管を検査し1991年には取り替えることになっていたにもかかわらず、関西電力と検査会社の見落しで、点検台帳に登録されず、この個所は稼動以来28年間一度も点検されていませんでした。関電の危機管理能力が疑われます。この事故では5名が亡くなられ、6名が重軽傷を負われました。国内初の運転中の原発での死亡事故です。

【4】老朽原発の圧力容器や蒸気発生器に強度不足の鋼材が使用された可能性

◆上述のように、原子炉材料の品質不良は、重大事故の原因となりますが、最近でも、強度不足の鋼材が老朽原発で使用されていたと報じられています。

◆2015年4月、フランス原子力安全局 (ASN)は、建設中の加圧水型原発の原子炉容器上蓋などに使われている鋼材の組成に異常(ひび割れの発生など、機械的強度を低下させる炭素濃度の高い領域)が見つかったと発表しました。また、調査を続けたASNは、2016年6月に、「フランスで運転中の58基の加圧水型原子力プラントのうち、9原発18基の蒸気発生器で「水室」(蒸気発生器の一部)の機械的強度が想定より低い可能性がある」と発表しました。この「水質」の鋼材はフランスのクルゾ社と日本鋳鍛鋼(にほんちゅうたんこう:新日本製鐵グループ、三菱グループの共同出資)が鍛造(たんぞう:金属を加熱し、ハンマーなどでたたいて、金属内部の空隙をつぶし、結晶の方向を整えて強度を高めながら成形)したものです。

◆フランスでのこの事態を受け、日本の原子力規制委員会(規制委)は、2016年8月24日、各原発事業者に対し原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査を指示し、九州電力や東京電力、関西電力など電力6社は、同年9月2日に、「日本鋳鍛鋼」が国内8原発13基の原子炉圧力容器を製造していたと報告しました。しかし、電力6社の調査は、「メーカーに確認する」程度のもので、メーカーである日本鋳鍛鋼は、「強度不足につながる鋼材の不純物は顧客の指示通り切り捨てている」として強度基準を満たしているとの認識を示しています。

◆電力各社によると、日本鋳鍛鋼は、福島第二原発2、4号機、志賀1号機、高浜2号機、大飯1、2号機、敦賀2号機、伊方2号機、川内原発1、2号機、玄海2、3、4号機の圧力容器を製造していました。

◆フランスで2015年4月に強度不足問題が発覚し、ASNが調査を指示し、2016年6月に結果を発表しているにも拘らず、規制委は、問題発覚以降にも原子炉の致命的欠陥に関わるこの問題を無視して再稼働審査を続け、川内原発、高浜原発、伊方原発の新規制基準適合を発表し、老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機の運転延長も認めています。

原発再稼働時に、頻発するトラブル:原発
老朽化の深刻さ、規制委審査の無責任さを露呈

◆2015年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、2016年2月の再稼働準備中に、1次冷却系・脱塩塔周辺で水漏れを起こし、発電機と送電設備を接続した途端に警報が鳴り響き、原子炉が緊急停止しました。

◆さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の2016年7月、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。本年3月に再稼働した玄海原発3号機は、再稼働1週間後に、脱気装置からの蒸気漏れを起こしました。配管に直径1 cmの穴が開いていたそうです。本年8月末に再々稼働した高浜原発4号機は、8月19日に、事故時に原子炉に冷却水を補給するポンプの油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出されるという、深刻なトラブルを起こしました。

◆このように、再稼働を進める全ての電力会社がトラブルを起こしています。トラブル率100%です。これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉、部品の摩耗などが進んでいること示しています。また、傲慢で安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、規制委員会が適合とした多くの原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委員会の審査が無責任極まりないことを物語っています。

規制委の審査は無責任で、科学とは縁遠い:
老朽原発審査は、さらに手抜き

◆老朽高浜原発1,2号機運転延長認可の発表にあたって、当時の規制委員長・田中俊一氏は、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べています。

しかし、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものです。規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠いものです。

◆実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故です。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にあります。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然です。

◆しかも、老朽高浜原発1,2号機、美浜原発3号機の再稼働審査は、とくに無責任かつ杜撰(ずさん)でした。杜撰さを、高浜1、2号機審査を例に紹介します。

●関電が、高浜1、2号機の新規制基準への適合審査を申請したのは2015年3月ですが、2016年4月に設置許可、6月10日に工事計画認可、6月20日に運転延長認可と、他の原発の審査に比べて、異例の短期間で審査を終えています。
審査会合も27回と川内、高浜(3、4号機)、伊方原発審 査時の約半分です。しかも、先に申請し、終盤を迎えていた他原発の審査を止めての拙速審査です。規制委からの認可取得期限が2016年7月7日に設定されていたために、規制委が審査を早めて、この期限に間に合わせたのです。規制委には、特に慎重であるべき老朽原発審査に対する誠意は感じられません。

●審査の手抜きも目立ちます。例えば、この審査では、ケーブル、コンクリート、目視可能な鉄筋など、簡単に点検や補修できる箇所については審査しても、点検が困難な冷却細管、点検・交換が不可能な圧力容器については、十分審査しているとは言えません。また、蒸気発生器の耐震性は美浜3号機の実証データで代用し、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばしにしました。さらに、20年延長評価は初めてにも拘らず、パブリックコメントなど、広く意見を求めることもしていません。このように、調査や改修の困難な部分については手抜きする審査は、「科学的」に安全を保証するためのものではありません。

相次ぐ老朽原発廃炉:
それでも高浜1,2号 機、美浜3号機を動かし、
全国の老朽原発再稼働を先導しようとする関電と政府

◆原発の安全対策費は、福島事故の大きな犠牲の上に、また、反原発の闘いの故に高騰し続けています。そのため、傲慢な電力会社と言えども、安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなり、福島事故以降9基の老朽原発の廃炉が決定しています (福島第1、2を含めれば、廃炉は19基)。また、去る9月27日には東北電が34年越え女川原発1号機の廃炉の検討を始めたと報道されました。

◆それでも、関電は、来年以降、老朽原発高浜1号機(来年で45年越え)、2号機(来年で44年越え)、美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ、全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしています。安倍政権のエネルギー政策に迎合するものです。

◆しかし、安全対策費が膨大で、経済的にも成り立たない、老朽原発の運転を関電に断念させることは、私たちの闘い如何では、可能であろうと考えます。老朽原発運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、最悪でも、2033年には、若狭の原発はゼロになります。もちろん、その前に重大事故が起ころ可能性もありますから、断固として、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。

関西、福井の総力を結集して、高浜、美浜の老朽原発をを廃炉に追い込みましょう!
そのための行動を討議するために、下記の拡大実行委員会を開催します。
老朽原発の再稼働を何としても阻止したいとお考えの方なら、
どなたでも、ご参加いただけます。
叡智を集めて大闘争を準備し、老朽原発を廃炉に追い込みましょう!


老朽原発再稼働を阻止するために! 行動を討議する
「拡大実行委員会」

◆とき:10月8日(月 休)14:00~17:00
◆ところ:京都テルサ(京都駅から南へ 徒歩 15 分、市バス九条車庫南)
★ア クセス→こちら
◆主催:「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
◆連絡先:木原(090-1965-7102;kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp)


2018年10月5日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆「韓日反核(原発)ツアー」に参加して

【2018年9月28日,京都キンカンで配付。】

韓国・日本の脱原発・反原発運動の強固な連帯で、
互いの政府や電力会社を追い詰め、
手を携えて世界の原発の全廃を勝ち取ろう!

「韓日反核(原発)ツアー」に参加して

若狭の原発を考える会・橋田 秀美

◆昨年、日本側で韓国青年の若狭高浜訪問を契機として、韓国との交流気運が高まり、また、韓国でも日本の脱核(反原発)運動の現状を知りたいという要請から、今回の韓日連帯のツアーが企画された。

◆関西空港の水没により航空機が欠航となり、9月12日大阪南港から釜山まで19時間の旅。13日の昼前、下船後、すぐに高速バスでソウルへ5時間。到着後、夕食をかき込み、すぐに木原さんの講演が始まった。14日には大田(テジョン)でも行われた「日本の原発問題の現状と反原発運動」と題した2回の講演では、韓国の若い活動家から多くの質問が投げかけられ、その知識の豊富さと熱心さに驚いた。
(詳しくは木戸さんの報告を→こちら

14日は大田にある韓国原子力研究院前で行われた集会に参加し、今回のツアー団と「核再処理実験阻止30 km連帯」の連名で声明を出した。
・韓国原子力研究院は「先端科学技術と最高の安全を誇る施設」とは名ばかりで、核廃棄場や老朽原子炉がある施設だが、核廃棄物不法埋立てと無断焼却、放流などをしてきたそうだ。核再処理実験を進めており、高速炉研究も行なおうとしている。この研究院は巨大な核マフィアの象徴なのだ。

・「核再処理実験阻止30 km連帯」で活動をしているという15歳の少女は、3.11のとき、8歳だったというが、福島原発事故が本当に怖くて、安全に暮らしたいという思いから脱核(反原発)運動に入ったという。「研究員の人たちは頭がいいかもしれないけど、良い人ではない」、「政権が変わったけど、それで社会が変わるわけではないとわかった」と凛として語る姿に、本年6月23日沖縄慰霊の日に自作の詞を朗読した少女の姿が重なった。真実の平和を求める感性が輝いているようで、会場は感動に包まれた。

▲韓国原子力研究院前の集会
▲アピールする少女

15日は霊光(ヨングァン)原発を訪ね、原発前で地域住民とミニ集会を行い、交流をした。
・5.6号機では5000個を超える偽造部品、4号機では手抜き工事が発覚したそうだ。回りは広い農業地帯だが、農作物の風評被害が起こっているという。使用済み核燃料プールが2024年には満杯になるので、敷地内に乾式保管を考えているというが、住民は激しく反対している。しかし、政府による補償金をちらつかせての懐柔策は、住民間分裂を生んでる。全く日本と同じ構図だと思った。日本の電力会社も使用済み核燃料の中間貯蔵場所を探して、あらゆる自治体を金で買収してくるに違いないし、すでに裏では進められていることだろう。

・15日の夜は星州(ソンジュ)のソソン里でサードミサイルに反対している住民と交流し、ろうそく集会に参加した。この地はまくわうりの大生産地だ。「サードが何なのか、平和についてなど何にも考えなかった私達だが、今はわかる。未来の子供達のために、世界の平和のために闘うことを決意した」と、政府の弾圧に身体を張って闘う農民や宗教者の姿に、真正面から闘うことの大切さを教えられた気がした。

16日は慶州月城(ウォルソン)のナア里にある月城原発で闘っている住民と交流した。
・この地域の約30世帯の住民は、月城原発PR館前にテントを張り、反原発運動をしてもう4年になるというが、原発から914メートルのところで居住し畑を耕し生きている人もいる。体内からトリチウムが検出された人や、放射線被爆した赤ちゃんが生まれたりしていると聞き、驚いた。甲状腺ガンの発生率も異様に高く、住民は不安に駆られ、移住の自由と支援を求めて闘っている。危険な汚染地域の不動産は売れず、移住したくともできない現実があるのだ。

・目を引いたのはテントの前に並ぶ白い柩(ひつぎ)であった。私は、これはきっと原発を推し進める人を葬るという意味だろうと勝手に思ったのだが、実は違った。月城原発隣接地域移住対策委員会の会長や副会長、事務局長、会員の人達の柩だった。「私達は柩に入るまで闘う」という決意を表しているという。おもしろい闘い方だなと感心した。韓国の人たちは目に見える闘いがとても上手い。その柩の意味を知った木原さんは、「僕も死ぬまで闘う」と言って並ぶ柩の傍らに身体を横たえた。そのお茶目さに皆笑ったが、私はなぜか目頭が熱くなった。

・テントに招かれての交流は、双方から時間を忘れるほどの質問と回答の応酬であった。韓国側からは
「私達は福島を見て真実を知った、目が覚めた」、
「なんで福島を経験しながら再稼働するの?」、
「トリチウム水を薄めて海に流す計画?!あり得ない!」、
等々。原発事故を起こした国の住民としての責任と闘いを厳しく問われているように感じた。テントの中に、このテントを訪れた文在寅大統領の写真があったので、「大統領はここを訪ねたのですね?」と聞くと、「あれは大統領になる前に訪ねてきたときの写真。大統領になってからは一切来てくれない。」と憤りの顔を見せられた。先ずは、お互い情報の交換から始めようと連絡先などを交換しあった。

▲月城原発PR館前の抗議テント
▲柩の傍らに横たわる木原さん
▲テントの前で連帯の意をこめて旗を贈呈

この旅で韓国側からおもしろい指摘があった。
「なぜ、こんな年寄りの方達(私達のこと)が先頭切って運動しているの? 韓国では年寄りは運動から引いてしまうのに。」との質問。逆に、私達は、「韓国はなぜ、若い人たちがこんなに運動しているの? 日本では、ほとんど老齢者しか運動しない。」と返した。韓国は年金制度が確立しておらず、老齢の方も働かなくてはいけない事情があるという。また、「若者に運動を譲る。託していく。」という文化があるのだとわかった。

最後に。なぜ、韓国の運動と連帯するのか?

◆福島原発事故は、甚大な犠牲をもって、反原発・脱原発の大きな運動のうねりを起こした。この反原発大衆運動の高揚により、電力会社は多額な費用を要する安全対策を施さざるを得なくなり、それが原発重大事故を防いできたといえる。また、安全対策費の高騰から、廃炉を決定せざるを得なくなっている。さらに、反原発運動が、世界的にも安全対策費の高騰を招き、原発輸出企業の原発からの撤退を促している。このように、反原発の大衆運動が世界的に高揚し、繋がることは、暴利をむさぼるために人の命や健康をむしばみながら各国で暗躍している「原子力マフィア」達を追い込むことになる。

◆韓国で起こった朴槿恵大統領退陣を求めるろうそくデモは、日本で「戦争法反対」を掲げて国会議事堂前に何万と集まった民衆を見て「政治的にはあまり動かないと思っていた日本の民衆が、こんなにも集まっている!」と驚き、それに感化され起こったという韓国からの声もあった。隣接国、世界の大衆運動は連鎖するのだとあらためて思った。

◆私の生涯で初めての海外旅行が、反原発連帯の旅であった事は感慨深い。韓国や世界の反原発運動と連帯して、世界から原発を全廃しなくては!と強く決意する旅となった。

木戸恵子さんの報告に移る
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◆世代と海を越えて連帯する ―核と戦争のない世界のための日韓反核旅行―

【2018年9月28日,京都キンカンで配付。】

韓国・日本の脱原発・反原発運動の強固な連帯で、
互いの政府や電力会社を追い詰め、
手を携えて世界の原発の全廃を勝ち取ろう!

世代と海を越えて連帯する

―核と戦争のない世界のための日韓反核旅行―

若狭の原発を考える会・木戸 恵子

◆韓国のムン・ジェイン大統領は、2017年6月、韓国の最も古い原発・コリ原発1号機の閉鎖式典で、
①原発建設計画の撤回(6基)、
②老朽原発の寿命延長はしない、
③慶州ウオルソン1号機の早期閉鎖、
④新コリ原発5、6号機増設計画については市民が決める、
⑤脱原発ロードマップを策定する、
と宣言した。

しかし、同大統領は、その宣言を反故にし、2018年3月、韓国が外国で初めて請け負ったアラブ首長国連邦のバカラ原子力発電所の完工式に出席し、また、5基の新核発電所をコリとウルチンに建設を進めるとするなど、核マフィアとともに原発の稼働政策を進めている。

◆この状況の中、9月13日(木)~16日(日)、韓国の「核廃棄のための全国ネットワーク(準)」などが企画された「核と戦争のない世界のための日韓反核ツアー」に、日本から13名が参加し、韓国の4か所(24基)で稼働する原発の内、2か所の原発の現地で反原発を闘う人達と交流するとともに、反基地を闘っている方たちとも交流を深めた。

●13日(木)午後7時、ソウル円仏教教堂において、「日本の原発問題と反原発運動」と題して、若狭の原発を考える会の木原壯林さんが質疑応答を含め2時間の講演をおこなった。

・講演の概要は、
日本政府の原子力政策(エネルギー基本計画、危険かつ実現不可能に近い核燃料サイクルへの固執、日本政府は原発輸出を経済政策の目玉の一つに、日本の原子力政策の要点と政府のたくらみの暴露など)、
「新規制基準」と規制委員会審査の問題点(新規制基準は3つの用件で構成されるが、これらは計画に有無を審査するのであって、実行されたことを確認するものではないこと、防災計画と住民避難計画は規制委員会の審査対象外であること、それでもこの審査結果が原発稼働を左右すること、など)、
日本の原発が持つ問題点(原発集中;若狭には13基の商用原発と高速増殖炉「もんじゅ」、ウラン、プルトニウム混合酸化物燃料を使ったプルサーマル運転、40年越え老朽原発の運転、行き場のない使用済み核燃料など)、
日本の反原発運動
日本の脱原発訴訟
「若狭の原発を考える会」の目指すところ・過去1年間の主な活動・これらの行動で私たちが獲得した成果
などで、通訳を交えた講演であった。

▲ソウル講演会

 

 

 

 

▲テジョン 30 km連帯懇談会

・会場からの質疑応答には、
①日本政府が公表した「科学的特性マップ」の日本人の反応はどうだったか、
②プルサーマルは日本の全ての原発でできるか、
③日本の再処理は乾式か湿式か、
④世界的な気候変動の中、脱核のスピードを落とさなければいけないと聞いたが本当か、
⑤日本では使用済核燃料の処理に困っているのに、インドへの原発輸出の条件に、インドで出た使用済み核燃料を日本で引き受けるのは、矛盾しているのではないか、
など韓国と日本の状況の違いや、日本政府の矛盾点が指摘された。

・講演の最後に、「今、脱原発・反原発は世界の趨勢になりつつあります。韓国、日本の脱原発運動が強く連帯して、大きなうねりを創り、原発が技術的には人類の手に負えるものではなく、経済的にも成り立たないことを政府や電力会社に思い知らせ、手を携えて世界の原発の全廃を勝ち取りましょう!」と訴え、会場から惜しみない拍手がおくられた。

●14日(金)同じ内容で2回目の講演会が、テジョン市老隠図書館において行われた。

・講演終了後の質疑応答の中では、
①若狭の原発を考える会の4年間続けている、「地道に」、「骨身を惜しまず」の行動に拍手と連帯を送りたいと前置きして、韓国では湿式だから核拡散にならないと政府は言っているが本当か、
②高速炉とプルサーマルの違い、
③テジョンにある韓国原子力研究院の半径1.5 kmに25000人が住んでいるが、日本にも同じようなところがあるか、
④韓国では反対しているが、日本では40年間再処理をしているが、どういう状況か、
⑤木原さんのような専門家が反原発の運動をされていることに驚きと感銘を受けたが、今の日本では専門家による反対運動が出来る状況にあるのか、
など熱心討論が交わされた。

・その後、テジョン市の巨大な核マフィアの中心・韓国原子力研究院の前に反核団体が集まり、抗議行動の「記者会見」が展開された。私たちも、旗を立てて「共同声明」に参加した。韓国では集会が禁止されているため、記者会見という名目で抗議行動を続けている。困難な中、工夫して闘うことを教えられた集会だった。

▲「30km連帯」へ旗の贈呈
▲原子力研究院前の「記者会見」

・印象的だったのは、テジョンの教会で開かれた「30 km連帯、住民との懇談会」においての、15歳の少女のスピーチであった。

・「私は現在を生きていきたい」と訴え、
「福島の原発事故が起きた時は8歳だった。福島原発事故から7年目の時、原発に関心をもってほしいと張り子で作った黄色の核廃棄物のドラム缶に座りながら街中でチェロを演奏した。原子力研究院の人達が様々な事故を起こしたのをみて、彼らは賢くないことを学んだ」、
「皆で努力をして政権を変えることができたが、世界はそう簡単には変わるものではないことも学んだ」、
「自分が生きていく世界を自分で直接作るべきで、学校に行かなかったことで国会にも行けたし、皆さんに訴えることができた」
と彼女自身の生き方や感性に、聞いていた韓国と日本の皆さんから盛大な拍手が起こった。

・終了後、スピーチをした少女を若狭の原発を考える会の反原発の旗で囲んで、木原さんと橋田さんより「30 km連帯の方へ、世代や海を越えて、原発をなくしていくために、連帯の意味を込めて」というメッセージとともに「反原発」の旗が贈呈された。

●15日(土)午前中、韓国の東の端に立地するヨングァン原発に対して闘う現地の方々と、原発ゲート前で短時間の集会をおこなった後、生命平和村に移動し懇談した。

・参加者の、
「原発が近いので、農作物が安く買いたたかれる」、
「ムン・ジェインになって、反核運動が衰退した」、
「使用済核燃料を乾式で保管しようとする政府が、お金をちらつかせながら村人を分断しようとしている」
などの発言を聞き、日本の政府や電力会社と同じような姑息な手段で住民を分断している状況がよく分かった。

・午後7時、星州(ソンジュ)郡ソソン里のサードミサイルに反対するロウソク集会に参加。闘いの中で歯を折られ、痛々しいマスク姿の婦女会会長が
「サードが来ると聞いた時引っ越しをすればいいと思っていたが、今は未来の子どもたちのために、世界平和のために闘っている」
と村での命を懸けた反基地の闘いを報告された。全員で黙祷の後、韓国語で「ニム(あなた)のための行進曲」を歌う。最後の部分「私が先頭に立つから、生きている者は後からついてこい」と繰り返し歌った。

●16日(土)、韓国の西の端に立地するウオルソン原発の慶州(キョンジュ)市ナア里の移住対策委員会の方と懇談した。

・住民の住むところから1 km 以内に、カナダ式重水炉が4基と韓国製原発が2基あり、30世帯が闘っている。ナア里に向かうバスの中で、飲み水やお風呂の水も他から調達していると聞いた。ウオルソン原発展示館前に2015年から合法的にテントを建てて、移住を要求している。政府からは安全だと聞いてきたが、福島原発事故を見て、原発は事故を起こすと知り、この闘いは自分達の生存権の問題だと知ったと話された。毎週月曜日に、テント前に並べられた自分たちが入ると決意した「柩」を抱えて、ナア里の町中を歩く闘いを続けている。

▲サードに反対するロウソク集会
▲ナア里移住対策委員会テント前

◆今回の日韓交流は、韓国の反原発や反基地の行動的な闘い方に刺激を受けながら、世代と海を越えて原発の全廃を勝ち取るために、地道に、骨身を惜しまず訴えていきたいと、改めて思った旅であった。

橋田秀美さんの報告に移る
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◆老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の再稼働を阻止しよう!

【2018年9月21日,京都キンカンで配付。】

決意を新たにして、
老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の
再稼働を阻止しよう!

関電は、トラブル続きでも原発を稼働させています

◆関電は、定期検査中の高浜原発4号機を8月31日に起動(いわゆる再々稼働)させました。4号機では、去る6月22日に、蒸気発生器伝熱管に傷が見つかり、8月19日には、事故時に原子炉に冷却水を補給するポンプが油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した微量放射性物質を含む蒸気が原子炉建屋から漏れ出るトラブルを起こしています。

◆このことは、運転開始後33年を超えた高浜原発4号機のような原発では、色々な部分の老朽化が進んでいることを示し、その原発を運転しようとする関電に、原発は万が一にも事故を起こしてはならないとする緊張感も体制もないことを示しています。また、原子力規制委員会が「新規性基準」に適合とした原発が、再稼動時に次々にトラブルを起こしている事実は、「新規性基準」は安全を保障するものとは程遠く、規制委員会の審査は、いい加減極まりないことを示しています。

◆それでも、関電は、トラブル後10日目の8月31日に高浜4号機の再々稼働を強行し、8月3日から定期検査入りした高浜3号機を11月に起動させるといわれています。許してはなりません。

関電は40年越え老朽高浜1、2号機、美浜原発3号機を再稼働させ、
全国の老朽原発再稼働を先導しようとしています

◆関電は、来年以降、老朽原発高浜1号機(来年で45年越え)、2号機(同44年越え)、美浜原発3号機(同43年越え)を再稼働させ、全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしています。安倍政権のエネルギー政策に迎合するものです。

◆老朽原発には、取り換えることのできない圧力容器や配管の脆化(ぜいか)や腐食など、危険極まりない状況が多数あることを多くが指摘していす。それでも、政府や関電は、再稼働を企んでいるのです。

◆ところで、老朽原発の安全対策費は、福島事故の大きな犠牲の上に、また、反原発の闘いの故に、高騰し続け、福島事故以降9基の老朽原発の廃炉が決定しています (福島第1、第2を含めれば、廃炉は19基)。

◆このことを考えれば、安全対策費が膨大で、経済的にも成り立たない、老朽原発の運転を関電に断念させることは、私たちの闘い如何では、可能であろうと考えます。老朽原発運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、最悪でも、2033年には、若狭の原発はゼロになります。もちろん、その前に重大事故が起ころ可能性もありますから、断固として、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。

関西、福井の総力を結集して、
高浜、美浜の老朽原発を廃炉に追い込みましょう!

◆そのための行動を討議するために、下記の拡大実行委員会を開催します。

老朽原発の再稼働を何としても阻止したいとお考えの方なら、どなたでも、ご参加いただけます。
叡智を集めて大闘争を準備し、老朽原発を廃炉に追い込みましょう!


老朽原発再稼働を阻止するために!
行動を討議する「拡大実行委員会」

◆と き:10月8日(月・休)14:00~17:00
◆ところ:京都テ ルサ(京都駅から 南へ 徒歩 15分、市バス九条車庫南)
★アクセス→こちら
◆主 催:「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
◆連絡先:木原(090-1965-7102;kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp)


2018年9月19日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆老朽原発の再稼働を阻止しよう

【2018年9月7日,京都キンカンで配付。】

決意を新たにして
老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の
再稼働を阻止しよう!

地震の時期、場所、規模は
予測不能であることが、
また実証されました

◆6日未明に北海道で発生した大地震・北海道胆振(いぶり)東部地震で、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

◆この地震は、地震の時期、場所、規模を、現代科学・技術で予知できないことを、再認識させました。阪神・淡路大地震、東日本大地震、熊本・大分大地震、大阪北部大地震の何れも、予知できませんでした。

◆しかも、今回の大地震は、北海道全域の大停電も引き起こしました(ブラックアウトと言われています)。その原因は、道内半分の電力を供給する苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所、1、2号機のボイラー配管破損などによって、4号機を含む全発電機が緊急停止したことに端を発しています。なお、この発電所は、震源近くに立地し、1、2、4号機を保有し、総出力165万kWです。3号機は、配管の摩耗や損傷が多発し、2005年に廃止されています。発電機の一極集中があだになったと言えます。

◆一方、震源から約120 km 西方にある泊原子力発電所の外部電源が、この停電によって断たれました(喪失)。泊原発は、1号機(57.9万kW:1989年運転開始)、2号機(57.9万kW:1991年運転開始)、3号機(91.2万kW:2009年運転開始)の3基の加圧水型(PWR)原子炉が集中する原発ですが、現在定期点検中で、原発圧力容器内に核燃料はなく、核燃料は、燃料プールに保管されています。北海道電力は、外部電源喪失時には、非常用電源に切り替えて、燃料プールを冷却したとしています。しかし、もし原発が運転されていたら、最大で3基の原発と燃料プールを同時に非常用電源で冷却しなければならず、果たして可能なのか?また、地震の揺れがもう少し大きく、苫東厚真火発のように配管破損を生じていたら、などを考えると、肝を冷やさざるを得ません。

◆今回の地震や先の台風は、自然の猛威の前には、現在科学・技術が太刀打ちできるものではないこと、とくに、発電所や空港などの集中型巨大設備は極めて脆弱であることを明らかにしています。

地震、火山、台風が多発する地域に、
万が一にも重大事故を起こしてはならない原発は、
あってはならないことも教えています。

関電は、トラブル続きでも原発を稼働させています

◆関電は、定期検査中であった高浜原発4号機を8月31日に起動(いわゆる再々稼働)させました。4号機では、6月22日に、蒸気発生器伝熱管に傷が見つかり、8月19日には、事故時に原子炉に冷却水を補給するポンプが油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した微量放射性物質を含む蒸気が原子炉建屋から漏れ出るトラブルを起こしています。

◆このことは、運転開始後33年を超えた高浜原発4号機のような原発では、色々な部分の老朽化が進んでいることを示し、その原発を運転しようとする関電に、原発は万が一にも事故を起こしてはならないとする緊張感も体制もないことを示しています。また、原子力規制委員会が「新規性基準」に適合とした原発が、再稼動時に次々にトラブルを起こしている事実は、「新規性基準」は安全を保障するものとは程遠く、規制委員会の審査は、いい加減極まりないことを示しています。

◆それでも、関電は、トラブル後わずか10日目の8月31日に高浜4号機の再々稼働を強行し、8月3日から定期検査入りした高浜3号機を11月に起動させるといわれています。許してはなりません。

◆高浜原発3、4号機は運転期間が33年を超えた老朽原発で、しかも混合酸化物(MOX)燃料を用いてプルサーマル運転をしています。危険極まりなく、ウラン燃料に比べて、長期の水冷保管を要し、長期にわたって放射線量、発熱量が下がらない使用済み核燃料を残す発電法です。若狭の原発の使用済み燃料プールは7割以上が埋まっていますが、使用済み燃料の行き場は、目途も立っていません。しかも、使用済み燃料プールは、原子炉本体に比べて、格段に脆弱です。それにもかかわらず、関電は、長期保管を要するMOXも含む使用済み燃料を増やそうとしているのです。無謀、無計画極まりないことです。

関電は40年越え老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機を
再稼働し、全国の老朽原発再稼働を先導しようとしています

◆関電は、来年以降、老朽原発高浜1号機(来年で45年越え)、2号機(来年で44年越え)、美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ、全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしています。安倍政権のエネルギー政策に迎合するものです。

◆ところで、老朽原発の安全対策費は、福島事故の大きな犠牲の上に、また、反原発の闘いの故に、高騰し続け、そのため、福島事故以降9基の老朽原発の廃炉が決定しています (福島第1、第2を含めれば、廃炉は19基)。

◆このことを考えれば、安全対策費が膨大で、経済的にも成り立たない、老朽原発の運転を関電に断念させることは、私たちの闘い如何では、可能であろうと考えます。老朽原発運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、最悪でも、2033年には、若狭の原発はゼロになります。もちろん、その前に重大事故が起ころ可能性もありますから、断固として、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。

関西、福井の総力を結集して、
高浜、美浜の老朽原発を廃炉に追い込みましょう!

◆そのための行動を討議するために、下記の拡大実行委員会を開催します。

老朽原発の再稼働を何としても阻止したいとお考えの方なら、どなたでも、ご参加いただけます。
叡智を集めて大闘争を準備し、老朽原発を廃炉に追い込みましょう!


老朽原発再稼働を阻止するために!
行動を討議する「拡大実行委員会」

◆と き:10月8日(月・休)14:00~17:00
◆ところ:京都テ ルサ(京都駅から 南へ 徒歩 15分、市バス九条車庫南)
★アクセス→こちら
◆主 催:「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
◆連絡先:木原(090-1965-7102;kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp)



7月-8月の若狭、関西での「原発うごかすな!」行動の報告

ご参加、ご支援を戴いた皆様ありがとうございました。

「原発うごかすな実行委員会@関西・福井」


◆公開質問状運動

2018年7月28日原発立地町3町(美浜、おおい、高浜)町長へ「原発の現状と将来に関わる公開質問状」を提出。公開質問状をアメーバデモで、若狭全域に配布8月10日、17日に回答を得る。回答をチラシにして、アメーバデモで配布中。

▼2018年7月19日福井新聞朝刊「原発巡る質問状 嶺南3町へ提出(小柳慶祥)」

▼2018年8月23日読売新聞朝刊「原発の存続 考え分かれる」

◆8月22日高浜原発4号機事故糾弾闘争(55名参加)

▼2018年8月23日読売新聞朝刊「4号機再開に反対団体が抗議デモ(前田卓)」

▼2018年8月23日毎日新聞朝刊「高浜 原発前で50人デモ(高橋一隆)」

◆8月25日高浜原発このまま廃炉!関電包囲全国集会(400名参加)

▼2018年8月30日朝日新聞朝刊「原発廃炉訴え 市民400人集会(萩原千明)」

◆8月31日高浜原発4号機再稼働阻止闘争(45名参加)

▼2018年9月1日朝日新聞朝刊「4号機の再稼働 未来を奪うな(菱山出)」



2018年9月7日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原発立地3町長の質問状への回答

【2018年10月21日以後,若狭,京都キンカンなどで配付。】

原発立地3町長から
「原発の現状と将来」に関する
公開質問状への回答を得ました

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」は、
野瀬 豊 高浜町長、
中塚 寛 おおい町長、
山口 治太郎 美浜町長に、
「原発の現在および将来に関する公開質問状」を提出していましたが、
回答をいただきましたので、お伝えします。

◆この公開質問状では、まず、原発は、
①「近い将来なくなる、または、なくしたほうがよい」と考えるか、あるいは、
②「原発は存続する、または、存続させたい」と考えるか、
の質問をしました。

3町長は全員、②「原発は存続する、または、存続させたい」を選択されました。
しかし、詳細についてはかなりの差があります。

◆以下に、各町長の回答と回答に対する質疑応答を報告します。なお、回答は、町長自身でなく、担当課長、課長補佐などによって伝達されました。したがって、質疑応答は回答伝達者との間のものです。また、質疑応答の一部は、紙面の都合で、割愛しました。

公開質問②では、
以下の事項を質問しました

質問1 原発は、いつまで存続する、あるいは、存続させたいとお考えですか。

質問2 運転開始後40年を超える原発について、20年の運転延長は妥当とお考えですか。あるいは運転延長は避けるべきだとお考えですか。その理由もお示し下さい。

質問3 60年の期限で現存の原発が廃炉になった後も原発を存続させることを望まれるなら、どのようにして存続させるのですか(老朽原発の運転延長あるいは原発新設やリプレース?)。また、存続に向けて、町はどういう行動をされますか。県、国、関電にどういう働き掛けをされますか。

質問4 原発重大事故時に、町は、町民およびさらに広域(例えば、関西一円)の周辺被害地域住民を安全に避難させ、その後の生活の安寧を保証できるとお考えですか。また、そうお考えのとき、根拠をお示しください。

質問5 立地自治体として稼働に同意した原発が重大事故をお越したとき、貴職および町は、被害を被る町民および周辺被害地域住民にどのように謝罪し、責任を取るお考えですか。

質問6 原発を存続させれば、原発から発生する使用済み核燃料や放射性廃棄物は増え続けます。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理、保管について、町としてどのような対応をお考えですか。

質問7 原発を存続させれば、町はどう発展するとお考えですか。

質問8 原発に頼らない社会の創造についてお尋ねします。若狭には、原発以外にも資源、産業基盤は沢山あります。交通、情報、通信が発達した現在、若狭と関西などの都市圏との距離は縮まっています。都市生活に不安を持つ人(特に子育て世代の女性)は多数いて、Uターン、Iターン希望者も多いといわれています。この人たちを受け入れることができれば、町は過疎化を避けて発展します。しかし、彼らが原発立地を選ぶとは考えられません。原発を止めて、Uターン、Iターンを促進するお考えはありませんか。

質問9 現在、町の財政のかなりの部分を原発交付金・補助金や原発関係税で賄われていますが、別の交付金や税金を獲得することは十分可能で、それによって、財政運営ができます。早急に、「原発マネー」からの撤退を決意するお考えはありませんか。

特別質問(地震時の原発停止について) 町は、地震の揺れを感じたら原発を即時停止し、最低でも、余震の沈静化までは原発を動かさず、原発および使用済み燃料プールの点検に専念することを関西電力に約束させるべきだと考えますが、ご見解を伺います。(現在原発が動いていない美浜町には、回答を求めていません。)

■■■■■公開質問に対する回答■■■■■

美浜町長
国と規制委員会任せで、
町の自主性は全く感じられない回答

質問1について エネルギー事情、温暖化による気温上昇などの課題が解決されるまでは原発は必要と考える。

質問2について 40年という数字には科学的根拠が無いとも言われるが、アメリカでは60年を超える運転も検討されており、世界的にもっとも厳しいといわれる新規性基準に基づいて認可され、安全が保証されれば、原発の運転は妥当だと考える。

質問3について 資源少国の我が国としては、エネルギーの安全保障、パリ協定の発効、温暖化などをいかに解決していくか、方策が示され、確実に達成されるまで原子力発電は必要と考える。なんと言ってもエネルギー政策は国策だというのが前提であり、国が今後原発をどうしていくのか明確に示すよう求めていく。

質問4について 異常気象等、世界中で様々な災害が起こっている。それを考えると地球温暖化防止のために早急な対応が求められる。そういった国民の不安をなくすことが最も重要であり、温暖化ガス削減など安全確保対策について国民の理解を得ていくことが必要である。

質問5について 仮定の質問にはお答えしかねるというのが答えだ。ただ、例えば、いろんな工業や企業を誘致するのだが、その企業などが起こした事故の責任まで自治体が問われなければならないのか、逆に質問したい

質問6について 使用済み核燃料、核廃棄物については、国および事業者が責任をもって対応すべきものだと考えている。

質問7について 原発のあるなし、存続の有無にかかわらず、町の発展については、町民の信を得た首長の責務であると考えている。

質問8について 原発との共生を前提としつつ、魅力あふれる町の創造のために、企業誘致、定住対策あるいは定住人口増対策、観光振興策、農林漁業の振興策を実行し、一昨年からは再生可能エネルギーの取り組みを進めている。

質問9について 美浜町が原発を誘致したのは昭和37年であり、交付金制度等ができる前だった。あくまでも国策というエネルギー政策に貢献をするというのが大前提だった。現在は利用、活用できるような国、県からの様々な支援制度があるが、それについては最大限活用し、財源を確保しつつ、町として、健全な財政運営を目指している。今あるいろんな仕組み、国からの交付金制度についても重要な財源の一つと考えており、今後も最大限活用していく。

美浜町長の回答についての質疑応答

全般について
【質問】回答をまとめると、国が認めているし、規制委員会がOKをだしているし、みんなが安全だと言っているから町長の判断することではないという回答がかなりたくさんあるが、町としての独自の考え方はないのか?私達は、原発が良い悪いは別として、原発と町の運営、町民や周辺自治体住民の立場から見た原発の功罪、そういうことが聞きたいのだが。

【回答】資源少国であるとか、温暖化だとかを考えると原発は必要だと町長は考えているということだ。

質問2について
【質問】40年を超え、さらに20年以上の延長も妥当だと考えておられるということか。

【回答】新規制基準に基づき規制委員会が確認し認めたら、40年、60年も妥当だということだ。

質問4について
【質問】お答えがピント外れのような気がする。福島事故では、50 km近くも離れた飯舘村が全村避難になったが、それだけ避難は広域におよぶということだ。例えば、京都駅は高浜原発から63 km の地点にあり、京都市のほぼ全域が避難地区になる可能性もある。そうなったらえらいことですが、そうなった場合も避難できるというのですか?ということを問うている。

【回答】直接的な回答ではなかったかもしれないが、町長としては、様々な異常気象などを考えると、原因としては温暖化が指摘されており、原発も温暖化を防ぐ一つの方策と考えており、まずはそれが先だと言うことだ。

【質問】原発があっても、避難をするようなことは起こらないと考えていると言うことですね?

【回答】福島のようなことは起こさないということで、新規性基準が定められたと思うので、そういうことが前提にあると思っている。

【質問】先ほどから、温暖化防止のために原発が必要だとおっしゃるが、原発が温暖化防止に寄与するという根拠については、福島原発事故以前だったと思うが、世界自然保護基金?が「原発は温暖化防止に寄与しない」と発表している。例えば、原発では作り出すエネルギーの3割しか使われていなくて、再生可能エネルギーに比べたら非常にロスが多い、ウラン濃縮に大量の電気を使っている、また、温排水を出して海水を温めているなど、温暖化防止に寄与していないのだが、寄与しているという根拠は何か。

【回答】温効果ガスの削減効果だと思う。3.11以降7、8割が火力発電になり、相当なCO2の排出があると思う。【質問】原発を推進したい人はそう言っているが、排出CO2を減少させるよう装置がしっかりしてきているから、排出CO2 は増えていない。誤解ですよ。国がどう発表しているかは別ですが、化学の学会でもCO2減少が報告されている。

質問5について
【質問】原発は様々な事故を起こしてきたし、避難も難しい。福島でも分るように、原発は危険なものだと私達はずっと警告してきた。警告もせずに、想定外の事故が起こったのなら、容認した町長の責任は問えないかもしれないが、これだけ警告しているのだから責任があるのではないかと言っている。

【回答】無し。

【質問】仮定の話には答えられないとはどういうことか。

【回答】美浜でそういうことが起こるという前提では答えられないと言うことだ。実際、美浜で再稼働という段階ではないし、動いていないのに答えられない。

【質問】核燃料プールがあるではないか。

【回答】水が無くなったらということについても対策がとられているのが現状だ。水が無くなったら補填できるように様々対策をとっているというのが新しい基準での対策だ。

質問6について
【質問】使用済み核燃料、核廃棄物の問題だが、および事業者が対応すべきというお答えだった。福井県は「県外に持っていってほしい」と言っている。ちょっと意地悪な質問かもしれないが、例えば国や事業者が「美浜町で処理すべき」となった場合、美浜町としてはどう考えるのか。

【回答】それについては、答えられない。

【質問】仮定の質問のようになるが、地元としては迷惑なものなのか、迷惑ではないのかということだが。

【回答】県の方針としては「県外に」といっている。美浜町としても今の段階ではそうだということ。私からは何ともお答えできない。

全般について
【要望など】まとめとして、町長に伝えてほしい。「国に任せました、どこそこに任せました」、「関電がいいといっているから」のような他人任せではなく、福島事故も起こっているのだから、この事故から得れた知見も含めて、いろいろな角度から科学的に検証して、町独自の考え方を出してほしい。町として、町民のことを考え、周辺地域の住民のことも考えたご意見が聞けるのかと思ったら、全くの国などへの丸投げで非常にがっかりしました。細かいことについてはお聞きしたいことが沢山ありますので、また伺います。この回答を用意していただいたことについては感謝申し上げます。

■■■■■公開質問に対する回答■■■■■

おおい町長
国策には抗(あらが)えないとしながらも、
原発立地の苦悩がにじみ出る回答

質問1について 原子力政策については国策であることを大前提としている。7月に決定された第5次エネルギー基本計画においては、原子力は可能な限り依存度を低減するとされており、いつまで存続するかは明確にされていない。一方では、原発は、長期的なエネルギーの受給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であるという位置づけがされている。原子力はエネルギー政策上必要とされる限り存続すると考えており、国策に協力する町としては今後の政策についての動向を注視していきたい。

質問2について 原子力規制委員会の認可があり、地元の理解が得られた場合は運転は妥当だと考える。

質問3について 原子力政策は国策であり、原子力について立地の自治体が望むからというのではなく、国策として必要ならば存続すると考える。国は将来の方針を明確にすべきであり、方針については早期に国に示してほしいと求めていく。

質問4について 万が一の原子力災害においては、昨年10月に内閣府が取りまとめた「おおい地域の緊急事態法」をはじめとする現行の避難計画や指針等に基づきPAZ 5 km圏内、UPZ 30 km圈の団体避難を基本として、町民や周辺住民を避難させることとなる。訓練を通じて避難計画の検証や改善を重ね、実効性の向上を目指して、継続的に取り組んでいく。被災者の生活保障については国や事業者が関連法令に基づいて対処すべき事項である。町としては国等に対して適切な対応を求めていく。

質問5について 原子力政策の一元的責任は国にある。エネルギー基本計画において、万が一の事故が起きた場合は、国が関連法令に基づいて責任を持って対処すると明記されている。町としては、万が一の事故を起こさせないために、日頃から安全協定に基づき事業者をしっかり指導・監視をしていく。

質問6について エネルギー基本計画において、国が前面に立って解決に取り組むと明記されており、町としては国および事業者の責任の下に早急に敷地外搬出をしてもらうよう、国、事業者に直接、あるいは「全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)」、「福井県原子力発電所所在市町村協議会(立地協)」を通じて要請を続けているが、そういった中で事業者の取り組みを注視していきたい。

質問7について 原子力立地自治体だけでなく、周辺自治体を含めて、原発は基幹産業になっているのが事実。原発が存続する、しないに関わらず、「おおい町総合計画」に基づき町の持続的な振興・発展に向けた様々な取り組みを進めている。

質問8について 原発との共存・共栄を計っている。あわせてUターン、Iターンを促進する事業を行っている。人口減少の抑制や、町の活性化に繋がるような施策について、原発に関わらず、町の施策としてしっかりと取り組んでいく。

質問9について 「原発マネー」といわれる原発の補助金は国の制度に基づき交付されている交付金であり、他の交付金、補助金と同様のものであるが、これまでから学校・教育施設、保健・医療・福祉施設、上下水道などの施設の整備、教育の充実、保険・医療・福祉の充実など、多岐にわたって活用してきた。「製造品出荷額の伸び率」だとか、「観光客の入込み数の伸び率」については嶺北地方のどの地域と比較して言っているのかわからないが、立地条件や環境、商圏としての規模、観光資源といった前提条件がそれぞれ異なるわけで、そういった中で一概に比較できないのではないかと思う。嶺北地方の越前市、南越前町、越前町、池田町など、隣接、隣々接ということで、原発に関連する交付金を得ている。交付税、地方交付税というのは自治体が努力をして交付されるものではなく、国からの要請運営に必要な経費に充てるということで、一定の基準により交付されていると理解しているので、その点御理解いただきたい。

特別質問について 発電所においては、地震による大きな揺れが感知されると、原子炉に全ての制御棒が挿入されて、自動的に止めるというしくみになっている。また、新規制基準に基づいて、強い地震が発生しても、原子炉あるいは使用済み燃料ピット内の燃料を、健全に維持するための安全対策が施されている。事業者(関電)が、地震の大きさに応じて発電所の異常の有無を確認した場合は、町に速やかに連絡してもらうことになっている。当然、県に対してもそういう形になっているので、こういった対策はしっかりとっていると考えている。

おおい町長の回答についての質疑応答

全般について
【質問】国策に全面協力するということだが、国策が変わった場合、当然おおい町としても変わるのか。

【回答】今の原子力政策につきましては、当然、先ほどから申し上げているように、国策として進めてきている訳ですから、国が方針を示す中で、それに反しておおい町だけということは当然できない。役所は、法律なりそういうものに則って仕事をしている訳ですから、基本となるものと相反する町の施策はなかなかできない。

【質問】原発は国策であるかもしれませんが、その事と、住民の健康や安全安心が一緒ならよいのだが、必ずしも一緒にならない場合は、町としてどう考えているのか。

【回答】昨年の再稼働に関する判断の時もそうだったが、まず安全というものが大前提にあると考えている。そういう意味では、現在の新規制基準は、従前よりはるかに安全性が高まったと言われているので、まずは安全性が担保されていると判断した。先ほど申し上げたように、事故が起きないようにそういう体制をしっかりしていく。

【質問】昨年12月に発表された大飯原発1,2号機の廃炉を、おおい町として聞いたのはいつですか。

【回答】12月、年の瀬の押し迫った時です。

【質問】国や関電の政策に従いながら町を運営しているおおい町は、この件では、「大飯飯原発4基のうちの半分の1,2号機を止めます」と、関電から一方的に、急に言われてしまったわけです。町民の生活や職場を守らなければならない町としては、非常に困るのではないですか。迷惑をこうむるのは町民だと思う。町としては、原発を国策として受け入れたけれども、関電は、一方的に、急に原発廃炉を発表したのです。税金が入らなくなるという事態がいつ起こるのか知りませんけど、そうなったとき、町の運営はどうなっていくのかなと心配です。今、老朽原発の安全対策費が高くなって、原発は経済的にも成り立たなくなっていますから、原発廃炉はいつ発表されるか分かりませんよ。そういう時に、自治体は住民の側に向いていなければならないとする地方自治法は非常に大切です。もっと住民の側に立った施策をすべきだと思います。

【回答】大きな出力の発電所の廃炉が急に発表されたが、財政に与える影響も大きく、おおい町としたら切実な問題です。廃炉を安全にやっていただくことを要望し、国には幾度となく全原協などを通じて、財政面の支援をしっかりしてほしいと要望している。

【質問】新規制基準についてきちっと勉強されているか。

【回答】新規制基準について、おおい町の場合、県のような組織がないので、正直なところ、新規制基準の中身をすべて把握しているわけではない。適合しているか否かについては、私たちは専門委員会をもっていないので、規制委員会や県の専門委員会で議論された内容を確認して判断している。

【質問】以前、町議会を傍聴したときにも感じたが、規制委員会が良いと言っているから大丈夫というような言い方で、町として真面目にどれだけ勉強されているのか。町議会議員の方も「誰それが言っているから大丈夫」というようなことでは、町民に対しての責任を持っているとは言い難しいのではないか。「国策だから仕方がない、国の言うことを信じるしか仕方がない」とおっしゃっているように聞こえるが、福島県がそう言ってきて、事故が起きたのです。

【回答】なし。

【質問者の意見】かばうわけではないが、中塚町長になってマシになった。中塚町長はよく勉強もしている。今まで今回のような開かれた場は無かった。

質問3について
【質問】聞き間違いだったらすみませんが、「住民が望むかどうかは関係なく」と聞こえたのですが、「そうか住民の意見は関係ないのかなぁ・・」と思った。国策だから住民の意見は関係なく、全面的に、町は協力するということでよろしかったですか。

【回答】誤解を与えるような言い方になってしまったが、原発の存続に関して、一般論的な回答をした。一自治体が望む、望まないで進ん行くものではなくて、国のエネルギー政策、エネルギー自給見通しを踏まえた政策がまず前提としてあり、それに沿って、存続する、しないということが判断されるべきであるということだ。

【質問】私たちとしては、公開質問させていただいているので、この回答は住民にお知らせします。そこで住民の方には、「一自治体としての意見は何もないんですよ、国策がすべてなんですよ」と伝えることになります。そうすると、住民はどうお考えになるのか。「自治体としての考えはないのかな」ということになってしまうので、がっかりされる住民が多いのではないのか。

【回答】無し。

質問4について
【質問】回答の内容が質問の内容とズレている。本日は、若狭だけでなく、関西などの広域から参加している。福島事故では、事故炉から 50 km 離れた飯館村が全村避難であった例からも分るように、事故が起こればUPZ内の人だけでなく非常に広域の人が被害をこうむる。広域が汚染されれば、おおい町の人も逃げることができない可能性が高い。福島では、事故から7年もたち、国は帰還を進めようと躍起であるにもかかわらず、半分くらいしか故郷に帰れていないのが現状である。そういうことを踏まえて、住民の生活や生命の安全について例を挙げてお聞きしている訳だが、今のお答えはそういうことをお考えいただいた上での回答ですか。

【回答】帰れない状況はあるということは解っておりますけれど、そういった生活を支えるというのは当然国策であり、それぞれの居住地の市や町が生活を支援していくのは当然であろうと思うし、従ってそれをどう原子力災害と結びつけていくのかということです。現状では原子力の広域避難の訓練の実効性を高めるというような訓練をするしかないのかなあと私としては思っているわけで、それが確実に行われるのかということは、確実にとはお答えできないと思います。訓練を重ねながら実効性を高めていって、PAZ、UPZを含めて行動を続けていくしか今のところはないと考えている。ご理解いただきたい。

質問5について
【質問】私たちは、原発は危ないと、ずっと注意・警告をしてきた。なにも警告もせずに事故が起こったら、それは我々も責任を追及できないかもしれないが、これだけ警告をしてきたのだから、事故が起こったら責任はあるのではないかと言っている。今は、立地自治体の同意がなければ、原発を稼働できないことになっているので、その点からも、立地自治体の長にも責任があるあると思う。

【回答】一つ言わせていただければ、よく町長も言うんですけれども、新規制基準に適合して安全性が非常に高まっている中で、先ずは事故を起こさせないことは当然、最後には避難と言うこと、事故を起こさせないように、しっかりした監視をしていく。仮にも事故が起きた場合、避難までしなくていいように、最小限にとどめてもらうように、制圧能力を高めて戴くことに重点を置いて、その上で避難が必要になった場合は、総務課課長が言ったように、実効性を高めて対応できるようにしていく。

質問6について
【質問】使用済み核燃料の問題は、国、事業者(関電)に責任があるということで、敷地外搬出というのは、おおい町が言っているのか?県知事は、「県外へ」と言っていませんか?敷地外ならよいというのであれば、敷地の外、例えば名田庄に持っていくというようなことにもなるので聞きたい。現在、全国の自治体が「うちに持ってくるのはいやだ。」と率直に言っているわけで、無理矢理どこかに持っていくわけにいかない。そうなると使用済み核燃料はどんどん滞積することになるが、それについてどう考えておられるのか。

【回答】敷地外というのは間違いです。すみません。基本的に県と同じスタンスで進めている。当然使用済み燃料というのは保管できる量にも限度がありますので、そういったところは事業者(関電)としても、明確に早急に方針を示していただきたいということで、機会あるごとに事業者(関電)には話している。

全般について
【要望など】国策と言って原発を進めたにもかかわず、関電の利害だけで突然原発が廃炉になるという事態も起こっている。おおい町では、いつ財政が破綻する事態に直面するかわからないことをし示している。おおい町は自治体として、住民立場から主張しないと、若い人が帰ってくることも含めて、将来を展望できないと思う。最後に、この回答のために、長い時間を使っていただいたことに感謝いたします。

■■■■■公開質問に対する回答■■■■■

高浜町長
国策には抗えないとしながらも、
高浜町の原発の存続期間は最長でも60年と明言し、
それを見越した町運営も始めていると回答

質問1について 第5次エネルギー基本計画ではこれまでに引き続き、原発依存度を可能な限り、低減させていく方針がうたわれる中において、国が示すエネルギーミックスの電源構成比をふまえ判断されるものと考えている。既存の原子力発電は、最長でも60年で廃炉になるので、高浜町の原子力発電でも40年あるいは延長60年が存続期間であると認識している。

質問2について 40年を超える原子力発電については、厳格なる新規制基準適合審査をクリアしていることを条件として、法律で最長60年の原子力発電プラント運転を認めており、妥当であると考える。

質問3について 既の原子力発電については、現在最長でも60年までとなっているので、それ以上の運転延長稼働はないものと認識している。

質問4について 福島第一原子力発電所で発生した今回の重大事故の原因は、原子力発電を安全に停止させるための全ての電源や機能が喪失し、その結果、燃料の冷却ができなくなり、水蒸気爆発を起こし、放射性物質が漏れたことが原因となっている。その事故を踏まえ、今後二度と起きない対策として、新規制基準適合検査による対策工事 が行われているものと認識している。福島第一原子力発電所事故当時の発電所と新規制基準適合検査を受けて安全対策が幾重にもほどこされた発電所では、土俵が少し異なるように感じているが、高浜町としては、原発重大事故が生じないよう、厳格な新規制基準適合検査を通した上で、運転されていると考えており、福井県や高浜町の現場立入検査なども実施し、今後も適正な運転に努められるよう監視していく。

質問5について 原発による事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき、責任を持って対処するものとエネルギー基本計画の中で明記しているので、原子力政策の責任は国にあると考えているが、立地自治体の立場としては、被害を起こさせないようにすることが立地自治体の責務であると認識している。

質問6について 使用済み核燃料につては、福井県知事が県外搬出と明言されており、動向を注視している。高レベル放射性廃棄物については、科学的特性マップによる取り組みなども進められているので、今後の施策、動向に注視していきたいと考えている。

質問7について 基本的には原子力発電を存続させることの最大の効果は、日本のエネルギー事情を安定的なものにすることであり、国益に資するということで、国が進める施策であると認識している。その中で、立地町である高浜町においては、発電所関連の産業を中心に地域経済が構築されているものと考えるが、既存の高浜原発3,4号機でも何年か後には期限を迎え,全ての原子炉が廃炉となることが決まっているので、中長期的な視点では原子力だけに頼らない産業・雇用を生み出していく政策を進めていく必要があると考える。

質問8について 高浜町では、海水浴場の国際環境認識であるブルーフラッグを日本ではじめて取得するなど、世界に誇れる地域資源を武器に、都市部在住者向けプロモーション活動を推進している。その結果、ライフセーリング関係者を主として、海のある生活に魅力を感じる方の移住に繋げることができている。その他、高浜町では、第一次産業においてその再興を果たすべく、海の6次産業化や薬草関連ビジネスの展開、大規模施設園芸事業者の誘致等を進めており、魅力的な雇用の創出を図っている。こういった取り組みが少しずつ功を奏し、平成28年には20代女性の転入人口の増加が全体を牽引し、26年ぶりに転入超過となるなど、原子力発電所と共存する現状においても少しずつ効果が出ている現状にある。

質問9について 高浜町の財政運営については、総合計画に基づき、計画的な財政・行政運営を行ない、健全で持続可能な財政運営を行うものである。また、将来的な税収減を見すえた中、各事業の実施にあたっては必要性や事業効果等を十分に検討し、国や県の補助金、また、ご指摘の交付金につきましても法令に基づき、有効活用しながら計画的な事業推進に努めていきたいと考える。原子力発電がなくなれば、高浜町は自主財源が厳しい状況となり、交付団体(普通交付税を国から受ける団体)へ移っていくこととなる。一定の行政運営は担保されるものと考えるが、他方、国においては多額の借金を抱えているので、理想を述べるなら、各自治体が国に頼らない財源を創出していくことが、本来望まれるものであり、そういった観点では、微力ながら高浜町は自立した行政運営を進める自治体であると考えている。

特別質問について 発電所ではプラント毎にそれぞれ基準地震動が定められ、地震の揺れの強さを示す加速度を図る計器が設けており、一定基準以上になった場合、緊急停止するように設定・運用されているので、地震の大小にかかわらず、事業者(関電)が異常の有無を点検し、その結果の報告を町は受けている。

高浜町長の回答についての質疑応答

質問2について
【質問】原発の60年運転は、例外として定められている。ところがどんどん60年で運転することを始めて、おかしな話と思っている。60年というのは、そんなに簡単に認めてはならないと思うが、例外ということに関する見解を伺いたい。

【回答】この質問を町長に確認しているので、再質問では私見も入るのをご理解願いたい。60年と言うのは、当初40年で運転が定められて、例外的に、安全で運転できるのであれば、20年の延長を認める、と判断している。検査もしっかり受けられて、対策工事も莫大な費用をかけて実施されているので、高浜町としても、規制委員会、国が安全で運転できるであろうと判断した場合、それに従って、現在、最長60年と判断したということで、今のところまだ対策工事中で、もし認められれば、高浜町として認められるのではないかと判断している。

【質問者の意見】その件で、クレーンの倒壊や再稼働時でもたびたびトラブルが起こっているので、高浜町としてはかなり慎重な判断をしなければいけないのではないか。向こう任せではいけない。

質問4について
【質問】もし、高浜原発で事故が起こったら、高浜町だけに限らず、例えば福井県庁までは90㎞だが、京都駅まで63㎞しかない。風の向きによっては京都市全域が避難区域になる可能性があり、高浜の方を受け入れるどころではなく、どこにも避難できなくなることについてお聞きしたが、新規制基準がしっかりしているから事故は起こさないという答えでは、納得できない。事故を起こさないのだったら避難訓練しなければいいのに、訓練はされている。来る25、26日も予定されている、その辺の整合性が分らない。

【回答】一応安全対策は十分されていると考える。何に対しても100%はないとよく言われるが、事故を起こさないとは考えているが、もしもの時のために避難訓練を行っている。事故があるからやるという考えとは若干違うと知事が言っている。今回の避難訓練は高浜原発、大飯原発が同時に事故が起きるという非常に稀な状況を仮定して訓練をやるということです。適切な回答になっているかどうか。

【質問者の意見】
地方自治法では、地方自治体は、第一議的にそこに住む住民を守ることになっている。100%はないであれば、住民を守る視点からは、原発は運転してはならないのではないか。今の回答は、お立場があるから、分らない訳ではないが不思議な回答だ。

質問6について
【質問】使用済み燃料の保管場所を、福井県知事は県外と言っている。科学的特性マップは使用済み燃料がどこでも捨てられるマップですが、どこにも受け入れ場所がない。使用済み燃料プールは非常に不安定なプールで、プールの7割以上が満杯になっている。引き受けるところもない状況で、ほんとに県外に受け入れさせるだったら、余程のこれなら大丈夫という空冷保管の事を考えなければいけないし、その提案をしなければいけないと思う。うちで作ったが保管は県外にという話は受け入れられないに決まっている。これをどうするのか。町だけの話ではない気がするし、逆に言うと町はそれを持っていてそのままでいくと7年後には満杯になって原発が動かなくなってそれはそれでいいのでしょうけど、そのまま持つこと自身が危険な状況になりますので、なにか話合われているのか。

【回答】使用済み燃料については、当初、町長も敷地内で保管も考えられ、その場合には乾式キャスクで保管できるのではないかと話していたが、福井県知事が、第一に県外搬出と強く言っているので、現在、その動向を注視している。近隣でも当初は保管しようかという動きもあったようだ。町長の私案ではいかに安全に保管するかというのが第一で、県外で見つかればいいが、見つからない場合はどうしようかという議論を、今後進めていくべきではないかと町長も言っていたので、いろんな選択肢があるなかで、どういうのが一番安全に保管出来るのか、言う話の展開へ、もし県外で見つからなければ、そういった話になっていくと考えている。

【質問者の意見】プールが満杯になったら原発は動かせない筈なので、10年以内にはすべての原発が停止する。そのことを考えて町の運営を考えなければいけない気がする。

質問7について

【質問】原発が停まると町が疲弊するといわれていて、今後も原発が停まったら疲弊するという話が出てくるが、その対策が今の回答ではわからない。

【回答】原発がなくなると、経済が疲弊するというのは、40年の中で原子力発電所で働く方は町内でも多数になっているし、近隣の舞鶴市や小浜市からも大勢が発電所で働いている。その仕事が無くなってしまえば、暫くは経済が疲弊するであろう。また、作業員が泊まる民宿が多数あるし、作業の方の弁当屋もかなりあるので、突然停止するとそれらの方の仕事が減って、経済的には少し疲弊するのではないか。60年制限のために発電所の停止も近づいてきますので、今、和田などでトマトハウス、イチゴハウスの施設園芸、建物で野菜を作る植物工場などを誘致して、雇用はある程度ある。言い方は悪いが、出口戦略としても町長も考えている。もう一つは海の六次産業化、魚を獲るだけではなく、加工してその場で販売できるような施設も現在高浜町がやろうとして動いている。第一次産業を六次化して、経済性を高め、雇用も確保しようと重点的に進めている。

【質問】最近になって特別な担当部署ができたのか。

【回答】以前の農林水産課と商工観光課であったが、統一して考えようと、数年前に産業振興課が出来た。

質問6、7について
【質問】使用済みと関連し、町長も県外の受け入れが無ければ、真剣に考えなければいけないとされているが、その話は町長は勉強して、町民に現実を知らせて、町民に対してどう思うのかと問う考えがあるか。それとも、今までどおり、議会は町民の代表だから、町長と議会が判断したらよいと考えているのか。

【回答】
直接町長と話したことがないが、大きな転換期にはある程度町民に対しての説明が必要だと思う。再稼働する時にも、有線放送でいろんな情報を知らせ、安全対策を住民の方が見られるようにして、その上でということであったので、今回も議会だけになるかどうかは私がどうこう言うことではないが、町民に対してはある程度、説明がなされるべきだと思う。

【質問】説明で済む話ではなくて、説明だけだと駄目だと思う、町民が多くの事を知って、町民自身が判断できる状況を作って、町民に判断してもらうことが今までは大きく欠けていたし、今後も欠けた状態で行くのかと聞いた。再稼働を説明したらいいことではない。

【回答】どういう仕組みかということは申し上げられませんが、説明だけではダメということその辺のところは町長に伝える。

【質問】原発を動かせば使用済み燃料が増えていく。増えていくのに行き先が決まらない。知事は、関電に年末までにという期限を切っている。関電は探しているが実現していない。実現しなければ、使用済み燃料の行き所がない、トイレのないマンションにずっと住み続けるわけにいかない。普通は原発は止めると考える。高浜はMOX燃料を使っているが、以前の使用済み燃料の場合、7~8年で冷えて外に取り出すことができたが、MOX燃料は20年~40年かかる。MOX燃料を取り出してキャスクに保管する実績がない。その設計が出来てない。しかも、キャスクに入れても50年ごとに一本1~2億かかる入れ替えをしなければならない。そんな問題のある、厄介なものを、高浜はすでに動かしている。子々孫々、永久に高浜の地で住む覚悟があるのか。原発を止める方がクリーンで安全かということだ。世界的には原発は斜陽産業で、そのうち原発は止まる。その後も使用済み燃料の処理管理を、子々孫々にわたって管理をしなければならない。エネルギー庁や経産省は、原発がコストが安いとだませなくなったから、異常気象・温暖化を防止の一点に絞り始めた。しかし、原発は温暖化防止に寄与しないという指摘もある。もうそろそろ先を見越した産業を先取りして、雇用を生むような町として展開していく。町が生き延びるうえで得策ではないかと思う。

【質問者の意見】おおい町は、国策だから原発をやりますと回答したが、関電は足元をひっくり返すように,唐突に大飯原発1,2号機をやめますと言った。町の収入が減りますよね。おおい町にそれをいつ聞いたのかと尋ねたら、昨年の12月に聞いたと言う。二階に上げられて、急にはしごを外された形だ。それを関電がやっている。今後もありうると思う。高浜原発1,2号機だって、これだけ安全対策費がかかったら、ある時もうやめたと言われる可能性がある。町の健全運営のためには、原発はもうやめた方がよい。

質問8について
【質問】ブルーフラッグの説明と、20代の女性の方が増えているそうで転入が増えている、その数字を具体的に知りたい。

【回答】ブルーフラッグとは、ビーチの世界的な環境認証制度で、これは海の環境、安全対策など33の基準に適合した海岸に与えられる。アジアでは初めてで、今年度は高浜町と鎌倉の由比ガ浜が認証を取得した。転入は毎年、毎月数字をまとめていて、HPにも載っている。平成28年度の転入と転出の差が32人プラス(死亡を除く)になった。

質問7、8について
【質問】琵琶湖の湖水浴客は昔も今も一杯だが、アジアで初のブルーフラッグを取得したという若狭の海水浴場には客が心配になる位少ない。そこをお聞きしたい。

【回答】高浜町だけで昭和60年には年間100万人あったが、レジャーが多様化したのか、海水浴離れと言われていて、昨年は30万人程度まで落ち込んでいる。土、日は客が多いが、平日は客がぽつぽつとしている状況で、インターネットのアンケートをみると、海へ行くことにレジャーの感覚がない。海に行くくらいならならゴルフに行くという回答もあり、若い方が海に行けば砂で汚れるという感覚を持たれているようで、それなどが原因で海水浴がレジャー産業として落ち込んでいる。今年は暑すぎて熱中症の危険があると報道されるので、レジヤーとして炎天下に出るというのが好まれなかったのかと感じている。ブルーフラッグと海水浴客に関しては、海の水質とかライフセイバーが活躍していて、和田の海岸へ行くと、黄色いシャツを着たライフセイバーが常に監視していて、そういったこともきちっとできている海水浴場に認証が与えられる。ライフセイバーをやりたいので高浜に移住する方も何人かいたり、新たにUターンして民宿をする方もあって、徐々に発電所以外のPRもするし、海水浴客が減ってきているのは私どもも残念に思っている。

質問9について
【質問者の意見】先ほど、原子力関係の交付金はあるから、自前の経済財政でやっていけている。地方交付税交付団体は避けたい。国に頼らない財政にしていかなければいけないと言われたが、国には金はあるので、もらわなければいけない。地方交付税というのは、地方交付税法によって、地方に財源が足りないところに交付されるもので、単に、所得税、法人税、たばこ税、消費税などを国が預かっているもので、国のお金ではない。国が地方の代わりに徴収して、それを財源が足りないところに交付する仕組みになっている。地方自治体は、それを受け取る権利を持っている。遠慮することはない。町長が国に頼らない財政にしていかなければならないといわれたが、それは認識が違う。地方交付税をもらうのは当たり前で、圧倒的多数の市区町村はそれでやっている。そこを考え直していただければいいと思う。一方、電源三法交付金は、形の上では国からもらっているように思われるが、あれは消費者が払っている電気代なんです。電力会社が電気代として消費者から取り立てる電気代の中にその一部が入っていて、それを国に納めると、国はそれをプールして立地自治体や周辺自治体にばらまいている。電源三法交付金というのは、全国の消費者の皆さんから頂戴しているもので、関電や国がくれているのではない。

【回答】そのように町長に伝えます。

特別質問について
【質問】先ほどの答えになると基準地震動があり、それによって原発を止めるといっているが、たとえ関電や規制委員会が言う基準地震動を認めても、そんな地震が来た時にはすでに危なく、町の安全は守れない。地震が起こったらすぐ原発を止めて、例えば2~3日余震が無くなるまでは、使用済み燃料プールも含めて、様子を見るという話を、町として関電に要求してほしい。そうしていただかないと高浜町だけなでく、広域の住民が危ない。とくに使用済み燃料プールがいっぱいに近いんですから。


2018年8月21日

発行;「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
取りまとめ;若狭の原発を考える会(連絡先;木原090-1965-7102)

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