◆原発にかかわる過去半年(6月~11月)の出来事

【2018年12月14日,京都キンカンで配付】

◆2018年も師走になりましたので、過去半年(6月~11月)の原発に関わる出来事を振り返ってみました。

◆福島では、原発事故被害者の人権がますます蹂躙され、不完全処理の汚染水がたまり続けるなど事故収束の目途はたっていません。原発関連の事故やトラブルは、相も変わらず多発でした。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・保管の困難さはますます明らかになり、中間貯蔵すら引き受けるところがありません。今年の夏は酷暑でしたが、停電にはならず、原発は不要であることが再確認されました。それでも、安倍政権の「大資本に奉仕する国づくり」、「戦争できる国づくり」のためのエネルギー政策に迎合するように、玄海、川内、高浜、伊方の原発が再稼働あるいは再稼働されました。さらに、政府と電力会社は、40年越えの老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機、東海第2の運転延長に躍起です。一方、司法は、3権分立の大原則をかなぐり捨て、政府と電力会社に媚びへつらった判決を乱発しています。

◆以下に、出来事を列挙します。

東芝、米原発新設から撤退(6月1日報道)

◆東芝が2009年に、米テキサス州で受注していた原発2基の新設計画を取り止めると発表。電力価格の下落、福島原発事故後の安全基準の強化に伴う建設費の高騰が原因。開発に投じた約862億円は、すでに損失として計上済み。

仏が高速炉計画大幅縮小へ(6月1日報道)

◆日本が国際協力を進めようとしている高速炉「アストリッド(ASTRID)」計画について、フランス政府が建設コスト増を理由に規模縮小を検討している。アストリッドは、仏国内に2023年以降に着工し、2030年代に運転再開を目指している。当初、出力規模を60万キロワットを想定していたが、10~20万キロワットに縮小すると日本政府に伝えた。数千億円から1兆円規模とみられる建設費の日仏による折半も打診した。日本政府は、実質的に破綻している「核燃料サイクル政策」にしがみつき、アストリッドを核燃料サイクル推進の当面の柱にしようとしていたが、大きな変更を迫られることになる。

柏崎原発で5400リットルの冷却水漏れ(6月4日)

◆東電柏崎刈羽原発6号機のタービン建屋で冷却用の海水が配管接続部から床に漏れていることを発見。

日立、英原発推進に前向き姿勢(6月8日表明)

◆日立は英国中部アングルシー島で計画する原発新設(2基)事業計画の継続に前向きな姿勢を示した。一方で、採算性が合わない場合には撤退する可能性もあることも示唆した。日立は、英原発子会社を通じてこの計画を進めてきたが、安全対策費などでコストが膨らみ、総事業費は、当初の想定を大幅に上回る3兆円規模になる見通しになったため、リスク回避に向けて英政府に資金支援を求めてきた。

むつ市長、使用済み核燃料の中間貯蔵について、電力会社や政府に説明を要求(6月4日)

◆関電が同社の原発から出る使用済み核燃料を青森県むつ市の中間貯蔵施設で一時保管することを検討しているとされる問題で、 宮下むつ市長は、国や電力会社に強い不信感を示し、説明を求めた。この問題では、関電が、むつ市の中間貯蔵施設の運営会社「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」に出資する方向で最終調整していると報道されていた(6月2日)。宮下市長は「一切聞いていない」とした上で、「RFSに出資している東電、日本原電とRFSに強い不信感を持っている」と述べ、3社に公共の場での説明を求めた、なお、関電は、2018年中に福井県内にある原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を福井県外に探すと福井県知事に約束している。

再稼働同意自治体の拡大6割が評価(6月7日)

◆日本原電東海第2原発の再稼働の条件となる事前同意の対象を、立地自治体だけでなく、周辺にも広げた「茨城方式」と呼ばれる安全協定が結ばれたことについて、共同通信が、全国の原発の30㎞ 圏にある周辺自治体にアンケート調査をしたところ、「妥当」あるいは「どちらかと言えば妥当」と答えた自治体は、約6割に上ることが分かった。また、「茨城方式」と同様な協定を検討すると答えた自治体も約4割に上った。

東海村再処理工場廃止へ(6月13日発表)

◆原子力規制委員会は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す日本原子力研究開発機構の「東海再処理施設」の廃止措置計画を認可した。作業終了までには、約70年を要し、国費約1兆円が投入される見込み。東海施設は、1977年に再処理を開始し、老朽化などによって2014年に廃止が決まっていた。この施設は、放射線レベルが極めて高い廃液をガラスと混ぜて固めた固化体約310本や廃液そのもの約360立方メートルを保管している。廃棄物の処分先は決まっていない。

原子力委員会、プルトニウム削減へ新指針(6月13日)

◆日本が保有する約47トン(原爆6000発分)のプルトニウムの削減に向けて、原子力規制委員会は、新指針を取りまとめた。
①2021年完成予定の六ケ所村の再処理工場では、プルトニウム製造量を通常の原発にMOX燃料として使用する量のみに限定する、
②再稼働が遅れている電力会社が海外に保有するプルトニウムを、原発を稼働させている他社に譲渡してMOX燃料として消費する、
などを盛り込んでいる。しかし、原発再稼働が進まず、プルサーマルも停滞しているので、削減策の実効性は不透明である。
(チラシ作成者の意見:プルトニウムは、MOX燃料として使用しても一部が消滅するだけ。プルトニウムを増やさないためには、原発を全廃し、再処理を止めることこそが肝要である。)。

東電が福島の全原発の廃炉を表明(6月14日)

◆東電は、福島第2原発の全原発(4基;福島第1原発事故後停止中)を廃炉にする方針を表明した。福島県内の全原発廃炉が実現する。裏には、福島原発全廃を表明することによって、福島第1原発の廃炉・汚染水を巡る交渉を前進させたい、とくにトリチウムを含む汚染水の海洋放出への知事や地元の協力を取り付けたいとの東電の思惑がうかがえる。

玄海原発4号機再稼働(6月16日)

◆九電は、玄海原発4号機を再稼働させた。新規制基準下の再稼働は、5原発9基目。

新電力に切り替えた家庭が10%越(6月18日発表)

◆経産省は、新規参入した電力会社(新電力)に切り替えた家庭が、電力小売り全面自由化から2年の今年3月末時点で初めて10%を超えたと発表した。東京電力管内が13.9%、関西電力管内が13.1%と、切り替えは都市部で目立ったが、地方でも進んでいる。

原発避難円滑化モデル事業で京都など3府県に補助金(6月22日)

◆中川原子力防災担当大臣は、原発周辺地域の避難経路の道路改修費等を補助するモデル事業として、福井県、京都府、愛媛県の計4事業を選んだと発表。本年度は、計4億9千万円が交付され、例えば、高浜町の狭い道路を部分的に拡幅する事業、伊方町の避難経路の土砂崩れ防止用のり面保護対策に使用される。
(チラシ作成者の意見:このようなはした金で、原発事故時の円滑な住民避難が保証されるはずがない。住民懐柔策であることは明らか。原発全廃こそ原子力防災!)

大飯原発でプルサーマル化方針(6月27日発表)

◆関電は、大飯原発3、4号機でプルサーマル運転に取り組み、余剰プルトニウムを消化していく方針を示した。関電は、高浜原発で2010年以降にプルサーマル運転を行っている。
(チラシ作成者の意見:プルサーマル運転は、ウラン燃料運転に比べて危険度が高く、放射線量や発熱量の下がり難い使用済みMOX燃料を生み出す。)

東通原発、地質調査開始を発表(6月29日)

◆東電は、福島原発事故で中断していた東通原発1号機の建設作業再開のために、今年度後半に地質調査を始めると発表した。この原発は、2011年1月に国の新設認可を得て地質調査を始めたが、福島事故で中断していた。なお、東通には、2005年に運転を開始し、現在停止中の東北電力1号機がある。

「エネルギー基本計画」閣議決定(7月3日)

◆政府は、「エネルギー基本計画」を4年ぶりに改定した。再生可能エネルギーを「主力電源化」と明記する一方で、原発は「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年の原発比率を20~22%にしようとしている。この目標達成には、30基程度の原発が必要で、老朽原発運転延長の加速が懸念される。原発の新増設の本音は封印した。二酸化炭素放出の大きい石炭火力比率も26%とした。

名古屋高裁、大飯原発差し止め認めず(7月4日)

◆名古屋高裁金沢支部は、大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた2014年5月の福井地裁判決を取り消し、住民側逆転敗訴の判決を言い渡した。福島原発事故以降に起こされた運転差し止め訴訟で、高裁判決は初めて。判決で、内藤裁判長は、原発の危険性の判断について、「新規制基準」や規制委の判断に不合理な点はないとし、原発の運転について、「福島事故の深刻な被害などに照らし、廃止・禁止することは大いに可能」としながら、「判断は、もはや司法の役割を超えている」と強調。3権分立下の司法の役割を、自ら放棄する判断である。

東海第2再稼働「合格」(7月4日)

◆原子力規制委員会は、日本原電が再稼働と最長20年の運転延長を目指す東海第2原発の再稼働に関する審査書案を了承した。事実上の再稼働合格で、2011年3月の東日本大震災で地震や津波の被害を受けた原発では初めて。沸騰水型原子炉では、東電柏崎刈羽6、7号機に続き2例目。実際の再稼働には、21年3月までかかる安全対策工事が必要である。また、再稼働に必要な事前の地元同意には、立地自治体だけでなく、周辺自治体も加わる全国初のケースになる。この原発は、40年の運転期限となる11月までに、運転延長に関わる他の2つの審査もクリアしなければ廃炉となる。同原発の30 km 圏内には96万人が暮らす。

「もんじゅ」廃炉費総額1兆円超?(7月6日報道)

◆政府は、廃炉が決まっている「もんじゅ」の廃炉費用を3750億円と試算しているが、燃料処理費を含んでいない。これを含めると、廃炉費の総額は1兆円を超える可能性が出てきた。毒性の高いプルトニウムを多量に含む燃料を処理する施設は国内外になく、海外の業者に高額で委託するしかなく、施設の新設も含めて膨大な費用が掛かるという。

福島第一、トリチウム水処分へ(7月12日報道)

◆政府は、福島第1原発で汚染水を処理した後に残る放射性物質・トリチウムを含む水をためているタンクを撤去し、トリチウム水を処分する方針を固めた。トリチウム水を保管するタンクは年々増え続け、現在は約680基、約89万5千トンに上り、今後137万トンまで増やす計画。タンクを撤去した跡地は、燃料約1万体の保管や溶融核燃料(デブリ)の取り出し作業エリヤ・保管場所として利用する予定。トリチウム水の処分法について、更田原子力規制委員長は「海洋放出が唯一の方法」として東電に実現を迫っている。

日米原子力協定延長(7月17日)

◆日本が原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して再処理することなどを認めた日米原子力協定が、発効から30年間の期限を迎え、自動延長された。今後は、日米いずれかが通告すれば、6カ月後に協定を終了でき、米国からの通告があれば、一方的に再処理できなくなる不安定な状態になる。米国は、日本が保有する大量のプルトニウムに懸念を強めており、日本の原子力政策に影響を与える可能性がある。

新設島根3号機審査申請(8月11日)

◆中国電力は、建設中の島根原発3号機(沸騰水型;出力は日本最大級の137万3千キロワット)の新規稼働に向け、原子力規制委員会に審査を申請した。2011年の福島原発事故当時に建設中であった原発が審査を申請するのは、電源開発大間原発に続き2例目。島根3号機は、原発本体の工事がほぼ終わり、隣接する2号機の審査が先行しているため、大間原発より早期に審査が進む可能性がある。

高浜4号機、放射性物質を含む蒸気漏れ(8月20日)

◆高浜原発4号機で、原子炉内部に温度計を入れるための菅と原子炉容器上蓋の接合部から。放射性物質を含む蒸気漏れを起こした。関電はこれを受けて。22日に予定していた定期点検後の再々稼働を延期した。4号機は、前日の19日にも事故時に冷却水を補給するポンプでオイル漏れを起こしている。

燃料集合体カバー欠損(8月23日報道)

◆沸騰水型原発で2012年以降、燃料集合体を覆う金属カバーに、溶接に起因する欠損が相次ぎ見つかっている。原子力規制委員会は、この金属カバーは、6電力会社の使用済み燃料集合体計32434体で使われていたと発表した(東電が最多の19432体)。大半は神戸製鋼所製。6社の計325体で欠損が生じていた。一方、カバーの溶接に問題があった未使用の燃料集合体は、4070体であった。

トリチウム以外の希釈放出も容認(8月23日報道)

◆福島第一原発で浄化後の汚染水にトリチウム以外の放射性物質(ヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99など)が残留している問題で、原子力規制委員の更田委員長は、トリチウム以外も希釈して法令基準濃度を下回れば、海洋放出を容認する考えを示した。
(チラシ作成者の意見:希釈して放出しても生体濃縮、化学濃縮によって再び高濃度になることもある。希釈放出を処分法と呼ぶこと自体が許されない。海洋放出は犯罪。)

高浜原発、大飯原発同時発災を想定した避難訓練(8月25、26日報道)

◆両原発から30 km 圏の福井、京都、滋賀の住民約21600人が参加したとされるが、屋内退避が中心で、実際にマイカーやバスなどで移動したのは約2300人。それも日帰りの異動で、原発重大事故時の避難とはかけ離れたもの。なお、高浜原発から30 km 圏には約17万2千人、大飯原発から30 km 圏には約15万9千人が暮らしている。
(チラシ作成者の意見:原発大事故はきわめて長期にわたって故郷を奪うことは全く想定していない避難訓練は、原発稼働のための手続きとしか考えられない。原発がなければ、訓練は不要。原発全廃こそ原子力防災。)

高浜原発4号機再々稼働(8月31日)

◆関電は度重なるトラブルにも拘わらず、定期点検中の高浜原発4号機の稼働を強行した。

MOX燃料再処理断念(9月3日報道)

◆原発を持つ電力10社が、一度使ったMOX燃料を再処理して、再び燃料として利用するための費用の計上を、2016年度以降中止していた。政府は核燃料サイクル政策の一環としてMOX燃料を再利用する方針を掲げていたが、電力各社が費用計上をやめたことで資金面の根拠を失い、事実上、MOX再処理の断念となる。

大間原発また2年遅れ(9月5日)

◆Jパワー(電源開発)は、建設中の大間原発(フルMOX炉)の安全対策工事の開始時期を2018年後半から2年延期すると青森県、大間町に報告した。規制委の適合性審査が長期化しているため。延期は3回目。政府は、フルMOX炉・大間原発を保有プルトニウム削減の「切り札」として期待していた。

北海道で震度7;全域停電;泊原発、一時外部電源喪失(9月6日)

◆9月6日未明に厚真町で発生した震度7の地震で道内最大の苫東厚真火力発電所が停電し、残る発電所も連鎖して一斉にダウンした。このため、泊原発の3系統の外部電源の全てが9時間にわたって使用不能になった。震源から100 km も離れ、震度2程度の揺れであったにもかかわらず、一気に非常事態に陥ったことになる。非常用発電機6台が起動し、使用済み燃料プールなどを冷却して難を免れたが、外部電源喪失が長期にわたれば、福島原発事故のように、外部電源に加えて非常用電源も失われる事態になりかねず、原発のもろさを露呈した。

和歌山県白浜町長が核燃施設受け入れ拒否を表明(9月6日)

◆白浜町長は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の誘致が取りざたされている問題で、受け入れ拒否を町議会で表明した。なお、関電は、白浜町の旧日置町内に、原発建設を目的に購入した土地を所有している。

規制委、リアルタイム線量計の8割撤去を表明(9月11日報道)

◆福島原発事故後に、福島県内の学校、幼稚園、保育園、公園などに設置されたモニタリングポスト2974台のうちの約2400台を撤去する方針を規制委が表明。国は、原発事故やそれによる被害を終わったことにしようとしている。

広島高裁、伊方3号機運転差し止め取り消し(9月25日)

◆2017年12月、広島高裁は伊方原発3号機の期限付きの運転差し止め仮処分決定をしていたが、同高裁はこれに対する四国電力の保全異議を認め、決定を取り消した。異議審では、阿蘇山の噴火リスクが焦点となったが、決定では「国民の大多数は破局的噴火を格別に問題にしていない」とし、巨大噴火のリスクは「社会通念上容認される」とした原子力規制庁の考え方に従った。
(チラシ作成者の意見:原発事故は万が一にも起こってはならないとする認識がない。)。

大分地裁、伊方原発3号機運転西止め仮処分申請を却下(9月28日)

◆大分地裁は「原発の安全性は、社会通念を基準に判断すべきだ」とし、社会通念を反映した「新規制基準」に適合した原発に「具体的危険性がない」とした。
(チラシ作成者の意見:脱原発・反原発の圧倒的な民意が「社会通念」である。この決定は、「原子力ムラ」内での「社会通念」。)

汚染水、処理後も基準値越えが8割(9月29日報道)

◆東電は、福島第一原発のタンクにたまる汚染水について、浄化したはずの約89万トンのうち約75万トンが放出基準を上回る濃度の放射性物質を含んでいることを明らかにした。一部からは、基準値の2万倍の濃度が検出されていた。東電や経産省は、これまで多核種除去装置(ALPS)で処理すれば、トリチウム以外の放射性物質は除去できるとしていた。なお、現状の処理量は1日340トンにとどまり、基準値越えの汚染水を処理し直すと年単位の時間がかかる。一方、汚染水は年5万~8万トン増えており、敷地内のタンクの増設は、2020年に限界に達する。

原発事故住民避難計画の目安として「被曝100ミリシーベルト以内に」を規制委が明確化(10月18日報道)

◆原子力規制委員会は、原発の30 km 圏内の自治体が事故に備えて策定を義務付けられている住民避難計画について、事故発生1週間に住民が被曝する線量を100ミリシーベルト以内に抑える対策を講じるべきだとする目安を決めた。国際原子力機関(IAEA)は20~100ミリシーベルトを採用しており、その上限を採用したことになる。福島原発事故で、政府は当初、年間20ミリシーベルトを目安に避難区域を設定した。これに比べて、今回は、とんでもなく高い値に設定したことになる。

KYB免振不正:原発施設、五輪会場も(10月18日報道)

◆油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置のデータ改ざん問題で、浜岡原発、敦賀原発の非常用施設でも、調査が必要なダンパーが使われていた。KYBは不正の疑いのあるものも含めて、986件の建物に装置を納入している。

九電、2週間連続再生エネルギー出力制御(10月19日)

◆九電は、再生可能エネルギー事業者に一時的な発電停止を求める出力制御を実施すると発表した。週末としては、前の週に続き2週目。制御は頻発化する様相で、再エネ事業者にとっては打撃となりそうだ。出力制御は、日中に発電する再エネ発電機が増えすぎて、電力バランスが崩れ、北海道で生じたような大規模停電が起きることを予防する措置。
(チラシ作成者の意見:それでも原発は稼働し続けることは許せない。原発は停止・起動に時間がかかるからであろうが、再エネ発電いじめとしか考えられない。)

那珂市長、東海第二原発再稼働に反対(10月24日)

◆東海原発がある東海村に隣接し、「事前了解権」を持つ那珂市の市長は、市民団体の要望書提出を受け、再稼働に反対する意向を表明した。

女川原発1号機廃炉へ(10月25日)

◆東北電力は、停止中の女川原発1号機(出力52万4千キロワット、運転開始後34年)を廃炉にする方針を固めた。老朽化で安全対策困難が理由。

広島地裁、伊方3号機停止を求める申し立てを却下(10月26日)

◆広島高裁は、2017年12月、伊方原発3号機の運転差し止め仮処分を期限付きで決定した(異議審で取り消し)。これについて、松山、広島の住民4人が運転差し止めの継続を広島地裁に求めていた仮処分申請に対し、地裁は申し立てを却下した。「阿蘇巨大噴火の可能性は非常に低く、リスクは著しい損害や窮迫の危険に当たらない」とした。

伊方3号機未明の再稼働(10月27日)

◆四国電力は、脱原発の民意を蹂躙して、27日午前0時30分、伊方原発3号機(出力89万キロワット;1994年運転開始;MOX燃料使用)を再稼働させた。

高速実験炉「常陽」、安全対策費当初の3倍(10月27日報道)

◆日本原子力研究開発機構は、「常陽」の再稼働に必要な安全対策費が、当初想定の約54億円から、約170憶円に増えることを明らかにした。再稼働の目標時期も2021年度末から22年度末に延期した。
(チラシ作成者の意見:機構、政府、規制委員会は、「もんじゅ」での失敗を反省もせず、危険極まりない「常陽」をいい加減な安全対策で動かそうとしている。)

福島原発での過労死認定(11月6日報道)

◆福島第1原発で昨年10月、自動車整備士(57歳)が倒れて死亡したことについて、いわき労働基準監督署は、今年10月、長時間労働による過労が原因として労災認定した。死亡前1カ月の時間外労働時間は122時間を超え、半年間では月平均110時間を超えていた。遺族の支援団体「全国一般労働組合全国協議会」が明らかにした。

使用済み燃料中間貯蔵地に悩む関電(11月7日報道)

◆原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、関電の候補地選定が難航している。関電は、昨年11月、「2018年中に県外に候補地を探す」と福井県に約束し、見返りとして、大飯原発再稼働への同意を取り付けている。しかし、期限は目前に迫っている。青森県むつ市にある他社の中間貯蔵施設を利用する案が有力視されているが、反発は根強い。

東海第2最長20年延長(11月7日)

◆原子力規制委員会は、11月28日に40年の運転期限を迎える日本原電の東海第2原発の最長20年の運転延長を認めた。原発の運転を「原則40年とし、運転延長は例外中の例外」とする「40年ルール」は、いまや形骸化している。2011年3月の東日本大震災で地震や津波の被害を受けた原発では初めてで、「沸騰水型」原発でも初めて。実際の再稼働は、安全対策工事が21年3月までかかるうえ、再稼働に必要な事前の地元同意には、立地自治体だけでなく、周辺の6自治体も判断に加わるので、難航は必至。

高浜原発3号機再々稼働(11月7日)

◆関電は、重大事故を引き起こせば、関西一円をはじめとする広域を放射能汚染させかねない高浜原発の再々稼働を強行した。

経産省、小型原発開発を目指す方針(11月14日)

◆経産省は、温室効果ガス削減には原発が必要として、小型原発の開発を進め、2040年頃までに実用化を目指す方針を固めたと、非公式の国際会議で資源エネルギー庁の原子力国際協力推進室長が表明した。2040年ごろに国内の原発の多くが寿命を迎えることを受けたものであるが。脱原発・反原発の世界的な流れに逆行して、原発の新増設に道を開くことになる。

原子力研究者の身元調査導入へ(11月14日)

◆原子力規制委員会は、大学や研究機関の原子力施設を利用する学生や研究者に対して、身元調査を義務づける規則案を了承した。テロリストの侵入を防ぐためとしているが、学問の自由、思想の自由を侵害しかねない。来年1月の施行を目指している。

高松高裁、伊方原発3号機運転差し止め認めず(11月15日)

◆愛媛県の住民10人が、伊方原発3号機の運転差し止めを求めて申し立てていた仮処分の即時抗告審で、高松高裁は、住民側の申請を退ける決定をした。この裁判で、高裁は「伊方原発は、日本の他の原発と比較しても、過酷事故発生時の避難には困難が予想される」ことは認め、避難計画が不十分としながらも、運転を認めた。裁判所は、住民の命を見捨てたに等しい。行政に追随し、三権分立を司法自ら否定したことにもなる。

原子力機構が保管する放射性廃棄物ドラム缶腐食;点検に50年を要する(11月21日)

◆日本原子力研究開発機構には、地下を掘って作った「ピット」(1964年から76年に整備された)があり、その中に低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶約5万3千本が横向きの状態で積み重ねて保管されている。1987年から91年に1部を点検したところ、腐食や中身の漏出が見つかっていた。現在行っている年1回の目視点検では、下の方に積まれたドラム缶は確認できないので、機構は、50年かけて、ひと缶ずつ釣りあげて検査し、問題があるものは詰め替えや補修を行うとする計画を原子力規制委員会に示したが、委員は「50年もかかるのでは点検しないのと同じ」と述べている。

大山噴火時の火山灰降下量見直し(11月22日報道)

◆原子力規制委員会は、高浜、大飯、美浜の3原発から約200km離れた大山が噴火した場合、3原発敷地に降下する火山灰層の厚さを10cmと想定して、原発の安全性には問題はないとする関電の主張を妥当としていたが、規制委が現地調査を行った結果、8万年前の大山噴火による火山灰層の厚さは25 cm 程度に達し、関電の想定より大規模な噴火が起こっていたと認定した。それでも、規制委員会は、原発の稼働を見直そうとはしていない。

福井県議会、原発立地地域への自衛隊の配備を求める意見書を可決(11月26日)

◆福井県議会は、「福井県南部(嶺南地域)には原発15基があり、弾道ミサイル攻撃の脅威にさらされている。弾道ミサイル攻撃やテロの抑止力になり、地域住民の安心を確保するために、自衛隊を配備すること」という意見書を可決し、首相、防衛相、衆参両院議長に提出した。嶺南地域への自衛隊配備については、2016年8月に当時の稲田防衛省も取り組む考えを示し、原発立地市町が、県に要望していた。
(チラシ作成者の意見:自衛隊の配備を要するような原発を即時廃止せよ。)

高浜町長、中間貯蔵県内も選択肢と発言(11月30日)

◆関電が、使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」候補地を今年中に県外に探すと福井県に約束していることについて、高浜原発の立地・高浜町の野瀬町長は、「年内に候補地を示せないのなら、県内で核燃料を保管する選択肢も検討すべきだ」とする考えを示した。「中間貯蔵」に関しては、おおい町長も「原発構内での乾式貯蔵も選択肢の一つ」と8月28日に発言している。
(チラシ作成者の意見:使用済み核燃料プールを空けて、さらなる原発運転を可能にすることは許されない。先ず、使用済み核燃料を増やし続ける原発全廃を決定して、危険極まりない使用済み核燃料プールを空にしなければならない。また、現在科学・技術の総力を結集して、経済的利害は度外視して、使用済み核燃料の安全保管法を開発すべきである。それでも、完全な安全保管法の確立は不可能であろうが、少なくとも、東京、大阪などの大都市でも保管の受け入れが可能な方法を提案すべきである。)

2018年12月14日発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)


老朽高浜原発1、2号機、
美浜原発3号機の再稼動を
許してはなりません!

老朽高浜原発再稼働反対行動への
ご賛同のお願い

原発うごかすな!実行委員会@関西・福井

◆原発が人間の手におえる装置でないことは、2011年の福島第一原発事故が大きな犠牲の上に教えています。そのため、原発全廃を目指す運動が全国・全世界的に広がっています。原発の再稼働・再々稼働を許してはなりません。とくに40年という期限を越えた若狭の老朽原発・高浜1、2号機(44年、43年越え)、美浜3号機(42年超え)の再稼動は何としても阻止しなければなりません。これを許せば、全国の全ての既存原発の20年運転延長の先例になると考えるからです。

◆老朽原発を動かそうとすれば、高額の安全対策費がかかり、経済的にも成り立たないことは明らかですから、私たちの闘い如何では、再稼働阻止も実現可能であると思います。関西と福井の総力を結集して、闘いたいと存じます。

◆私どもは、来年9月~10月に再稼働が目論まれている老朽高浜1、2号機の再稼働(美浜3号機は2020年3月とも言いわれています)阻止のため、来春3月に高浜現地で、同年5月には大阪関電本店前で、全国集会(及びデモ)を企画いたしました。皆様(個人、団体)には、ぜひご賛同いただければ幸いです。なお、賛同金は不要です。

①3月24日(日) 老朽原発うごかすな!高浜全国集会

◆と き:14:00
◆ところ:高浜町文化会館(福井県高浜町)
※駐車場あり
◇集会後、デモ

②5月19日(日)老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会

◆と き:13:00
◆ところ:関西電力本店前(大阪市北区中之島)
◇集会後、デモ

◎ ①、②とも
◆主催…原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
◆呼びかけ

(1) オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)
(2) ふるさとを守る高浜・おおいの会
(3) 若狭の原発を考える会

◆連絡先

・林 広員(オール福井反原発連絡会)090-8263-6104
・東山幸弘(ふるさとを守る高浜・おおいの会)0770-72-3705
・木原壯林(若狭の原発を考える会)090-1965-7102,FAX:075-501-7102,E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp


3.24老朽原発うごかすな!高浜全国集会、
5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会
賛同申し込み

(下記事項をご連絡ください)

◆個人の場合…お名前、お名前公表の可否、ご住所、電話番号、E-メールアドレス(あれば)
◆団体の場合…団体名、団体名公表の可否、代表者名、担当者名、担当者ご住所、担当者電話番号、担当者E-メールアドレス
≪FAXまたはE-メールでお申込の場合は、木原壯林にお願いします(上記連絡先参照)≫


カンパのお願い

上記の「高浜全国集会」、「関電包囲全国集会」は、手弁当で準備・実施されます。
経費のご支援を戴ければ幸いです。
カンパ振込先(郵便振り込み)

加入者名:若狭の原発を考える会
口座記号・番号:00930‐9‐313644
お振込みにあたっては、通信欄に「老朽原発再稼働阻止行動へのカンパ」とお書きください。

原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
(問合せ先:木原:090-1965-7102)


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◆控訴審第1回口頭弁論の報告~支援する会から

みなさま

原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局の上野です。

12月14日、大阪高裁で控訴審第1回期日が開かれ、たくさんの方が傍聴に駆け付けてくださり、裁判所に対してこの裁判は社会的に注目されているぞということを強く印象づけることができました。参加いただいた皆様、ありがとうございました。以下、報告です。

今回は、西日本では初めての控訴審ということで、記者会見も行ない、僕はそちらに同行したので、報告集会には終わりの方しか参加できませんでした。

◆抽選までの状況

傍聴券を求めて抽選番号リストバンドを受け取った方は125名。京都地裁でも見慣れた方もたくさん来ておられ、大変勇気づけられました。遠くかながわ訴訟の村田原告団長、愛知岐阜訴訟の伊藤原告団共同代表夫妻、関西訴訟からは森松代表ほか多くの原告さん、ひょうご訴訟からも原告さんが駆け付けてくれました。今回は記者席が多く用意されたために一般傍聴席は75席と少なめで、約50名が外れるという厳しい抽選となりました。

大阪高裁では手荷物検査が始まっており、混雑が予想されるため、当たった方には手荷物検査に入ってもらい、原告の入廷行進は抽選に外れた方が玄関前で待機し、拍手で迎えました。そのあと、抽選に外れた方たちは道案内のスタッフの誘導のもと、模擬法廷の会場(弁護士会館が取れず、少し離れた貸会議室)へ移動しました。

◆口頭弁論

今回は初回ということで、原告を代表して共同代表の福島さんの意見陳述が行われました。福島さんは、5分という時間制限の中で原告一人ひとりの思いを込めたという原稿を読み上げました。原発事故を無かったものにしたいがために、避難者を住宅から追い出し、小児甲状腺がんが多発しても放射能との因果関係を否定する政府の姿勢を批判し、避難の正当性を訴えました。そして、最後に立ちあがり、裁判官に向かって「私たちの避難の権利を認めて下さい! 最後に、私たち原告一人ひとりの命と裁判官のみなさまの命と向き合って判断してほしいと強く望みます」と訴えました。

次に原告側代理人(高木弁護士と鈴木弁護士)による「因果関係に関する控訴理由書」の告知(要旨)が行なわれました。高木弁護士の部分の要点は、◇原判決は公衆被ばく限度(年1mSv)を規定した国内法を無視しており誤りである、◇ICRPは、低線量被ばくの影響について諸説あることを前提としてLNTモデルを採用し、公衆被ばく限度を年1mSVと勧告している、◇生活圏内に年1mSvを超える線量が測定された地域から避難することは最も重要な社会規範である国内法に照らしても相当な行為である、◇原判決は全文480頁のうち、土壌汚染についてわずか半頁(13行)しか触れておらず、土壌汚染を軽視している。土壌汚染の軽視は内部被ばくを無視することになる、◇内部被ばくの身体への影響は外部被
ばくよりも大きい、◇チェルノブイリで法では、内部被ばく量と外部被ばく量を合算して住民の総被ばく量を算出しており、その推計に土壌汚染度が用いられている、というものでした。

鈴木弁護士の部分の要点は、◇原判決は4万Bq/ ㎡(放射線管理区域)という土壌汚染の意味を理解していない、◇管理区域内に人は長時間居てはならないというのが社会通念であり、管理区域以上の汚染地域から避難するのは社会通念上相当である、◇モニタリングポストと周辺汚染状況にはかい離があり、子どもが地面に転がったり座ったりすることを考えれば、地上100cmの空間線量を基準とすることは不合理である、◇原判決は、避難の時期を2012年4月1日までとした理由の1つにその時期には子どもの避難者数は減少傾向にあったとするが、京都府においては4月1日以降も福島県内からの類兼受入避難者数は確実に増加しており、理由にならない、というものでした。

次に井関弁護士による損害額認定に関する控訴理由の告知(要旨)が行なわれました。その要点は、◇避難指示を受けた者の慰謝料は月額10万円に対し、区域外避難者の慰謝料は月額に直すと12,500円で低額にすぎる、◇自身の担当原告は6世帯だが、そのうち4人が心身に深刻な不調を来している(具体的な状況の紹介がありました)。それほど原発事故による被害は過酷なものである、◇交通事故で通院8ヶ月の慰謝料が100万円「を超えるのと比較しても30万円の慰謝料は余りに低額である、◇原判決は、避難から2年も経てば避難先での生活も安定するとしたが、避難は「一般的な移転」(転勤に伴う引っ越しなど)とは違う、◇被告東電でさえ、避難先の家賃を2018年3月まで補償してお
り、2年間に限定する原判決は変更を免れない、◇原判決はコミュニティ侵害を固有の損害とは認めず、慰謝料算定で考慮すれば足りるとしたが、低額の慰謝料で考慮されたとは思えない、◇自然、人間関係、文化など有形無形の権利利益を包含するコミュニティが不可逆的に変容させられ、元には戻らなくなった。コミュニティは平穏生活権の基盤であり、何物にも代えがたい価値を持つ。コミュニティ侵害について正面から認める判決を求める、というものでした。

今回は国側代理人もパワーポイントまで使ってプレゼンを行ないました。しかし、パワポは小さい字で何が書いてあるかまったく読めず、小さい声で早口でしゃべったので、細かい点はほとんど聞き取れませんでした。要約すると、安全性には「相対的安全性」と「絶対的安全性」があり、原発の規制基準に求められていたのは「相対的安全性」だった。地震本部の長期評価は「決定論」に取り入れるほど根拠のあるものではなかったので、「確率論」で扱うことにしていた、というようなことを長々と述べていました。現実によって破綻した「理論」を正しかったと言い張っている印象で、そんな態度で再稼働を進めているのならまたぞろ事故を引き起こすぞ、怒鳴りつけたい衝動にかられましたが、実際にどなり
つけた人がいたのでした。

国側代理人の発言が終わったとたん、原告席の一人が立ち上がり、被告側に向かって「責任逃れの言い訳じゃないか」、「また事故が起きるじゃないか」

(正確な言葉は覚えていないのですが)という趣旨の発言を始めたのです。しばらくして裁判長が「ここはそういう場ではありません」と言い、田辺弁護士が「後日反論します」とまとめ、閉廷となりましたが、この原告さんの発言はみんな抱いていた憤りを代弁したものだったと思います。

◆記者会見

閉廷したあと、記者会見と報告集会が平行して開催されました。記者会見には原告の福島さん、堀江さん(以上、共同代表)、川崎さん、鈴木さん、高木さんの5名、弁護団の川中団長、田辺事務局長の7名が参加し、僕は写真撮影のために同行しました。

記者会見では、各原告から第1回期日を終わっての感想や思いが語られました。その要点は次のとおりでした。

●福島さん…今日は傍聴席が満杯になり感無量です。京都地裁では自分のことを中心に陳述したが、今日は原告一人ひとりの思いが詰まった内容になっている。避難者が置かれている現状と事故後何も変わっていないことを裁判官にわかってもらいたいという思いで書いた。すべての原告が笑顔になれる日まで闘いたい。負けられない。

●堀江さん…たくさんの方が傍聴に来てくれて、ありがたかった。子ども3人が原告になっているが、そのうち1人がすべて棄却された。娘も、そして棄却された他の原告も控訴審で認められるように闘っていきたい。

●川崎さん…控訴したのは世の中が何も変わらないからだ。事故後、行政にも学校にも訴えたが、「ここは茨城県だから」という回答しかなかった。混乱期を過ぎても「安全、安心」の押しつけは変わっていない。チェルノブイリ法のように、安全でないことを前提とした教育や行政のあり方に変えていくためには国を動かすしかない。何としても国を変えたい。

●高木さん…避難を決断するまでに子どもの健康をはじめ、どれだけつらい思いをしたことか。京都へ来て、外から福島を見た時に、「もう戻るのは難しいな」と思った。どうしたら国を変えられるんだろうと考えた。私たちが国のあり方を変えなければいけないと思っている。そのために司法に訴えて、勝利をかちとりたい。

●鈴木さん…障がい者の自立生活支援をして介護事業所の理事長をしていたため、自分が避難するまでに2年半かかった。避難にあたっては福祉、医療態勢、交通アクセス、住宅などいろいろ不安があった。京都地裁判決は避難の期限を2012年4月1日で切っているが、各人の事情を考慮していない。その後、私は甲状腺がんを発症した。そういう被害を国は調べもしないことに憤っている。裁判で決着をつけたいと思っている。

そのあと川中弁護団長が次のように決意を語りました。

原告側の陳述はわかりやすく、争点が明確になったのではないですか?それに対して国側は何を言っているのかわからなかったが、今後きっちり論破していきたい。この裁判は、原告はふるさとに帰りたいが帰れないという実態を裁判官にわかってもらわないと勝てない。オリンピックの競技が福島でも行なわれるということで、すべて解決したかのようなキャンペーンが強まることが予想されるので、それが裁判に影響しないようわれわれも頑張っていきたい。

記者会見が終わったあと、両弁護士は進行協議へ向かわれ、原告5名と僕は報告集会会場へ向かいました。会場に着くと105席は最前列の一部を除いてほぼ満杯で、ちょうど関西訴訟原告の人たちが連帯のあいさつをされるところでした。そのあと記者会見から帰った原告5名がそれぞれあいさつをし、最後に先に報告集会に参加していた原告も含め原告全員が前に勢ぞろいして、集会を終えました。

第2回期日は来年3月13日(水)11:00開廷です。また、第3回期日は6月13日(木)14:30開廷と午後からに時間は変わります。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いします。

◆老朽高浜原発再稼働反対行動へのご賛同のお願い

【2018年12月4日】

2018年12月4日

老朽高浜原発再稼働反対行動へのご賛同のお願い

原発うごかすな!実行委員会@関西・福井

◆原発のない社会の創造に向けた運動への日ごろのご指導・ご鞭撻に感謝申し上げます。

◆さて、原発は人間の手におえる装置でないことは、2011年の福島第一原発事故が大きな犠牲の上に教えています。そのため、原発全廃を目指す運動が全国・全世界的に広がっています。原発の再稼働・再々稼働を許してはなりません。とくに40年という期限を越えた若狭の老朽原発・高浜1、2号機(44年、43年越え)、美浜3号機(42年超え)の再稼動は何としても阻止しなければなりません。これを許せば、全国の原発の20年運転延長の先例になると考えるからです。

◆老朽原発を動かそうとすれば、高額の安全対策費がかかり、経済的にも成り立たないことは明らかですから、私たちの闘い如何では、再稼働阻止も実現可能であると思います。関西と福井の総力を結集して、闘いたいと存じます。

◆私どもは、来年9月~10月に再稼働が目論まれている老朽高浜1、2号機の再稼働(美浜3号機は2020年3月とも言いわれています)阻止のため、来春3月に高浜現地で、同年5月には大阪関電本店前で、全国集会(及びデモ)を企画いたしました。皆様(個人、団体)には、ぜひご賛同いただければ幸いです。なお、賛同金は不要です。

①3月24(日)老朽原発うごかすな!高浜全国集会

◆と き:14:00
◆ところ:高浜町文化会館(福井県高浜町)※駐車場あり
◇集会後、デモ

②5月19日(日)老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会

◆と き:13:00
◆ところ:関西電力本店前(大阪市北区中之島)
◇集会後、デモ

◎ ①、②とも
◆主催…原発うごかすな!実行委員会@関西・福井

◆呼びかけ

(1) オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、
サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、
原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)
(2)ふるさとを守る高浜・おおいの会
(3)若狭の原発を考える会

◆連絡先…

林 広員(オール福井反原発連絡会)090-8263-6104
東山 幸弘(ふるさとを守る高浜・おおいの会)0770-72-3705
木原 壯林(若狭の原発を考える会)090-1965-7102 FAX:075-501-7102 E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp

・・・・・切り取り・・・・・

3.24老朽原発うごかすな!高浜全国集会、
5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会

賛同申込書

個人の場合

お名前⇒
≪お名前の公表の可否⇒ 可、否(何れかに○を)≫
ご住所⇒
電話番号⇒
E-メール⇒

団体の場合

団体名⇒
≪団体名の公表の可否⇒ 可、否(何れかに○を)≫
代表者名⇒
担当者名⇒
担当者ご住所⇒
担当者電話番号⇒
E-メール⇒

お申込み日⇒    年  月  日
≪FAXまたはE-メールでお申込の場合は、木原壯林にお願いします(上記連絡先参照)≫

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◆キンカン参加者の皆様の省エネ生活

◆災害の続いた夏・秋を過ぎ、今年もあと1か月足らずとなりました。

◆さて、今春以来、キンカン行動で、ご参加の皆様に「私の節電・省エネ生活」アンケートを取らせて頂きました。6人の方から回答を頂きました。また、省エネ生活の達人がおられることを知りました。そのお二人から詳しいお話を伺いました。脱原発社会を展望する上で、ご参考になれば幸いと考えて、ここにご紹介いたします。ご協力を戴きました皆様、ありがとうございました。

報告 瀧川 恵子(若狭の原発を考える会)

1. キンカンアンケート回答(6名)


・人生最大の省エネは21~67才まで軽四輪で過ごしたこと。
・最近の省エネは2004年からTVをやめたこと。
・特に最近強く思うことは、日本人が賞味期限を消費期限、と間違った理解していること。
(匿名)


・ビルの5階に勤務しているが、朝一番は歩いて上がる。下りはすべて歩き。
・勤務先の会館全体(8階建てのビル)でも・・・7年前からトイレを消灯し使うときだけつけ廊下も三
分の一から半分くらい消灯し、蛍光灯をすべて省エネランプに替えてだいぶ節約できたという。
・朝、最寄りのJR駅までのバスと職場の最寄りJR駅からのバスをやめ、毎朝一時間歩いている。
・自宅の泥棒除けの周辺の灯りを太陽光に連れ合いがした。結構明るい。
(M.I さん)


・掃除はほうきと雑巾が中心です。掃除機は数日に1回。
・冬はエアコンを使用しない。座っているときは電気カーペッットと電気ストーブ。動いている。時は家
中動くのでダウンを部屋着にしている。あまり家にいないのですが。
・炊飯器では保温しない。(味も落ちるので)
・水筒を持って歩く。
・畳の部屋はフローリング風カーペットを敷いてほこりを出にくくしている。
・洛西ニュータウンは街なかに比べて涼しいと思います。少しでもクーラーの使用が少なくなるか?と思
います。
(Y.T さん)


・お風呂の残り湯を洗濯に使っている。
・関電から大阪ガスに電気の契約を変えている。大ガスは再生可能エネルギーの割合は大きくないが、関電の電気は使ってないので、そちらにしている。COOPの電気は不足分が大手電力になることから原発の電気を使うことになるので、再生可能エネルギーの割合が多くても面白くない。
・食洗機はあるが使っていない。
(K.N さん)


・掃除機はあまり使わない。雑巾でやっている。
・お風呂の残り湯はもちろん洗濯で使う。余ったら庭の木花にやる。
・ゴーヤはもちろん庭に植えている。(ゴーヤのカーテンいいですヨ・・。とてもいいです。)
・屋根上に太陽光発電をつけて発電している。
(T.N さん)


・こまめに電気を消す。
・コンセントから電気製品のプラグを抜く。
(匿名)

2. 私の節電生活 (K.M さん)

(原稿をいただきました。)

生活環境を節電できるように改善した。

  • ベランダの窓を二重サッシにし、夏はベランダに遮熱スクリーン、遮熱カーテン、冬は厚地の遮光カーテンをつけた。
  • 床に夏は竹製のラグ(敷物)、冬は保温アルミシートと布製のキルティングラグを敷いた。
  • 冷蔵庫は小型の省エネタイプに替えた。
  • 照明はLEDに替え、スポット照明とするためLEDのスタンドランプ、クリップランプ、太陽光発電のランタンを用意した。
  • ベランダに80 kwhの太陽光発電パネル2枚とバッテリーを購入した。
  • 充電式掃除機にした。

生活スタイル

  • テレビ・クーラーはなし、ベランダの太陽光発電でラジオ・ファックス・スタンドランプをつなぎ、掃除機の充電もします。
  • 電気製品は使用後、スイッチを切りコンセントを抜く、外出時は冷蔵庫のコンセント以外のブレーカを切る。
  • 日中は照明をほとんどつけません。常時生活の場であるダイニングキッチンで必要な局所のみでつける。寝室やバスルーム、廊下はランタンを使用する。
  • 夏は日中、窓と玄関を開け風を通す。夜はベッドを窓側に移動し、涼感パッドとガーゼケットかガーゼパジャマを使用し、窓を開けて寝る。(10階なので)
  • 冬は発熱パッドと2枚重ねの羽毛布団を使用。厚手のパジャマと発熱腹巻を着る。
  • 着衣は気温に応じて替える。真夏は縮みの下着と保冷首巻き、真冬は厚手の下着と重ね着、綿入れハンテン、巻きスカート、レッグウォーマー、ボアの室内履き、適宜ホカロン使用。
  • 洗濯 1~2回/週
  • 入浴 1回/2日

・ホットカーペットは体調不良時に備えて一応敷いておくが使用していない。
・ミニスリムファンも一応用意するがほとんど使用しないで過ごせる。
・今、考えていることは天気のよい日の太陽光発電をフル活用するために充電器を使って、充電器に充電し、冬の天気の悪い日など発電量が不足するときに使用する事。
・町中のマンション住まいでは難しいが、出来るだけオフグリッドに近い生活をしたいと思っている。

3. 節電チュウさんの縮小(省エネ)生活

(インタビューしてお聞きしたことを要約しました。)

(1) 生活を楽しむ中に省エネ生活がある。

◆私がこういう風に生活を考えるようになったきっかけは、長年高齢者の口腔ケアをしてきて、「人生」について考えさせられた経験からだ。(注:節電チュウさんはベテランの歯科衛生士さん)

◆ある看護師さんから、多くの高齢患者への「死ぬ前に語られる後悔」アンケートにおいて次のような結果が得られた、と聞いた。

  1. 自分自身に忠実に生きればよかった。
  2. あんなに一生懸命働かなくてもよかった。
  3. もっと自分の気持ちを表せばよかった。
  4. 友人関係を続けていけばよかった。
  5. 自分をもっと幸せにすればよかった。

◆それを知って、これからの人生を私は絶対に毎日楽しく過ごしたいと思った。

◆元々工夫することや手作りが好きだったこともあり、困ったこと・不便なことがあると、お金を出して買うのではなく楽しく工夫して補えないか、といつも考えるようになった。工夫したことを実践することはとても楽しい。

◆そして脱原発の声を上げる中で、「電気にあふれた今の生活!これでいいのか?」と疑問を感じるようになった。循環型の昔の生活は合理的だし自分の感覚に合っている。

◆そういう経緯があって気が付くと、私はかなり循環型省エネ生活を楽しんで送っている。

◆行詰まれば行詰まるほどファイトがわき、創意工夫のエネルギーが湧いてくる。

(2) 実践編

◆できるだけ自給する生活、工夫してすべて使い切る生活を心がけている。

<食に関して>

  • 野菜は安全農産センターから38 年間共同購入している。
  • 3.11後、お花畑だったマンション1階の庭を開墾して家庭菜園にした。干し野菜やジャムなど保存食も作る。すべて無駄にしていない。抜いた野菜はたい肥にして畑に返す。土がよくなる。
  • 自然に自生する野草は年中料理するし、干し野菜・野草茶にもする。野草についてはかなり勉強している。
  • 手に入らないものはお店で購入する。

<野草の利用法>

  • 野草を食べる。サラダ、お浸し、てんぷら・・・。ハコベで作ったハコベーゼはバジルのジュノベーゼともに好評です。
  • 薬として利用する。
  • お茶にして飲む。
  • 入浴剤として使う。

<ヨモギ風呂>

◆春にはヨモギの新芽を1年分多量に収穫する。ヨモギ団子など食用に使う分は冷凍しておくと年中楽しめる。多くはヨモギ風呂に使う。ヨモギには薬効があるので風呂の水の入れ替えは2~3回に1度ですみ、水の節約になる。
◆野草を求めて毎日のように走り回る(歩きまわる)生活はよい運動で健康維持に役立っている。

<エアコンなど冷暖房器具を使わない生活>

◆夏は網戸と扇風機、首冷え冷えなどで過ごしている。冬の暖房は湯たんぽだけ。まずは着るもので調節している。下記の「肩ぽかぽか」は考案したもの。

<工夫を楽しむ=簡単に買わない生活が基本>

(例1)「肩ぽかぽか」の紹介 (WAN:認定NPO法人ウィメンズアクションネットワークHPより→こちら。)

◆チャックを開けて、保温材を張り付けると、戸外でも長時間ぽかぽかしています。お腹を壊したときには、お腹に当てたり、その他患部に随時当てて湯たんぽみたいにしても使えます。中が、洗濯ネットになっているので、何回貼ったりはがしたりしても、生地は痛みません。もちろん洗濯もできます。

◆長時間持ちます。風邪ひきかけの時は、本当に何度助けられたか知れません。

◆入院中の母にも、実際に使ってモニターしてもらっていたのですが、リハビリの時にも邪魔にならず、体も冷えなくて評判は上々でした。肩だけでなく、膝ぽかぽかとしても、腰ぽかぽかとしても、首ぽかぽかとしても使えます。4waysです。

(例2)照明器具の笠が壊れた時には、イベントで物々交換した和紙があるのを思い出した。いい雰囲気のものができて気に入っている。

(3) まとめ

**********************
人の幸せ=財/欲望
**********************
と言われる。

◆私にとっての財は友人や工夫などの楽しみであり、たくさん持っている。物欲はあまりない。だから希望通り私は毎日幸せに暮らせている!

◆やり残しのないように人生を過ごして成仏したいと思っている!!

4. おわりに

◆キンカンの皆様それぞれが生活の知恵を持ち、自分に合った工夫をされていることがわかりました。また達人さんたちからは、冷暖房をほとんど使わない生活が条件によっては可能なことや、集合住宅のベランダのような狭いところでも小規模な太陽光発電が可能とのことで、災害時への備えのヒントも頂きました。

◆省エネ生活は単なるお金の節約ではなく、生き方を問うものですね! 自分を取り巻く環境・他者と共存してゆく平和につながる思想だと思います。

◆地震・大雨・台風など天変地異が次々起こった今年、停電や断水に見舞われた地域が京都、大阪、滋賀など近辺でもありました。

◆ボタン一つでなんでも動く便利な生活が停電によってどうにもならなかったことを、体験された方から聞いて知りました。私の家がたまたま大丈夫だっただけだ、と身震いする思いでした。

◆また、北海道の長期の停電は電気や水も含めて地産地消が正しいことを示しました。

◆これから確実にくる大災害に備えて考えていくべきことはたくさんあります。また皆さまと考えていけたらと思っております。

(瀧川恵子)


老朽高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の
再稼動を許してはなりません!

①3月24日(日)老朽原発うごかすな!高浜全国集会
②5月19日(日)老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会

◆主催…原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
ご賛同、ご支援、ご参加をお願いします。

【くわしくは→こちら


2018年12月7日発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆憲法28条と労働組合法を ないがしろにする大弾圧

【2018年11月30日,京都キンカンで配付】

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
(略称;関生支部)組合員の大量逮捕を許すな!


憲法28条
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保証する。
労働組合法
第1条2項(刑事免責)
刑法35条の規定(=法令又は正当な業務による行為は罰しない)は、労働組合の団体交渉その他の行為で正当なものについては適用される。
第8条(民事免責)
使用者は、同盟罷業(どうめいひぎょう;ストライキ)その他の争議行為であって正当なものによって損害を受けたとの故をもって、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。


警察は、関生支部が行った正当な労働組合の要求を「ゆすり、たかり」、ストライキを「威力業務妨害」、抗議を「恐喝」、組合活動を「組織犯罪」として刑事事件をでっちあげています。

◆滋賀県警と大阪府警は、8月以降、正当な労働組合運動を行った関生支部の執行委員や組合員延べ40人(再逮捕を含む)を逮捕する暴挙を行いました。容疑は、「恐喝強要未遂」や「威力業務妨害」です。

  • 8月9日…滋賀県警、湖東生コン協同組合理事長、同協組登録販売店支店長、連帯労組関西生コン支部執行委員の計3名逮捕
  • 8月28日…滋賀県警、委員長、支部役員2名の計3名逮捕
  • 9月18日…大阪府警、副委員長、役員、組合員15名の計16名逮捕
  • 11月21日…大阪府警、委員長(再逮捕)、書記長、執行委員ら計4名逮捕
  • 11月27日…滋賀県警、関西生コン支部8人逮捕(うち3人は再逮捕)

具体事例

①宇部三菱SS事件
2017年12月の運賃引き上げと協組の民主化を要求して行ったゼネストにあたって、宇部三菱セメント大阪港SS(貯蔵出荷基地)で行った要請行動が「強要未遂及び威力業務妨害」とされた。証拠隠滅の恐れもないのに、9カ月も経ってから、現場にいた16人全員を根こそぎ逮捕。8人が起訴されている。

②中央大阪生コン事件
2017年12月、中央大阪生コン(大阪広域協の地神副理事長の工場)でのスト行動が「威力業務妨害」とされた。8人が逮捕、うち5人は宇部三菱SS 事件と同じ役員たちで、この5人が起訴されている。

③湖東生コン協同組合事件
2017年3~7月、滋賀県の湖東生コン協同組合が、大手ゼネコンに対し、生コン安売り業者でなく、協組から購入するように働きかけたことが「恐喝未遂」だとされた。協組の理事長ら事業者6人と、関西生コン労組の委員長や組合員4人が逮捕され、起訴されている。

関生支部に対する大規模刑事弾圧の背景

(以下では、“連帯広報委員会”のサイト「広域協組+差別排外主義者による“関西支部つぶし”の策動」を参照した。)

◆1994年に設立された近畿(滋賀、京都、奈良、和歌山、兵庫、大阪の府県)の生コン関連企業の協同組合・大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協組)は、1982年以来の関生支部との対立関係を改め、対等な労使関係を構築することによってスタートしました。この間も10年単位の周期で混乱を繰り返しながらも、2015年に大阪府下の3協同組合(阪神生コン協組、レディース生コン協組、広域協組)が大同団結し、2017年12月1日時点では、164社189工場を擁する日本最大の生コン協同組合となっています。

◆この間、関生支部と広域協組は協力して生コンの値戻し・値上げを実現したため、今や生コン業界は軒並み再建基調にあります。この協力関係の中で、両者間では、生コン製造工場だけでなく、出入り業者(ミキサー輸送、セメント輸送、ダンプ)へも値上げの還元を行うことも約束されていました。

◆しかし、その広域協組は、4人組(木村、地神、大山、矢倉)と称せられる連中に乗っ取られ、利権確保
の道具となっています。4人組は、値戻し・値上げの恩恵を生コン製造工場だけに取り込んでいます。

◆関生支部は、大同団結による値戻し・値上げが実現したことから、約束であるミキサー輸送・バラ輸送運賃の引き上げを求めて広域協組執行部と協議を重ねてきましたが、「運賃を引き上げる」とは言うものの、額や時期を明確にしないまま引き延ばしてきました(昨年12月時点)。

◆関生支部は、この約束の履行を求めて昨年末にストライキで闘いましたが、国家権力は、これを「威力業務妨害」や「組織犯罪」として、弾圧に乗り出しています。広域協組も、「対策本部(関生支部対策)」を立ち上げ、10億円もの予算を計上して、ネオナチの差別排外主義者(レイシスト)とまで一体となって、憲法で保障された労働組合の権利を侵害するとともに、関生支部が長年の運動で築いてきた労使の枠組みや集団交渉をつぶすことに奔走しています。

◆さらに、中小企業等協同組合法の精神を無視して、4人組の意にそぐわない企業には生コン出荷の割り付けを行わないなど、独裁的・恫喝的で不平等な協組運営を行っています。

◆その4人組の最大の目的は、協同組合運営を正すための「6項目提言(下記注参照)」の実行を求めてきた関生支部を黙らせること、また、関生支部が昨年12月の取り組みによって勝ち取った生コン輸送運賃(日額5万5千円)やセメント輸送運賃(トン当たり510円)の引き上げ(労働者への還元も含まれる)などの成果をなきものにすることです


注;6項目提言(関生支部が広域協組に実行を求めている争点です。)

①労働組合と良好な協力関係を築く
・広域協組は、業界各社の倒産の危機が進行するなか、1994年に労働組合と業界との協力のもと大阪府下の5つの協同組合が一本化して設立された協同組合です。
・しかし、広域協組は、値戻しが進むと労働組合外しを行うとう悪い歴史を繰り返してきました。現在の労働組合への攻撃は、過去の歴史から学ぶことなく、労働組合に対する敵対行為であり、これは業界破滅の道です。

②協同組合の品位を汚さない
・「言うことを聞かない」と称して「おんどれ」とか「いてもうたろか」など、協同組合の品位を汚す行為があった事実を認め、今後かかることの無いようにすること。

③理事職は公人職であり、私的利益は慎む
・理事職は、公人職であり、この公人は協同組合の組織綱領、理念、総会決定の具体化することを任されているのです。役職を利用して個社又は私的利益の誘導などは一切慎むこと。フェラーリなどの高級車を2台も購入している事業者もおり、役得による利益をむさぼっているのではないか。

④生コン経営者会への全社加入
・歴史が証明しているとおり、労働組合と協同組合とは共通した課題について相協力することが業界安定の道であると互いに再認識しなければならない。協同組合加入全社が大阪兵庫生コン経営者会に加入するよう約束していながら、この約束を蔑ろにしているのが現在の広域協組である。

⑤労使の協力関係を内外に公表する
・労使の協力関係が協同組合の基本方針であることを内外に明らかにすること。
・売り価格決定には、生コン輸送・バラセメント輸送・ダンプ・骨材などの適正運賃等の反映と環境保全、教育・広報活動などの諸政策費用を考慮すること。 この点についても約束をしながら、それを反故にしている。

⑥生コンミキサー・セメント輸送運賃引き上げ
・現在、生コン市況は値上げ基調で推移しています。2005年以前のころと比べると5000円以上価格が回復しています。この価格回復については、生コンの製造事業者だけでなしえたものではなく、労働組合との協力の下、実現したのである。

広域協組執行部はこういった事実を再認識し、今まで約束してきた生コンミキサーやセメントの輸送業者(その先にいる労働者)に価格回復で得た利益を公正・公平に還元しなければならない。


以下は、18春闘に向かっての関生支部書記長・武洋一さんの発言です。

◆関生支部など労組連合会が追求する基本路線は、中小企業間の競争を抑制するということです。

◆個社がバラバラの状態では際限のない生コン値下げ競争に陥ってしまいます。だから、縦の構造から横の構造へと変えるということです。そして、セメントメーカー・ゼネコンとの対等取引の実現をめざしています。そのために協同組合に結集し、共同受注・共同販売・シェア運営を行う必要があるわけです。

◆労使は配分を巡って対立するものです。その対立を乗り越えるには、共通の目標に向かって共同行動を行うことが必要です。そして、中小企業の利益を確保したうえで、労働者の賃金・労働条件の向上を図る必要があります。中小企業にとっても、労働者にとっても、生き残る道はこれしかありません。

◆広域協組の4人組やそれに従属している一部労組は、この基本路線を否定しています。4人組の利権を確保するために誤った道を選択しています。しかし、必ずや、自らが持ち上げた石で、自らの足を打つことになると確信します。関生支部は、しっかりと団結し、協同組合を強化し、連帯して勝利をめざします。

以上のような、安倍政権が行っている国家権力による労働組合弾圧(国家権力の乱用)は、「大資本にのみ奉仕する国づくり、戦争できる国づくり」のためです。これを許せば、次は、思想の自由、表現の自由の否定につながり、国策に抗う(あらがう)全ての行動が否定される戦争国家になりかねません。

断固とした抗議行動に起ちましょう!

毎週土曜日(次回は12月1日)には13時30分より大阪府警本部前で抗議行動を行います(1時間程度)。是非、ご参加下さい。

大阪府警本部前(馬場町交差点)への行き方
①地下鉄谷町線「谷町四丁目」駅下車 1-A号出口より徒歩約6分、1-B号出口より徒歩約5分
②地下鉄中央線「谷町四丁目」駅下車 9号出口より徒歩約5分
③JR大阪環状線「森ノ宮」から大阪城公園の南を通って西へ10~15分

2018年11月30日発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆11/25「京都原告団を激励する集い」の報告

  • 救援新聞 京都版No.1351 2018年12月15日
    橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)

原発賠償京都訴訟は控訴審のたたかいへ

盛大に原告を激励する集い

◆3月の京都地裁判決に満額の賠償が認められた1人を除く原告172人が控訴している福島原発賠償京都訴訟の、第1回口頭弁論を目前にひかえ、11月25日、大阪市中央区のエルおおさか(大阪府立労働センター)で「京都原告団を激励する集い」が開かれました。原告、弁護団、「原告を支援する会」、関西の訴訟当事者など定員一杯の57人が参加し、控訴審のたたかいに激励のことばを寄せ合い決意を固め合いました。

◆原告団共同代表の福島敦子さんが支援への感謝と決意を述べたあと、川中宏弁護団長があいさつ。さらに、原告を支援する会共同代表の橋本宏一救援会府本部事務局長も、控訴審で避難者の被害にふさわしい判決を勝ち取る法廷の内と外の運動を、とあいさつしました。また、田辺保雄弁護団事務局長は、裁判官を変えるのは市民の声が大きく影響する、世論を動かす運動が特に大事だ、と強調。地裁で責任ありとされた国が、控訴審では執拗に反撃してきている。これは決してあなどれない、弁護団も全力で裁判官に被害の実相で迫る、と力強く語りました。原告団のあゆみの映像の上映や、原告1人1人の思いなどが語られ、会場は大きな拍手と声援に沸きました。最後は萩原ゆきみ原告共同代表がお礼のあいさつ、そして全員集合。記念写真を撮影して散会しました。

◆なお、控訴審第1回口頭弁論は、12月14日(金)午前10時30分、大法廷(201か202号)で開廷。参加される人は、傍聴券抽選や、手荷物検査などがありますので、開廷1時間前頃に高裁正面入り口にお集まりください。

◆原発の危険度は、運転期間とともに高くなる

【2018年10月~,若狭で配付】

原発の危険度は、運転期間とともに高くなる

老朽高浜原発1、2号機、美浜3号機を今すぐ廃炉に

◆原発は事故の確率が高い装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。例えば、次のような理由によります。

  • 高温、高圧、高放射線(とくに中性子の照射)に長年さらされた圧力容器、配管等では、脆化(ぜいか;下記【1】を参照)、金属疲労(下記【2】を参照)、腐食(下記【3】を参照)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の老朽化は深刻です。電気配線の老朽化も問題です。老朽原発には、難燃性でない電気配線も使われています。
  • 建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分は多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。最近、安全系と一般系の電気配線の分離敷設の不徹底なども指摘されています。
  • 建設当時の記録(図面など)が散逸している可能性があり、原発の安全管理の支障となります。
  • 建設当時を知っている技術者は殆どいないので、非常時、事故時の対応に困難を生じます。
  • 高浜3、4号機(運転開始後33年越え)のようなウラン燃料対応の老朽原発でMOX燃料を使用することは、炉の構造上、問題山積です。

以下に、脆化、金属疲労、腐食について簡単に説明します。

【1】老朽原発圧力容器の脆化

◆原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境(加圧水型PWRの場合)で中性子などの放射線に曝(さら)されています。この鋼鉄は、高温ではある程度の軟らかさを持っていますが、温度が下がると、ガラスのように硬く、脆(もろ)くなります。

◆圧力容器は原子炉運転期間が長くなると、硬化温度(脆性遷移温度)が上昇します。例えば、初期にはマイナス16℃で硬くなった鋼鉄も、1、18、34年炉内に置くとそれぞれ35、56、98℃で、40年を超えると100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が脆化していれば、ガラスを急冷したときのように、破損する(割れる)危険性があります。初期(使用前)の鋼鉄は、脆性遷移温度が零度以下ですから、水冷では破壊されません。とくに、不純物である銅、リン、炭素などの含有量が多い鋼鉄で出来た老朽圧力容器の脆化は深刻です。

◆なお、脆化の機構は解明途中であり、脆性遷移温度の評価法にも問題が多いことも指摘されています。

◆ちなみに、老朽原発の脆性遷移温度は、次のように推定されています(原子力資料室発行「別冊TWO SCENE」17、2018年夏号より)。

  • 高浜原発1号機(運転開始1974年):99℃
  • 玄海原発1号機(運転開始1975年;廃炉):98℃
  • 美浜原発2号機(運転開始1972年;廃炉):86℃
  • 美浜原発1号機(運転開始1970年;廃炉):74℃
  • 大飯原発2号機(運転開始1979年;廃炉):70℃

【2】老朽原発の金属疲労

◆金属疲労とは、金属材料に繰り返して(振動的に)「力」を加えたとき、はじめ小さな傷が生じ、やがて大きな破壊に至る現象です。「力」は機械的に加わるだけでなく、温度変化の繰り返しによって加わることもあります。金属が高温で膨張し、低温で収縮するためです。

◆1985年8月の日航ジャンボ機墜落(御巣鷹尾根)事故は、後部圧力隔壁の金属疲労が原因とされました。

◆1991年2月に、美浜原発2号機で蒸気発生器伝熱細管がギロチン破断(刃物で断ち切ったように真っ二つになる事)して一次冷却水が2次側に漏洩した事故の原因は、高サイクル振動による金属疲労と判定されました。この事故は、メルトダウンにつながりかねない深刻なもので、国内の原発で緊急炉心冷却装置(ECCS)が動作する最初の事例となりました。金属疲労による損傷は、ポンプやタービンによる機械的振動や配管を水や水蒸気が流れるときに生じる振動が長期にわたって加わったときにも生じます。

【3】老朽原発の金属腐食

◆金属の腐食とは、金属が接触している他種の金属、液体あるいは気体と化学反応して溶けたり、腐食生成物(いわゆる「さび」)を生成することです。表面が一様にさびる「全面腐食」、弱い部分から腐食が進行し、孔が開いたりする「局所腐食」があります。

◆原子炉内ではいずれの腐食も生じますが、老朽原発でしばしば問題となるのは「局所腐食」の一つ「応力腐食割れ」です。代表的な発生部位は、圧力容器内で燃料集合体、制御棒の周囲に円筒状に配置されているシュラウドと呼ばれる部品、再循環系配管、炉内計装管台などです。

◆1960年代末から1980年代初頭にかけて、特に沸騰水型プラントでは共通する不具合として問題になりました。当時発生した応力腐食割れの大半は炭素含有率が比較的高いステンレス配管の溶接部近傍(数mm 以内)で発生しました。ステンレスは、鉄に10~20%のクロムを混ぜて、さび難くした合金ですが、溶接時に600℃~800℃に加熱された部分ではクロム炭化物が生成し、クロム濃度が周囲より低くなる欠乏層(結晶粒界)が生じます。この部分に溶存酸素を含んだ炉水が接触しつつ引張応力(材料が引っ張られたとき、材料内部に生じる抵抗力)が加わると、応力腐食割れが発生、進展します。

◆「エロージョン・コロージョン」と呼ばれる腐食も生じますが、メカニズムは確定されていません。「エロージョン」とは、局所的沸騰(キャビテーション)あるいは液滴や固体粒子の衝突によって材料表面が徐々に脱離する現象(腐食;コロージョン)とされています。

◆1986年12月、米国のサリー原発2号機(加圧水型軽水炉で1973年5月に運転開始)の二次冷却系配管でギロチン破断事故が発生しました。この事故は、給水ポンプ入口側の90°エルボ部(湾曲部)で生じました。破断した配管の材質は、板厚12.7 mmの炭素鋼(鉄と炭素の合金:加工が容易で廉価)です。破断の原因は、エロージョン・コロージョンによる配管の減肉です。この事故により破断部近傍で工事を行っていた4名が死亡し、2名が負傷しました。

◆2004年8月に、美浜原発3号機(1976年3月に運転開始)の二次冷却系の復水系配管が突然破裂し、高温高圧の二次系冷却水が大量に漏れ出して、高温の蒸気となって周囲に広がった事故の原因もエロージョン・コロージョンによる配管の減肉です。

◆この配管は、直径55 cm、肉厚10 mmの炭素鋼製で、破裂箇所の上流側には圧力差から流量を計測するためのオリフィスと呼ばれる狭窄(きょうさく)部(狭い箇所)が設けられています。オリフィスで生じた渦流によるキャビテーションは、徐々に配管内面を削り、運転開始から28年後の事故当時には、配管は肉厚1.4 mmにまで減肉していました。この状況で、配管は、150℃、10気圧という運転圧力と振動に耐えられず、大きく破裂したと考えられています。

◆本来は肉厚4.7 mmまで減肉する前に予防措置をとるという内部規則があり、1989年には配管を検査し1991年には取り替えることになっていたにもかかわらず、関西電力と検査会社の見落しで、点検台帳に登録されず、この個所は稼動以来28年間一度も点検されていませんでした。関電の危機管理能力が疑われます。この事故では5名が亡くなられ、6名が重軽傷を負われました。国内初の運転中の原発での死亡事故です。

【4】老朽原発の圧力容器や蒸気発生器に強度不足の鋼材が使用された可能性

◆上述のように、原子炉材料の品質不良は、重大事故の原因となりますが、最近でも、強度不足の鋼材が老朽原発で使用されていたと報じられています。

◆2015年4月、フランス原子力安全局 (ASN)は、建設中の加圧水型原発の原子炉容器上蓋などに使われている鋼材の組成に異常(ひび割れの発生など、機械的強度を低下させる炭素濃度の高い領域)が見つかったと発表しました。また、調査を続けたASNは、2016年6月に、「フランスで運転中の58基の加圧水型原子力プラントのうち、9原発18基の蒸気発生器で「水室」(蒸気発生器の一部)の機械的強度が想定より低い可能性がある」と発表しました。この「水室」の鋼材はフランスのクルゾ社と日本鋳鍛鋼(にほんちゅうたんこう:新日本製鐵グループ、三菱グループの共同出資)が鍛造(たんぞう:金属を加熱し、ハンマーなどでたたいて、金属内部の空隙をつぶし、結晶の方向を整えて強度を高めながら成形)したものです。

◆フランスでのこの事態を受け、日本の原子力規制委員会(規制委)は、2016年8月24日、各原発事業者に対し原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査を指示し、九州電力や東京電力、関西電力など電力6社は、同年9月2日に、「日本鋳鍛鋼」が国内8原発13基の原子炉圧力容器を製造していたと報告しました。しかし、電力6社の調査は、「メーカーに確認する」程度のもので、メーカーである日本鋳鍛鋼は、「強度不足につながる鋼材の不純物は顧客の指示通り切り捨てている」として強度基準を満たしているとの認識を示しています。

◆電力各社によると、日本鋳鍛鋼は、福島第二原発2、4号機、志賀1号機、高浜2号機、大飯1、2号機、敦賀2号機、伊方2号機、川内原発1、2号機、玄海2、3、4号機の圧力容器を製造していました。

◆フランスで2015年4月に強度不足問題が発覚し、ASNが調査を指示し、2016年6月に結果を発表しているにも拘らず、規制委は、問題発覚以降にも原子炉の致命的欠陥に関わるこの問題を無視して再稼働審査を続け、川内原発、高浜原発、伊方原発の新規制基準適合を発表し、老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機の運転延長も認めています。

原発再稼働時に、頻発するトラブル:
原発老朽化の深刻さ、
規制委審査の無責任さを露呈

◆2015年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に、復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、2016年2月の再稼働準備中に、1次冷却系・脱塩塔周辺で水漏れを起こし、発電機と送電設備を接続した途端に警報が鳴り響き、原子炉が緊急停止しました。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の2016年7月、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。本年3月に再稼働した玄海原発3号機は、再稼働1週間後に、脱気装置からの蒸気漏れを起こしました。配管に直径1 cmの穴が開いていたそうです。本年8月末に再々稼働した高浜原発4号機は、8月19日に、事故時に原子炉に冷却水を補給するポンプの油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出されるという、深刻なトラブルを起こしました。

◆このように、再稼働を進める全ての電力会社がトラブルを起こしています。トラブル率100%です。これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉、部品の摩耗などが進んでいること示しています。また、傲慢で安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、規制委員会が適合とした多くの原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っています。

規制委の審査は無責任で、科学とは縁遠い:
老朽原発審査は、さらに手抜き

◆老朽高浜原発1,2号機運転延長認可の発表にあたって、当時の規制委員長・田中俊一氏は、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べています。

しかし、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものです。規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠いものです。

◆実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故です。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にあります。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然です。

◆しかも、老朽高浜原発1,2号機、美浜原発3号機の再稼働審査は、とくに無責任かつ杜撰(ずさん)でした。杜撰さを、高浜1、2号機審査を例に紹介します。

・関電が、高浜1、2号機の新規制基準への適合審査を申請したのは2015年3月ですが、2016年4月に設置許可、6月10日に工事計画認可、6月20日に運転延長認可と、他の原発の審査に比べて、異例の短期で審査を終えています。
審査会合も27回と川内、高浜(3、4号機)、伊方原発審査時の約半分です。しかも、先に申請し、終盤を迎えていた他原発の審査を止めての拙速審査です。規制委からの認可取得期限が2016年7月7日に設定されていたために、規制委が審査を早めて、この期限に間に合わせたのです。規制委には、特に慎重であるべき老朽原発審査に対する誠意は感じられません。

・審査の手抜きも目立ちます。例えば、この審査では、ケーブール、コンクリート、目視可能な鉄筋など、簡単に点検や補修できる箇所については審査しても、点検が困難な冷却細管、点検・交換が不可能な圧力容器については、十分審査しているとは言えません。また、蒸気発生器の耐震性は美浜3号機の実証データで代用し、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばしにしました。さらに、20年延長評価は初めてにも拘らず、パブリックコメントなど、広く意見を求めることもしていません。このように、調査や改修の困難な部分については手抜きする審査は、「科学的」に安全を保証するためのものではありません。

相次ぐ老朽原発廃炉:
それでも高浜1,2号機、美浜3号機を
動かし、全国の老朽原発再稼働を
先導しようとする関電と政府

◆原発の安全対策費は、福島事故の大きな犠牲の上に、また、反原発の闘いの故に、高騰し続けています。そのため、傲慢な電力会社と言えども、安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなり、福島事故以降9基の老朽原発の廃炉が決定しています (福島第1、2を含めれば、廃炉は19基)。また、去る9月27日には東北電が34年越え女川原発1号機の廃炉の検討を始めたと報道されました。

◆それでも、関電は、来年以降、老朽原発高浜1号機(来年で45年越え)、2号機(来年で44年越え)、美浜原発3号機(来年で43年越え)を再稼働させ、全国の老朽原発の再稼働を先導しようとしています。安倍政権のエネルギー政策に迎合するものです。

◆しかし、安全対策費が膨大で、経済的にも成り立たない、老朽原発の運転を関電に断念させることは、私たちの行動如何では、可能であろうと考えます。老朽原発運転を止めさせ、原発新設を止めさせれば、美浜町の原発は即時ゼロに、高浜町の原発は7年後にゼロになり、2033年には、若狭の全原発が廃炉に向かいます。もちろん、その前に重大事故が起こる可能性もありますから、断固として、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。


脱原発・反原発の声を大きくし、
高浜、美浜の老朽原発を廃炉に追い込みましょう!
原発に頼らない新しい社会を展望しましょう!


2018年10月発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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