◆2018/3/15 原発賠償京都訴訟の判決と,大飯原発差止訴訟

◆私たち京都脱原発弁護団・原告団が京都地裁に大飯原発差止を提訴したのは2012年11月ですから,すでに5年以上が経ちました。この間,原告団の事務局長を担当してきて思うのは,今の原発問題の課題と運動は,多方面に及んでいるという実感です。
◆原発が過疎地に立地し,大都市の際限ない電力消費に奉仕してきた差別構造は,福島第一原発事故の後,ますます明白になっています。立地地域にとどまりがちであった原発反対の住民運動は,福島第一原発事故の後,大都市での原発反対の市民運動や,大電力会社関電などへの抗議行動と結びつくようになりました。
◆原発には科学技術的な安全性の課題が根深くあるわけですが,それは「国民の生存権」という基本的人権にまで及んでいます。そして,それは,原発立地現地の住民運動,大都市消費地域での市民運動,各地の原発運転差し止め訴訟で問われています。全国の原発運転差し止め訴訟では,弁護士や研究者など専門家の熱意と知恵を結集した法廷闘争がくりひろげられ,多くの市民の参加と注目を集めています。そして,現実に運転差し止めが実現するような成果もあげています。
◆原発に反対する運動には,立地現地の住民運動,消費地域の市民運動,原発運転差し止め裁判というという三つの面の闘いがあるわけですが,その底辺を支えているのが,全国の原発賠償訴訟だと思います。率先避難者として全国に避難した方々,政府の指定区域外でも自らの判断で避難した方々らの涙と苦痛を目の当たりにして,私たちは原発事故のとてつもない非人間性をまっすぐに理解できるわけです。京都やどの地域も,第二の福島にさせない,これがすべての運動の基礎だと思います。
◆福島第一原発事故では,行政は勝手な線引きで被災者,避難者に差別を持ち込んできました。避難の権利を行使した率先避難者に対し,避難者としてカウントしないこと,住宅保障の打ち切り,汚染地域への帰還強要などペナルティが課されています。しかし,全国各地で行政と東京電力の責任を問う裁判と運動が進展してきました。また,国連の人権理事会でアピールする運動も進んでいます。
◆そして,原発賠償京都訴訟は,3月15日,判決に至りました。京都地裁の判決は,避難の相当性を認めて80点(川中宏弁護団長)とのことで,不十分な点もありつつ,これまでの原告の皆さまの奮闘が大きく実った内容だと思います。国の責任を認め,千葉,茨城,栃木など避難指示がない区域からの「自主避難者」の賠償を広く認めて,賠償を命じた点はとくに評価できると思います。
◆原発に反対する立地現地,消費地域,裁判所での闘いは,政府や電力会社の経営にも影響をあたえています。原発に反対する世論はつねに多数派を保っています。政府や原子力規制委員会は原発再稼働に熱心ですが,現在,動いている原発は,川内原発2号機,高浜原発3・4号機,そして,昨日再稼働された大飯原発3号機の4機だけです(伊方原発3号機は2017年12月の広島高裁仮処分決定で停止中。川内1号機は1月末から定期点検に入っています)。
◆政府は,原発再稼働,核燃料サイクルと再処理,原発輸出を推進していますが,東芝,日立,三菱など原子炉メーカーの経営とともに混迷を深める一方で,日立の原発輸出への債務保証など不透明な癒着を深めています。核のごみ処理もまったく見通しがありません。原発は電気をつくるだけでなく,莫大な放射性廃棄物もつくっています。原発の電気で儲け,廃棄物処理は国民負担にする構造に対し,さらに追及の手が必要です。東電や関電は,電力自由化の下,顧客離れに苦しんでいます。とりあえずすぐにでも新電力に移行しましょう。
◆私たち京都地裁の大飯原発差止訴訟には仮処分のような即効性はありませんが,関西電力の設定する基準地震動への疑問と,事故が起こった際の避難困難性などについて,着々と主張を積み重ねています。直近では1月16日に第18回口頭弁論がありました。被告関西電力は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めたうえで,地域特性を十分に把握できているため,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。
◆また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」以外の何物でもないといえるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。これって,森加計方面で今はやりの改ざんといってもよいものです。
◆次回の第19回口頭弁論は,3月27日火曜日,14時からです。抽選券配布は,13時25分から40分までです。多くの皆さまが傍聴席を埋めていただきますよう,お願いします。開廷前には定例のデモを行っています。
◆3月14日,大飯原発3号機が再稼働されてしまいましたが,昨年末には関電が老朽大飯原発1・2号機の廃炉決定をしたことは,私たちの運動の勝利といえます。安全対策費が膨大になり,経済的合理性からみて,ペイしなくなったのです。私たちは,原発の科学技術的な課題(安全性),倫理的問題(将来への核のゴミつけ回し,電力多消費型社会への批判)を追及しつつ,経済合理性から見て原発が産業として成立しないことも法廷で追及しています。
◆2016年4月以来の電力自由化の下,原発に依存する電力会社の経営は厳しさを増しています。関電は,小口で毎月,6万件から7万件の顧客を失い続けています。昨年末には,小口契約の10%をこえる120万件が関電との契約を変更しました。大口でも,京阪電車をはじめ,関電離れが進んでいます。関電の電力販売量は長く東電につづく第2位でしたが,昨年は中部電力に抜かれて,第三位に転落しました。
◆苦境の電力会社を守るために,政府は,新電力利用者にも原発コストを負担させたり,送配電料金の一部として送配電とはまったく関係のない福島事故の処理廃炉費用もぐり込ませようと企んでいます。原発を維持するための電力料金のからくりをあばき,新電力への移行をうながす「原発の電気はいらない署名@関西」の運動も重要になっています。
◆京都脱原発原告団は,原発賠償京都訴訟の原告の皆さんとともにあります。今後さらに多面的な運動をめざしたいと思っています。ともに奮闘していきましょう。
(大飯原発差止訴訟 原告団 事務局長 吉田明生)
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◆2/17 広瀬隆さん&守田敏也さん~ジョイント講演会

「日本列島の全原発が危ない!
次の大事故で市民の命と生活は?」

◆盛会の内に終了しました
・2/17「広瀬隆さん&守田敏也さんジョイント講演会」は,お二人の熱意あふれる講演で,原発と闘う決意を新たにさせたと思います。参加者は222名で,ほぼ会場いっぱいの満席になりました。広瀬さんの本,守田さんの本とも多くの参加者に買っていただきました。閉会後もロビーにて講師を囲んで交流してもらうことができました。その後,賛同団体・個人の皆さまに呼びかけた懇親会を設けました。
・寒い中,参加された皆さま,ご苦労様でした。また,椅子の配置など開会前に手伝っていただきました皆さまにも,感謝いたします。

◆当日の本の著者販売

◆新しいお知らせ

  • 当日は会場内でいろいろなチラシ配布をご自由に行っていただいて構いません。途中に休憩時間もあります。チラシ置き場もつくりますので,そこに置いていただくことも可能です。
  • 受付配付資料へのセットなどは要員と手間の関係でしていませんので,すみませんが,よろしくお願い申し上げます。

◆日時や場所など

  • 講 師…広瀬隆さん,守田敏也さん。
  • 参加費…1,000円。ただし,大学生,原発事故避難者,障がい者は500円。高校生以下無料。
  • 連絡先…吉田明生 090-5660-2416 meiseiあっとpp.iij4u.or.jp。蒔田直子090 3704 3640。
  • Facebookのイベントページも同様の内容を掲載していますが,賛同団体・個人のお名前の掲載は,こちらのWebのみとしました。Facebookではご自由に投稿していただけますので,書き込みを歓迎いたします。→こちら

◆講師の紹介

  • 広瀬隆さん

    ■1979年のスリーマイル島原発事故を機に,「原発がそんなに安全というならば,電力の大消費地である首都圏に原子力発電所を建設してはどうか」と指摘した『東京に原発を!』(1981年),がんや白血病で死んだハリウッドスターの死因と,ネバダ州で行われていた大気圏内核実験の因果関係を示唆した『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』(1982年)を出版。
    ■1986年にチェルノブイリ原発事故が発生すると,『危険な話』(1987年,八月書館)で原子力発電や放射性廃棄物の危険性を主張するなど,脱原発の論客として活動。
    ■近著に『日本列島の全原発が危ない!』(2017年11月,デイズジャパン。税込み2322円)。1943年生まれ。
  • 守田敏也さん

    ■同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどをへて,フリーライター。環境問題や平和問題に関わりつつ,福島原発事故以降は各地で放射線防護の講演を行い,ヨウ素剤配布などを訴えている。日本の脱原発運動をヨーロッパやトルコなど海外へ発信する活動も積極的に進めている。2012年より兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会委員に就任。
    ■『内部被曝』(共著,岩波ブックレット),『原発からの命の守り方』(2015年,海象社。税込み1490円)。1959年生まれ。
    BlogWebTwitterFacebookがあります。

◆賛同の団体や個人…2018/1/27 現在。(五十音順,敬称略)

  • 団体(33)…■アジェンダ・プロジェクト■関西合同労働組合京都支部■キッチン・ハリーナ■京田辺・綴喜原発ゼロプログラムの会■京都「被爆2世・3世の会」■グリーン・アクション■原発ゼロをめざす左京の会■原発ゼロをめざす西京ネットワーク■原発なくそう宇治の会■原発なしで暮らしたい丹波の会■原発なしで暮らしたい宮津の会■原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会■原発をなくす向日市民の会■憲法9条・メッセージ・プロジェクト■子ども脱被ばく裁判を支える会-西日本■さよなら原発長岡京市民の会■さよなら原発なら県ネット■さらば原発の会・京都■3.11ゆいネット京田辺■市民環境研究所■出版労連・出版情報関連ユニオン京都支部■新聞うずみ火■ストップ・ザ・もんじゅ■生活協同組合コープ自然派京都■地の人・宗教対話ネット■使い捨て時代を考える会■とめよう原発!!関西ネットワーク■NAZEN京都■奈良脱原発ネットワーク■反原発自治体議員・市民連盟■反原発自治体議員・市民連盟 関西ブロック■ふしみ「原発0」パレードの会■若狭の原発を考える会■
  • 個人(42)…■稲村守■井上賀世■内富一■宇野朗子■榎田基明■榎本晶彦■奥西知子■栢下壽■河原よしみ■河本紳一朗■小針修子■榊原義道■佐藤大介■杉谷伸夫■泉寺卓(堀内隆喜)■宗川吉汪■槌田劭■とうてらお■中井豊■西川生子■西川隆善■萩原ゆきみ■橋本昭■橋本宏一■原強■福島敦子■古澤房子■ほりこしゆみこ■松本修■松本美津男■満田雄■溝江清美■水戸喜世子■向平恵子■村上敏明■森松明希子■山崎正彦■山田和幸■山田耕作■山田みすず■山田勝暉■吉田和義■

◆カラー宣伝チラシ…完成しています。お送りするなりお届けできます。お送りする場合,住所のほか,着払いが可能の場合はその旨ご連絡ください。

◆その他…参考

  • 2018/2/17(土)の夜には福島原発告訴団関西支部などが主催する集会が開かれます(18:00~20:00,ハートピア京都)。こちらの講師は,佐藤和良さん(福島原発刑事訴訟支援団・団長)。くわしくは→こちら。両方参加可能です(^o^)。盛りだくさんの日ですね(^o^)
  • 2017/12/10(日)関連企画。
  •  2017/11/27(月)〈週刊朝日 7:00配信〉原発事故“予言”の広瀬隆が再び警告「近く大事故が起こる」その場所は…→こちら

◆5/9大飯原発差止訴訟 第15回 口頭弁論のご報告

◆5/9(火)に京都地裁で大飯原発差止訴訟 第15回 口頭弁論が開かれました。多くの皆さまにご参加いただき,ありがとうございました。

  • 開廷前には,いつものように裁判所周辺のデモを行い,市民に脱原発裁判をアピールしました。
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  • 傍聴席は応募が多数で抽選になりました(関電関係者と思われる傍聴もありました)。法廷では弁護団の各段の奮闘が光ったと思います。福島敦子さん(原発賠償京都訴訟の共同代表),竹本修三団長,赤松純平先生らの陳述も,裁判官にせまる迫力がありました。
  • 初めて原告席に参加した原告からは「知性と情熱が法廷を圧倒!」「分かってほしいとひたすら希求する人々は美しい」という感想が寄せられています。模擬法廷にも原告19名が参加,弁護団が10名以上で,充実していました。
  • 報告集会では,多額のカンパの他,缶バッジ,竹本団長の著書などでご協力をいただき,深く感謝しています。

◆さらにくわしくは京都脱原発原告団Webに報告→こちら

◆3/28の大阪高裁決定について(井戸謙一弁護士)

以下,井戸謙一弁護士のFacebookより転載。
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昨日は、大阪高裁に沢山の方々にお集まりいただきありがとうございました。残念な結果ですが、次に向かって進んでいくしかありません。今日は、膨大な大阪高裁決定を読み込みました。その特徴としては、

①3.11前に戻った立証責任論。関西電力が立証すべきことは、高浜原発が新規制基準に適合していることだけで、新規制基準の不合理性の立証は住民に負わせています。福岡高裁宮崎支部決定(川内原発)も、福井地裁異議審決定(高浜原発)も、新規制基準の合理性の立証を電力会社側に負わせていました。大阪高裁決定と同様の考え方は、3.11前の静岡地裁判決(浜岡)、名古屋高裁金沢支部判決(志賀2号機)まで遡る必要があります。これは、伊方最高裁判決の趣旨も捻じ曲げるものです。この立証責任論は、例えば、「新規制基準が策定し、抗告人(関西電力)が実施するテロリズム対策が不合理なものであるとはいえない。」という文章に現れています(もし、立証責任を関西電力に負わせるのなら、「テロ対策が合理的である」と言えなければ、関西電力を負かさなければなりません。)、

②福島原発事故被害についての無関心(事故の原因論は述べていますが、被害については、1行も述べていません)。

③新規制基準についての絶大な信頼(適合していれば安全)、

④住民側の主張の矮小化(切り刻んで、一つ一つ片づけていく、一部は無視)等が指摘できます。

残念な結果ですが、次に向かって進んでいくしかありません。原発問題は、私たちの世代でケリをつけなければならない問題ですから。明日の、広島地裁決定に期待しましょう。

◆2/13大飯原発差止訴訟 第14回 口頭弁論のご報告

◆2/13(月)に京都地裁で大飯原発差止訴訟 第14回 口頭弁論が開かれま
した。多くの皆さまにご参加いただき,ありがとうございました。
その報告を,写真とともに以下にアップしています。
http://nonukes-kyoto.net/?p=1513

◆2/13には,第五次追加原告として,184名の原告が加わり,原告総数は,
3270名になりました。引き続き,2017年中をめどに,第六次原告募集を行
っています
http://nonukes-kyoto.net/?page_id=194

◆今回の口頭弁論では,第29準備書面として以下の内容を詳述しました。東
芝など原子力産業の衰退,裁判官にプレーヤーとしての自覚を訴える内容
など,読み応えがあります。
http://nonukes-kyoto.net/?p=1492

[ 再生可能エネルギーの可能性と原発の不経済性 ]
第1 自然再生可能エネルギー利用で脱原発は可能であり、危険な原発
は子孫に残すべきでない
第2 原子力発電のコスト・非経済性について
第3 原子力発電の不経済性が産業の健全な発展すら阻害すること
第4 傍観者ではなくプレーヤーとして

◆11/28 大飯原発差止訴訟の第13回口頭弁論の報告

京都地裁 大飯原発差止訴訟 第13回 口頭弁論は
11/28(月)14:00より開催されました。
以下,その報告です。

(1) 開廷前のデモ…36名。いつもは50名くらいですが,今回はやや減っています。その分,鳴り物と長尺の幕を持ってきた原告がいて,補って余りある内容でした。また,今回,アピールとコールを整理しました。

(2) 傍聴席…当初応募者では,抽選にならず,アキが出るかと思われたのですが,残り3席の追加募集に対して遅れてきた方が3名おみえになって,ようやく満席になりました。その後,数名の方が模擬法廷に参加されました。

(3) 法廷での内容…原告の陳述→こちら

・原告の陳述。宮津市の吉田真理子さん…雪深い時には,雪かきしないと逃げられない,雪も汚染され,被爆してしまう,年老いた夫の両親が心配,やる気のない,いいかげんな避難訓練。夫の87歳のお父さんは,「ここにいるからほっといてくれ」と言って参加せず,「そもそも避難しなくてはならんような原発を動かすのが間違いだ」と怒っていたとのこと。バスを利用すると2万人ならのべ300台必要となりますが,それだけ準備するのも止める場所を確保できるかどうかもわかりません。

・大河原壽貴弁護士,原告の陳述=自治体問題研究所の池田豊さん…国と京都府,福井県,滋賀県などが実施した高浜原発での事故を想定した住民避難訓練の問題点が述べられました。避難訓練の服装は普段の服で,被ばく防止対策もなく,車両を除染した汚染水も垂れ流しでした。また,船での避難も組み込まれていましたが,海上保安庁の船は,渡しがないと船に乗れないので,用意された観光船は2.5mの波があり船が出せず訓練は中止になった。1年間の半分は風が出ている所ですから,半分の日は船での避難はできない。

(4) 報告集会

・カンパ…多額。ありがとうございましたm(_ _)m
・竹本団長の本『日本の原発と地震・津波・火山』,2冊。
・アクリルたわし(完売)と 缶バッジの売上げ…3200円。
・参加者からの質問,意見も多く出て,応答が行われました。
・当日の陳述書の提出は少数にとどまりました。すぐに書くのは,難しいのかもしれません。