◆大飯原発3号機再々稼働阻止!大飯原発ゲート前抗議行動

関電は、4月11日より定期点検中であった大飯原発3号機を、6月26日にも稼働(再々稼働)させようとしています。許してはなりません!

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」は、大飯原発3号機再々稼働阻止を訴えるために、下記の要領で、おおい町で町内デモを行い、大飯原発ゲート前抗議行動を展開します。奮ってご参加下さい。

原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
木原壯林(若狭の原発を考える会)

大飯原発3号機再々稼働阻止!大飯原発ゲート前抗議行動
集合日時;6月26日(水)正午
集合場所;おおい町大島半島(詳細は後日連絡します)
行動;おおい町内デモで、原発ゲート前に移動し、抗議行動を行います(午後5時頃までの予定)。
主催;原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
連絡先;木原(電話090-1965-7102、E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp)
京都、大阪、滋賀からは、配車の予定です(8時30分頃出発)

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◆「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」拡大実行委員会へのお誘い

【2019年6月14日、京都キンカンで配布

決意を新たにして、
老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の
再稼働を阻止しよう!

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」拡大実行委員会へのお誘い

◆福島原発事故の大きな犠牲と圧倒的な民意に後押しされた脱原発・反原発の大衆運動のために、今、原発の安全対策費は膨れ上がっています。また、とくに安全対策費がかさむ老朽原発は、廃炉に追いこまれ、福島事故当時54基あった稼働可能な商用原発は、33基にまで減少しています。脱原発、反原発の世論は、世界的にも安全対策費を高騰させ、安倍政権が「インフラ輸出の柱」として推進してきた海外での原発建設の全てが頓挫しました。原発は、経済的にも破綻しているのです。しかも、原発を動かせば増加し続ける使用済み核燃料の行き場もないのです。

◆それでも、関電は45年超えになろうとする老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機まで稼働させようとしています。

◆それは、安全対策の困難な老朽原発は切り捨て、残った原発全ての運転を60年まで延長して、原発電力を「巨大資本に奉仕する国造り、戦時下でもエネルギーを確保できる国づくり」の基盤電源にしようとする、安倍政権のエネルギー政策に迎合するためです。関電はその露払いをしようとしているのです。原発の運転期間延長は、「例外中の例外」としていた筈ですが、安倍政権はこの約束も反故にしています。

◆原発は本質的に事故・トラブルの多い装置ですが、老朽化すると、取り換えることのできない圧力容器、配管、配線の脆化や腐食が進むなど、重大事故の要因が急増します。老朽原発の運転を許してはなりません。

◆老朽原発運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、美浜町からは即時、高浜町からは6年後に、おおい町からは14年後に、原発がゼロになります。もちろん、その前に重大事故が起こる可能性もありますから、原発の早期全廃を勝ち取らなければなりません。

◆ところで、去る4月、原子力規制委員会が、「特定重大事故等対処施設(特重施設;通称テロ対策施設)」の設置が期限に間に合わなければ、運転中でも、原発を停止させると決定しています。

◆規制委員会や安倍政権には、意図があるとしても、私たちはこれを原発全廃を加速させる好機にしなければなりません。突破口である老朽原発再稼働阻止の闘いに全力で総決起しましょう!

◆「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」は、去る3月と5月に、老朽原発全廃を目指して、「3.24老朽原発うごかすな!高浜全国集会」と高浜町内デモ、「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」と御堂筋デモを呼びかけましたが、1000をはるかに超えるご賛同(団体170、個人921人)をいただき、各々350名、750名のご参加を得て開催することができました。老朽原発再稼働阻止!、原発全廃!の強い決意を関電と政府に突きつけることができました。ご支援、ご参加、有難うございました。

◆「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」では、この成果をさらに飛躍・発展させるために、「関西、福井の総力を結集して、高浜、美浜の老朽原発をを廃炉に追い込もう!」をスローガンとする今後の老朽原発再稼働阻止闘争の方向性を討議し、夏から秋の運動を具体的に提起するために、下記の要領で拡大実行委員会を開催します。

老朽原発の再稼働を何としても阻止したいとお考えの方なら、どなたでも、ご参加いただけます。
叡智を集めて大闘争を準備し、老朽原発を廃炉に追い込みましょう!

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
木原壯林


老朽原発再稼働を阻止するために!
行動を討議する
「拡大実行委員会」

と き:6月29日(土)15:00~17:00
ところ:滋賀県教育会館1階 → 地図は こちら
(滋賀県大津市梅林1丁目4-15;大津駅を琵琶湖側に出て徒歩 3 分)
主 催:「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
連絡先:木原(090-1965-7102;kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp)[アット→@]


2019年6月14日


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◆特重施設の未完成で原発停止◆原発にかかわる5月の出来事

【2019年6月7日,京都キンカンで配付】

原発は止まる・止められる!

「特定重大事故等対処施設」
期限内に完成しなければ
原発運転停止:規制委決定
運転停止を原発全廃の好機に!

◆原子力規制委員会(規制委)は、4月24日の定例会合で、原発の「特定重大事故等対処施設(特重施設;報道ではテロ対策施設とも呼ばれている)」が期限までに完成しなければ、原発の運転停止を命じることを決めた。

◆特重施設の設置は、福島原発事故を契機につくられた「新規制基準」(2013年7月施行)で義務付けられた。当初の設置期限は、新規制基準施行から5年の2018年7月であったが、規制委の審査が長期化し、期限内の完成が難しくなったので、規制委は期限を延期し(2015年)、「原発本体の工事計画の認可から5年」と定めた。

◆特重施設は「第2の制御室」ともいわれ、テロ行為その他の緊急事態によって原発過酷事故が発生した場合に、遠隔操作で原子炉を冷却したり、原子炉格納容器内の圧力を下げて崩壊を避けることなどを目的とした施設である。原子炉建屋から100メートルほど離れた場所に設置される。建設費は1基500~1200億円とされる(朝日新聞)。

◆電力各社は、特重施設を期限内に完成させるとしていたが、4月17日の規制委の会合で、施設の完成が1年~2.5年遅れる見通しを示し、再延期を認めるように要請していた。工事が遅れた理由は、「工事が当初の見込みより大規模になったため」としている。なお、電力各社によると、特重施設を建設するためには、敷地内の山を切り開く、工事用車両のトンネルを掘るなど、大規模工事が必要であることが判明したという。
チラシ作成者の意見:杜撰(ずさん)な工事計画しか立てられない電力会社が、原発を安全に運転できるはずがない。]

◆規制委の会合(4月24日)では、「自然災害などで工事が遅れたのではない」などと指摘し、期限延長の必要性はないと決めた。
チラシ作成者の意見:約束を守らせるのは当然で、これまで、たびたび約束を違えても、虚偽のデータを使用していたことが発覚しても、原発運転を停止させなかった規制委の甘い姿勢こそ問題である。]

◆新規制基準審査に合格し再稼働した関電、四電、九電3社の5原発9基の原発の中で最も早く期限が来るのは、九電の川内原発1号機である。来年(2020年)3月に期限を迎え、その時点で施設が完成していなければ、運転中でも、工事完成まで運転停止となる。停止見込み期間は、九電の計画通りに工事が完成したとしても、約1年となる。

◆川内1号機以外の5原発8基の期限と停止見込み期間(カッコ内に示す)は、
・川内2号機;2020年5月(約1年)、
・高浜3号機;2020年8月(約1年)、
・高浜4号機;2020年10月(約1年)、
・伊方3号機;2021年3月(約1年)、
・大飯3、4号機;2022年8月(約1年)、
・玄海3号機;2022年8月(未定;九電は間に合わせると表明)、
・玄海4号機;2022年9月(未定;九電は間に合わせると表明)。

◆再稼働していない原発の期限と停止見込み期間(カッコ内に示す)は、
・高浜1、2号機;2021年6月(約2.5年)、
・美浜3号機;2021年10月(約1.5年)。
・日本原電・東海第2原発での設置期限は2023年10月であるが、工事完成時期は不明(工事計画すら未申請)。

◆なお、関電は、45年超えの老朽高浜原発1号機を2020年6月に再稼働しようとしているが、再稼働したとしても、1年後には2年半の停止をしなければならない。

福島原発事故は防げた可能性

◆原発のテロ対策などの重大事故対策は、2001年9月の米国での同時テロをきっかけに、世界各地で強化された。米国では、2002年に米原子力規制委員会(NRC)が米国の原子力事業者に対して、航空機の衝突や全電源喪失などへの対策を求めている

◆しかし、日本では、福島原発事故後になってやっと特重施設の設置が義務付けられた。福島原発事故についての国会事故調査委員会の報告によれば2002年当時の「原子力安全・保安院」は、NRCから安全対策強化の情報を得ていたが、電力会社には伝えていない。上記報告書は、「電気事業者に伝え、対策を要求していれば、福島原発事故は防げた可能性がある」と指摘している。

過酷事故原因はテロだけではない
特重施設があっても事故を防げるとは限らない

◆報道では特重施設をテロ対策施設と呼んでいるが、原発過酷事故の原因は、テロだけとは限らない。スリーマイル島原発事故(1979年)は、機器の故障と人為ミスがいくつも重なって発生した。チェルノブイリ原発事故(1986年)は非常用電源に関する実験中に起きたが、原因は原子炉設計上の欠陥、判断および操作ミス、マニュアル遵守違反の複合である。福島原発事故(2011年)の原因は解明されたとは言えないが、地震、津波の自然災害、原発施設の不備、人為ミスの複合と考えられる。

◆このように、原発過酷事故の原因は多様であり、テロによる事故を想定した施設が完成しても、他の要因による事故の拡大→過酷事故の防止に有効であるとは限らない。

特重施設では使用済み燃料プールの
安全は保障されない

◆使用済み燃料プールは「むき出しの原子炉」ともいわれる。プールが自然災害やテロによって倒壊・崩壊すれば、特重施設が完備していても使用済み核燃料の冷却は不可能である。このことは、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールが倒壊の危機にあったため、大急ぎで使用済み燃料を抜き取り、難を逃れた事実からも明らかである。

なぜ規制委は一転強硬姿勢に出たか

◆今回の規制委の決定は唐突の感がある。また、この決定には、早速、菅官房長官も支持を表明している。それは、自民党政権が、原発の安全性が担保されていない状況では、東京オリンピックへの海外からの支持と参加に悪影響を与えると判断したためではなかろうか?

◆ただし、特重施設があったからと言って、大幅に原発の安全性が高くなるものでもない。とくに、使用済み燃料プールの危険性は特重施設では除去できない。

原発全廃、使用済み燃料の安全保管対策の強化こそが、原発事故の回避策である。

脱原発・反原発の行動を強化し、
全原発の即時廃炉を勝ち取ろう!

◆電力会社は、特重施設の完成が間に合わなければ、色々な欺瞞工事や手抜き工事を行う可能性もある。とくに、「特重施設」を「テロ対策施設」とすることによって、テロ対策を口実に、施設の内容に関する情報の多くが不開示にされていることが、「特重施設」の有効性を疑わせる。

◆また、自然災害、人為ミス、テロなどによる原発過酷事故が、特重施設の完成を待ってくれるとは限らず、過酷事故は今日にも起こりかねない。あらゆる角度から電力会社や規制委を徹底的に糾弾し、原発即時全廃を勝ち取ろう!


原発に関わる 5 月(2019年)の出来事

昨 5月の1ヶ月間に起こった原発に関わる出来事を振り返ってみました。

経団連が電力提言(5月12日報道)

◆経団連が、電力システムの再構築を求める提言を公表した。日本の電力システムは、
①化石燃料依存度の高止まり、
②再生可能エネルギー活用のための送電線網不足
チラシ作成者の意見:原発用の送電線網を再生可能エネルギーにまわせばよい]、
③原発の再稼働問題、
④国際的に割高な電力料金の「4つの危機」に直面している
として、発電や送配電分野への投資を呼び込む環境整備が必要だと訴えている。

◆全体として、大資本に奉仕し、戦争できる国の基盤電源としての電力システムの視点が色濃い。③については、原発の稼働停止が続き、特重施設の設置が間に合わず、国内外を問わず安全対策費が高騰し、脱原発が世界の流れになっているにもかかわらず、「例外中の例外」であるべき老朽原発の運転まで固執している。

◆また、原発の停止期間を新規制基準に定められた最大60年の運転期間から除くべきだと主張し、60年を超えたさらなる運転期間延長に向けて、技術的検討を求めている。投資を回収するビジネスの視点が色濃く、脱原発・反原発の民意を蹂躙すること甚だしい。

福島復興拠点汚染土、最大200万立方メートル(5月13日報道)

◆福島原発事故に伴う帰還困難地域の一部を再び人が住めるように整備する福島県内6町村の「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」の除染で、地表から削り取った汚染土などが最大約200立方メートル(東京ドーム1.6個分)出ると環境省が試算している。汚染土は、双葉、大熊両町にまたがる中間貯蔵施設に搬入する計画であるが、すでに福島県内の除染では、1400万立方メートルが発生しており、復興拠点の整備に伴いさらに増える。最終処分地はまだ決まっていない。なお、環境省は、中間貯蔵施設に搬入した汚染土のうち、放射性セシウムの濃度が、1キログラム当たり8000ベクレル以下のものは道路整備などで再利用する方針を掲げている。汚染土のバラマキである。

◆復興拠点は、福島原発事故による避難区域のうち、放射線量が年間50ミリシーベルトを超え、立ち入りが制限されている「帰還困難区域」の一部に、住民の居住再開を目指して、除染やインフラ整備を進める区域。放射線量が年間20ミリシーベルト以下に低減することや居住に適することが「復興拠点」に認定される条件。双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村で整備が進んでいるが、避難者の高放射線地域への帰還強制、東電や政府による被害補償の打ち切りに繋がりかねない。

韓国原発、あわやの大惨事(5月22日報道)

◆韓国原子力安全委員会は、10日にハンビッ原発1号機の熱出力が運営技術指針書上の制限値の5%を超え、18%まで急騰したのに、即時停止を定めた運営指針に反し、運営会社の韓国水力原子力(韓水原)が停止させたのは、異常感知から約11時間半後であったと発表した。放射性物質の漏洩はなかったが、重大事故に繋がる恐れがあった。出力急騰の原因はヒューマンエラーで、原子炉操縦士の免許がない韓水原職員による原子炉の制御棒の過多抜き取りだった。制御棒の過多抜き取りは、当時の現場作業者の中性子反応度の手計算ミスと抜き取り可否の判断ミスのためだったという。

◆1979年米国のスリーマイル島、1986年ウクライナのチェルノブイリ、2011年日本の福島事故も、ヒューマンエラーが主な原因だったという指摘も多い。

玄海原発、使用済み燃料の「プール内詰め直し(リラッキング)」と「乾式貯蔵」の併用を規制委容認(5月23日報道)

◆規制委は22日、玄海原発3号機の使用済み燃料について、核燃料プール内の燃料の間隔を詰めて保管量を増やす「リラッキング」と「乾式貯蔵(プール内に保管して、放射線量と発熱量が減少した使用済み燃料を空冷で保管する方法)」を併用する九電の方針を認めた。

◆玄海原発の稼働が続けば、4号機で2023年度、3号機で24年度に燃料プールが満杯になり、原発運転ができなくなるため、プールに空きを作り、原発運転を続けようとする九電と規制委の策動である。

◆規制委は、福島原発事故の教訓から、プール内で放射線量と発熱量が減少した使用済み核燃料を、安全性が高いとされる乾式貯蔵に移すこと求めていたが、九電には乾式貯蔵施設の設置経験はなく、整備しても完成は2027年末になる。したがって、当面、乾式貯蔵によってプール内に空きを作ることができないので、プールの危険度が増すリラッキングを行おうとしているのである。リラッキングは、福島事故後初めて。

◆九電のリラッキングの計画では、プール内で一定の間隔で核燃料を納めるラック(棚)を交換して、燃料間隔を現状の約36 cmから約28 cmに狭め、プールの収容量を1050体から1672体に約6割増やす。このとき、核分裂反応が起き、臨界に達することを避けるために、収納容器をホウ素を含んだステンレス容器に変更する。リラッキングがプールの危険度を大幅に高くすることは多くが指摘している。

◆なお、使用済み核燃料を乾式貯蔵容器に移したとしても、その保管を引き受ける場所はない。また、安倍政権が進める核燃料サイクル政策では、全国の使用済み核燃料は再処理工場で処理する計画であるが、再処理計画は完全に破綻している。したがって、電力各社は使用済み燃料を自前で保管せざるを得ない状況に陥っている。

◆使用済み燃料を増やす原発を運転してはならない!

規制委、関電に3原発の再審査申請提出を命じる(5月29日報道)

◆規制委は、関電に対し、美浜、大飯、高浜原発の再稼働審査の一部やり直しに必要な申請を年内に提出するよう命令を出す方針を決定した。火山の大規模噴火時に3原発に降る火山灰の厚さを巡り、規制委は10 cmを妥当としていたが、より多量の降灰を示す新たな論文が発表されたため、より多量の降灰時でも3原発の機能が維持されるか否かを再審査で確認するという。

◆降灰を巡って関電は、鳥取県の大山が噴火した場合のシミュレーションを基に、3原発ではいずれも10 cm と想定していた。しかし、その後、大山からの距離が3原発と同程度の京都市で、約8万年前の地層に約 30 cmの火山層があるとする論文が発表され、規制委が昨年12月に関電に再調査を指示。関電が調べた結果、高浜で21.9 cm、大飯で19.3 cm、美浜で13.5 cmと新たに予測した。
チラシ作成者の意見:この種の予測に3桁の精度の数値を示すこと自体が、科学者の資質を疑わせる。]

◆原発に想定を超える降灰があると、非常用発電機の吸気フィルターの目詰まりなどが懸念される。

◆関電は、29日に「準備ができ次第、再審査を申請する」と発表し、「原発の稼働停止は求めておらず、電気供給などに対する大きな影響はない」と、人ごとのような無責任なコメントを発している。

高浜原発、警報ない津波に対策(5月31日報道)

◆昨年12月にインドネシア・スンダ海峡で発生した津波は、地震によるものではなく、火山噴火で山の一部が海に崩れ落ちたこと(山体崩壊)が原因とみられ、津波警報は作動しなかった。これを受けて、規制委は今年1月、津波警報が出ないまま高浜原発に津波が襲来した場合の影響を調べるよう、関電に求めていた。以下が、関電の調査結果。

◆調査では、高浜原発の沖合100 kmで海底地すべりがあり、警報がないまま津波が襲来したと想定。結果、取水路の門が開いていても、海抜3.5 mの敷地は浸水しないと評価した一方、1~4号機4基分の取水路が開いていれば、引き波で取水不能になり、設備に影響が出る恐れがあるとした。追加対策では、敷地内の3台の潮位計で異常を検知した場合、6分後には取水路の門を遠隔で閉門できるようにするという。
チラシ作成者の意見:関電に都合の良い仮定の下の推定には何の意味もない。とくに、海抜3.5 mの敷地が浸水しないとすることは信じがたい。]


2019年6月7日発行

若狭の原発を考える会
連絡先;木原壯林(若狭の原発を考える会)
電話:090-1965-7102


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◆5.19集会の報告とお礼◆韓国原発があわや大惨事

【2019年5月24日,京都キンカンで配付】

「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」
報告とお礼

◆標記の集会は「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」の主催で、169の団体、912人の個人のご賛同を得て(5月18日現在)、5月19日(日)午後1時より大阪の関電本店前で開催されました。750名の結集を得て、老朽原発再稼働阻止、原発全廃の強い決意を関電と政府に突きつけることが出来ました。また、御堂筋デモでは、大阪市民、内外からの観光客、ご通行の皆さんに、声を限りに「老朽原発再稼働阻止!原発全廃!」を訴え、大きなご声援をいただきました。

ご参加、ご賛同、ご支援をいただきました皆様に、
深く感謝し、お礼申し上げます

◆「3.24老朽原発うごかすな!高浜全国集会」、「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」の成果を拡大し、さらに大きな反原発運動を波状的に展開して、老朽原発廃炉を実現ましょう!

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」木原壯林(若狭の原発を考える会)


韓国原発、あわや大惨事

以下は「ハンギョレ新聞」チェ・ハヤン記者の記事(5月22日)を参照した解説です。

中性子反応度の手計算ミスで、無免許運転員が制御棒を過多に抜き取り

◆21日の韓国原子力安全委員会(原安委)と韓国水力原子力(韓水原)側の説明によると、10日にハンビッ1号機の熱出力が運営技術指針書上の制限値の5%を超え、18%まで急騰した。その原因は、原子炉の制御棒運転者らの計算と判断による制御棒の過多抜き取りだった。

◆制御棒は完全挿入時には0ステップ、完全抜取時には231ステップと表現される。原安委によると、制限値である5%の熱出力を維持するためには、制御棒は43ステップでなければならなかった。しかし、原子炉操縦士の免許がない韓水原職員が100ステップまで制御棒を抜き取った。これによって1時間に最大3%ずつ高くなるべき出力が、わずか1分で18%まで跳ね上がる事態が起きた。

◆制御棒の過多抜き取りは、当時の現場作業者の中性子反応度の手計算ミスと抜き取り可否の判断ミスのためだったという。原発総合設計技術公企業である韓国電力技術で制御棒に関連する業務を行っていたハン・ビョンソプ原子力安全研究所長は「単純な操作ミスや設備の欠陥ではなく、人間の理性的行為の結果、事故が起きたことに注目しなければならない」と指摘した。1979年米国のスリーマイル、1986年ウクライナのチェルノブイリ、2011年日本の福島事故も、ヒューマンエラーが主な原因だったという指摘も多い。

熱出力急増の時点以降、午後10時2分に原子炉が緊急停止されるまで12時間近くかかったのは、韓水原が様々な方法で測定される出力値のうち、低い値を基準としていたためであった。原子炉出力方式には、①炉心外の中性子束を見る方法、②主給水流量を通じて計測する方法、③電気タービン出力を見る方法など、3つがある。原安委と現場に調査団を派遣した原子力安全技術院は、①の方式で熱出力が18%まで高騰したのを確認し、韓水原は②の方法で計測して手動停止せず引き続き稼動した。このため原子力安全技術院調査団が午後4時に現場点検に着手し、6時間後になって手動停止が行われた。ハン・ビョンソプ所長は「意見の違いがあっても、安全を最優先にするならば保守的な計測方法を準用して直ちに手動停止すべきだった」と指摘した。

◆この「熱出力暴騰事故」は、設備運転者たちの判断ミスや安全不感症が原因であった。人的な緩み、錯覚、予測失敗、未熟練などの「ヒューマンエラー」が重なった場合、設備の異常や地震のような自然災害より深刻な過酷事故が発生する可能性があることを示唆する。

2019年5月23日発行

連絡先;木原壯林(若狭の原発を考える会)
電話:090-1965-7102


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◆公開質問状に おおい町長から回答

【2019年5月3日,京都キンカンで配付】

おおい町長から、「老朽原発運転延長、使用済み核燃料の処理・保管などに関する公開質問状」への回答を得ました

「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」は、「老朽原発運転延長、使用済み核燃料の処理・保管などについて」、高浜町長、おおい町長、美浜町長に公開で質問していましたが、おおい町長より回答を得ましたので、報告します。

国、原子力規制委員会(規制委)、関電任せで、
町の自主性は感じられない回答

◆この公開質問状は2月20日に提出し、おおい町長からは4月10日に回答を得ました(高浜町長、美浜町長の回答は5月の予定)。以下に、おおい町長の回答と回答に対する質疑応答を報告します。なお、回答は、町長自身でなく、担当課長、課長補佐など6人によって伝達されました。したがって、質疑応答は回答伝達者との間のものです。また、質疑応答の一部は、紙面の都合で、割愛しました。

公開質問事項、回答、質疑応答

質問1 老朽原発の運転延長について

質問1-1

◆老朽原発再稼働について、賛否のご意見をお聞かせ下さい。また、老朽原発でも再稼働は止むなしとお考えの場合、住民の安全を守るために特別の施策をされますか。施策があれば、お示しください。

回答

◆規制委の認可を受け、40年を超えて運転することについては、法律で認められており、安全対策工事が完了し、立地地元の理解が得られることを前提に、否定するものではありません。住民の安全を守るためには、特別あるいは普通の区別なく、事業者(関電)にたゆまぬ安全性向上に向けての取り組みを厳しく指導することをはじめ、国などの関係機関に、監視、指導のさらなる強化を求めていく必要があると考えています。

質問1-2

◆老朽原発の運転延長によって、その不安は飛躍的に大きくなります。住民にとって増大する事故のリスクへの不安を、どのように評価していますか。また、老朽化によるトラブルの要因の一つ一つについて、立地町はどのように検討されていますか。

回答

◆40年超え運転に関しては、皆さんをはじめ不安を抱く国民の方々がいらっしゃることは承知しています。町は老朽化によるトラブルの要因と考えられる一つ一つについて、独自に、科学的、技術的観点から検討する機関を持っていませんが、事業者から説明を受けるなど情報の収集を図っていきます。また、国や事業者に対して、科学的、技術的検討と対策に万全を期すること、国民に丁寧に分りやすく説明し、広報することを求め、町としても地域住民の声にしっかりと耳を傾けていきたいと考えています。

質問1-3

◆老朽原発の規制委審査は、高浜1、2号機の審査に典型的なように、他の原発の審査に比べ異例の短期間で行い、運転延長認可限度期日に間に合わせることを優先し、また、審査の手抜きも各所にありました。このような規制委の審査で、40年を超えた原発の安全性は本当に確保されているとお考えでしょうか。

回答

◆規制委の田中前委員長は、福島のような事故が起こるなら許可しないと発言しており、規制委の審査報告をもって、一定の安全性の確保がされているとの認識を持っています。しかし、安全性に絶対ということはなく、事業者は緊張感をもって、保守・運営に臨み、今後もたゆまぬ新しい知見を取り入れるなど、更なる安全性向上に向けた取り組みを続ける必要があります。規制委においても、事業者を厳しく指導、監視するとともに、終わりなき安全性の追求をしていかなければならないと考えます。

質問1-4

◆規制委は審査結果について、「新規制基準に適合したのであって、安全を保証するものではない」という姿勢です。このことは、安全に関する責任は、原発を動かす関電、それを容認する町や県の議員、首長にあることを示唆しています。したがって、それぞれの首長、議員には、町民、県民の命と財産を守り、安全を図るために、問題点を検討し、自主的に判断できる能力が求められています。
首長、議員各自が、老朽原発の再稼働について、どのような見解なのか明らかにすべきであると考え、また、首長、議員がその見解を住民に明らかにする場と機会を準備すべきと考えますが、いかがですか。

回答

◆当町議会には、原子力発電対策特別委員会が設置されており、定例または必要に応じて委員会を開催し、原則公開で議論を重ねられています。また、議会報告会などを通して町民と直接対話をする機会も設けられています。平成29年の大飯3、4号機の再稼働判断時の例を申しますと、議会の判断時については、議会独自で規制委や事業者から説明を受け、町主催の住民説明会の傍聴などを経て、全員協議会という公開の場で、その見解を明らかにされています。議会は独立した機関でもあり、町長が、そういう場と機会を準備する立場にないと考えています。

質疑応答

質疑

質問1-1について、事業者のデータを信用すると言われますが、例えば、最近の火山灰の評価でも、2.5倍以上違っています。「警報なき津波」についても、深刻ですが関電は考えていません。規制委の田中前委員長は、「審査結果は、安全を保障するものではない。新規制基準に適合しているということだ」とたびたび言っていました。新規制基準は、福島事故からわずか2年位で、事故に関する調査も進んでいない時期にできたのです。それを信用するようでは、町民のみならず、もっと広範囲の人たちが影響を受ける事態に対して、責任を持っているとは言えません。

◆おおい町に責任を取れというのは酷かもしれませんが、立地自治体としての責任はあると思います。それでも関電や規制委を信用し、彼らのデータに頼るのですか?

町の答弁

◆関電の出すデータについて、科学的、専門的に検査・確認する町の機関を持っていないので、国や事業者の行った確認を信用するというスタンスでやっています。

質疑

◆信用できればよいが、信用できないことが次々に起こっていることが、報道でも指摘されています。したがって、判断する機関を持っていないおおい町は、どこかに委嘱してでも正確な判断をすべきです。それもなく、おおい町が関電や政府に同意しても、関電は「一歩進んだ」と言っています。県も「おおい町がそう言っているから。」と町の意見を拠り所にします。私は町民ではないけれど、おおい町の判断が、大飯原発稼働の是非を決めるから、多いに不安を感じる。「誰かが言っているから、それに頼るんです。」という言い方はやめていただきたい。

◆先日、町議会を傍聴しましたが、議員の多くが「規制委が言っているから大丈夫。関電の資料が良かったから大丈夫」と、規制委任せ、関電任せの発言をしていました。信頼に足る判断をできるシステムを考えてください。

質問2 老朽原発の延長運転についての立地自治体および周辺自治体住民の意見聴取の必要性について

質問2-1

◆40年超え老朽原発の再稼働は、これまでの原発再稼働とは比較にならないほど大きな問題を包含しています。その再稼働にあたっては、自治体として改めて広く住民の声を聞く必要があります。町として、住民の不安に応える場、住民が意思表明できる機会を作ることが求められているのではないでしょうか。そのような場や機会を設ける計画はありますか。

回答

◆現時点において、大飯発電所の延長運転については、方針等は決まっていませんし、高浜発電所につきましても、住民を対象とした説明会や投票など、機会を設ける計画はありませんが、適宜、広報、周知を図る必要があると考えています。なお、原子力に関する不安等の相談については、常時対応させていただいています。

質問2-2

◆日本初であり、「例外中の例外」であるはずの老朽原発の再稼働については、原発重大事故で影響を受ける可能性が高い周辺自治体の意見も聞く必要があると考えますが、どうお考えですか。なお、老朽原発である東海第2原発の再稼働について、日本原電や茨城県は周辺自治体の意見を聞く機会を設けようとしています。

回答

◆高浜、美浜に関することなので省きます。

質疑応答

質疑

質問2-2については、そのうち大飯も老朽になりますから、その時はよろしくお願いします。

質疑

◆大飯1、2号機は、廃炉になったので時間的余裕はありますが、来年、高浜1号機、美浜3号機、高浜2号機が動き出せば、自動的に大飯3、4号機も40年を超えて動いてしまうのではないかと思うので、のんきに構えているのではなくて、高浜と一緒に考えていただきたい。高浜で事故が起きれば、大飯でも影響は出るので、そういう回答をしていただきたい。

町の答弁

◆隣りだからといって、まったく無関心だというようなことはあり得ないし、同じ関電ですし、万が一の時は当然影響を受けるので、しっかりと情報収集をしていくし、高浜町の動き、国の動き、事業者の動きはしっかり注視していきます。

質疑

◆おおい町の職員、町長として、老朽原発は、普通の原発とどう違うと理解しておられるのか。全く同じものだと考えていらっしゃるのか?

町の答弁

質問1-2にあるように、老朽化による容器や配管の脆化だとか、腐食だとか、こういったことは当然、年月が過ぎれば進むという認識はしています。

質疑

◆そうであれば、昔の美浜の事故だとか、最近の川内、玄海、伊方などでの老朽化による細管破損や減肉について深刻に考えなければなりません。40年まで安心なのではなく、20何年でも穴が開いています。それも高放射線で修理できないから栓をして、何万本もあるから何十本くらいやられても支障がないとしています。大飯原発も30何年も経っているので、配管は相当老朽化しています。老朽原発の廃炉を今から検討すべきです。それを、関電が言っているから、規制委が言っているからと逃げるべきではありません。規制委がOKを出した原発、川内、玄海、伊方、高浜原発は、みんなトラブルを起こしています。それでもなおかつ、規制委が正しいと信用したり、大事故にならなかったから大丈夫では済まない話で、もう少し質問2-1についても考えていただきたい。もっともっと、みんなで勉強をして欲しい。いろんな立場の人、関電,規制委などの賛成派だけでなく。反対の人も呼んで、話を聞いた方が良い。

質疑

◆高浜1、2号機の工事現場は外から見られましたか?感想は?

町の答弁

◆ドームの部分をやりかえるほど、大掛かりな工事をされているな、というイメージを持っています。

質疑

◆外の部分は、蓋をしたり、丸いものを乗せたり、事故が起きた時、外に出ないようにする形のものはやっています。加圧水型の蒸気発生器の細管が詰まっていても取り換えるのは大変。絆創膏を貼ったのでは安心できません。

◆それと今40年から60年と言っていますが、経団連の中西会長は、「アメリカは60年を超えての運転を考えている。」と言っていて、80年運転の可能性がでてきました。大飯はどうなのか。住民の安全を考えるなら、来年の一年で再稼働となる前に、しっかりと賛否両論を聞いて、自分なりの考えを確立する責任があります。

町の答弁

◆大飯の場合はまだ一年あるから、事業者から来年はどうするとかは聞いていません。高浜や美浜は延長運転に動いているようですが、情報を常に得ながら、大飯が仮にそういうことになったときに、あわてなくていいように、しっかりとしていく必要があると思っています。現在は、原子力に関する相談については、意見を聞く公の会などは設けていませんが、常に意見を聞く機会は設けていますので、その中で対応していきます。

質疑

◆住民の不安には、常時対応しているというお答えでしたが、それは例えば、私が総務課に提出した避難の関係の情報を受け取っているということが、「対応させていただいている」ということにあたるのですか。それとも、年二度ほど行っている住民説明会などのことですか。この説明会は、原発不安窓口のようなものではなく、結論誘導型の進行形式になっていて、公正な内容ではありません。そういう現状の中で、住民の不安に対して、どのように常時対応し、体制をとっていると言われるのか教えてほしい。問題についての専門家がいるのか、それなりに不安に応える力を持っている方でなくてはいけないのですが、町民としては、そのような方はいないし、そのような窓口はないのではないかと思います。

◆もう少し詳しく、不安があるときは、どこそこに来てくださいとか具体的に教えてほしい。

町の答弁

◆今までの公開説明会が思うようなものではなかったとおっしゃるわけですが、疑問、不安に思っておられる部分について、項目によっては町で回答できる部分もあれば、専門的なことで、科学的な部分が必要な場合は、町で直接答えられないこともあります。そのあたりについては、町を通じて確認することもあれば、そちらでそのような機関をご存知であれば、そちらで確認していただくこともあります。町に対して質問していただいた場合は、できる限りの範囲で回答させていただきます。

質問3 使用済み核燃料の保管と処理・処分について

質問3-1

◆使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、関電は、福井県知事に昨年内に県外に移すと約束しながら、昨年末12月26日になって、候補地提示を断念したことを知事に伝え、謝罪しました。

◆原発立地町は、この約束違反を県民を愚弄するものとして、厳重に抗議すべきではないですか。また、県および原発立地町は、この約束を前提とした原発稼働への同意を取り消し、使用済み燃料を生み出す原発の全廃を、関電に求めるべきではないですか。

回答

◆町長は、「事業者自らが設定した期限に公表できなかったことは、いかなる理由があるにせよ、発電所と最も身近に生活する立地町との信頼関係を揺るがしかねず、非常に遺憾である」というコメントを出し、事業者に厳しい姿勢で伝えています。なお、公表できなかったことが、即刻発電所の安全を脅かす事にはならず、全廃すべき理由には当たらないと考えています。

質問3-2

◆今後の使用済み核燃料の保管について、中間貯蔵候補地が県外に見出せない現状の中でも、使用済み核燃料の福井県外搬出先を近い将来に見出せるとお考えですか。また、見出せる見通しが暗いとすれば、どうすればよいとお考えですか。

回答

◆国はエネルギー基本計画において、使用済燃料の貯蔵能力の拡大を進める事としており、使用済燃料対策に関するアクションプランを策定しています。それに基づき事業者が使用済燃料対策推進計画に基づき取り組みを進め、また、2020年を念頭に候補地を公表するとしており、その状況を注視していきたいと考えています。あわせて六ヶ所再処理工場の稼働により搬出が可能となるので、その審査状況も注視をしています。

質問3-3

◆中塚おおい町長は、昨年8月、「原発構内で金属製の容器に保管する乾式貯蔵も一つの選択肢」と述べています。また、野瀬高浜町長は、昨年11月、「原発の使用済み燃料を一定期間保管する中間貯蔵施設について、県内も含めて検討する必要がある」との考えを示しています。

◆両町長のこの考えは、関電が約束を反故(ほご)にした現在も変わっていないのですか。

回答

◆住民の安全安心の観点から、乾式貯蔵は一つの選択肢であるとの考えに変わりはありません。

質問3-4

◆使用済み核燃料を乾式で中間貯蔵する場合、その期間は50年を限度にするといわれていますが、その50年間に最終処分地が見つかる可能性は低く、原発敷地内での「中間貯蔵」を容認した場合、原発立地自治体は「核のゴミ(使用済み核燃料)捨て場」を引き受けることになりかねません。したがって、「中間貯蔵」を容認することは、超長期にわたる厳重な管理と広大な敷地が必要な「核のゴミ」の管理を、未来の住民に押しつけることになりますが、どう考えますか。

回答

◆事業者が使用済燃料対策推進計画に基づき取り組みを進め、また、2020年を念頭に候補地を公表するとしているので、その状況を注視しています。あわせて、六ヶ所再処理工場の稼働により搬出が可能となるので、その審査状況も注視をしています。町としては、今後も住民の安全安心を第一に原子力行政に取り組んでいきたいと考えます。

質問3-5

◆炉心に隣接する燃料プールが、地震などの時にきわめて危険な状態に陥りかねないことは福島第一原発事故でも明らかです。したがって、燃料プールは一刻も早く空にしなければなりません。一刻も早く燃料プールを空にするためにも、使用済み燃料を増やす原発を廃止しなければならないという視点はありませんか。

回答

◆地震などの災害時においても、使用済燃料プールが危険な状態にならないよう対策が施されていることが、規制委により確認されているし、事業者からも説明を受けています。さらに、たゆまず安全性向上に向けた取り組みを続けることを事業者および国に求めており、町としても、今後も住民の安全安心を第一に原子力行政に取り組んでいきます。

質疑応答

質疑

◆乾式貯蔵は一つの選択肢と言われたので、質問にはそう書きましたが、ほかにどういう選択肢を検討していますか。どういう貯蔵方法があると考えますか?

町の答弁

◆実際には貯蔵方法を検討しているようなことはありません。何度かお答えをしましたが、計画に基づいて県外への搬出を前提としています。

質疑

◆その前提となるのは、六ヶ所の稼働ではないのですか。おおい町としてはいつごろと考えていますか。政策を考える上で、推定しておかなければならないと思います。

町の答弁

◆公式には、日本原電が2021年上期の稼働を目指して審査が行われていると言っているので、その状況を注視しています。

質疑

◆動かなかったらどうするのですか。そのまま使用済燃料プールに置いておくのか、置くことも仕方がないと思っておられるのか。あるいは乾式にすぐ移れると思っておられるのですか。

町の答弁

◆一つ駄目なら次はこうということでは、答えられないが、六ケ所の稼働が搬出可能になる一つの要件であるし、関電が進めている推進計画で、県外の中間貯蔵施設が実現できれば、そちらに搬出するということがもう一つの方法になります。

質疑

◆乾式貯蔵は当たり前で、乾式貯蔵しかないと思いますが、乾式にしてプールを空けて、また新しいのを入れるというのが、おそらく今の関電の計画です。それなら、使用済燃料プールに、どんどん新しい高放射線・高発熱量の燃料が入ることになり、危険度が格段に増えます。今までは幸いにも原発の稼働が進まず、新しい使用済燃料を生み出さなかったから、ほとんどの使用済み燃料がプール内で冷却され、乾式に移せるまでに放射線量が減っています。

◆原子炉の圧力容器は鋼鉄製で十分な閉じ込め機能を持っていますが、使用済燃料プールは、上から燃料が見え、放射線が水にあたって発するきれいな光(チェレンコフ光)が見えるように、むき出しです。もし倒壊したり、穴が開いたりしたら、大惨事になります。

◆福島4号機の燃料プールでは、高放射線の中で燃料の取り出し作業が必死で行われました。プールの支柱が折れ、倒壊の危機に瀕していたからです。

◆燃料プールはこのように危険極まりないが、原発をうごかす限り生まれる使用済み燃料を乾式貯蔵に移すには、プールで5年くらい冷却しなければなりません。

◆燃料プールを空けて、新しい使用済み燃料を入れることについて、原発推進という国策だから仕方がないと思っているおおい町であっても、反対とは言えないまでも、もっともっと関心を持つべきだと思います。40年も経ち、ラックの容量を増やしたプールが、長持ちするとは思えないし、大地震が起こったら終わりだと思います。

質疑

◆六ヶ所の稼働を見越している、注視しているということだが、六ヶ所は過去何年くらい計画を続けてきて、何回くらい期限を延長してきたのですか。

町の答弁

◆正確にはわかりませんが、何十回と延長していると思います。

質疑

◆大飯3号機を再稼働するときに、その説明会をしましたが、その前に(町民対策だが)関電を見学しました。その時の所長が、「六ヶ所がもうすぐ動くから大丈夫だ」と言いました。ところが、また延長しました。約束を信用する方がおかしいのではないですか。

町の答弁

◆あくまでも審査状況を注視していくということで、「できる」と私たちが約束できるものではありませんし、現状として計画されているので・・・・。

感想

◆じゃ、それが動き出したら稼働を考えましょう。それまでは原発をストップして、廃棄したらどうですか。そうしたら使用済核燃料も増えないし。

意見

◆六ケ所村が完成しても、プルトニウムが47トンもあると運転できません。したがって、それに頼っても駄目だと思います。5年も冷やして人肌の温度にならなければキャスクが壊れる。そういう技術的な問題を踏まえて発言していかないと、おおい町の安全は守れません。大飯1、2号の廃炉は頭越しに決まった(もんじゅの時も同様)、そういうことを経験しながら、他人ごとみたいなことを言ってよいのか? 私がおおい町民なら黙っていません。

質問4 原発の稼働に関する自治体の姿勢と責任について

質問4-1

◆福井県や原発立地町は、原発の再稼働に同意し原発を推進しています。「日本の原発は過酷事故を起こさない」とした安全神話を福島原発事故を経験した今も信じているとしか考えられません。

◆立地町は、どんな根拠があって若狭の原発は過酷事故を起こさないと考え、原発の稼働を容認しているのですか。国策や経済のためなら、過酷事故のリスクは容認されると考えているのですか。

回答

◆町は新規制基準に適合した大飯3、4号機の再稼働への理解、判断過程において、町民の意見集約、発電所の安全対策の視察、たゆまぬ安全性向上に向けた事業者の姿勢、国の姿勢等を確認し、総合的に判断しました。過酷事故は決して起こしてはならず、引き続き終わりなき安全性の追求、および、災害制圧能力の向上を事業者および国等の関係機関に強く要請したい。

質問4-2

◆原発稼働の可否は、住民の安全・安心にとって避けて通れない課題であるので、首長や議会議員の選挙では原発の問題が重要な争点になってしかるべきです。しかし、実際の選挙では、原発に関する議論を避けている候補者もいます。住民の意見を汲むこともなく、ほとんどの議員が原発再稼働を容認しています。また、町長は議会の容認を基に再稼働に同意し、県知事は立地町の意向を踏まえて再稼働を認めています。住民の安全・安心を軽視する無責任な自治体運営ではないですか。

回答

◆町は再稼働理解判断過程において、町民の意見集約、発電所の安全対策の視察、たゆまぬ安全性向上に向けた事業者の姿勢、国の姿勢等を確認し、総合的に判断をしました。住民の安全安心は最も優先すべき町の責務であり、引き続き終わりなき安全性の追求、災害制圧能力の向上を事業者および国等の関係機関に強く要請します。

質問4-3

◆1昨年12月、関電は、福井県やおおい町に相談することなく、突然かつ勝手に大飯原発1、2号機の廃炉を決めました。このような事態が生じるのであれば、原発立地自治体は、その将来設計が描けなくなります。原発立地町は、突然の原発廃止のように、相互信頼を顧みない関電や国を今後も信頼して、原発政策を続けるのですか。

回答

◆大飯1、2号機の廃炉は、事業者が技術面から安全を最優先に検討した結果、有効な対策が取れないとして決定されたもので、これまで設置変更許可申請が提出される予定と聞いていた中で突然でしたが、住民の安全安心が第一であり、町は理解しました。しかし、100万KWを超える巨大炉の廃炉は、町財政、地域経済に大きな影響を及ぼすことは事実であり、昨年11月には町、県と事業者との間で、事業者が安全対策をはじめ、地域振興対策を継続的に実施する旨を記載した「廃止措置等に関する協定」を締結しました。今後この協定に基づき、住民の安全安心を第一として信頼関係を崩すことなく、原子力行政に取り組んでいきます。

質問4-4

◆万一、若狭の原発で過酷事故が発生した場合,原発の危険性を指摘する多くの声を無視して、原発の再稼働を容認した立地自治体の首長には責任があると考えますが、どう責任をとるのですか。

回答

◆原子力政策の一元的責任は国にあり、エネルギー基本計画に、万が一事故が起きた場合には、国は関係法令に基づき責任をもって対処すると明記されています。町としては、万が一を起こさせないために、終わりなき安全性の追求を事業者および国等の関係機関に強く要請したい。

質問5 脱原発に向かう最近の動きと
原発に頼らない地域づくりについて

質問5-1

◆いま、原発を稼働させようとするとき、多額の費用を要する安全対策を施さざるを得なくなり、安全対策費がとくにかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなっています。原発は、経済的にも成り立たなくなっています。安全対策費は世界的にも高騰し、トルコ、英国の原発建設から日本企業が撤退し、日本の原発輸出の全てが破綻しています。一方で、原発に固執する電力会社からの顧客離れも進んでいます。関電からの顧客離れは、昨年11月で200万件(約1100万件中の約18%)を超えました。

◆これらの状況は、原発はいつまでも存続するものではないことを示しています。したがって、自治体には、住民と地域の発展のために、原発に依存しない町づくりを考える場を早急に設置する責任があると考えられます。

◆若狭の発展を担う原発立地町には、「原発に依存しない町づくり」について考え始める計画はありますか。あれば、取り組みを示して下さい。もし、原発を存続させるので、そのような取り組みは不要と考えられるのなら、どのようにして原発依存社会を継続させ、発展させていくのかを示して下さい。これに関連して、「原発ゼロ法案」に関するご意見を伺います。

回答

◆町には原発が既に立地しており、現状を踏まえたおおい町総合計画に基づき、町の持続的な振興発展に向けた様々な取り組みを進めていく必要があると考えています。

◆原発ゼロ基本法案について省エネの徹底や再エネの拡大に異論はありません。しかし、資源の乏しい我が国において原発ゼロでエネルギーを将来にわたってどのように安定的に確保していくのか、具体的な道筋は示されていません。国民の生活や経済に直結するエネルギー政策は、実現可能性を具体的に示す必要があると考えています。

質問5-2

◆原発立地自治体の行政機関として、原発に関する住民の生の声を聞き、原発事故の不安がない町づくりについて話し合う必要があると考えられますが、そのような場を設置する考えはありますか。

回答

◆行政としては町長と語る会、行政相談などの意見を聞く場があります。再稼働理解判断の際には町民説明会を開催し、出席者の公募をしました。本日のように意見を聞いて懇談する場を持つこともあります。原子力に関する不安等の相談に関しては常時対応しています。

質問6 その他

質問6-1

◆昨年12月12日、大山の大噴火時の若狭への火山灰降下量について、規制委は関電による評価は過小であると認めました。しかし、当面は稼働中の4基の停止は求めないとしました。大量の火山灰降下は、原発過酷事故に繋がりかねません。原発を止めて、審査のやり直しを求めるのが住民の安全を守るべき自治体の姿勢だと考えますが、いかがですか。

回答

◆事業者は3月29日に評価報告書を規制委に提出しました。今後規制委において議論し、規制上の対応等について判断するものと思っています。住民の安全安心の観点から適切に対応される必要があり、その動向を注視しています。

質問6-2

◆[福井県と高浜町への質問なので、回答なし。]

質問6-3

◆福井県議会は昨年11月26日、若狭湾沿岸の地域に自衛隊の配備を求める意見書を可決しました。「原発への弾道ミサイル攻撃やテロの抑止力となり、地域住民の安心を確保するため」としています。原発立地町は、自衛隊を配備しなければ安全を確保できない原発は廃炉にすべきであると考えませんか。

回答

◆当町はエネルギー政策において原子力は必要であるとする国の方針を理解し、原子力行政に取り組んでいます。そのうえで、国に対しては原子力にかかる様々な課題やリスクの解決、住民の安心確保に向けた取り組みを要請しており、自衛隊配備はその一つです。また緊張が続く日本海側の防衛力強化につながり、さらに自然災害への対応強化にもつながることから、町として今後とも県、嶺南市町と一体となって要請したいと考えています。

質問6-4

◆現在、原発ではサイバー空間の安全性確保が課題になっています。米国とイスラエルが、サイバー空間でイランの核施設に侵入して破壊したように、サイバー空間の安全対策に重要な課題があると思われます。関電の原発に関わるサイバー・セキュリティを、原発立地自治体はどのように確認し,評価していますか。

回答

◆関電に確認したところによると、原子力発電所ではサイバーテロを未然に防止するため、原子炉施設および特定核燃料物質の防護のために必要な設備または装置の操作にかかる情報システムが電気通信回線を通じた妨害行為または破壊行為を受けることがないように外部からのアクセスを遮断している、とのことでした。なお、具体的な対策については、セキュリティーレベルが公表されることになるので、我々も知ることができないと考えています。町としては現状の対策に加え、新たな知見があれば更なる対策を講じるよう指導したい。

全体に関する質疑応答

質疑

◆老朽原発の運転は「例外中の例外」とずっと言ってきたのに、これが反故にされつつあります。それを立地町として認めるのですか。

町の答弁

質問1-1への回答と同じになりますが、規制委が認めれば、地元の理解を得て・・・・。

質疑

◆新規制基準ができた後にも「例外中の例外」と言っていました。その規制基準が変更されてもいないのに「例外中の例外」が踏みにじられるのはおかしい。大飯原発再稼働への県の同意を取り付けるために行った使用済み燃料貯蔵地を県外で見出すという約束も、反故にされています。原発で重大事故が起こったら、若狭だけでなく、関西をはじめ、広域が大きな被害を受けますから、原発の稼働に大きな発言力を持つ立地町(おおい町)に、国や事業者の意向を聞くだけでなく、住民の立場に立って毅然たる態度をとることを期待しています。だからこそ、今日は関西一円からこの場に来ています。

質疑

◆おおい町を舞台にした映画「彼らが原発」を見ました。「物言えば唇寒し秋の風」という雰囲気がこの町全体を覆っているから言えない、反対の旗色を出せないという、鬱積したものを、その映画から肌で感じました。ウーマンラッシュアワー村本さんという若い人(おおい町の出身)が、原発について一生懸命しゃべっています。すごく覚悟してやっていると思います。若い人たちに、おおい町の人たちに、原発に物申したらあっという間に潰される、村八分になるという雰囲気がないところで賛否両論をたたかわせて欲しい。そういう機会を作っていただきたい。

質疑

◆回答を聞いて、老朽原発の再稼働について非常にリスクが大きいという危機感が伝わってきませんでした。立地町の町民の不安はすごく大きいというのが実情だと思います。それでも、国、規制委、関電に期待する、注視するという回答が非常に多かった。町民の不安にもっと真剣に応えることを考えていただきたい。原発の問題は町民だけでなく、私たち関西に住んでいるものにも密接に関係しています。とくに、賛否双方の専門家の意見を聞くことは大事で、賛否両論を町民に披露してもらうくらいのことを町として考えた方がよいと思います。それが、町民の安心につながると思います。いろんな意見を聞きながら、方向を決めていく、こういう姿勢を持っていただきたい。今回の回答にはそういうトーンが聞こえず、残念でした。

質疑

◆若狭でチラシを各戸配布しながら、住民の声を聴いていますが、ほぼ全ての人が「老朽原発はやめてほしい」とおっしゃる。町の意見は、町民の意見とはズレていると思います。

質疑

◆この回答を聞くと、町民は怒ると思います。今日も、何人もの人から声を聴きました。「40年を超えて運転なんて、僕ら許してないで!」という方がいらっしゃった。「絶対やめてほしい」という声も。

◆この他、原発事故に関する責任は、国か事業者かについての質疑応答もあった。


2019年5月

発行;「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」
取りまとめ;若狭の原発を考える会(連絡先;木原090-1965-7102)


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◆原発にかかわる最近の出来事(2018年12月~2019年3月)

過去4カ月間の原発に関わる出来事を振り返ってみました

◆原発事故から8年経った福島では、原発事故被害者の人権がますます蹂躙され、不完全処理の汚染水がたまり続けるなど事故収束の目途はたっていません。安倍政権が経済政策の柱の一つとしていた原発輸出計画が完全に頓挫しました。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・保管の困難さはますます明らかになり、中間貯蔵すら引き受けるところがありません。去年の夏は酷暑でしたが、停電にはならず、原発は不要であることが再確認されました。

◆それでも、安倍政権の「大資本に奉仕する国づくり」、「戦争できる国づくり」のためのエネルギー政策に迎合するように、関電や日本原電は老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機、東海第2原発の再稼働に躍起です。

◆老朽原発の再稼働を阻止し、それを突破口にして原発全廃を実現し、人の命と尊厳が大切にされる社会を展望しましょう!

以下に、出来事を列挙します。

経産省が小型原発の開発を画策(12月1日報道)

◆この方針は、11月14日に経産省内で開かれた非公開国際会議で、経産省資源エネルギー庁の武田原子力国際推進室長が表明。地球温暖化対策を名目に、2040年頃までの実用化を目指すという。国内の多くの原発が40年頃に寿命を迎えることを受け、地球温暖化防止のためには、天候で変わる太陽光などの不安定出力をならす必要があり、既存の大型原発より出力を調整しやすい小型原発が必要とした。(この室長は、節電、省エネの流れを理解せず、蓄電法や再生可能エネルギーなどの発電法の進歩を全く考えていない、原子力ムラの不見識、自己利益優先の立場を代弁している。)一方で、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムが国内外で蓄積しており、核不拡散の視点からはプルトニウムを大量に燃やす原発が必要とし、大都市での電力需要を満たすためには大型の原発も必要とし、従来の軽水炉の改良も目指すと述べている。(原発を廃炉にし、核燃料再処理を止めれば、プルトニウムは増えないし、核拡散への各国の懸念も払拭できることは、素人でも理解できるはずである。)

日本政府と三菱重工がトルコの原発建設計画断念へ(12月6日報道)

◆この原発計画は、2013年、安倍首相とエルドアン大統領(当時)の首脳会談を機に実現へと動き出した。トルコの黒海沿岸のシノップ地区に三菱重工と仏企業が共同開発した新型炉を建設し、2023年に稼働させようというもの。事業費は、4基で2兆円程度と見込まれていたが、日本側による調査で総額4兆円以上に膨らむ見通しが判明。福島原発事故後、安全基準が厳しくなったためであるが、トルコ側は、当初想定に近い条件での事業化を望み、交渉が難航していた。

原子力規制委員会(規制委)が核燃料乾式貯蔵に関する全国共通の新基準を了承(12月6日報道)

◆規制委は、使用済み核燃料の「乾式貯蔵」に使う金属製容器(キャスク)について、耐震性や強度の新基準に関する規則改正案を了承した。現状では、各原発で乾式貯蔵を行う際には、規制委の個別の審査が必要であったが、新基準は全国共通であるため、一度認証された形式のキャスクは、何処の原発でも、導入時の審査を省略できる。各原発の使用済み燃料プールが満杯になりつつあり、乾式貯蔵に移してプールを空けて、原発の運転を容易にしようとする意図も見える。なお、更田規制委員長は、「地面に半分埋まった形で転がしておくというのが最も安全」と、無造作な扱いを許容するような発言をし、「原発の敷地境界から離しておけば、放射線の遮蔽能力を建物に持たせる必要はない」と、屋外保管でも問題ないとの認識も示している。

規制委、関電3原発への火山噴火降灰量の見直しを指示:運転停止は求めず(12月13日報道)

◆規制委は、鳥取県の大山が噴火した際の若狭の原発への降灰量を再評価するよう関電に指示した。火山灰は非常用発電機のフィルターを詰まらせる恐れなどがある。関電は、これまで降灰量を約10 cmと想定していた。しかし、大山からの距離が若狭と同程度の京都市内の約8万年前の地層に約30 cmの火山灰層があるとの研究が発表され、規制委が調査したところ、約25 cmの火山灰層が確認された。そのため、若狭の原発での降灰量を再検討する必要があると判断したが、間違った事実を基に「規制委審査」に合格し、運転中の大飯3、4号機、高浜3、4号機の運転停止は求めなかった。

大飯原発、鍵貸し出し違反(12月17日報道)

◆原子力規制委員会は、関電が大飯原発で、核物質防護区域などの出入り口の鍵計14本を、管理者以外の関電社員と下請け会社社員の2人に貸し出していたことを明らかにした。たるみ切った核物質管理体制で、核物質防護規定の遵守義務違反。

日立、英原発計画凍結へ(12月18日報道)

◆日立は英国中部アングルシー島で英原発子会社「ホライズン・ニューウクレア・パワー」を通じて計画している原発新設(2基)を凍結する方針を英政府に非公式に伝えた。安全対策費などでコストが膨らみ、当初計画の2倍近くの3兆円規模になった事業への出資企業の確保が困難になり(とくに日本での出資者集めが難航)、一方で、英政府は電力買取価格の引き上げに消極的で(再生可能エネルギー発電コストの低下などのため)、採算確保の見通しも立たないため。安倍政権は、原発建設を「インフラ輸出の柱」としていたが、その全てが頓挫したことになる。

東海第2原発で作業員死亡(12月18日報道)

◆日本原電東海第2原発の放射線管理区域外にある屋内開閉所の設備機器の定期点検中であった作業員(43歳)が倒れ、死亡した。感電死とみられる。

使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地、県外候補地明示できず(12月27日報道)

◆使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、関電の岩根社長は、2017年11月、「2018年内に、福井県外で具体的な計画地点を見出す」と西川福井県知事に、記者団の前で約束した。しかし、12月26日になって、候補地提示を断念したことを知事に伝え、謝罪した。この約束は、大飯原発3、4号機の再稼働への知事の同意を取り付けるための、何の成算もない空約束であったことは明らか。また、西川知事は2017年11月27日、岩根社長の約束発言を受けて、その発言の信憑性も検証せずに、大飯原発3、4号機の再稼働に同意した。「空約束を承知の上での出来レースであり、県民の安心・安全など念頭にない」との誹りを受けて当然。県内には、廃炉となった4基を含めて11基の商用原発があり、使用済み燃料プールの全貯蔵容量は1万1309体であり、2018年11月末で全体の67%にあたる7616体を保管しており、6~9年でそれぞれ満杯になる見込み。

原子力機構の79施設廃止に1.9兆円、70年を要する:原子力開発の負の側面を浮き彫り(12月27日報道)

◆日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、青森、茨城、福井、岡山に保有する79施設を廃止した場合、70年の期間と約1兆9千億円を要すると公表。東海再処理施設が約7700億円と最大で、「もんじゅ」は約1500億円。費用の中には廃止までの維持費や老朽化対策費は含まれず、さらに大幅に膨らむことは必定。機構は国の交付金で運営されているので、この費用は国民負担(税金)となる。

国内の商業用原子力施設(民間73施設)の廃止費12兆円:原資は電気料金(12月31日報道)

◆国内にある原発や核燃料サイクル工場など主な商業用原子力関連の全73民間施設を廃止した場合、費用が少なくとも計12兆8千億円以上に上ることが分かった(共同通信が発表)。電力11社を含む民間事業者計19社が公表した「廃止措置実施方針」での69施設の廃止費用見積額の累計4兆8千億円に福島第1原発1~4号機の廃炉費8兆円(政府試算)を加えた。原発1基の廃止費用は323~885億円。この費用に含まれるのは、施設の解体費、放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの「処理費」、処分場に埋設する「処分費」だけで、公表費用は氷山の一角に過ぎない。「廃止措置実施方針」では大半の原発の廃止完了年数を30~40年と見込むが、今回は施設の維持管理費や老朽化対策費を含んでおらず、費用がさらに膨らむことは確実。この費用は、電気料金として国民が負担することになる。政府は、原発は「発電コストが安価」として推進してきたが、全くの偽り。

政府、トルコ原発計画撤退、輸出白紙に(1月4日報道)

◆政府は、三菱重工とトルコで進める新型原発建設計画について、トルコ政府に大幅な負担増を求める最終条件を提示する方針を固めた。安全対策費などの高騰などから採算性が悪化したためであるが、トルコが受け入れる可能性は低く、事実上の撤退となる見通し。

経団連会長「原発、国民反対なら無理」と発言(1月5日報道)

◆中西経団連会長(日立製作所会長)は今後の原発政策について、年頭の記者会見(1月1日)で「国民が反対するものは作れない。エネルギー業者や日立のような設備納入業者が無理に作ることは民主国家ではない」と指摘した。ただし、中西会長は、1月15日にはこの発言を撤回し、一転、原発推進を訴えている。原発の輸出戦略がコスト高や安全不安で相次いで頓挫している中での右往左往の発言である。なお、原発を推進する安倍政権に対して、従来、経団連は「原子力は最も重要な基幹エネルギー」として同調していた。

原電社長、東海第2原発再稼働について周辺6市村に「事前同意を得る」と発言(1月8日報道)

◆日本原子力発電(原電)の東海第2原発(1978年11月運転開始の老朽原発:110万KW)の再稼働に関する周辺6市村の事前同意権について、原電村松社長が各首長との会合(運転延長の申請期限が2017年秋に迫った2017年3月の会合)で「自治体の合意が得られるまでは再稼働できないという覚悟を持っている」と発言していたことが分かった。那珂市が、会合の内容に関する公文書を開示。一方、事前同意権を巡っては昨2018年、原電幹部が否定的な見解を示して6市村が反発している。また、原電と6市村は昨年3月、「事前協議により実質的に事前了解を得る仕組みとする」との協定を締結したが、原電はその後に「それぞれが納得するまでとことん協議する」と述べるにとどめ、6市村の事前同意権の有無を曖昧にした。さらに、昨年11月には、和智副社長が「拒否権という言葉は協定にない」と発言し、6市村が反発。和智副社長は謝罪し、発言を撤回した。同意権の拡大は、関電の老朽原発運転にも大きな影響を与える。

西川福井県知事、関電の老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機に関する国の説明不足を指摘(1月8日報道)

◆知事は、政府が2030年度の電源構成比率で原発を20~22%とする目標を掲げていることに触れ、「日本のそれぞれの地域でどう実現できるのか。40年を超える運転の必要性や安全性について、国の説明がもっと必要」と指摘し、説明不足の現時点は、再稼働への同意を議論する状況にないとした。

台湾、「2025年までに原発全廃」を決定:アジア初(1月12日報道)

◆台湾の立法院(国会、一院制)は、3原発6基の原子炉を事実上、全て廃炉にすることを盛り込んだ電気事業法の改正案を可決した。代替の再生エネルギー拡大を進める内容。福島原発事故後、欧州ではドイツなどが脱原発に舵を切ったが、アジアでは初めて。

原発和解、次々に打ち切り(1月15日報道)

◆福島原発事故の損害賠償を巡り、昨年以降、集団申し立てを受けた原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)の和解案を東電が拒否し、センターが手続きを打ち切り始めている。少なくとも昨年19件、今年1件(1月10日)あり、打ち切られた住民は1万7千人に上る。住民側は、時間や費用がかかる裁判に訴えるしかなく、反発を強めている。東電は、個人レベルでは多くの和解に応じているが、昨年以降の打ち切りは主に100人以上の住民による申し立てで、国の原子力損害賠償紛争審査会が示した賠償指針を上回る和解案が示されたケース。最も規模が大きいのは、全町避難となった浪江町の町民約1万6千人の申し立てで、東電が拒否。指針を上回る賠償を認めると、別の地域でも増額を求められる恐れがあるためであろう。

経団連中西会長、原発で「大ブレ発言」(1月15日報道)

◆中西会長は年頭のあいさつで「原発ノー」であるかのような発言をしたが、15日の定例記者会見では、一転して「原発の再稼働はどんどんやるべき」と発言し、原発推進の安倍首相に怒られたのでは?などの憶測を呼び、日本財団の笹川会長からは「今や軽団連?」と揶揄(やゆ)されている。なお、同会長は、日立の会長兼執行役員でもあるが、日立の内部からも英国の原発新設事業からの撤退によって3000億円の損失を出した責任を問われている。会長はこの会見で、「原発再稼働を積極的に進めるべきだ。安全性の議論は尽くされていても、地元の理解が得られない。その説得は電力会社だけでできるものではなく、広く議論することが必要だ」と述べているが、一方、後に中西会長は、「エモーショナル(感情的)な反対運動について議論してもしょうがない」、「絶対にダメという方と議論しても始まらない」と述べ、立場を超えた対話は拒否している(3月11日報道)。なお、この右往左往の会長発言は、原子力業界が廃炉ビジネスへ方向転換するための布石ではないかとの見方もある。

規制委、高浜原発に「警報のない津波の影響評価」を要求(1月16日報道)

◆昨年12月インドネシア・スンダ海峡で火山島の噴火に伴う山体崩壊が原因とみられる津波が発生し、その際に警報が発表されなかったことを受けて、規制委は、関電に高浜原発が警報が発表されない津波に襲われた場合の施設への影響を評価し、報告するように求めることを決定した。高浜原発の敷地は標高3.5 mの低地にあり、警報によって防潮ゲートを閉めなければ、津波による過酷事故が起こりかねない。しかし、更田委員長は、「多くの原発の場合は防潮堤の高さが十分であり、施設が深刻な状態になるとは考えられず、直ちに危険ではない」として、稼働中の原発を止めることは要求しなかった。なお、若狭湾の海底にも土砂崩れの跡があるともいわれている。

日立、英原発計画凍結を正式に決定(1月18日報道)

◆日立が英国での原発新設(2基)計画を凍結することを正式に決定し、日本が官民で手掛ける原発輸出計画の全てが頓挫した。福島原発事故後も、成長戦略に原発輸出を掲げ。官邸主導で民間を後押ししてきた安倍政権の責任が問われる。

青森の原野、相次ぐ高額入札(1月24日報道)

◆青森県むつ市のリサイクル燃料備蓄センター(使用済み燃料を最長50年間保管する中間貯蔵施設)の隣の原野(接する道路もない)約4万平方メートルをめぐり、青森地裁で高額入札の競売が繰り返されている。評価額は715万円に過ぎないが、15億円(1回目)、5億1千万円(2回目)、6億1千万円(3回目)、2億4千万円(4回目)で落札した。しかし、いずれも期限内に落札額が払われず、売却に至らなかった(評価額と同額の保証金は裁判所に没収された)。中間貯蔵施設の用地買いへの期待感から高値がついていると考えられる。なお、関電も中間貯蔵地としてむつ市に食指を動かしているが、むつ市長は「許されない」と反発している。

関電、40年超原発再稼働時期を延期(2月5日報道)

◆関電は、2月4日、40年越え老朽原発高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働に関わる安全対策工事の完了時期を高浜で約9カ月、美浜で6カ月遅らせると発表。3基の再稼働時期も同様に遅れる。(関電は、それまで再稼働時期を、高浜1号機で早ければ2019年9月、2号機で20年4月、美浜3号機で20年2月としていた。)関電の収支への影響は計約1080憶円になる見通し。高浜原発での工事の遅れは1昨年1月のクレーン倒壊事故などのトラブルと資機材を置くスペースや輸送ルートなどの見直しが必要になったため、美浜原発では、使用済み燃料プールの耐震補強で地盤をより深く掘削する必要があることが判明したためとしている。工事計画もまともに立てられない関電が老朽原発を安全に運転できるとは考えられない。

玄海原発2号機を廃炉(2月13日報道)

◆九電は、2月13日、老朽化が進んで巨額の安全対策費がかかる玄海原発2号機(1981年3月運転開始、55.9万kW)の廃炉を決定した。再稼働する場合には、「新規制基準」に基づき、テロ対策施設の建設も必要とされるが、そのための土地を確保できないことも廃炉に踏み切る一因。玄海原発1号機(1975年10月運転開始、55.9万kW)の廃炉も2015年に決まっているが、出力が2倍近くの3、4号機(1994年3月、1997年7月運転開始、118.0万kW)は2018年に再稼働している。

原電と8市町が協定(2月20日報道)

◆2038年までの運転延長が認められた日本原電の東海第2原発に関して、30 km 圏内にある8市町と原電が、再稼働などの重要事項について8市町は意見を述べる権利があるとする協定を結んだ。東海村と周辺の5市は昨年3月、再稼働に際して「実質的に事前了解を得る」とする協定を結んでいる。今回協定を結んだのはその周囲で30 km 圏内にある8市町。30 km 圏外ながら原電との交渉に参加してきた小美玉市についても8市町と同等の権利が担保された。

除染土再利用反対61%、処理水海洋放出反対65%:福島県民世論調査(2月28日報道)

◆政府は、福島原発事故の除染作業で出た土のうち、放射性物質濃度の低いものを公共工事で利用する計画を進めている。この土地利用について、福島県民への世論調査を行ったところ、「反対」が61%で、「賛成」27%を大きく上回った。男女差が大きく、男性は「反対」49%、「賛成」40%、女性は「反対」73%、「賛成」14%であった。女性の中でも、40歳代以下で反対が多かった。福島原発では、除去困難なトリチウムを含む汚染水がたまり続けている。この処理水を海に流すことにも「反対」65%、「賛成」19%であった。また、9割が処理水の海洋放出による風評被害に不安を感じると答えた。原発再稼働については、「反対」68%、「賛成」13%と、全国世論調査の「反対」56%、「賛成」32%に比べて、福島県民の方が反対が多かった。国の原子力政策に、原発事故の教訓が生かされているかについて、65%が生かされていない、16%が生かされていると答えた。この調査は、政府の原子力政策が福島の民意を蹂躙していることを示している。

東電、東海第2支援1900億円:安全対策3000億円に膨張(3月2日報道)

◆日本原電が再稼働を目指す老朽原発・東海第2原発の安全対策工事費は、従来想定の2倍近い約3千億円に膨らんでいる。この原発の電気を受け取る東電は、その3分の2にあたる約1900億円を支援することが明らかとなった。中部電、関電、北陸電の3社も支援する。再稼働時期は2023年を想定しているが、周辺自治体から再稼働の了解を得るめどはたっていない。自治体の同意が得られずに廃炉になった場合、東電などは巨額の損失を被る可能性がある。原発事故を起こした東電は、国費投入で実質国有化されたにもかかわらず、再稼働が見通せない他社の原発を支援することに批判が出るのは必至。

関電、原発安全対策費1兆円超:大飯テロ対策に1300億円(3月9日報道)

◆関電は、大飯原発3、4号機の敷地内につくるテロ対策施設の計画をまとめ、規制委に許可申請を出した。施設建設費は1308億円の見込み。関電が原発に投じる安全対策費は、総額1兆円を超えた。

東電、再建厳しさ増す(3月12日報道)

◆福島原発事故で経営危機に陥り、事実上国有化された東電の経営再建への道は、電気の小売り全面自由化で顧客の流出が続く[2019年3月末で、契約先を切り替えた顧客数は558.9万件(小口需要の24.6%):ちなみに関電は229.7万件(約21%)]など、厳しさを増している。東電が2017年5月に公表した経営再建計画では、柏崎刈羽原発の再稼働や火力発電、送配電の再編を進めるとし、2027年度以降に廃炉と賠償に年5000億円を確保し、これとは別に年4500億円の経常利益を上げるとしていた。2017年度の実績は、廃炉と賠償に2867億円を使い、経常利益が2548億円であった。目標達成には合わせて4千億円の積み上げが求められる。2027年度の株価は1株1500円を想定するが、現在は600円。再編統合で、火力は進んでいるが、原発と送配電事業には進展がない。柏崎刈羽6、7号機に必要な審査には合格したが、立地自治体の同意が得られる見通しはない。東海第2原発の電気を購入して販売する方針であるが、安全対策費は当初の1740億円から3千億円規模に膨らみ、東電が支援する資金も1900億円と大幅に増やす案が協議されているが、立地自治体の同意取り付けが難航すると予想される中、新たな負担が増えることが懸念されている。

民間シンクタンク、福島原発処理に最大81兆円試算:経産省の約4倍(3月23日報道)

◆「日本経済研究センター」は、福島原発の事故処理費用は総額35~81兆円になるとの試算をまとめた。溶け落ちた核燃料(デブリ)や汚染水の扱いによって3通りの金額を算出したが、いずれも経産省が2016年12月に発表した22兆円を上回った。最大の81兆円は、汚染水から全ての放射性物質を除去できると仮定し、海など環境に放出しない場合、デブリ取り出しも含めた廃炉・汚染水処理費に51兆円、賠償に10兆円、除染に20兆円が必要とした。デブリを取り出し、取り除くことが困難なトリチウムの残った水は希釈して海洋放出するという国と東電の方針に近い想定では、廃炉・汚染水処理を11兆円として総額は41兆円と見積もった。

原発支援へ補助制度案:売電価格アップを容認:実現なら電気料金増も(3月23日報道)

◆経産省が、原発で発電する電力会社への補助制度の創設を検討している。原発で発電した電気については、発電事業者と小売事業者との間で取り引きする際の市場価格に一定の価格を上乗せすることを認めるというもの。発電事業者は、原発の電気をより高い価格で買ってもらえるため収入が増えるので、事実上の補助金になるとの想定。原発を温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション電源」と位置づけ、「環境への貢献で付加価値をもたらしている」との理屈による。(福島事故など、放射性物質は垂れ流しても「ゼロエミッション電源」???)経産省がこの制度の検討を進める背景には、福島原発事故後、安全対策費用が高騰し、原発で作った電気の価格競争力が低下しているにもかかわらず、原発を推進しようとする意図がある。安倍政権の「エネルギー基本計画」下では、小売事業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度買わざるを得なくなる可能性がある。その負担は基本的には消費者や企業が引き受けざるを得ず、「原発の電気は安い」としてきた政府の説明とは矛盾する。

大熊町避難指示、4月10日に一部解除:立地自治体で初(3月26日報道)

◆福島原発事故で全町避難が続いていた大熊町について、一部地域の避難指示を4月10日に解除することを政府の原子力災害現地対策本部が提案し、町も同意した。政府は放射線量の低下、生活インフラの復旧、復興公営住宅や仮設商業施設西部が進んでいることなどを踏まえたとしているが、いずれも全く不十分であることは明らかであり、住民帰還の動きは鈍い。人間性無視の政策である。対象区域は、大熊町の人口約1万人のうち374人が住民登録している区域に過ぎない。

関電、計画のない第2再処理工場費用(総額12兆円)も電気料金に転嫁:説明なく消費者負担(3月26日報道)

◆関電は、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の事業費に加え、具体的な計画がないウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料再処理工場(「第2再処理工場」)の費用も2017年、18年の料金値下げの際に電気料金に盛り込んでいた。九電をはじめ、他の大手電力も追随する見込み。未計画の「第2再処理工場」の総事業費は過去の試算で12兆円に上り、六ケ所分の計約16兆円と併せて各電力の消費者が負担することとなる。関電は、料金転嫁の事実や負担額を消費者に説明していない。

関電3原発への火山噴火降灰量想定を引き上げ(3月30日報道)

◆関電は、鳥取県の大山が噴火した際の若狭の原発への降灰量を再評価するように規制から求められていたが(昨年12月12日)、降灰量の想定を10 cm から最大で2倍超の21.9 cm(高浜)、19.3 cm(大飯)、13.5 cm(美浜)とする報告書を規制委へ提出した。これについて関電は「現在の建物や設備で耐えられることを確認しており、安全上問題はない」としている。いい加減な想定で審査に合格した原発は即時停止して、再稼働を再検討すべきであろう。なお、このような想定に3桁の数値を出せるほど現在科学は進歩していず、3桁の数値を報告すること自体が科学・技術者の資質を疑わせる。


「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」で、
関電と政府に若狭の原発全廃を決断させましょう!

【5月19日(日)13時より、集会後御堂筋デモ
「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」主催】
集会へのご賛同、ご参加をお願いします。連絡は下記へ。


2019年4月発行
若狭の原発を考える会 連絡先;木原壯林
電話:090-1965-7102
FAX:075-501-7102
E-メール:kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jp


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◆関電が老朽原発推進チラシを福井で配布

【2019年3月29日,京都キンカンで配付】

関電は、老朽原発推進のチラシ(下の緑色枠内)を、
福井で新聞折込み配布しています。

【かんでんトピックス(第54号、2019年3月16日発刊)
「40年を超える原子力発電所ってどうして必要なの?」】
こちら

関電は、何の根拠もない理由を並べ立てて、
老朽原発再稼働を正当化しようとしています。
住民を愚弄するものです。

以下、関電の主張の欺瞞性を指摘します。

①関電は、高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の60年までの運転期間延長について、「原子力規制委員会(規制委)から認可を得た」としています。(チラシの前文)

しかし、規制委の審査は、単に「新規制基準」へ適合するか否かの審査であり、規制委員長も繰り返すように「原子炉の安全を保証するもの」ではありません。

「新規制基準」について、政府や電力会社は「福島原発事故から学んで作成された」としていますが、この基準は、事故から2年余りで、事故収束の目途も立たず、事故炉の内部もほとんど分からず、事故原因も確証されていなかった(今でも事故原因については異論が多数ある)、2013年7月に施行されたものです。こんな短期間で、事故の原因。経過、事故防止対策などを検討し尽くせるはずがなく、「科学的に安全を保証するもの」とはほど遠いものです。

原発の再稼働にお墨付きを与えた「新規制基準」が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことは、下記のように、規制委が適合とした原発の多くがが再稼働前後にトラブルを起こした事実からも明らかです。

◆2015年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、2016年2月の再稼働準備中に1次冷却系・脱塩塔周辺で水漏れを起こし、発電機と送電設備を接続した途端に警報が鳴り響き、原子炉が緊急停止しました。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の2016年7月、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。昨年3月に再稼働した玄海原発3号機は、再稼働1週間後に脱気装置からの蒸気漏れを起こしました(配管に穴が開いたため)。昨年8月末に再々稼働した高浜原発4号機は、8月19日に、事故時に原子炉に冷却水を補給するポンプの油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出されるという、深刻なトラブルを起こしました。

しかも、老朽原発再稼働審査の杜撰(ずさん)さは目に余るものでした。高浜1、2号機審査を例に紹介します。

  • 関電は、高浜1、2号機の新規制基準への適合審査を申請したのは2015年3月ですが、2016年4月に設置許可、6月10日に工事計画認可、6月20日に運転延長認可と、他の原発の審査に比べて、異例の短期間で審査を終えています。審査会合も27回と川内、高浜(3、4号機)、伊方原発審査時の約半分です。しかも、先に申請し、終盤を迎えていた他原発の審査を止めての拙速審査です。規制委からの認可取得期限が2016年7月7日に設定されていたために、規制委が審査を早めて、この期限に間に合わせたのです。
  • 審査の手抜きも目立ちます。例えば、蒸気発生器の耐震性は美浜3号機の実証データで代用し、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばしにしました。

②関電は、「2030年に原子力発電の比率を20~22%としようとする安倍政権のエネルギー基本計画を実現するために原発を進める」としています。(チラシのQ1)

しかし、今、節電・省エネは世界の潮流です。再生可能エネルギーなど、様々な発電法がますます発展し、安価になっています。蓄電法も急ピッチで改良、開発されています。一方、福島原発事故を機に、過剰なエネルギーに依存する生き方を見直そうという流れも大きくなっています。今、原発に依存しようとすることこそ、時代に逆行しているのです。

◆なお、エネルギー基本計画では「脱炭素化」といいながら、CO2排出の多い石炭火力を26%(2030年)にしようとしています。この基本計画が環境に配慮したものでないことは明らかです。

③関電は、「安定的、低炭素の電気を造るためには、将来にわたって、安定供給性・経済性・環境性に優れた原発を一定程度活用することが必要」としています。(チラシのQ1)

しかし、原発はトラブル続きで、長期間かかる定期点検も必要です。何万年もの保管を要する使用済み核燃料や放射性廃棄物を生み出します。運転すれば、事故がなくても、トリチウムなどの放射性物質を環境に放出します。どの点からも、安定供給性・経済性・環境性に優れているとは言えません。

原発では、原子核に閉じ込められていたエネルギーを解放するのですから、地球を温暖化させます。海洋を温暖化させれば、溶解していたCO2 が大気中に放出され、さらに温暖化を加速します。温排水によっても、海の温度は上昇します。核燃料の製造過程でもCO2 が大気中に放出されます。

しかも、原発はなくても電力不足にならないことは、福島事故以降の経験から明らかなのです。

これらのことは、多くの人々が認めるところであり、そのため、脱原発・反原発は民意となり、原発を進める電力会社からの顧客離れが進んでいます。関電からは、すでに小口顧客の約2割が離れています。

④関電は、「関電の責任と判断において安全対策工事を進めている」と述べています。(チラシの前文とQ3)

しかし、前述のように、再稼働を進める全ての電力会社がトラブルを起こしています。これは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉、部品の摩耗などが進んでいることを示しています。また、傲慢で安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。

④-1 関電は、「大型機器やポンプ、配管など取り換えられるものは積極的に取り替え、老朽原発の安全性を確保している」としています。(チラシのQ2)

しかし、取り替えられないもの(原子炉容器、原子炉格納容器、一次系の伝熱細管など)こそ、高放射線にさらされている部分で、最も老朽化が進んでいる部分です。これらの部分は、高放射線ですから、点検も困難です。

④-2 関電は、「老朽原発の交換が難しい部分について、特別点検を行い、規制委から運転延長の認を得たから、安全性は確保できている」としています。

しかし、先述のように、規制委のお墨付を得て再稼働した原発の多くが、再稼働の前後にトラブルを起こしています。電力会社が最も緊張するはずであり、世間も注目している原発再稼働時にトラブルが頻発している事実は、原発の細部にわたる点検は極めて困難であり、見落とし箇所が多数あり、規制委の認可が極めていい加減であることを実証しています。しかも、規制委の審査の多くは、電力会社の自己申告のデータに基づいて行われ、規制委自身が確認したものではありません。

一方、1昨年1月の高浜原発でのクレーン倒壊、度重なる関連会社のヘリコプターからの資材の落下のように、関電の事故・トラブルの原因は、通常では考えられないほどお粗末です。傲慢さに慣れ切った関電は、すでにトラブルを防止する体制を喪失しているとしか考えられません。

◆なお、関電は、老朽原発を今年9月から来年にかけて再稼働させようとしていましたが、2月4日、半年から9カ月遅れると発表しました。1昨年のクレーン倒壊事故などのトラブルによる工事の遅延のためとしています。高浜原発1号機では、去る3月6日にも火災を発生させています。まともに工事予定を立てることもできず、トラブル続きの関電が老朽原発を安全に運転できるとは考えられません。

④-3 関電は、安全対策工事として、「高浜1、2号機では。重大事故時に格納容器からの放射線量を低減するため、格納容器上部外側にドーム状の遮蔽を設置する工事を実施しています」としています。

しかし、福島原発事故では、原子炉建屋が破壊され、膨大な量の放射性物質が建屋外に放出されたのですから、この遮蔽が、重大事故の防止に役立つとは考えられません。(事故後作業の被曝低減には役立つかもしれませんが。)

◆なお、今までの40数年間もこのドーム状の遮蔽がないままだったことが問題です。隣にある1985年に運転を開始した3、4号機はこの遮蔽をつけているのですから、関電は、必要性を認識しながら少なくとも30年以上放置していたことになります。

④-4 関電は、安全対策工事として、「美浜3号機では、使用済み燃料を保管しているラックの耐震性向上のための工事を実施しています」としています。

しかし、使用済み燃料のラックを取り替えたところで、「むき出しの原子炉」ともいわれる使用済み燃料プールの危険性は若干軽減されるだけで、プール本体の倒壊など、重大事故の危険性があることには変わりはありません。

プールに使用済み核燃料を保管しないこと(原発を運転しないこと、使用済み燃料をつくらないこと)以外に、危険を避ける方法はありません。


◆電力会社や原発を推進する政府は、チェルノブイリ原発の事故の後にも「日本の原発は、厳重な安全管理をしているから、事故を起こすはずがない」という「安全神話」で人々を欺いていました。スリーマイル島、チェルノブイリ、福島の原発事故は、それぞれ事故原因や事故の経緯が異なります。原発事故の原因は多様で、福島の事故も、その原因が確定されているとは言えません。事故炉の内部が分かっていないのですから、確定しようがないのです。現在科学技術は、原発の事故原因の全てに対応できるほど進歩していないのです。次の原発重大事故は別の原因で起こる可能性が高く、事故が起これば、原発推進派は「想定外」であったと開き直るでしょう。

◆原発は、万が一にも重大事故を起こしてはならないのですから、人類の手に負えない原発は即時全廃しなければならないと考えます。

◆原発重大事故は、職場を奪い、農地を奪い、漁場を奪い、生活の基盤を奪い去ります。人の命と尊厳を蹂躙(じゅうりん)します。

若狭を第2の福島にしてはなりません!

「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」で、
関電と政府に若狭の原発全廃を決断させましょう!

【5月19日(日)13時より、「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」主催】


2019年3月発行
若狭の原発を考える会 連絡先;木原壯林(090-1965-7102)


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