◆再稼働を許さず、重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

【2017年6月23日,京都キンカンで配付。今後、若狭でのアメーバデモで配布予定】

原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発が極めて事故率の高い装置であることは、過去40年間に稼働した世界の原発570余機の中の9機が大事故を起こしていること(5機は炉心溶融事故)からも明らかです。また、原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

◆福島原発事故から 6 年と3ヶ月経ちましたが、避難された10 数万人の多くは今でも故郷を奪われたままです。長期の避難生活が健康をむしばみ、家族の絆を奪い、大きな精神的負担となっています。多くの方が、避難の苦痛で病死され、自ら命を絶たれました。癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。福島事故から4年経った一昨年から、自殺者が急増しています。原発事故でなければ、もう復興の目途が立っているはずですが、原発事故は、復興の希望も奪っているのです。

◆一方、事故炉内部の調査は、ミューオン(宇宙線の1種)を使った透視や各種のロボットの投入によって行われれていますが、高放射線のため、今でも溶け落ちた燃料の存在場所の全体像すら分っていません。また、事故原因も解明したとするには程遠い状態です。。汚染水対策の切り札と言われた凍土壁は、完全には凍らず、その効果を発揮していません。汚染土壌を詰めたフレコンバッグは、放射線分解と風化によってボロボロです。したがって、事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は今も解除されていません。それでも政府は、今年3月から年間空間放射線量が20ミリシーベルト(国際放射線防護委員会が勧告する平常時の管理基準年間1 ミリシーベルトの20倍でチェルノブイリの移住義務基準の4倍)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者(子供を含む)の帰還を強要しています。

◆政府は昨年末に、事故を起こした福島原発の廃炉費、除染費、被害を受けた人々への賠償費などの事故対策費の総額は想定の11兆円を大幅に上回り、21兆5000億円に膨れ上がったと発表しました。ただし、この経費は、事故を起こした原子炉の内部も分からず、溶融核燃料がどこに、どの程度あるかも分からない現時点での試算ですから、額はさらに膨れ上がるともいわれています。原発は、事故や使用済み核燃料の保管を考え合わせれば、経済的にも成り立たないことは明らかです。

反原発・脱原発が民意です

◆上記のように、原発は人類の手に負える装置ではありません。一方、福島事故以降の経験から、原発は無くても不都合がないことを学びました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません。そのため、日本でも、脱原発、反原発は社会通念=民意 となっています。

◆本年2月の朝日新聞、3月の毎日新聞の世論調査でも、原発再稼働反対がそれぞれ57%、55%で、賛成のほぼ2倍でした。一昨年2月から11月に伊方町で実施された住民アンケートでは、伊方原発再稼働に反対が53.2%、賛成は26.6%でした。昨年12月には、高浜原発の地元・音海(おとみ)地区の自治会が老朽原発運転延長反対を決議されました。また、高浜原発のクレーン倒壊事故以降には、高浜原発全ての再稼働にも反対されています。若狭の他の地域でも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費や維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵を切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、最近では、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、設計寿命(30年)を10年超えた古里原発1号機の永久停止を決定しました。文在寅(ムンジェイン)新大統領は「新規の原発建設計画は全面的に白紙撤回する」と脱原発を宣言しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、シェールガス発電などに比べても経済的に成り立たないとして、原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭の原発は老朽原発です:
原発の危険度は運転年数とともに急増します

◆原発は本来事故の確率が大きい装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。したがって、韓国の古里原発1号機(40年越え)が永久停止され、若狭でも、2015年に、当時45年あるいは43年越えであった敦賀1号機、美浜1号機、2号機の廃炉が決定されています。

◆しかし、昨年、原子力規制委員会(規制委)は、関電、政府の意を受けて、運転期間を原則40年に制限する制度・「40年原則」を無視して高浜原発1号機(43年越え)、2号機(42年越え)、美浜3号機(41年越え)の20年間運転延長を適当としました。これは、「2030年の電源構成で、原発比率を20~22%とする」という、安倍政権のエネルギー政策に迎合し、政治や経済のためには、安全・安心を犠牲にしても原発を運転しようとするものです。原発新設は望めないから、安全はないがしろにしても、老朽原発を活用して目標を達成しようとしているのです。

◆若狭のその他の原発、高浜3号機(32年越え)、4号機(32年越え)、大飯1号機(38年越え)、2号機(38年越え)、3号機(26年越え)、4号機(24年越え)の老朽化も進んでいます。

◆老朽原発の危険度が急増すると考える多くの理由のうちの2例を以下に述べます。

①原発の圧力容器、配管等は長期にわたって高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(ぜいか:金属などが軟らかさを失い、硬く、もろくなること)、腐食(とくに、溶接部)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です(下記【注】をご参照下さい)。電気配線の老朽化も問題です。

②老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。

【注】老朽原発圧力容器の脆性破壊
金属は、ある程度の軟らかさを持っていますが、高温で中性子などの放射線にさらされると、硬化しやすくなり、脆(もろ)くなります。脆くなると、ガラスのように、高温から急冷したとき破壊されます。原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で放射線にさらされています。この鋼鉄が脆くなる温度は、、運転時間と共に上昇します。例えば、初期には‐16℃で脆くなった鋼鉄も、40年間炉内に置くと100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。したがって、老朽原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が破裂する危険があります。

MOX燃料・プルサーマル炉はさらに危険です

◆高浜原発3、4号機は、元々ウラン酸化物を燃料とする軽水炉ですが、現在は、燃料の一部をウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料で置き換えて(プルサーマル化して)運転しています。関電は、大飯原発3、4号機のプルサーマル化も画策しています。一部燃料のMOX化には技術的な課題が山積です。それでも、規制委は「厳しい新規制基準の下では、MOX燃料かどうかは議論にならない」として新規制基準適合審査では、ウラン炉心のみを解析対象とし、MOX使用については何の評価もしていません。プルサーマル炉が重大事故を起こしやすいと考える理由の例を以下に述べます。

①燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食する。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる。

②ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。

使用済みになったMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。

④MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であるが、再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物、など全ての点で危険度と経費が膨大に増える。なお、再処理工場は稼働の見通しもない。

無防備で、脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プールは
もうすぐ満杯です

◆原発を運転すると、

①核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。また、
②核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します。さらに、
③核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。関電の廃炉が決まっていない原発の全て(9基)が運転されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉本体の上部あるいは横に設置されていて、燃料集合体はプール内に臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。

使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければお手上げです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて2~3年以内のものであれば、冷却水喪失で燃料溶融に至ります。一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(セシウム137など)が世界を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、プールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増します

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。

原子力機構、傲慢(ごうまん)、杜撰(ずさん)な
「原子力ムラ」体質を露呈

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日、茨城県の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究所で、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)の酸化物粉末(U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生した。U・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人が被曝したという。最悪の内部被曝で、発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い、知識不足の原子力機構、隠ぺい体質の「原子力ムラ」

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入されたが、内部の点検は26年間されていなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされる。尋常な量ではない。

◆このU・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面の窓は、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なPuはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内で扱わなければならない。しかも、今回のPuの量はフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明しました。Pu-239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射します。したがって、多量のPuを長期保管していれば、ヘリウムが蓄積し、これにビニールなどの放射線分解によるガスが加われば、密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識です。上記の説明は、原子力機構がこのような常識すら忘れ去っていることを示しています。なお、原子力機構は、22日になって、放射性物質の粉末を固定するためにエポキシ樹脂を用いていたことを明らかにし(本チラシの著者注:Puを吸入して内部被曝しているので、粉末が完全に固定されていたとは考えられない)、「この樹脂が放射線分解されてガスを出す可能性は否定できない」と発表した。

◆原子力機構の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがありません。日本最大の研究機関・原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)しているのです。原子力を安全に利用できる筈がありません。

◆なお、6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」 など、事故を過小評価する言辞が目立ちます。さらに、その後、被曝者の搬送先・放射線医学総合研究所は、あたかもPuの内部被曝は無かったような発表をしています。Puと共存するアメリシウムが検出されていますから、Puも吸収されたと考えるのが当然ですが、知識不足あるいは隠蔽のためです。19日には、被曝者の尿からPuが検出されたことを「微量である」というコメント付きで発表し、Puの内部被曝を認めましたが、尿に出てくるほどの被曝は相当深刻です。

◆事故を深刻に受け止める姿勢を欠いた「原子力ムラ」体質が、福島事故を拡大したことへの反省が全く感じられません。

◆この事故と、1昨年再稼働した川内原発1号機での復水器冷却細管破損、昨年の高浜原発4号機での1次冷却系での水漏れ、発電機と送電設備の接続不具合による原子炉が緊急停止、伊方原発3号機での1次冷却水系ポンプでの水漏れなどの事故、関電の関連企業が、昨年、運搬中の鉄塔工事用の資材1トン近くをヘリコプターから落下させた2度の事故、今年1月の高浜原発でのクレーン倒壊事故などを考え合わせるとき、

「原子力ムラ」に原発を安全運転する能力、資格、体質が
無いことは明らかです。
重大事故が起ってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原子力機構で過去最大の内部被曝

【2017年6月9日,京都キンカンで配付。】

極めて杜撰(ずさん)なプルトニウムの取り扱い
原子力機構で過去最大の内部被曝

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日の11時過ぎ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(原子力機構:JAEA)大洗研究研究所開発センターにある燃料研究棟(高速炉などの燃料を研究開発する建屋)では、ウランやプルトニウムの酸化物粉末(以下、U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生していた。このU・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器(手のひら大)に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人(原子力機構職員2人、協力企業職員3人)が被曝したという。

◆5人のうち4人については、肺からもプルトニウムやアメリシウムが検出される内部被曝であった。4人の肺に吸入されたプルトニウム239の測定値は、22,000、14,000、6,000、5,600ベクレルとされ、残る1人も内部被曝の可能性があるという。22,000ベクレルの被曝者は、肺以外の部位を含めると36万ベクレルの内部被曝をしたと推定されている。国内では、前例のない最悪の内部被曝と報道されている。発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入され、年に1回程度は容器の外観を検査していたが、内部は26年間一度も点検していなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされるがウラン、プルトニウムの割合は明らかでない。仮にプルトニウムが2割程度であったとしても尋常な量ではない。

◆一方、U・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面には開閉できる窓はあるが、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なプルトニウムはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内(内部の圧力は外部より低くしてある)で扱わなければならない。

◆今回の場合、ビニール袋に密閉されているから大丈夫と安易に考えて、フード内で取り扱ったものと考えられるが、放射線によるビニールの劣化やガス発生(後述参照)は、プルトニウム扱い経験者なら当然予測できることであるから、原子力機構は慎重さに欠け、安全軽視に慣れ切った組織と非難されても当然であろう。しかも、プルトニウムの量がフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。作業者は、防護服を着用し、ゴム手袋の上に綿手袋をかぶせ、半面マスクで顔を覆っていたとされるが、装備(とくにマスク)にも不備があったと考えられる。

知識不足の原子力機構

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明している。プルトニウム239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射する。したがって、多量のプルトニウムを長期保管していれば、ヘリウムの蓄積によって密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識である。上記の説明は、原子力機構(少なくとも記者会見に関わった職員)がこのような常識すら持ち合わせていないことを示している。

◆原子力機構は、1956年に発足した日本原子力研究所(原研)と原子燃料公社(原燃)が2005年に統合されて設立された国内最大の研究開発機関(国立研究開発法人)であり、2015年現在の常勤職員数は3683人で、1954億円の予算を有している。前身である原研は統合までその名称を維持したが、原燃は事あるごとに名称を変更し、1967年に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)、所管の「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故を起こした翌年の1998年には核燃料サイクル機構と改称している。原子力機構の原燃系部署の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがない。原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)している。原子力を安全に利用できる筈がない。

プルトニウムの内部被曝は深刻、排出薬剤の効果は疑問

◆先述のようにプルトニウム239は、アルファ粒子を放射する。この、アルファ粒子は空気の中を 4 cm 程度しか飛ぶことが出来ず、紙一枚で遮蔽できる。ガンマ線は、数m飛ぶので、遠くからでもガンマ線を出す物質の存在を知ることが出来るが、プルトニウムは4 cm程度以内に近寄らなければ検出できない。このことは、プルトニウムが体内に取り込まれたとき(内部被曝)、アルファ粒子が持つエネルギーの全てが体内で失われ、DNAなど体内の物質が破壊される(その結果、例えば、癌化する)ことを意味する。

◆プルトニウム239からのアルファ線が持つエネルギーは5.16 MeV(ミリオンエレクトロンボルト;100万電子ボルト)あるいは5.46 MeVであり、体内で物質を結合させている化学エネルギー[数eV(エレクトロンボルト;電子ボルト)以下]に比べて100万倍以上であり、原理的には、1個のアルファ粒子の放出で100万個以上の生体物質が損傷することになる(実際にはそんなに効率は高くない)。今回の内部被曝36万ベクレルとは、1秒間に36万個のアルファ粒子が放出されることを示す。

◆一方、プルトニウムは、体内に取り込まれたら、そのすべてを排出させることは難しい。体内での滞留の仕方は体の部位によって異なるが、長く滞留する部位では、生体半減期(取り込まれた物質の半分が排出されるまでの期間)が50~200年と言われている。なお、プルトニウム239自身がアルファ粒子を放出して、その半分がウラン235に変化する期間(半減期)は約24,100年である。

◆内部被曝で取り込まれたプルトニウムの対外への排出は、キレート剤(プルトニウムのような金属と結合し易い薬剤)によって促されると言われているが、効果は未知数であり、完全な排出は期待できない。とくに、難溶性のプルトニウム酸化物が肺胞などに沈着した場合、その排出は難しい。また、キレート剤は、体内の有用元素(プルトニウムとは異なる元素)と結合し、薬害(副作用)をもたらす可能性もある。

初期の発表には事故を過小評価する姿勢

◆6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」など、事故を過小評価する言辞が目立つ。事故を深刻に受け止める姿勢が欠如した「原子力ムラ」体質が、福島原発事故を拡大したことへの反省が感じられない。

報 告

「6.6 高浜原発うごかすな!現地集会」と関連新聞記事

◆5月17日の関電高浜原発4号機の再稼動に続いて、3号機の再稼働が、6月6日、多くの反対の民意を踏みにじって強行された。

◆「若狭の原発を考える会」は、現地緊急行動を呼びかけ、5日には高浜町でアメーバデモを展開し、6日早朝には出勤してくる町役場職員へのチラシ配布の後、高浜原発周辺や舞鶴東部の集落の各戸にもチラシ配布を行った。

◆6日正午には、高浜原発奥の展望所に、福井、近畿各地、東京、福島、愛媛、徳島など全国の原発再稼働を憂う市民が、続々とマイクロバスやマイカーで結集した。展望所からは、美しい若狭湾にはそぐわない高浜原発が一望できる。

◆緊急抗議行動の参加者120人は、午後1時 から高浜原発北ゲート前まで力強くデモ行進し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた後、関電への申しれを行った。その後も若い仲間の力強いコールなど、果敢な抗議行動は続けられた。

takahamaugokasuna

◆午後2時、3号機再稼働のスイッチが押されたという知らせが伝えられると、高浜原発に向けての怒りの声は一段と大きくなった。怒りの歌も始められる。今、同時刻に沖縄辺野古で闘う仲間を思い、『座り込めここへ』も歌われた。伊方原発地元の闘い、通産省前座り込み、地元・高浜町の闘う仲間、滋賀の市民運動、前々日の京丹後Xバンドレーダー基地反対集会に参加のため訪日されたサードミサイル配備反対を闘う韓国の市会議員、福島の闘う女性などの連帯の挨拶が続いた。

◆最後に、「原発全廃まで闘い続けよう」との締めのあいさつの後、関電本店や安倍政権まで届けとばかりの力いっぱいのシュプレヒコールを全参加者で唱和し、3時過ぎに解散した。

◆2017年6月7日 京都新聞朝刊(↓)

2017-06-07

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆使用済み核燃料は超長期に危険

【2017年6月2日,京都キンカンで配付。】

人類史より長い未来にまで危険と不安を残す
使用済み核燃料を増やしてはなりません!

高浜原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発を運転すると、次のような原発運転に不都合な事態が生じます。

・核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。

・核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します(注1参照)。

・核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

◆したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや青森県六ケ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆国の計画では、全国の使用済み核燃料は六ケ所村に移送し、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途(めど)は立っていません。危険極まりないこの工場の運転は不可能とも言われています。再処理工場にある容量3,000トンの使用済み燃料一時保管場所の98%はすでに埋まっています。

【注1】 使用済み核燃料の組成

使用前のウラン燃料(3% 濃縮ウラン燃料) 1 t 中には、ウラン238が 970 kg、ウラン235が 30 kg 含まれますが、燃焼後、交換が必要になった時点では、ウラン238が 950 kg、ウラン235が 10 kg に減少し、プルトニウムが 10 kg、核分裂生成物生成物が 30 kg が生成しています。

使用済み核燃料の行き場はない

現在科学技術で核燃料再処理は不可能

◆使用済み核燃料は、原子炉から取り出し、原子炉に付置された燃料プールで一定期間(3~5年)冷却して、放射線量と発熱量が空冷保管できるまで減少した後、特殊な容器(キャスク)に入れて保管します。

◆使用済み核燃料の処理・処分には2つの方向があります。

◆一つは、使用済み核燃料を溶解し、核燃料として再利用できるウランやプルトニウムを分離回収して、プルサーマル炉や高速増殖炉で燃料として利用しようとする(核兵器にも利用できる)、いわゆる再処理です。日本はこの方向ですが、後述のように、危険極まりない再処理工場の稼働は遅れに遅れています。

◆他の一つは、使用済核燃料を再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中の施設に保管する「直接処分(ワンスルー方式)」です。「直接処分」の方が安全で、放射性廃棄物量も少ないと考えられ、アメリカはその方向ですが、10万年以上の保管を要し、これにも多くの問題があります。

◆再処理にあたっては、使用済み核燃料を再処理工場サイトにある貯蔵施設に運びます(日本では、青森県六ケ所村)。再処理工程では、燃料棒を切断して、鞘(さや)から使用済み燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解します。溶解までの過程で、気体の放射性物質(希ガスなど)が放出されます。白金に類似した物質は溶け残ります。溶解したウラン、プルトニウム、核分裂生成物(死の灰)などを含む高濃度硝酸溶液中のウラン、プルトニウムは、これらの元素と結合しやすい試薬を含む有機溶媒を用いて取り出し(溶媒抽出)、さらに精製して核燃料の原料とします。この過程で、硝酸の分解ガスが発生し、爆発したこともあります。また、死の灰などの不要物質が、長期保管を要する高レベル(高放射線)廃棄物として大量に発生します。その処理処分法は提案されてはいますが、問題山積です。保管を受け入れる場所もありません。

◆使用済核燃料は高放射線ですから、再処理工程の多くは、流れ系を採用し、遠隔自動操作で運転されます。そのため、再処理工場には、約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300 km にも及びます(うち、ウラン、プルトニウム、死の灰が含まれる部分は約60 km:継ぎ目の数は約26,000箇所)。高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸を含む溶解槽や配管(とくに継ぎ目)の腐蝕、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がありません。長い配管を持つプラントが、地震に弱いことは容易にうなづけます。再処理工場は完成からは程遠い状態にあります。

再稼働が続けば、若狭の原発の燃料プールも7年で満杯

◆上記のように、再処理は不可能に近い状態ですから、使用済み核燃料は蓄積の一方です。若狭にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。新規制基準審査未申請の2機を含めた関電の原発9基が運転されれば、年間約370体の使用済み燃料が発生しますから、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

高浜原発3号機再稼働を許すな!6日(火) 高浜原発現地集会に総結集しよう!

・12時;高浜原発先の展望所に集合、
・13時;高浜原発北ゲートに向かってデモ、
・13時30分;関電への申入れ、
・17時30分頃まで抗議行動

京都(9時:JR京都駅南バスプール)、大津(9時;JR大津駅・逢坂支所前、9時10分;JR大津京駅前)よりバスを配車の予定。
・バスを利用して、ご参加下さる方は、早めに、090-5676-7068橋田(京都発)、080-5713-8629稲村(大津発)までお申し込みください。

無防備で脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プール

◆一般的に、使用済み核燃料貯蔵プールは、沸騰水型(BWR)原子炉では原子炉本体の上部に、加圧水型(PWR)では原子炉本体の横に設置されていて、被曝をせずに使用済み燃料を圧力容器からプールに移送できるようになっています。このプールには、燃料集合体が臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。このプール内には最大で、10炉心分の燃料が保管されています。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければ、お手上げです。このように、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発事故で、4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて、かなりの年数(例えば、3~5年)が経ったものであれば、放射線量、発熱量もある程度は減少していますから、燃料溶融(メルトダウン)に至るまで少々はゆとりがありますが、もし、取り出して間もない燃料が露出することになれば、燃料溶融に至ります。

◆一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(例えば、セシウム137)が世界中を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、波の力によるプールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増する

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。再稼働を阻止し、原発を全廃し、重大事故の不安のない社会をつくりましょう!

安易に乾式中間貯蔵所を作り、燃料プールを空けて、
原発の運転を継続する企(たくら)みは許されない

◆上述のように、原子炉から取り出して間もない使用済み核燃料の保管は、極めて危険です。したがって、原発を運転して、使用済み核燃料を生じさせてはなりません、一刻も早く全原発の廃炉を決意し、使用済み燃料を危険度の低い乾式貯蔵が可能な状態にしなければなりません。また、数万年もの長期間にわたって使用済み核燃料を、安全に乾式貯蔵する技術と体制を整えなければなりません。

◆今、使用済み燃料プールが満杯に近付いています。満杯になれば、原発の運転は不可能になります。そこで、原発敷地内に中間貯蔵所を設けて、そこに使用済み燃料プールから燃料を移し、空いたプールにさらに使用済み燃料を貯蔵できるようにして、原発を運転し続けようとする企みがあります。この企みが拡大すると、際限なく使用済み核燃料が増え、原発敷地内は使用済み核燃料で溢れ、原発の危険度は急増します。

◆なお、中間貯蔵を原発敷地内で行うことを認めれば、使用済み燃料を引き受けてくれる場所のない現状では、原発立地が長期保管地になりかねません。使用済み燃料の保管は、例え膨大な費用を要しても、現存する最高の技術と英知を結集した施設で行わなければなりません。そのような施設の建設を、人の命や尊厳より経済的利益を優先する電力会社に期待することはできません。

プルサーマル炉は発熱量が下がり難い使用済み核燃料を生む

◆高浜原発3、4号機のようなプルサーマル炉は、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)を燃料としていますが、核分裂によってMOX燃料から生じる元素は、ウラン燃料から生じるものとは異なり、使用済み核燃料になったとき、放射線量や発熱量の減少速度も異なります。使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にはなりません。取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍です。また、使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要します。MOX燃料は、その意味でも、極めて厄介な核燃料です。

最近の経験は、原発はなくても電気は足りることを実証しました。重大事故を起こしかねず、危険極まりない使用済み燃料を生む原発を動かす必要はありません。

原発の稼働は、電力会社の金儲けのためです。

原発事故は自然災害とは異なります。自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。

原子力防災とは、避難計画ではありません。不可能な避難を考えるより、事故の原因である原発を廃止することが原子力防災です。原発全廃こそ原子力防災です。

重大事故が起こってからでは遅すぎます。原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月1日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆若狭の原発が持つ特殊な問題

【2017年5月26日,京都キンカンで配付。】

高浜原発の再稼働を許さず、
原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう。

◆原発が極めて事故率の高い装置であることは、過去40年間に稼働した世界の原発570余機の中の9機が大事故を起こしていること(中でも5機は最も深刻な炉心溶融事故)からも明らかです。

◆その上、若狭の原発には次のような特殊事情があり、福島原発事故以上の被害をもたらす重大事故の可能性が高いと考えられます。

若狭の原発が持つ
特殊な問題

【1】原発13 基「もんじゅ」、「ふげん」が集中

20170526

・重大事故の場合、1基に留まらない

◆高浜原発、大飯原発は同じ敷地内に各々4基、美浜原発、敦賀原発、「もんじゅ」、廃炉中の「ふげん」は近接していて、合計7基の原子炉がある。このように原子炉が近接しているとき、一基が重大事故を起こせば、隣の原発にも近寄れなくなり、多数の原子炉の重大事故に発展しかねないことは、3基がメルトダウンし、3基が水素爆発した福島原発事故が教えるところである。

・原発依存度が高く、広域の自治体が原発を推進

◆例えば、川内原発では、原発推進の立場をとるのは原発立地の薩摩川内市のみであり、隣接するいちき串木野市、阿久根市、出水市、日置市、さつま町などは、再稼働への地元同意の対象外とされたことへの不満と再稼働への異議は多い。いちき串木野市での緊急署名では、再稼働反対が市民の過半数であった。

◆しかし、若狭ではこの地域の1市、3町が原発立地で、原発推進の立場に立っている。これらの自治体の原発依存度は、薩摩川内市に比べても圧倒的に高い。したがって、脱原発、反原発の声を上げ難い。ただし、表だって声には出さないけれども、脱原発、反原発を望む住民は極めて多く、とくに、老朽原発運転反対は大多数である。

【2】100 km 圏内に数千万人が住む;避難は全く不可能:1,450 万人の水源がある

◆高浜原発から50 km圏内には、京都市、福知山市、高島市の多くの部分が含まれ、100 km圏内には、京都府(人口約250万人)、滋賀県(人口約140万人)のほぼ全域、大阪駅、神戸駅を含む大阪府、兵庫県のかなりの部分が含まれる。このことと福島原発から約50 km離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合わせれば、高浜原発で重大事故が起こったとき、500万人以上が避難対象となる可能性があり、避難は不可能である。しかし、政府や自治体が行う避難訓練では、そのことが全く考えられていない。この圏内には琵琶湖があり、1,450万人の飲用水の汚染も深刻な問題である。

◆さらに、避難訓練には、原発事故での避難は極めて長期に及ぶ(あるいは永遠に帰還できない)という視点がない。福島およびチェルノブイリの事故では、今でも避難された10数万人の大半が故郷を失ったままである。

◆昨年8月27日に高浜原発から30 km圏の住民179,400人を対象にして行われた避難訓練は、最大規模と言われながら、参加者数は屋内退避を含めて7,100人余りで、車両などでの避難に参加したのはわずか約1,250人であった。それも県外への避難は約240人に留まった。この規模は、重大事故時の避難の規模とはかけ離れた小ささである。車道などが使用不能になったことを想定して、自衛隊の大型ヘリによる輸送訓練も予定されていたが、強風のために中止された。また、悪天候のため、船による訓練は全て中止された。老人ホームなどへの事故に関する電話連絡は行われたが、実際行動の必要はないとされた。

【3】高浜、大飯、美浜原発は加圧水型(PWR):沸騰水型(BWR)より安全とは言えない

◆原子力規制委員会や政府は、加圧水型原子炉(PWR)は、沸騰水型原子炉(BWR)より安全であるとして、PWRである川内、高浜、大飯、伊方、泊などの原発の再稼働を先行させようとしているが、これは、「事故を起こした福島原発とは型が異なるから安全」とする国民だましである。以下に述べるように、過酷事故はBWRよりPWRの方が起こりやすく、起こると急激である。

◆福島原発事故の32年前(1979年)に炉心溶融事故を起こしたスリーマイル島原発(TMI)はPWRであった。

◆高浜原発(PWR)の炉内圧力は約150気圧で、福島原発(BWR)の約70気圧の倍であり、配管が破断したとき、噴出する冷却水の量と勢いは格段に大きい。事故発生から炉心溶融まで、PWRでは1時間程度(TMIの例)、BWRでは5~12時間(福島事故の例)と推定される。出力密度がBWRの約2倍であり、それだけPWRの方が炉心溶融しやすい。

◆PWRの方が、中性子照射量が多いため、材料の照射劣化が進行しやすい。加圧熱衝撃を受けると、高圧と相まって、原子炉容器の破裂事故(最悪の事故)を招きやすい。この危険性は、中性子などの放射線照射量に応じて大きくなるため、原発老朽化は大問題である。なお、高浜1号機は42年、2号機は41年、3号機は32年、4号機は31年(6月5日で32年)を経過した、何れも老朽原発である。

TMI(スリーマイル島原発)事故が教えるPWRの危険性

◆過酷事故時の挙動が福島原発より複雑である。例えば、PWRでは燃焼によって生成したプルトニウムの偏りが起こり易く、炉内での核分裂挙動が複雑となり、運転判断を誤らせる。

◆PWRでは、格納容器内でも水素爆発が起こる。BWRは窒素を充填しているため、格納容器内では水素爆発は起こらない(福島事故は全て格納容器外)。

◆TMIでは、電源は正常であったが、炉心溶融が起こった。

【4】ウラン―プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料プルサーマル炉・ 高浜3、4号機

◆既存原発のプルサーマル化は、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉のウラン燃料の一部をMOX燃料で置き換えて運転するので、技術的な課題が多い(全MOX炉も制御困難)。なお、原子力規制委員会審査における重大事故対策の有効性評価の解析対象は、ウラン炉心のみであり、MOX炉心については何ら評価されていない。過酷事故を起こしたときには、猛毒のプルトニウムや超プルトニウム元素が飛散して、深刻な内部被ばくを起こす危険性も格段に高い。

重大事故の確率が大きい

◆燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食する。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる。

◆MOXにすれば融点は上るが、熱伝導率は下がり、電気抵抗率が上がり、燃料温度が高くなり、溶けやすくなる。

◆核燃料の不均質化(プルトニウムスポット)が起こりやすい。

◆ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進みやすく、特に中性子吸収断面積の大きいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。さらに進むと、核分裂反応が阻害され、臨界に達しなくなり、核燃料として使用できなくなる。事故が発生した場合には従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなる。

◆中性子束(密度)が大きく、高出力。したがって、MOX燃料装荷によって 運転の過渡時(出力の増減時)に炉の制御性が悪くなる。(1/3程度しかMOXを装荷できない。)

◆一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れると、発熱量にムラが生じる。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなる。

使用済みMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難い

◆発熱量が下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。使用済み燃料保管プールが、脆弱であり、冷却水を喪失しやすいことは、福島原発4号機のプールが倒壊寸前であった事実からも明らかである。

◆取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍である。

◆使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要する。

MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須

◆再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物、など全ての点で危険度と経費が膨大に増える。(冷戦終結後、ウラン資源の需給は安定しており、再処理費までMOX燃料の製造コストの一部と看做すと経済的に引き合わない。)

【5】関電や政府は、40年越え老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機の再稼働を企む
(高浜3、4号機も32年、31年の老朽原発)

原発は事故の確率が高い装置であるが、老朽化すると、重大事故の確率が急増する。次のような理由による。

◆高温、高圧、高放射線に長年さらされた圧力容器、配管等の脆化(ぜいか:もろくなること)、腐食は深刻。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化(下記注を参照)は深刻。電気配線の老朽化も問題。

◆建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分は多数あるが、全てが見直され、改善されているとは言えない。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)。最近は、安全系と一般系のケーブルの分離敷設の不徹底なども指摘されている。

◆建設当時の記録(図面など)が散逸している可能性があり、メンテナンスに支障となる。

◆建設当時を知っている技術者は殆どいないので、非常時、事故時の対応に困難を生じる。

◆とくに、ウラン燃料対応の老朽原発でMOX燃料を使用することは炉の構造上問題山積である。

【老朽原発圧力容器の脆性破壊】

◆原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で中性子などの放射線に曝(さら)されている。この鋼鉄は、高温ではある程度の軟らかさを持っているが、温度が下がると、ガラスのように硬く、脆くなる。圧力容器は原子炉運転期間が長くなると、硬化温度[脆性遷移温度]が上昇する。例えば、初期には‐16℃で硬くなった鋼鉄も、1、18、34年炉内に置くとそれぞれ35、56、98℃で、40年を超えると100℃以上で硬化するようになり、脆くなる。原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が脆化していれば、破裂する危険がある。

◆初期(未照射)の鋼鉄は、水冷では破壊されない。とくに、不純物である銅やリンの含有量が多い鋼鉄で出来た老朽圧力容器の脆化は著しい。なお、脆化の機構は解明しつくされたとはいえず、脆性遷移温度の評価法にも問題が多い。

 最近の経験は、原発はなくても電気は足りることを明らかにしました。重大事故を起こしかねない原発を動かす必要はありません。原発の稼働は、電力会社の金儲けのためです。

 原発事故は自然災害とは異なります。自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。

 原子力防災とは、避難計画ではありません。不可能な避難を考えるより、事故の原因である原発を廃止することが原子力防災です。原発全廃こそ原子力防災です。

 重大事故が起こってからでは遅すぎます。原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

【ニュース】

① スイスが脱原発を含む新エネルギー法を可決

スイスでは、5月21日、原発の新設禁止、風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーを推進する新法の是非を問う国民投票が行われ、賛成58.2%の賛成多数で可決された。原発は人類の手に負える装置でないことを教えた福島事故を真剣に受け止めた結果である。スイスには5基の原発があり、1基は2019年に閉鎖予定。残りの閉鎖時期は未設定。現在のスイスの電力は、60%が水力、35%が原発である。

◆なお、スイスのみでなく、ドイツ、イタリア、リトアニア、ベトナム、台湾がすでに原発を断念し、アメリカまで脱原発に向かっている。

② 原子力規制委、大飯原発3、4号機を「新規制基準」適合とする「審査書」を決定

◆規制委は5月24日、事実上、大飯原発3、4号機の再稼働を認める「審査書」を正式決定した。規制委員長が何度も公言するように「新規制基準」は安全を保証するものではない。したがって、規制委審査は、再稼働のための手順の1つでしかない。関電は秋以降の再稼働を企んでいる。断固たる大衆行動、裁判闘争によって、再稼働を阻止しよう!

2017年5月26日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆重大事故の不安のない社会を!

【2017年5月19日,京都キンカンで配布。高浜原発4号機再稼動前に若狭でのアメーバデモでも配布】

現在科学技術で原発の安全確保、
使用済み燃料の処理は不可能です。
原発は、経済的にも成り立たない装置です。

福島原発事故以降の経験は、原発はなくても
電気は足りることを実証しました。

高浜原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう。

◆3月28日、大阪高裁は、高浜原発3.4号機の運転停止仮処分の抗告審で、関電の主張のみを追認し、高浜原発運転差止め決定をくつがえしました。圧倒的多数の脱原発、反原発の民意を踏み躙る決定です。関電の主張では、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”を「安全基準」とし、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」とし、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」としています。「新しい安全神話」を作ろうとするものです。関電や原発産業の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものです。

◆今、ほとんどの世論調査で、脱原発、反原発の声は原発推進の声の2倍を超えています。国際的にも、イタリア、ドイツに続いて、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発を決意し、アメリカも原発縮小に向かっています。それは、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島の大惨事を経験して、原発は、科学技術的に人類の手に負えるものでなく、経済的にも成り立たないことを悟ったからです。

関電は、大阪高裁の決定を受けて、高浜原発4号機を5月17日、3号機を6月上旬に再稼働させようとしています。これらの原発は、約31年を経過した老朽原発で、しかも、事故の可能性が高いウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)を燃料としています。再稼働を許してはなりません。

原発は、現代科学技術で制御できない(そう考える根拠)

高浜原発再稼働の風雲が急を告げる今、原発は現代科学技術で制御できず、人類の手に負える装置でないと考える理由を以下のように整理してみました。ご参考にされて、原発について考えていただければ幸いです。

1. 核反応エネルギーは化学反応エネルギーの100万倍

◆人類の生存している環境は化学反応で維持されています。この化学反応はeV(エレクトロンボルト)という単位のエネルギーのやりとりによって生じます。例えば、石油を燃すと最高で数1000℃を得ることが出来ますが、これがeVの世界です。生物の体内で生じる化学反応はさらに低いエネルギーで進み、生体内反応の多くは0.1 eV 以下の世界です。すなわち、100℃までの世界です。したがって、100℃を越えて生きる生物はまれです。

◆一方、核反応ではMeV[M(ミリオン)=100万)]という単位のエネルギーがやりとりされます。例えば、プルトニウムは約4 MeVのエネルギーを持つアルファ線を出しますが、原理的には、これによって数100万℃以上の温度が得られます。これがMeVの世界です。

◆このことは、核反応1反応によって100万に近い化学反応が生じることを意味します。核反応は爆発的に起こり、化学反応によって簡単に制御できない理由です。したがって、原子炉は大量な水で冷やし続けなければならず、水がなくなると、あっという間に核燃料や原子炉構成材料が溶融します。体内に取り込まれた放射性物質から出る放射線による内部被曝では、1000万に近い体内の化学結合が切断されることになります(実際には、核反応エネルギーの一部しか結合切断に使われないので、もっと少ない)。

◆以上のような理由で、核反応エネルギーを閉じ込めて置くことは極めて困難です。一つ間違えば、大惨事になります。原発の重大事故時には、膨大なエネルギーに起因する熱(核反応熱;核分裂で出る熱、崩壊熱;放射線を出して別の物質に変わるときに出る熱)によって核燃料や被覆材などの原子炉材料が溶融し、水素ガスの発生・爆発あるいは水蒸気爆発(高温での水の爆発的蒸発)を引き起こし、大惨事(メルトダウン、メルトスルー)に達しかねません。

◆化学反応エネルギーでは、このような事態にはなりません。

2. 原発事故の特徴;瞬時に進行し、時間的にも、空間的にも通常事故とは桁違いに深刻な被害

◆前項で述べましたように、核反応は膨大なエネルギーを出しますので、原発で冷却水が途絶えると、瞬時に(火災などとは比較にならない速度で)重大事故に至ります。そのように瞬時に進行する事故への対応は至難で、進み始めた事故を止めることは極めて困難です。例えば、海水の原子炉への大量注入は何千億円もする原子炉を使用不能しますが、重大事故に際して、海水の大量注入行ってメルトダウンを防ぐ判断を会社の上層部や政府に仰いでいる暇はありません。事態を把握し、議論している間に、原子炉が深刻で取り返しのつかない状況になるからです。なお、今までの全ての重大事故では、事故を深刻でないとする判断(願望も含めて)を行い(例えば、計器の指示ミスと判断)、事態をより深刻にしています。

◆放射性物質による被害は長期におよびます。火事は長くても数十日で消火できますが、放射性物質は、半減期に従って消滅する[放射線を出して他の物質(核種)に変わる]まで放射線とそれによる熱を発生し続けます。代表的な放射性物質の半減期は、プルトニウム239で2万4千年、ネプツニウム237で214万年、セシウム137で30.7年、ストロンチウム90で28.8年、ヨウ素131で 8.02 日です。放射性物質は、1半減期で1/2に、半減期の10倍で約1/1000、13.3倍で約1/10000、20倍で約1/100万に減少します。例えば、プルトニウム239を1/10000に減少させるには約32万年かかります。それでも、安全なレベルになるとは限りません。なお、半減期の短い物質は早く崩壊しますから、物質の量が同じであれば、時間当たりにすれば、多くの放射線を出します。

◆放射性物質による被害は長期におよびますから、原発事故では長期の避難を強いられ、住民は故郷を奪われ、家族のきずなを断たれ、発癌の不安にさいなまれます。通常の災害では、5年も経てば、復興の目途はある程度立ちますが、原発事故は、生活再建の希望も奪い去ります。福島事故では、4年経った1昨年から、絶望のために自ら命を絶たれる避難者が急増していると報道されています。

◆放射性物質は長期にわたって放射線を出し続けますから、高放射線のために事故炉の廃炉は困難を極めます。また、放射線による熱発生のため、冷却水が途絶えると、核燃料が再溶融し、再び核分裂を始める可能性もあり、長期間冷却水を供給し続けなければなりません。福島原発では、事故から6年経っても、溶け落ちた燃料の位置も一部しか分かっていません。完全廃炉には、50年以上を要するとの見解もあります。

◆重大事故によって放出された放射性物質は、事故炉近辺を汚染させるだけでなく、風によって運ばれた後、雨によって降下するのですから、汚染地域は極めて広範囲に広がります。福島事故でも、約50 km 離れた飯舘村も全村避難になり、約200 km 離れた東京や千葉にも高濃度の放射性物質が降下しました。チェルノブイリ事故では、日本でも放射性物質が検出されています。海に流出した放射性物質は海流に乗って広範囲の海域を汚染します。福島の放射性物質はアメリカ西海岸にも到達しようとしています。
若狭の原発の重大事故では、関西はもとより、中部、関東も高濃度放射線で汚染される可能性があります。汚染水は日本海にたれ流されますが、日本海は太平洋に比べて比較にならないほど狭い閉鎖海域ですから、極めて高濃度に汚染されます。若狭湾の汚染はさらに深刻です。

3. 原発は、長期保管を要する使用済核燃料、放射性廃棄物を残す

◆原発を運転すると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物が生成します。したがって、核燃料を永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると新燃料と交換せざるを得なくなり、そのため、使用済み核燃料がたまります。現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや六ケ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。使用済み核燃料を消滅させる方法はありません。

◆ところで、国の計画では、全国の使用済み核燃料は再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途(めど)は立っていません。危険極まりないこの工場の運転は不可能と言われています。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割近くがすでに埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。なお、使用済み核燃料貯蔵プールは脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。

◆一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットルドラム缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積されていますが、その処分は極めて困難で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もありません。

◆数万年を超える保管を要する使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面からも、原発は全廃しなければなりません。

4. 高浜原発の重大事故では、若狭のみならず、京都、滋賀の全域も故郷を失う可能性が大

◆高浜原発から50 km圏内には、京都市、福知山市、高島市の多くの部分が含まれ、100 km圏内には、京都府(人口約250万人)、滋賀県(人口約140万人)のほぼ全域、大阪駅、神戸駅を含む大阪府、兵庫県のかなりの部分が含まれます。このことと福島原発から約50 km離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合わせれば、高浜原発で重大事故が起こったとき、500万人以上が避難対象となる可能性があり、避難は不可能ですが、政府や自治体が行う避難訓練では、そのことが全く考えられていません。この圏内には琵琶湖があり、1,450万人の飲用水の汚染も深刻な問題です。さらに、避難訓練には、原発事故での避難は極めて長期に及ぶ(あるいは永遠に帰還できない)という視点がありません。福島およびチェルノブイリの事故では、今でも避難された10数万人の大半が故郷を失ったままです。

◆昨年8月27日に高浜原発から30 km圏の住民179,400人を対象にして行われた避難訓練は、最大規模と言われながら、参加者数は屋内退避を含めて7,100人余りで、車両などでの避難に参加したのはわずか約1,250人でした。それも県外への避難は約240人に留まりました。この規模は、重大事故時の避難の規模とはかけ離れた小ささです。車道などが使用不能になったことを想定して、陸上自衛隊の大型ヘリによる輸送訓練も予定されていましたが、強風のために中止されました。また、悪天候のため、船による訓練は全て中止されました。老人ホームなどへの事故に関する電話連絡は行われましたが、実際行動の必要はないとされました。

5. 高浜原発3,4号機は、危険極まりない老朽原発(31~32年を経た原発)

◆原発は事故の確率が高い装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。次のような理由によります。

◆原発の圧力容器、配管等は長期に亘って高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(ぜいか:金属が軟らかさを失い、硬く、もろくなること)、腐食(とくに、溶接部)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です。事故時に原子炉を急冷すると、圧力容器が破裂します。電気配線の老朽化も問題です。

◆老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。

◆老朽原発では、建設当時の記録が散逸している可能性があり、メンテナンスに支障となります。また、建設当時を知っている技術者はほとんど退職しているので、非常時、事故時の対応に困難を生じます。

今、原発は動いていないけれども、電気は足りています。
重大事故の危険性をおかして
運転するのは愚の骨頂です。電力会社の金儲けのためです。

原発事故は自然災害とは異なります。
自然災害を止めることはできませんが、
原発事故は止められます。
原発は人が動かしているのですから、
人が原発全廃を決意すれば良いのです。

原子力防災とは、避難計画ではありません。
不可能な避難を考えるより、
事故の原因である原発を廃止することです。
原発全廃こそ原子力防災です。

重大事故が起こってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆5/17 高浜原発3,4号機再稼働に反対する申し入れ書

関西電力株式会社
取締役会長  八木  誠 殿
取締役社長  岩根 茂樹 殿
高浜発電所長 宮田 賢司 殿

高浜原発3,4号機再稼働に反対する申し入れ書

福島原発事故から6年経ちましたが,事故炉内部の詳細は未だに分からず,汚染水は垂れ流され続けています。避難者は家族のきずなを断たれ,生活再建の目途が立たず,癌の苦痛,発癌の不安にさいなまれています。多くの方が事故に関連して亡くなられました。絶望の末,自ら命を絶たれる方が,事故から4年経った一昨年から急増していると報道されています。

このような状況を反映して,今,脱原発は民意となっています。最近のほとんどの世論調査でも,脱原発の声は原発推進の声の2倍以上です。高浜原発の地元中の地元・高浜町音海地区でも原発運転反対の決議が上っています。

一方,東芝破綻の例を挙げるまでもなく,原発は,事故対策費や使用済み核燃料の処理・処分費を考えれば,経済的にも成り立たないことは明らかです。

したがって,国際的にも,イタリア,ドイツに続いて,リトアニア,ベトナム,台湾が脱原発を決意し,アメリカも原発縮小に向かっています。

それでも,あなた方・関西電力は,原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制墓準”を“安全基準”と主張し,これに適合したから高浜原発は安全として,その再稼動の手続きを進めています。

あなた方・関西電力は,昨年2月の高浜原発4号機再稼働時に1次冷却系で水漏れを起こし,発電機と送電設備を接続した途端に原子炉が緊急停止するトラブルを起こし,今年1月にはクレーンを燃料プール建屋上に倒壊させ,また,関連会社はヘリコプターから資材を落下させる事故を2度も起こしています。この事実は,安全性を軽規することに慣れ切り,緊張感に欠けた関西電力が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。あなた方は,このような電力会社の体質が福島の事故を生じさせたことを真摯に反省し,再稼働を即時断念すべきです。

ところで,若狭の原発で福島級の重大事故が起これば,若狭や京都,滋賀の北都はもとより,京都府,滋賀県の全域,関西のかなりの部分が放射性物質にまみれる可能性があります。この地域の500万人を超える住民が避難対象になりかねません。避難は不可能です。

原発が無くても電気は足りることは,福島事故以降の経験が教えています。不要な原発を稼働させて,事故のリスクにおびえる必要はないのです。あなた方が原発を動かすのは,人の尊厳,生存の権利を犠牲にしても,経済的利益を優先させよう考えているからです。金儲けのために原発を動かすのは,倫理に反します。私たちほ,事故の不安なく,安心して生活できる社会を求めます。

あなた方は,4号機を今日17日,3号機を6月上旬に再稼働させると報道されています。

原発は,事故の確率の高い,人類の手に負えない装置です。二度と福島のような事故を起こさないために,再稼働の断念と,全ての原発の即時廃炉を求めます。あなた方が,あくまで再稼働を進めるならば,私たちは,あらゆる手段で,粘り強く全原発の廃炉まで闘うことを宣言します。

2017年5月17日
「5・17高浜原発うごかすな!現地集会」参加者一同
(連絡先;090-1965-7102若狭の原発を考える会・木原)

◆5/17 高浜原発再稼動阻止、緊急行動について

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様(5/13 メール配信)

4月27日の「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」(700名参加)と御堂筋デモ(大阪)、5月7日の高浜原発ゲート前行動(350名参加)、「高浜原発うごかすな!現地集会」(400名参加)、高浜町内デモ(高浜町)、5月8日~12日の高浜~福井を結ぶリレーデモ(延べ400名参加)、5月12日の「高浜原発うごかすな!福井集会」(福井市:120名参加)では、多大なご支援を頂き、また、多くの方がご参加いただき、ありがとうございました。

これらの行動を通して、「高浜原発うごかすな!」の声は、圧倒的多数であることを実感し、再確認もできました。この声が顕在化していないのは残念ですが、今後、原発全廃運動が拡がれば、必ずや顕在化するであろうと予感させられました。

それでも、関西電力は、脱原発・反原発の民意を踏み躙って、31年越えの老朽原発で、かつ、危険極まりないプルサーマル原発・高浜4号機を、5月17日にも再稼働させようとしています。

関電は、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”を「安全基準」とし、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」とし、また、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」としています。「新安全神話」を作ろうとするものです。このような、自社の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにしても原発を動かそうとする関電の姿勢を許してはなりません。

私達「若狭の原発を考える会」は、高浜原発再稼働阻止を勝ち取るために、次の行動を呼び掛けています。

5月17日(水)、正午に高浜原発北ゲートの奥の展望所に集合し、13時からデモ行進で北ゲートに向かい、同ゲート前で、17時30分まで、高浜原発再稼働の企みへの断固とした抗議行動を展開します。この時間内に、関電への申入れも計画しています。

この行動によって、高浜原発3、4号機再稼働反対の大きな声をあげ、関電。規制委、安倍政権の原発推進の野望を打ち砕きたいと考えています。17日には、是非多数の方がご参加下さるようお願いたします。(当日は、京都、滋賀からも配車します、ご参加ご希望の方はご連絡ください。)

一方、中島哲演さんは、15日10時より関電本店前で3日間の断食抗議を行われます。電発電力を使い続けた私たち関西の住民は、反省の意も込めて連帯したいと思います。1食だけでも断食して、「高浜原発うごかすな!」の声をあげましょう。

なお、4月27日~5月12日の行動は、「原子力発電に反対する福井県民会議」の呼びかけで多くの団体が参加した「高浜原発うごかすな!実行委員会」が主催しましたが、17日は、緊急行動ですので、「若狭の原発を考える会」が呼びかけることにしました。

「若狭の原発を考える会」・木原壯林(090-1965-7102)