◆8月4日に高浜町で行った「講演・討論会 in 若狭 〝原発にたよらない町づくりを目指して″」の報告

【2017年8月下旬,若狭で配付。】

高浜町で「講演・討論会 in 若狭」
〝原発にたよらない町づくりを目指して″
が開催されました

◆標記の講演・討論会は、8月4日(金)13時~17時、JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」で、「若狭の原発を考える会」の主催で開催されました。ご講演は、本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆敏さん(和紙会社経営)および韓国で脱原発運動を進める青年・琴東運(クム・ドンウン、25歳、男性、青年緑ネットワーク会員)さん、裵聖敏(ペ・ソンミン、31歳、男性、脱核釜山市民連帯執行委員)さん、安瀅準 (アン・ヒョンジュン、24歳、男性、脱核蔚山市民共同行動執行委員)さん。

◆講演、質疑応答の後、若狭にお住まいで、脱原発社会を願って活動されている皆さんからの簡単なご報告・アピールがあり、原発にたよらない町づくりを目指して討論しました。

◆会場(60人定員)は溢れんばかりの盛況でした。なお、講演・討論会終了後には、「キャンプ at 若狭和田ビーチ」が企画され、韓国、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、徳島、福島、関東などからのご参加を得て、脱原発の議論と交流が続きました。

◆以下に、会を開催した趣旨と、会の模様のご報告を致します。原発重大事故の不安のない町、使用済み核燃料を蓄積しない町を目指すためのご参考になることを願います。

「講演・討論会 in 若狭」開催の趣旨

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。本年行われた各種報道機関の世論調査でも、原発反対が53~57%と、賛成の20数%のほぼ2倍でした。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。

◆また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本など少数の経済先進国です。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭にも脱原発を願う声は多数あります

◆原発立地の若狭にも、表立ってはいないものの、原発に不安を感じる声、脱原発を望む声は多数あります(原発推進の声を大きく上回っているといっても過言ではありません)。脱原発には、この隠れた声を顕在化させて頂かなければなりません。それには、今までタブー視されてきた脱原発後の社会を展望する議論を日常茶飯事にして頂くことが大切です。

重大事故が起る前に、原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、若狭でも脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう。

本講演・討論集会は、「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願って開催されました。

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2017年8月5日毎日新聞朝刊

報告「原発依存こそが町おこしの阻害要因?」
山崎隆敏さん原発地元で語る

若狭の原発を考える会・橋田秀美

◆『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか』の著者・山崎さんのご講演の概要を報告する。
原発で地元が振興しなかったこと、原発の未来は危ういこと、推進派はそれをよく知っているし、危機感も抱いている。しかし「脱原発」に舵を切ることをしない。減価償却による固定資産税の減収や電源三法交付金の目減りを、「もんじゅ」再稼動や原発増設を「取引材料」として一時しのぎの金を引き出して、補おうとしてきた。

◆そして、原発立地には、普通交付税や国庫支出金(原発がなくても得られる国庫補助)に加えて、原発関連の税金や交付金が入ってくると期待していたら、大間違いで、原発関連の税金や交付金が相殺される形で差し引かれて支給されるからくりが明らかになり、愕然とした。結局、原発がない町の方が国の財源配分率が高いのだ。

◆原発収入がある美浜町を「御曹司」、原発に頼れない旧三方町を「苦学生」に例え、原発に依存し、自助努力を怠ってきた美浜町が、原発に依存できず独自に努力してきた旧三方町に観光客数、製造品出荷額、商品販売額で追い抜かれたことを報じた新聞記事を紹介し、原発依存が地域の振興を阻んできた事実を明らかにされた。

◆自前の収入がどれくらいあるかを示す「財政力指数」が県内上位を占めるのはやはり原発立地市町であるが、原発頼みの「財政力指数」の高さを市民、町民は誇りに思えるのか。幸いにもおおい町や高浜町は、借金返済など将来に及ぼす影響の度合いを示す「将来負担比率」が0である。今が麻薬のような原発を捨てて町の再生を目指すチャンスであると山崎さんは力説された。若狭のきれいな自然、歴史や文化、海産物や山の幸、これらは原発に頼らない町づくりに大いに活かせるだろう。そのためにも、原発は一日も早く無くしたい代物であると結ばれた。

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報告「原発反対を訴える韓国青年たちの息吹に触れて」

若狭の原発を考える会・松原康彦

◆韓国で反原発運動を取り組んでいる20代から30代の青年3人が、この集会に参加して「韓国の脱核運動」と題して韓国での反原発運動の現状などについて報告した。

◆韓国の原発は運転中が24基、建設中が5基、計画中が6基あり、その大半が釜山から北の半島東海岸に集中している。韓国ではこれまで地震をほとんど経験してこなかったが、昨年9月、原発が50%以上立地する地域・釜山北部の慶州で、マグニチュード5.8の地震が起こり、多くの人が恐怖に震え、2011年の福島地震・原発事故を思い起こした。

◆他方、古里(コリ)3、4号機の格納建屋鉄板腐食と原子炉冷却材露出事故が起こった。ただ一つの電力会社・韓国電力がすべての電力を支配し、巨大な2企業の独占で原発関連工事が行われている韓国では、「核マフィア」(日本の「原子力ムラ」に相当)が「安心」と宣伝しているが、原発立地の海岸では誰一人泳ごうとしない。今回、高浜の海岸で多くの海水浴客が楽しんでいることに正直、驚いたそうだ。

◆また、建設中の新古里5、6号機の送電のために従来の送電塔の2倍以上の94 mの巨大鉄塔が蜜陽(ミリャン)で建設され、多くの住民が立ち退かされ、地域の共同体が破壊された。住民は「何のための電力なのだ」と怒っている。

◆韓国民衆の「ローソク革命」によってパク・クネを打倒し、就任したムン・ジェイン新大統領は、選挙前は「原発ゼロ」を公約しながら、当選後には、老朽化した古里1号機を永久停止して、稼働原発24基という現状を生んだものの、すべての原発が耐久年度40年を過ぎる2079年を「原発ゼロ」にすると変節し、しかも、建設中の古里5、6号機などの是非は「世論に問う」と変わっている。そして、米韓首脳会談と北の共和国のICBM発射を受けて、THAAD(サード;終末高高度防衛ミサイル)配備を強化するなど、多くの韓国民衆の思いと離れている現実が指摘された。

◆また、「若い人たちが頑張っている」という聴衆からの声に、「子どもたちの貧しさが尋常ではなく、それに大学を卒業しても職がない」現実を指摘された上で、「韓国でも1980年代に頑張った大人たちが指導部を牛耳っていて、日本とそれほどかわらないのでは」と答えられた。

報告「原発にたよらない町づくりをめざして、地元から」

若狭の原発を考える会・木戸恵子

◆山崎隆敏さん、韓国青年の講演後、若狭の市民や地方議会議員から、原発立地の現状や活動について報告があった。

◆「ふるさとを守る高浜・おおいの会」の東山幸弘さん(高浜町在住)が、昨年12月、高浜町音海地区が関電と高浜町対し、高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を提出したことについて、音海地区だけにとどまらず、多くの高浜町民の支持を得ていると、地元の状況を語られた。同会の宮崎慈空さん(おおい町在住)は、7月20日おおい町が実施した大飯原発3、4号機に関する住民説明会の報告をされた。再稼働には福井県とおおい町の同意が必要で、おおい町は説明会の内容、住民や町議会の考えを踏まえて可否を判断する。当日は、200人程度が出席したが、一般公募で選ばれた住民はわずか20数名で、大半は、町内の区長、商工会など各種代表者であった。住民からの質問には十分に答えず、再稼働ありきの形だけの住民説明会となった。

◆美浜町議の河本猛さんは、経産省発表の核廃棄物処分地地図「科学的特性マップ」について、地層が隆起し活断層も多い若狭の沿岸も「適性が高い地域」とされたことに対し、住民は「核のゴミ捨て場になるのではないか」と不安や疑念の声を上げていると報告された。また、町の財源を原発に頼っている限り、安易な再稼働容認が続くと指摘され、原発依存から脱却する産業の一つとして、再生可能エネルギーの普及促進を挙げられた。

◆敦賀市議の今大地はるみさんは、福井県・敦賀市・美浜町が、もんじゅ廃炉にかかわる地域振興策について国へ要請に出かけるに先立って敦賀市が開いた説明会は、姑息にも、非公開で原発推進派議員重視で行われたことが披露された。また、今年5月、福井地裁に高浜原発運転差し止め仮処分を、弁護士をたてずに、「原発事故が起きて放射性物質が拡散されれば人格権が侵害される」として、提訴したことを報告された。この仮処分申請は難しいものではないので、大いに活用することを勧められた。

◆若狭町議の北原たけみちさんは、地場産業のひとつとして「コケ屋上緑化植物」の栽培工場を紹介された。ヒートアイランド緩和効果などのある「コケパネル」は、普及段階に入っていると報告された。

◆「原子力発電に反対する福井県民会議」代表委員の中嶌哲演さんは、福井県の2017年度の一般会計当初予算案における歳入は、全体は前年度と比べて3%減少したにもかかわらず、電源三法交付金や核燃料税などの原発関連歳入は過去10年で最多になり、6.9%(326億円)を占めたこと、この福井県の歳入は、原発立地の市や町の原発関連歳入(敦賀市:約49億円、美浜町:約28億円、高浜町:約54億円、おおい町:約64億円)より圧倒的に多いことを資料を提示しながら指摘された。なお、高浜町、おおい町の2017年度の原発関連歳入は、一般会計予算の55%、63%を占め、本年度は大幅に増額したことも述べられた。

◆「若狭の原発を考える会」の木戸恵子は、若狭で行っているアメーバデモは、原発立地の住民と琵琶湖の水を飲んでいる関西の住民が、若狭の街角で原発への思いを交換する場であると紹介し、そこで聞いた地元の声を報告した。少しづつではあるが、かつては見られなかった地元のみなさんの変化が感じられ、それに希望をつなげたいとした。

2017年8月

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆最新=8/4講演・討論会in若狭 & 交流企画チラシ改訂版

8.4 講演・討論会 in 若狭
原発にたよらない町づくりを目指して

講演 山崎隆敏さん…和紙会社経営、サヨナラ原発福井ネットワーク
本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者

講演 韓国で脱原発運動を進める若者
韓国で、脱原発運動を展開し、原発のない町づくりを考える若者の代表

討論 原発のない町づくりについて、質疑応答、討論をします。

場所;JR若狭高浜駅2階 「まちの駅ぷらっとHome高浜」

日時;8月4日(金)13時~16時45分 入場無料
京都、滋賀などから配車の予定です(4日9時出発)

主催;若狭の原発を考える会。本講演・討論会開催の趣旨、参加申込み、乗車申込み
については以下をご覧ください。


「8.4 講演・討論会 in 若狭」後、和田海岸に移動し、バーベキューと交流の夕べを催します。

交流企画 キャンプ at 若狭和田ビーチ

日時;8月4日18時より
定員;40人
以下の2つのコースを用意しています。
①バーベキューと交流を楽しんだ後、テントに宿泊して5日午前解散
②バーベキューと交流を1時間半程度楽しんだ後、帰路に(宿泊なし)
参加費;実費;3000円程度(①宿泊あり)、2000円程度(②宿泊なし)
なお、5日は韓国からの訪問者とともに、高浜原発を見学し、周辺の集落でアメーバデモを行います。お時間の許す限りご参加下さい。
[注] アメーバデモ:4~5人の少人数に分かれて、「反原発」の赤旗を掲げて、鳴り物を鳴らしながら、若狭と周辺地域の隅から隅までを歩いて巡り、スピーカーで反原発を訴えながら、チラシを各戸配布する行動


【8.4講演・討論会開催の趣旨】

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。若狭にも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。最大の原発依存国・フランスでさえ、17基の35年越え老朽原発の廃炉を発表しました(7月12日報道)。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本などの少数です。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

8.4講演・討論集会が「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願っています。是非、ご参加下さい。


8.4 講演・討論会 in 若狭「原発にたよらない町づくりを目指して」
および交流企画「キャンプ at 若狭和田ビーチ」参加申込み

ご氏名;
ご住所;
連絡先  [電話;     E-メール;     ]
参加希望(ご希望に○をお付け下さい)
①8.4 講演・討論会 のみ
②8.4 講演・討論会 および交流企画の両方(宿泊する)
③8.4 講演・討論会 および交流企画の両方(宿泊しない)
④交流企画のみ(宿泊する)
⑤交流企画のみ(宿泊しない)
乗車予約 [京都、滋賀などから配車の予定です(4日9時出発)。
ご乗車ご希望の方は乗車場所をご指定の上、お申し込みください。
詳細は、後日ご案内します。]
→乗車希望場所 [          ]
→帰路の希望
・5日帰路へ
・4日、集会後すぐ帰路へ(京都には20時30分頃到着予定)
・4日、集会後1時間半程度交流企画に参加した後、帰路へ(京都には21時30分頃到着予定)


連絡先;若狭の原発を考える会
木原(090-1965-7192)
橋田(090-5676-7068)
瀧川(080-8327-5588)

◆原発立地・地元の声

【2017年7月21日,京都キンカンで配付。】

最近のアメーバデモなどで聞いた
原発立地・地元の声

取りまとめ:若狭の原発を考える会・木戸恵子

 アメーバデモとは、毎月2回4日間、大阪、兵庫、京都、滋賀から原発立地の若狭に集まり(イベント時には、関東など全国からの応援も得て、総勢50人になることもあります)、3~4人が一組になり、太鼓や鈴を鳴らしながら、また、「反原発」の赤旗を持ち、肩にかけたスピーカーで原発全廃を呼びかけながら、A3用紙に赤と黒で印刷した原発全廃を訴えるチラシを全ての集落の隅から隅まで配り歩く行動です。音を聞いた人が出てきて、チラシを受け取り、話をします。

 以下に、4月30日~7月9日に行われたアメーバデモおよびチラシ配りでお聞きした地元の声の典型例をまとめました。チラシを受け取らない人はほとんどなく、反原発は民意であることを、アメーバデモで実感しています。

◆原発で働く人が周りにいるから大きい声では言えないが、原発は反対や。福島原発事故をみたらわかる。(高浜町薗部 男性)

◆昔は原発で働いていた。線量計を付けていたが、作業をしているみんなのアラームが鳴るので誰が鳴っているかわからない。あんな怖いものとは知らされず、仲間の多くは70才で死んだ。(美浜町 男性)

◆遠いところからごくろうさまです。この辺りは避難区域なんです。(美浜町 女性)

◆原発に土地を売った。一緒に住んでいる嫁が原発を怖がる。(高浜町鎌倉 男性)

◆老婦人が3人で立ち話をしていたところにチラシを渡すと「原発は駄目やなあ」、「原発反対や」、「そおや」と3人の反原発談議が続いた。(滋賀高島町)

◆ご苦労様です。先日、井戸弁護士のお話を聞きました。原発はダメですね。(高島市 女性)

◆「チラシはいりません。ごめんね。家族が関電で勤務しているから。」(高浜町音海 女性)

◆高浜原発が正面に見える内浦湾、「昔はわかめが採れていたけど、原発が来てからは温排水が流されるから、わかめは取れず、藻も生えなくなった」(高浜町上瀬 女性)

◆ご苦労さんの上に、好意的に周辺の空き家情報を教えてくれた。(高浜町城山荘付近 女性)

◆原発反対と言った50代女性は、草取りを止めて、チラシを読んでいた。(美浜町役場の奥)

◆チラシを直接手渡したら、ご苦労さんと言われた。(美浜町美浜原発に近い集落)

◆「私の里も京都の八幡や」という人は、こんなきれいなところで原発事故が起きたら全部パーやねと言うと、「ほんまや!」

◆「安倍があほや。あんたらこんなチラシ配ってたら捕まるで。」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆世界は福島事故をみて原発から撤退していると言ったら、「日本はあかん!」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆原発のチラシですと言ったら、「反対か!」そうですと言ったら、「ほんならもらうわ」(美浜町役場寄り耳川付近:同様な声は、高浜町旧役場付近でも)

◆チラシを渡すと「原発はもういらんな!」(美浜町佐柿関所跡付近)

◆農作業を終えた4人が集まって話をしていた。ビラを渡すと、「原発がなくなるとどうなるんや」と聞かれ、「一時的には電気代は上がるでしょう」と答える。「福島原発事故みたいになったら大変ですからね」と言うと、「あれはずさんすぎる。関電はそんなことないで」と言い、「関電もたいがいずさんでっせ」と答えた。(美浜町織田神社付近)

◆「原発事故が起きたら、ここだけの問題だ。」琵琶湖の水を関西一円で使っているのでここだけの問題ではない、と答えた。(美浜町久々子)

◆「今、介護で大変だが、原発事故の危機感はある。福島原発事故で若狭の原発事故が一層身近な問題だ。」(美浜町久々子 女性)

◆日曜日のため、多くの人が外に出ていて話せた。原発賛成の人には会わなかった。

◆チラシの見出しを声を出して読み、「地震が多いから原発危ないわな。やっぱりない方がいいわ。ごくろうさん」(美浜町 男性)

◆玄関に座っている80代男性、「暑いのにご苦労さんやなあ」(美浜町)

◆「あんた、原発は反対か」。原発全廃を訴えてチラシを配ってますと答えると、「原発は反対や」(美浜町 男性)

◆玄関先に座っている80代女性にチラシを渡すと「あんた電気使っているやろ」、掃除機や電子レンジを使わず、コンセントをまめに抜いて、10年前より電気代が1/3に減りましたと言うと、「おお、頑張ってるんや。ご苦労さん」(美浜東小学校付近)

◆暑い昼下がり、草取りをしている女性に渡すと「遠方ご苦労様」といって、すぐチラシを読んでいた。(高浜町立正佼成会辺り)

◆「どこから来られたの?」京都、滋賀、大阪から来ています。意外と若狭の原発から近いのですよ。それに私たちは皆、琵琶湖の水を飲ましてもらっていますから切実ですというと、「それはそうやね! 飲み水がやられたら大変やな。そんな遠くから?ご苦労さんです。」

◆1回目「ありがとう。」と手を出して丁寧に受け取って下さった。2回目、覚えておられたようで「いつもご苦労さんです。」と笑顔で受け取って下さった。

◆通りの小さな体操(ヨガ?)教室にビラの説明をして1枚渡そうとしたら「私もほしい。」と言われ皆さん(数人)に渡した。

◆40歳ぐらいの女性に手渡したところ「この辺の方ですか?」、京都、滋賀、大阪から来ていますと答えると、「福井は原発地元なのに原発の情報がほんとに少なくてこういう詳しいのをもらうととてもうれしい。助かる。この辺の新聞は地方紙をとっている人が多いが、一つは政府寄り、もう一つもさらっと一通りのことしか書かない。」と言われ、若狭の各地に毎月来ているというと「頑張ってくださいね。」

◆校門近くで下校する高校生に渡した。半分ぐらいの生徒は受け取ってくれた。興味深そうにその場で読みながら行く生徒もいたし、全く関心なさそうな生徒もいた。

◆保育園、幼稚園近くではお迎えのお母さんたちはチラシをよく受け取ってくれた。

◆家庭菜園の畑に出かけようとしていた70歳前後の女性。「自分のうちで食べる分をお金の節約と楽しみで作っている。年金生活なので畑で賄えるのは大きいよ。今の生活が気にいってる。原発は怖いなぁ。何かあったらここに住んでこういう生活できなくなるんやから・・・。原発関係で働いている人がこの辺多いから言えないけど私は原発反対。」

5月8日~12日の高浜町-福井市リレーデモの途中で多く聞かれた声

◆5月7日の高浜原発前集会、高浜町内での現地集会、高浜町内デモの翌日、福井市までのリレーデモに出発して1時間、家の玄関が開けられていて、通りすがりに中を見ると、上りかまちの薄暗がりの中で3人の方がデモ隊に何度も会釈をされていた。私も帽子を取って会釈した。(高浜町)

◆アメーバデモの鳴り物、スピーカーから流れる原発全廃を訴える声と反原発の赤旗をみて、草刈りの途中だった男性、鎌を持ったまま玄関に表れて「原発反対や、がんばってや」(越前市 男性)と言われた。

◆チラシをポストにいれていたら、音を聞いて玄関前まで出てこられて、「わしは原発反対や、原発は危ない」(越前市男性)と訴えられて、後から来た街宣車に乗っているHさんにも訴えておられた。

◆高齢の男性は、リレーデモに手を合わせておられた。

◆女性が、リレーデモをわざわざ追ってこられ「一緒に歩けませんが・・・」とカンパをくださった。

◆福井市内に入った時、鳴り物やスピーカーから流れる音を聞きつけて、路地からリレーデモを見に来られ
た男性は、ちらしを他所のポストに入れているのを見て、「わしにもください」と走って来られた。


【最近のニュースから】

最大原発依存国・フランスでも
脱原発が進んでいる!

◆フランスエコロジー相は、会計検査院の勧告により最大17基の原発の廃炉を発表した。(NHK BSニュースがフランスドゥの報道として伝えた。(放送時刻 7月12日4時18分)

◆フランス会計検査院はすでに、2025年に向けて原発エネルギーを50%削減するように勧告していたが、これに沿うものである。

◆フランスには、現在、19箇所に原発があり、58基が稼働中である。全てフランス原子力公社が保有している。このうち6箇所の15基は35年以上経過した老朽原発であり、これが廃炉の対象となる。フランスに豊富に存在する、風力、水力、太陽光、地熱に置き換えようとするものである。17基廃炉されれば、原子力エネルギーを25%削減できる。

◆「この発表は、あと30年の運転を見込んでいたフランス原子力公社にとっては大打撃であるが、フランスの原子力産業にとっては革命になるかも知れない」とフランスドゥはコメントしている。

◆この報道はNHKBSニュースだが、全てのメディアは報道せず。地上波NHKも報道していない。国民には知らせたくないニュースらしい。

東電、汚染水の海洋放出を明言

田中原子力規制員長も海洋放出を求めている

◆福島第一原発では、凍土壁の効果もほとんどなく、汚染水は増え続けている。したがって、この汚染水を浄化した処理水も増え続けている。処理水は、除くことが出来ず、内部被曝による障害が深刻なトリチウムだけでなく、除ききれなかった他の放射性物質も含んでいる。

◆薄めれば、海に流しても良いとするのは大きな誤りである。風評被害のみでなく、生物濃縮の危険性も大である。

◆今後、海洋放出が既成事実化し、拡大する可能性も大きい。

海洋放出以外に処理法が無い放射性物質を生む原発を動かしてはならない。

▲2017年7月14日京都新聞朝刊(図をクリック→拡大表示)

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆8.4 講演・討論会 in 若狭 & 交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

【2017年7月,お知らせ】

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様

◆悔しいことに、高浜原発3、4号機は再稼動されてしまいました。圧倒的多数の民意を踏みにじる暴挙です。怒りの炎をさらに燃え上がらせましょう!

◆私たち若狭の原発を考える会は、原発立地・若狭で反原発・脱原発を訴えて活動してきましたが、その中で、若狭にも多数の「原発はあって欲しくない」の声があることを実感してきました。この声を、さらに原発反対の声と行動として顕在化して行かなければなりませんが、それには、若狭の方々に、原発依存時代の生活より脱原発後の生活の方が希望が大きいことを確信していただくことが重要です。

◆私たちは、その一助になれば幸いと考え、添付のチラシのように、「8.4 講演・討論会 in 若狭 原発にたよらない町づくりを目指して」を企画しました。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆俊さんと、韓国で脱原発運動を展開し原発のない町づくりを考える若者の代表(詳細は交渉中)にご講演いただきます。さらに、この講演・討論会の後には、若狭和田浜に移動し、キャンプをしながら、さらに脱原発、反原発のための議論を深めていただく予定です。この機会に、美しい若狭の海を放射性物質で汚染させないという決意をさらに固めていただきたいと思います。

◆諸事ご繁多な折とは存じますが、お繰り合わせの上、ご参加いただければ幸いです。

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8.4 講演・討論会 in 若狭

原発にたよらない町づくりを目指して

講演(1)山崎隆敏さん

;サヨナラ原発福井ネットワーク代表。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者(後段に同書の書評があります。)

講演(2)韓国で脱原発運動を進める若者

;韓国で、脱原発運動を展開し、原発のない町づくりを考える若者の代表

討論

;原発のない町づくりについて、質疑応答、討論をします。

日時

;8月4日(金)13時~16時45分

場所

;JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」

主催

;若狭の原発を考える会(連絡先は末尾をご覧ください)

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反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。若狭にも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

本講演・討論集会が「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願っています。是非、ご参加下さい。

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交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

8月4日講演・討論会終了後、和田海岸に移動:バーベキュウと懇談(テントで宿泊)

キャンプ in 若狭和田ビーチ

日時;8月4日18時より(5日午前まで)

参加費;実費(3000円程度)

定員;40人

なお、5日は韓国からの訪問者とともに、高浜原発を見学し、
周辺の集落でアメーバデモを行います。

【アメーバデモ】

◆4~5人の少人数に分かれて、「反原発」の赤旗を掲げて、鳴り物を鳴らしながら、若狭と周辺地域の隅から隅までを歩いて巡り、スピーカーで反原発を訴えながら、チラシを各戸配布する行動]

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【書評】

『なぜ、「原発で若狭の振興」は失敗したのか』(著者:山崎 隆敏)を読んで

橋田 秀美(若狭の原発を考える会)

◆若狭を隈無く歩いてアメーバデモやチラシ配布をしながら、「原発のない若狭をめざしましょう」と訴えてきた私は、この本の題名に非常に惹かれて一気に読んだ。

◆「国策である原発を受け入れたのは苦渋の選択だった」と若狭の首長たちは口をそろえて言う。故に「原発マネーで生活が良くなるだろうし、そうであって当たり前。」そう期待していた。それがどうだろう、若者はいなくなり、箱物ばかりが建設されるが観光客はどんどん減っていき維持費に窮している。自立できる産業は衰退の一途。なぜこのような事になったのか、著者はいろんな観点から読み解いている。若狭の各自治体の財政を数字で表し、決して原発マネーで財政が潤うわけではないことを見える化して示しているのは説得力がある。

◆「15基もの原発を造らせた福井県は愚かなのか?そうではない」と、原発立地住民の抵抗の歴史も紹介しているが、高浜の漁村の区長さんの言葉が胸にしみる。「今のままで十分暮らしていける。平和な村を壊してくれたら困る。土地を売って金をもらっても一時的なもの・・・結局は生活基盤を失くすだけ。こういった投機的な火遊びを取り除くために、今こそ立ち上がって反対しよう。」この論理が明快ですごく倫理的であるとの指摘はまったく同感だ。経済や科学ばかりが主張されるが、そこに人の命や生活がある以上、倫理的な面からの考察が絶対必要だと思う。

◆そして、「私たちは、どんな社会、どんな国をめざすのか未来を語らなければならない。」と提言している。これは、反原発運動のみならず、私たちが生きていく社会生活において常に基本として問われる姿勢ではないだろうか。

◆原発全廃をめざす者にとって、これからの運動へのヒントが盛りだくさんに示されている。若狭を愛してやまない筆者の熱い思いも感じられる渾身の1冊である。

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■8.4 講演・討論会 および交流企画「キャンプ in 若狭和田ビーチ」参加申込み
ご氏名
ご住所
連絡先 電話 E-メール
参加希望(ご希望に○をお付け下さい)
・8.4 講演・討論会 および交流企画の両方
・ 8.4 講演・討論会 のみ
・交流企画のみ

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■乗車予約
・京都、滋賀、大阪などから配車の予定です(9時出発)。
・ご乗車ご希望の方は乗車場所をご指定の上、お申し込みください。
・4日のみで日帰りの方もご相談下さい。
・詳細は、後日ご案内します。
・乗車希望(乗車場所:    ・4日出発、5日帰着    ・4日日帰り)

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連絡先;若狭の原発を考える会
木原(090-1965-7192)、橋田(090-5676-7068)、瀧川(080-8327-5588)

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◆韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の 古里原発永久停止記念式スピーチ全文

【2017年6月26日】

韓国の新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏が
古里原発永久停止記念式で行ったスピーチの全文を紹介します。

(Chie Yang さんの訳;You Tubeより)

◆自国民と世界の人々の生命と尊厳を守る立場を鮮明にした素晴らしいスピーチです。日本では、安倍政権だけでなく、野党の一部まで、人の尊厳をないがしろにし、経済的利益を優先させる時代遅れの考え方の下に、原発を推進しようとしています。日本の政治は文在寅大統領の姿勢を見習って欲しいものです。

◆なお、文在寅政権がエネルギー源の原発から再生可能エネルギーなどへの転換を掲げるだけでなく、さらに進んで、エネルギー消費削減を前面に掲げることを期待します。何時までも、エネルギー消費の拡大(再生可能エネルギーも含めて)を志向し続けることは、人類の思い上がりです。人が人間らしく生き、地球環境と人類が共存するためには、便利さ優先と決別し、省エネルギーを徹底することが重要だと考えます。

2017年6月26日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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【文在寅(ムン・ジェイン)大統領の古里原発永久停止記念式スピーチ全文】

2017年 6月 19日 0時、大韓民国は国内最初(の原子炉)古里原発 1号機を永久停止いたしました。

1977年の完工後、40年目のことです。過去、古里原発 1号機は大韓民国の経済成長を支えてきました。最初に稼動した1978年にはわが国の発電設備総量の9%を担い、その後増築された原発によって、わが国の経済発展過程に伴う電力需要の増大に対応することができました。

古里1号機はわが国の経済発展の歴史とともに記憶されることでしょう。1971年に着工を始めたその時から今に至るまで、古里1号機の稼動中には多くの方々の汗と努力がありました。自分の青春と人生を古里1号機とともに記憶する人々も多くいらっしゃることでしょう。この先、古里 1号機の解体過程においても多くの方々が汗を流すことでしょう。

この場をお借りして関係者のみなさんのご苦労に敬意を表し、特に現場で古里1号機の管理にご尽力くださったみなさんに深く感謝いたします。

尊敬する国民の皆さん!

古里 1号機の稼動の永久停止は脱原発(※原文=「脱核」)国家に向かう出発です。安全な大韓民国への大転換です。

私は今日を基点に私たちの社会が国家エネルギー政策についての新たな合意を集めながら進んでいくことを期待しています。

これまで、わが国のエネルギー政策は低コストと効率性を追求してきました。発電単価の低コスト化を最優先し、国民の生命と安全を後回しにしてしました。持続可能な環境についての考慮も軽視してきました。原発エネルギーはエネルギーのほとんどを輸入に頼らねばならず、わが国が開発途上にある時期に選択したエネルギー政策でした。

しかし、変えるべき時がきました。国家の経済水準が変わり、環境の重要性についての認識も高まりました。国民の生命と安全が何よりも重要だということが確固たる社会的合意として根付いています。国家のエネルギー政策もこのような変化に足並みをそろえるべきです。方向は明らかです。国民の生命と安全、健康を脅かす要因を取り除いていくべきなのです。持続可能な環境、持続可能な成長を追及すべきなのです。国民の安全を最優先とする清浄なエネルギー時代、私はこれがわが国のエネルギー政策が追求する目標だと確信します。

昨年の9月、慶州の大地震で私達は大きな衝撃を受けました。震度5.8、 1978年に気象庁の観測が始まって以来、韓半島(※原文ママ)に発生した最大規模の地震でした。幸い死亡者はいませんでしたが、23人が負傷し、計110億ウォンの財産被害が発生しました。

慶州地震の余震は現在も続いています。六日前にも震度2.1の余震が発生し、今までの9ヶ月の間に計622回の余震が続いています。

私たちはこれまで大韓民国は地震からは安全な国だと信じてきました。しかし、もはや大韓民国が地震安全地帯ではないことを認めなければなりません。

私たちは当面した危険を直視しなければなりません。特に地震による原発事故はあまりに致命的です。

日本は地震に対する準備が最も優れた国と評価されてきました。しかし、2011年に発生した福島原発事故で2016年3月現在、計 1,368人が死亡し、被害の復旧に計 220兆ウォンという天文学的な予算が必要だといいます。事故後の放射能の影響による死亡者や癌患者の発生数は把握することすら不可能な状況です。福島原発事故は原発が安全でもなく、低コストでもなく、環境にやさしいエコでもないという事実を明らかに見せつけました。

その後ヨーロッパの先進国家は早い速度で原発を減らしつつ脱原発を宣言しています。しかしわが国は相変わらず原子力発電所(※原文=核発電所)を増やし続けてきました。その結果わが国は全世界の中で原発が最も密集した国になってしまいました。国土面積当たりの原発設備容量はもちろん、団地別密集度、半径30㎞以内の人口もすべて世界1位です。

特に古里原発は半径30㎞内に釜山248万人、蔚山(ウルサン)103万人、慶南29万人、計382万人の住民が住んでいます。月城(ウォルソン)原発も130万人で2位につけています。福島原発事故当時、住民退避令が出された30㎞内の人口は17万人でした。しかし、わが国の場合、それよりも実に22倍を越す人口が密集しています。可能性はとても低いとはいえ、万が一原発事故が発生したならば想像も適わぬ被害が続くことでしょう。

尊敬する国民のみなさん!

私は先の大統領選挙において安全な大韓民国を約束申し上げました。セウォル号以前と以後では全く異なった大韓民国をつくりあげると約束しました。安全な大韓民国はセウォル号の子どもたちと結んだ堅い約束です。新政府は原発の安全性確保を国の存亡がかかった国家安保問題として認識し、対処していきます。

大統領が直接点検し、管理します。原子力安全委員会を大統領直属委員会に昇格させ、多様性と代表性、独立性を強化します。

原発政策も全面的に再検討します。原発中心の発電政策を廃棄し脱核時代に向かいます。準備中の新規原発の建設計画は全て白紙に戻します。

原発の設計寿命を延長させません。現在寿命を延長して稼動している月城 1号機は電力需給状況を考慮し、できる限り早く閉鎖します。設計寿命の尽きた原発稼動を延長することは船舶運行の船齢を延長したセウォル号と同じです。

現在建設中の新古里 5,6号機については安全性に伴い工程率と投入費用、補償費用、電力設備予備率などを総合的に考慮し、なるべく早く社会的合意を導きだしたいと思っています。

原発安全基準も大幅に強化します。今脱原発を始めたところで現在稼働中の原発の寿命が尽きるまでにはこの先にも数十年の時間がかかります。その時まで国民の安全が最後まで完璧に守られなければなりません。現在稼働中の原発の耐震設計は福島原発事故後補強されました。その補強が十分であるのか、正確に行われたものなのか、今一度点検します。

新政府の原発政策の主体は国民です。原発運営の透明性も大幅に強化します。これまで原発運用過程において大なり小なりの事故が起きており、さらには原子炉の電源が切れるブラックアウトが発生したこともありました。しかしながら、過去の政府にはこれを国民に正確に知らせずに隠蔽した事例もありました。新政府では、どんなことでも国民の安全にかかわることならば国民に透明に知らせることを原発政策の基本とします。

脱原発をめぐり、電力需給と電気量を心配する産業系の憂慮があります。莫大な閉鎖費用を心配する意見もあります。しかし脱原発は逆らう事のできない時代の流れです。この先数万年この地で生きていく我々の子孫らのために今、必ずや始めなければならないことです。

脱核、脱原発政策は核発電所を長い歳月をかけ徐々に減らしていくもので、私達の社会は十分にそれを引き受けうけることができます。国民たちが安心できる脱核ロードマップをなるべく早いうちに準備します。

尊敬する国民のみなさん!

新政府は脱原発とともに未来エネルギー時代を開きます。新再生エネルギーとLNG発電をはじめとしたきれいで安全なエネルギー産業を直接育成します。第4次産業革命と連携し、エネルギー産業が大韓民国の新たな成長動力になるよう力を尽くします。

今、世界はエネルギー戦争を繰り広げています。地球温暖化に伴う異常気象、高温、パリ気候協定など国際環境の変化に能動的に対処していかねばなりません。

石油の国、サウジアラビアが「脱石油」を宣言し、政府系ファンドをつくり太陽光のような新再生エネルギー事業に力を注いでいます。Appleも太陽光電気販売を開始し、Googleも「Googleエネルギー」を設立し太陽光事業に参与してから随分たちます。

私たちも世界の趨勢に乗り遅れてはなりません。原発とともに石炭火力発電を減らし、天然ガス発電設備稼働率を増やしていきます。石炭火力発電所の新規建設を全面中断します。古くなった石炭火力発電所10基についての処置も私の任期内に完了させます。すでに5月5日に微細ホコリ対策として30年以上運営された石炭火力発電所8基を一時中断していたことがあります。石炭火力発電を減らす第一歩を踏み出しました。

太陽光、海上風力産業を積極的に育成し、第4次産業革命に備えたエネルギー生態系を構築していきます。環境にやさしいエネルギー税制を合理的に整備し、エネルギー高消費産業構造も効率的に変えていきます。産業用電気料金を再編し、産業部分での電力過消費の防止に努めます。産業競争力に被害のないように中・長期的に推進し、中小企業を支援します。

尊敬する国民のみなさん!

今日、古里 1号機の永久停止は私たちにとってまたひとつの機会です。原発の解体についてのノウハウを蓄積し、原発解体産業を育成することのできる契機となるからです。

原発の解体は多くの時間と費用と先端科学技術を必要とする高難度の作業です。脱原発の流れのなか、世界各国で原発解体の需要が多く発生しています。しかし、これまでに原発解体の経験がある国家はアメリカ、ドイツ、日本だけです。現在のわが国の技術力はアメリカなど先進国の80%水準であり、原発解体に必要な商用化技術 58のうち41を確保しています。

少し急ぎます。 原発解体技術力確保のために東南圏(※釜山、蔚山圏)地域に関連研究所を設立し、積極的に支援します。大韓民国が 原発解体産業の先導国家となれるよう政府は努力と支援を惜しみません。

尊敬する国民のみなさん!

私達は今、新たな挑戦を始めています。慣れたものと決別し、新たなものを創造していかねばなりません。国民の生命と安全を守りながらも安定的な電力供給も維持できなければなりません。原発と石炭火力を減らしながらこれに代わる新再生エネルギーをその都度低価格で生産しなければなりません。

国家エネルギー政策の大転換、決してたやすいことではありません。政府と民間、産業界と科学技術界が協力しなければなりません。国民のエネルギー認識も変わらなければなりません。脱原発, 脱石炭とともに環境にやさしいエネルギー政策をたてていきます。

多くの困難があることでしょう。しかし明らかに進まなければならない道です。健康なエネルギー、安全なエネルギー、きれいなエネルギー時代に進みます。国民の安全と生命を最高の価値と考える安全な大韓民国をつくっていきます。

ありがとうございます。
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◆再稼働を許さず、重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

【2017年6月23日,京都キンカンで配付。今後、若狭でのアメーバデモで配布予定】

原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発が極めて事故率の高い装置であることは、過去40年間に稼働した世界の原発570余機の中の9機が大事故を起こしていること(5機は炉心溶融事故)からも明らかです。また、原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

◆福島原発事故から 6 年と3ヶ月経ちましたが、避難された10 数万人の多くは今でも故郷を奪われたままです。長期の避難生活が健康をむしばみ、家族の絆を奪い、大きな精神的負担となっています。多くの方が、避難の苦痛で病死され、自ら命を絶たれました。癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。福島事故から4年経った一昨年から、自殺者が急増しています。原発事故でなければ、もう復興の目途が立っているはずですが、原発事故は、復興の希望も奪っているのです。

◆一方、事故炉内部の調査は、ミューオン(宇宙線の1種)を使った透視や各種のロボットの投入によって行われれていますが、高放射線のため、今でも溶け落ちた燃料の存在場所の全体像すら分っていません。また、事故原因も解明したとするには程遠い状態です。。汚染水対策の切り札と言われた凍土壁は、完全には凍らず、その効果を発揮していません。汚染土壌を詰めたフレコンバッグは、放射線分解と風化によってボロボロです。したがって、事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は今も解除されていません。それでも政府は、今年3月から年間空間放射線量が20ミリシーベルト(国際放射線防護委員会が勧告する平常時の管理基準年間1 ミリシーベルトの20倍でチェルノブイリの移住義務基準の4倍)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者(子供を含む)の帰還を強要しています。

◆政府は昨年末に、事故を起こした福島原発の廃炉費、除染費、被害を受けた人々への賠償費などの事故対策費の総額は想定の11兆円を大幅に上回り、21兆5000億円に膨れ上がったと発表しました。ただし、この経費は、事故を起こした原子炉の内部も分からず、溶融核燃料がどこに、どの程度あるかも分からない現時点での試算ですから、額はさらに膨れ上がるともいわれています。原発は、事故や使用済み核燃料の保管を考え合わせれば、経済的にも成り立たないことは明らかです。

反原発・脱原発が民意です

◆上記のように、原発は人類の手に負える装置ではありません。一方、福島事故以降の経験から、原発は無くても不都合がないことを学びました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません。そのため、日本でも、脱原発、反原発は社会通念=民意 となっています。

◆本年2月の朝日新聞、3月の毎日新聞の世論調査でも、原発再稼働反対がそれぞれ57%、55%で、賛成のほぼ2倍でした。一昨年2月から11月に伊方町で実施された住民アンケートでは、伊方原発再稼働に反対が53.2%、賛成は26.6%でした。昨年12月には、高浜原発の地元・音海(おとみ)地区の自治会が老朽原発運転延長反対を決議されました。また、高浜原発のクレーン倒壊事故以降には、高浜原発全ての再稼働にも反対されています。若狭の他の地域でも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費や維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵を切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、最近では、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、設計寿命(30年)を10年超えた古里原発1号機の永久停止を決定しました。文在寅(ムンジェイン)新大統領は「新規の原発建設計画は全面的に白紙撤回する」と脱原発を宣言しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、シェールガス発電などに比べても経済的に成り立たないとして、原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭の原発は老朽原発です:
原発の危険度は運転年数とともに急増します

◆原発は本来事故の確率が大きい装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。したがって、韓国の古里原発1号機(40年越え)が永久停止され、若狭でも、2015年に、当時45年あるいは43年越えであった敦賀1号機、美浜1号機、2号機の廃炉が決定されています。

◆しかし、昨年、原子力規制委員会(規制委)は、関電、政府の意を受けて、運転期間を原則40年に制限する制度・「40年原則」を無視して高浜原発1号機(43年越え)、2号機(42年越え)、美浜3号機(41年越え)の20年間運転延長を適当としました。これは、「2030年の電源構成で、原発比率を20~22%とする」という、安倍政権のエネルギー政策に迎合し、政治や経済のためには、安全・安心を犠牲にしても原発を運転しようとするものです。原発新設は望めないから、安全はないがしろにしても、老朽原発を活用して目標を達成しようとしているのです。

◆若狭のその他の原発、高浜3号機(32年越え)、4号機(32年越え)、大飯1号機(38年越え)、2号機(38年越え)、3号機(26年越え)、4号機(24年越え)の老朽化も進んでいます。

◆老朽原発の危険度が急増すると考える多くの理由のうちの2例を以下に述べます。

①原発の圧力容器、配管等は長期にわたって高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(ぜいか:金属などが軟らかさを失い、硬く、もろくなること)、腐食(とくに、溶接部)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です(下記【注】をご参照下さい)。電気配線の老朽化も問題です。

②老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。

【注】老朽原発圧力容器の脆性破壊
金属は、ある程度の軟らかさを持っていますが、高温で中性子などの放射線にさらされると、硬化しやすくなり、脆(もろ)くなります。脆くなると、ガラスのように、高温から急冷したとき破壊されます。原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で放射線にさらされています。この鋼鉄が脆くなる温度は、、運転時間と共に上昇します。例えば、初期には‐16℃で脆くなった鋼鉄も、40年間炉内に置くと100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。したがって、老朽原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が破裂する危険があります。

MOX燃料・プルサーマル炉はさらに危険です

◆高浜原発3、4号機は、元々ウラン酸化物を燃料とする軽水炉ですが、現在は、燃料の一部をウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料で置き換えて(プルサーマル化して)運転しています。関電は、大飯原発3、4号機のプルサーマル化も画策しています。一部燃料のMOX化には技術的な課題が山積です。それでも、規制委は「厳しい新規制基準の下では、MOX燃料かどうかは議論にならない」として新規制基準適合審査では、ウラン炉心のみを解析対象とし、MOX使用については何の評価もしていません。プルサーマル炉が重大事故を起こしやすいと考える理由の例を以下に述べます。

①燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食する。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる。

②ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。

使用済みになったMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。

④MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であるが、再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物、など全ての点で危険度と経費が膨大に増える。なお、再処理工場は稼働の見通しもない。

無防備で、脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プールは
もうすぐ満杯です

◆原発を運転すると、

①核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。また、
②核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します。さらに、
③核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。関電の廃炉が決まっていない原発の全て(9基)が運転されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉本体の上部あるいは横に設置されていて、燃料集合体はプール内に臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。

使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければお手上げです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて2~3年以内のものであれば、冷却水喪失で燃料溶融に至ります。一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(セシウム137など)が世界を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、プールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増します

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。

原子力機構、傲慢(ごうまん)、杜撰(ずさん)な
「原子力ムラ」体質を露呈

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日、茨城県の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究所で、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)の酸化物粉末(U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生した。U・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人が被曝したという。最悪の内部被曝で、発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い、知識不足の原子力機構、隠ぺい体質の「原子力ムラ」

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入されたが、内部の点検は26年間されていなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされる。尋常な量ではない。

◆このU・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面の窓は、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なPuはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内で扱わなければならない。しかも、今回のPuの量はフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明しました。Pu-239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射します。したがって、多量のPuを長期保管していれば、ヘリウムが蓄積し、これにビニールなどの放射線分解によるガスが加われば、密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識です。上記の説明は、原子力機構がこのような常識すら忘れ去っていることを示しています。なお、原子力機構は、22日になって、放射性物質の粉末を固定するためにエポキシ樹脂を用いていたことを明らかにし(本チラシの著者注:Puを吸入して内部被曝しているので、粉末が完全に固定されていたとは考えられない)、「この樹脂が放射線分解されてガスを出す可能性は否定できない」と発表した。

◆原子力機構の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがありません。日本最大の研究機関・原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)しているのです。原子力を安全に利用できる筈がありません。

◆なお、6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」 など、事故を過小評価する言辞が目立ちます。さらに、その後、被曝者の搬送先・放射線医学総合研究所は、あたかもPuの内部被曝は無かったような発表をしています。Puと共存するアメリシウムが検出されていますから、Puも吸収されたと考えるのが当然ですが、知識不足あるいは隠蔽のためです。19日には、被曝者の尿からPuが検出されたことを「微量である」というコメント付きで発表し、Puの内部被曝を認めましたが、尿に出てくるほどの被曝は相当深刻です。

◆事故を深刻に受け止める姿勢を欠いた「原子力ムラ」体質が、福島事故を拡大したことへの反省が全く感じられません。

◆この事故と、1昨年再稼働した川内原発1号機での復水器冷却細管破損、昨年の高浜原発4号機での1次冷却系での水漏れ、発電機と送電設備の接続不具合による原子炉が緊急停止、伊方原発3号機での1次冷却水系ポンプでの水漏れなどの事故、関電の関連企業が、昨年、運搬中の鉄塔工事用の資材1トン近くをヘリコプターから落下させた2度の事故、今年1月の高浜原発でのクレーン倒壊事故などを考え合わせるとき、

「原子力ムラ」に原発を安全運転する能力、資格、体質が
無いことは明らかです。
重大事故が起ってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原子力機構で過去最大の内部被曝

【2017年6月9日,京都キンカンで配付。】

極めて杜撰(ずさん)なプルトニウムの取り扱い
原子力機構で過去最大の内部被曝

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日の11時過ぎ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(原子力機構:JAEA)大洗研究研究所開発センターにある燃料研究棟(高速炉などの燃料を研究開発する建屋)では、ウランやプルトニウムの酸化物粉末(以下、U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生していた。このU・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器(手のひら大)に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人(原子力機構職員2人、協力企業職員3人)が被曝したという。

◆5人のうち4人については、肺からもプルトニウムやアメリシウムが検出される内部被曝であった。4人の肺に吸入されたプルトニウム239の測定値は、22,000、14,000、6,000、5,600ベクレルとされ、残る1人も内部被曝の可能性があるという。22,000ベクレルの被曝者は、肺以外の部位を含めると36万ベクレルの内部被曝をしたと推定されている。国内では、前例のない最悪の内部被曝と報道されている。発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入され、年に1回程度は容器の外観を検査していたが、内部は26年間一度も点検していなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされるがウラン、プルトニウムの割合は明らかでない。仮にプルトニウムが2割程度であったとしても尋常な量ではない。

◆一方、U・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面には開閉できる窓はあるが、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なプルトニウムはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内(内部の圧力は外部より低くしてある)で扱わなければならない。

◆今回の場合、ビニール袋に密閉されているから大丈夫と安易に考えて、フード内で取り扱ったものと考えられるが、放射線によるビニールの劣化やガス発生(後述参照)は、プルトニウム扱い経験者なら当然予測できることであるから、原子力機構は慎重さに欠け、安全軽視に慣れ切った組織と非難されても当然であろう。しかも、プルトニウムの量がフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。作業者は、防護服を着用し、ゴム手袋の上に綿手袋をかぶせ、半面マスクで顔を覆っていたとされるが、装備(とくにマスク)にも不備があったと考えられる。

知識不足の原子力機構

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明している。プルトニウム239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射する。したがって、多量のプルトニウムを長期保管していれば、ヘリウムの蓄積によって密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識である。上記の説明は、原子力機構(少なくとも記者会見に関わった職員)がこのような常識すら持ち合わせていないことを示している。

◆原子力機構は、1956年に発足した日本原子力研究所(原研)と原子燃料公社(原燃)が2005年に統合されて設立された国内最大の研究開発機関(国立研究開発法人)であり、2015年現在の常勤職員数は3683人で、1954億円の予算を有している。前身である原研は統合までその名称を維持したが、原燃は事あるごとに名称を変更し、1967年に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)、所管の「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故を起こした翌年の1998年には核燃料サイクル機構と改称している。原子力機構の原燃系部署の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがない。原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)している。原子力を安全に利用できる筈がない。

プルトニウムの内部被曝は深刻、排出薬剤の効果は疑問

◆先述のようにプルトニウム239は、アルファ粒子を放射する。この、アルファ粒子は空気の中を 4 cm 程度しか飛ぶことが出来ず、紙一枚で遮蔽できる。ガンマ線は、数m飛ぶので、遠くからでもガンマ線を出す物質の存在を知ることが出来るが、プルトニウムは4 cm程度以内に近寄らなければ検出できない。このことは、プルトニウムが体内に取り込まれたとき(内部被曝)、アルファ粒子が持つエネルギーの全てが体内で失われ、DNAなど体内の物質が破壊される(その結果、例えば、癌化する)ことを意味する。

◆プルトニウム239からのアルファ線が持つエネルギーは5.16 MeV(ミリオンエレクトロンボルト;100万電子ボルト)あるいは5.46 MeVであり、体内で物質を結合させている化学エネルギー[数eV(エレクトロンボルト;電子ボルト)以下]に比べて100万倍以上であり、原理的には、1個のアルファ粒子の放出で100万個以上の生体物質が損傷することになる(実際にはそんなに効率は高くない)。今回の内部被曝36万ベクレルとは、1秒間に36万個のアルファ粒子が放出されることを示す。

◆一方、プルトニウムは、体内に取り込まれたら、そのすべてを排出させることは難しい。体内での滞留の仕方は体の部位によって異なるが、長く滞留する部位では、生体半減期(取り込まれた物質の半分が排出されるまでの期間)が50~200年と言われている。なお、プルトニウム239自身がアルファ粒子を放出して、その半分がウラン235に変化する期間(半減期)は約24,100年である。

◆内部被曝で取り込まれたプルトニウムの対外への排出は、キレート剤(プルトニウムのような金属と結合し易い薬剤)によって促されると言われているが、効果は未知数であり、完全な排出は期待できない。とくに、難溶性のプルトニウム酸化物が肺胞などに沈着した場合、その排出は難しい。また、キレート剤は、体内の有用元素(プルトニウムとは異なる元素)と結合し、薬害(副作用)をもたらす可能性もある。

初期の発表には事故を過小評価する姿勢

◆6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」など、事故を過小評価する言辞が目立つ。事故を深刻に受け止める姿勢が欠如した「原子力ムラ」体質が、福島原発事故を拡大したことへの反省が感じられない。

報 告

「6.6 高浜原発うごかすな!現地集会」と関連新聞記事

◆5月17日の関電高浜原発4号機の再稼動に続いて、3号機の再稼働が、6月6日、多くの反対の民意を踏みにじって強行された。

◆「若狭の原発を考える会」は、現地緊急行動を呼びかけ、5日には高浜町でアメーバデモを展開し、6日早朝には出勤してくる町役場職員へのチラシ配布の後、高浜原発周辺や舞鶴東部の集落の各戸にもチラシ配布を行った。

◆6日正午には、高浜原発奥の展望所に、福井、近畿各地、東京、福島、愛媛、徳島など全国の原発再稼働を憂う市民が、続々とマイクロバスやマイカーで結集した。展望所からは、美しい若狭湾にはそぐわない高浜原発が一望できる。

◆緊急抗議行動の参加者120人は、午後1時 から高浜原発北ゲート前まで力強くデモ行進し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた後、関電への申しれを行った。その後も若い仲間の力強いコールなど、果敢な抗議行動は続けられた。

takahamaugokasuna

◆午後2時、3号機再稼働のスイッチが押されたという知らせが伝えられると、高浜原発に向けての怒りの声は一段と大きくなった。怒りの歌も始められる。今、同時刻に沖縄辺野古で闘う仲間を思い、『座り込めここへ』も歌われた。伊方原発地元の闘い、通産省前座り込み、地元・高浜町の闘う仲間、滋賀の市民運動、前々日の京丹後Xバンドレーダー基地反対集会に参加のため訪日されたサードミサイル配備反対を闘う韓国の市会議員、福島の闘う女性などの連帯の挨拶が続いた。

◆最後に、「原発全廃まで闘い続けよう」との締めのあいさつの後、関電本店や安倍政権まで届けとばかりの力いっぱいのシュプレヒコールを全参加者で唱和し、3時過ぎに解散した。

◆2017年6月7日 京都新聞朝刊(↓)

2017-06-07

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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