◆政権の奴隷と化した名古屋高裁、最悪の不当判決

【2018年7月6日,京都キンカンで配付。】

司法の役割を自ら放棄し、
政権の奴隷と化した名古屋高裁
大飯原発3、4号機運転差止請求
控訴審で最悪の不当判決

◆関電大飯原発3、4号機運転差止め請求訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部は、7月4日、差止めを命じた2014年5月の1審・福井地裁判決を取り消す不当判決を行いました。福井地裁での1審(樋口英明裁判長)では、

①「人の生命と尊厳を守る人格権が全ての法分野で最高の価値を持ち、人格権が最優先されなければならない」とし、

②基準地震動について、「各地で想定を超える地震が到来しており、大飯の想定だけが信頼に値するとする根拠は見出せない」、「地震大国日本において、基準地震動を超える地震が来ないとするのは、根拠のない楽観的な見通し」とし、「自然の前における人間の能力の限界」にも言及しました。さらに、

③大飯原発の安全性について、「安全技術や設備は確たる根拠に基づかず、脆弱(ぜいじゃく)である」として、大飯原発3、4号機の運転を差止めていました。

控訴審判決で、内藤正之裁判長は、おどおどとした様子で、全く自信なさげに、しどろもどろに判決要旨を読み上げました。あたかも、国家権力、関電あるいは最高裁に後ろから拳銃や匕首(あいくち)を突きつけられて、脅迫されながら朗読しているようでした。朗読が始まった直後から、法廷内では、抗議の怒号が飛び交いましたが、裁判長はこれを制止するゆとりすら持たず、朗読が終わるや否や背後の扉から逃げ去りました。

◆以下に、「判決要旨」の全文と本チラシ作成者の【コメント】を示します。

判決要旨

1 原子力発電所の設備等について事故を起こす欠陥があり,周辺の環境に対して放射性物質の異常な放出を招く危険かあるのであれば,どの範囲の住民が運転の差止めを求め得るのかはともかく,人格権を侵害するとして,当該原子力発電所の運転差止めを請求することができる。その一方で,現在の我が国の法制度は,原子力基本法,原子炉等規制法などを通じて,原子力の研究,開発及び平和利用の推進を掲げ,原子力発電を一律に有害危険なものとして禁止することをせず,原子力発電所で重大な事故が生じた場合に放射性物質が異常に放出される危険などに適切に対処すへく管理・統制がされていれば,原子力発電を行うことを認めている。このような法制度を前提とする限り,原子力発電所の運転に伴う本質的・内在的な危険があるからといって,それ自体で人格権を侵害するということはできない。もっとも,この点は,法制度ないし政策の選択の閤題であり,福島原発事故の深刻な被害の現状等に照らし,我か国のとるべき道として原子力発電そのものを廃止,禁止することは大いに可能であろうが,その当否を巡る判断は,もはや司法の役割を超え,国民世論として幅広く譲論され,それを背景とした立法府や行政府による政治約な判断に委ねられるへき事柄である。

【コメント】
司法の義務を果たさず、憲法の下の三権分立を自ら否定しています。司法府は立法府や行政府の僕(しもべ)となる宣言をしたことなります。また、「本質的・内在的な危険があるからといって,それ自体で人格権を侵害するということは出来ない」という判断は、人の命と尊厳を経済的利益の犠牲にしても構わないとするものです。

2 原子力発電所における具体的危険性の有無を判断するに当たっては,その設備が,想定される自然災害等の事象に耐えられるだけの十分な機能を有し,かつ,重大な事故の発生を防ぐために必要な措置が講じられているか否か,すなわち,原子力発電所の有する危険性が社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているか否かが検討されるべきである。そして,原子炉等規制法の下,高度の専門的知識と高い独立性を持った原子力規制委員会が,安全性に関する具体的審査基準を制定するとともに、設置又は変更の許可申請に係る原子力発電所の当該基準への適合性について,科学的,専門技術的知見から十分な審査を行うこととしているのであって,具体的審査基準に適合しているとの判断が原子力規制委員会によってされた場合は,当該審査に用いられた具体的審査基準に不合理な点があるか,あるいは具体的審査基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に見過ごし難い過誤,欠落があるなど不合理な点があると認められるのでない限り,当該原子力発電所が有する危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理され,周辺住民等の人格権を侵害する具体的危険性はないものと評価できる。

【コメント】
原子力規制委員会が「新規制基準」に適合としたときには、原発の危険性は無視でき、人格権を侵害する危険性はないとしています。「新規制基準」が、福島原発事故から2年少ししか経たず、事故原因の究明も進んでいない(今でも解明には程遠い)2013年7月制定されたものであり、この「新規制基準」に適合とされて再稼動した原発の大半が再稼動時や再稼動直後にトラブルを起こしていること、「新規制基準」について前規制委員長までもが「この基準に適合としたからといって、安全を保証するものではない」と繰り返していることも無視しています。

3 本件発電所の安全性審査に用いられた新規制基準は,各分野の専門家が参加し,最新の科学的・専門技術的知見を反映して制定されたもので,所定の手続も適切に踏んでいるのであって,手続面でも実体面でも原子炉等規制法を始めとする関係法令に違反していると認めうる事情はなく,また,内容において不合理な点も認められない。

【コメント】
2に対するコメントで述べたとおり、「新規制基準」は、安全を保証するものではありません。この判決は、解明されていないことが山積する現在科学技術の水準を全く理解していない裁判官の人間としての思い上がりと傲慢さを表すものです。

4 本件発電所の基準地震動及び基準津波は,最新の科学的知見及び手法を踏まえて策定されたものであり,そこで用いられた各種パラメータは安全側に配慮して保守的に設定され,性質や程度に応じて不確かさが考慮されているほか,計算過程及び計算結果に不自然,不合理な点は見当たらず,年超過確率も極めて低い数値になっていることからすれば,これらが新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点があるとは認められない。

なお、基準地震動の策定に当たり,地震モーメントを求めるに際し用いられた入倉,三宅式について,地震動の事前予測に用いると地震モーメントが過小評価される旨の専門家の証言があるが,対象となる活断層の長さや幅を保守的に大きく見積もり,断屑面積を地表地震断層の長さそのものから求めた数値より大きく設定することなどによって過小評価を防ぐことが可能であると考えられ,本件においても対象となる活断層の断層面積は,詳細な調査を踏まえて保守的に大きく設定されているから,1審被告の策定した基準地震動が過小であるとはいえない。

【コメント】
地震の規模や時期の予知が困難であることは、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本大分大震災あるいは先日の大阪北部を震源とする大震災が全く予知されていなかったことからも明らかです。万が一にも重大事故を起こしてはならない原発は、地震大国、火山大国にあってはならないのです。

5 本件発電所の安全上重要な設備の耐震性,対津波安全性,、異常の発生・拡大防止対策及び重大事故等対策(火山灰対策を含む),テロリズム対策等は,最新の科学的知見及び手法を踏まえて講じられており,地震,津波を始めとした外部事象による共通要因故障のみならず,偶発的な設備の単一故障を仮定しても設備の安全性が確保されているほか,重大事故等対策の有効性も科学的手法によって検証されるなどしており,IAEAの国際基準等に反するともいえないのであって,これらが新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点は認められない。

【コメント】
最新の科学的知見によっても、原発重大事故を完全に防ぐことは不可能です。最新の科学的知見がそこまで進歩していないことは、地震や火山噴火の予知も出来ず、福島原発事故から7年経った今でも、事故を起こした原発の内部も分からず、汚染水の垂れ流しを防げず、使用済み核燃料を保管・処理する有効な方法もないことを考え合わせれば明らかです。さらに、原子力規制委員会のような限られた分野から集められた少人数の委員会での評価は、現在の科学的知見すら集積して行われたものとはいえません。この名古屋高裁の判断は、福島原発事故前に「日本の原発が事故を起こすはずがない」としていた「原子力ムラ」の体質を受け継ぐもので、福島原発事故の反省が全く見られないものです。

6 以上によれば.本件発電所の安全性審査に当たって用いられた新規制基準に違法や不合理の点はなく,本件発電所が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断にも不合理な点は認められず.本件発電所の危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから.本件発電所の運転差止めを求める1審原告らの請求は理由がない。

【コメント】
政府、関電の意を受けて「原発運転ありき」の裁判を行い、このような判決を下した裁判官は、原発で重大事故が起こったとき、万死に値する責任を取らなければなりません。また、自らの利害のために、三権分立の上に成り立つ民主主義を蹂躙し、司法府を立法府、行政府の奴隷にしようとする策略は許されるものではありません。


8.25高浜原発このまま廃炉!
関電包囲全国集会

日  時;8月25日(土)15:00から16:00
場  所;関西電力本店前(大阪市北区中之島)
(集会終了後うつぼ公園に移動して、同公園から御堂筋デモ)
主  催;原発うごかすな!実行委員会@関西・福井
呼びかけ
(1)オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会で構成)
(2)若狭の原発を考える会
(3)ふるさと守る高浜・おおいの会
連 絡 先
宮下正一(原子力発電に反対する福井県民会議、0776-21-5321)
木原壯林(若狭の原発を考える会、090-1965-7102)


定期点検中の高浜原発4号機を
このまま廃炉にしよう!
電力消費地での「原発電気NO!」の声を
拡大しよう!
関電に原発を断念させよう!

◆原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の保管や処理の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手におえる装置ではありません。一方、福島事故以降の経験によって、原発はなくても何の支障もないことが実証されています。

◆それでも関電は、前原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と公言してはばからない“新規制基準”に適合とされたことを拠り所にして、昨年来、高浜原発3,4号機、大飯原発3,4号機を再稼働させたのみならず、40年越え老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働も画策しています。関電の目先の利己的利益のために、人の命と尊厳をないがしろにしようとするものです。また、脱原発に向かう世界の潮流に逆らうものです。

◆若狭の原発が重大事故を起こせば、若狭のみならず、原発電気の消費地・関西も、高濃度の放射性物資で汚染されかねません。福島事故では、約50km離れた飯舘村も全村避難になり、約200km離れた関東にも高濃度の放射性物質が降下しました。高浜原発、大飯原発は、京都駅から60数km、大阪駅から80数kmの位置にあります。100km圏内には都府、滋賀県、福井県のほほ全域、大阪府、兵庫県の大部分、奈良県、岐阜県、三重県の一部が含まれます。避難対象になっても、避難は不可能です。琵琶湖の汚染は、1,450万人の飲用水を奪います。

◆そのような原発重大事故が起こっても、関電も政府も責任を取らない、取りようがないことは、福島原発事故が示すところです。

◆原発はなくても電気は足ります。不要な原発を動かして、事故の恐怖に怯える必要はないのです。節電に努め、「原発電気はNO!」の声を拡大し、原発を推進する関電を糾弾し、原発全廃を勝ち取りましょう。とくに、5月18日より定期点検中の高浜原発4号機はこのまま廃炉にしましょう。4号機は、プルサーマル炉で、ウラン原子炉に比べても、危険極まりなく、長期保管を要する使用済み核燃料を残します。

◆「8.25高浜原発このまま廃炉!関電包囲全国集会」と御堂筋デモへの大結集とご支援をお願いします。

原発うごかすな!実行委員会@関西・福井


2018年7月6日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆人々を愚弄(ぐろう)する原発政策

原発避難円滑化モデル事業で福井県、京都府、愛媛県に
補助金・計4億9千万円
本質的に不可能な避難に「端(はした)金」

◆6月22日、中川原子力防災担当大臣は、原発周辺地域の避難経路の道路改修費等を補助するモデル事業として、福井県、京都府、愛媛県の計4事業を選んだと発表しました。本年度は、計4億9千万円が交付され、例えば、高浜町の狭い道路を部分的に拡幅する事業、伊方町の避難経路の土砂崩れ防止用のり面保護対策に使用されます。

◆このような端金で、原発事故時の円滑な住民避難が保証されるはずがありません。住民懐柔策であることは明らかです。

◆若狭で福島級の重大事故が起これば、若狭や京都北部の地形や交通事情からして、これらの地域からの避難は著しく困難です。さらに、滋賀や京都も避難地域に加われば、数百万人の避難となり不可能であることは明らかです。小手先の道路改修で、避難が可能になることはありません。このことは、1昨年8月に行われた、最大級といわれる避難訓練でも、ちょっとした風で、ヘリコプターは飛ばず、船すら出せなかったこと一つをとっても明らかです。

不可能な避難の計画に費やす時間と経費を原発のない社会創りに使いましょう。原発全廃こそ原子力防災です!

関電の使用済み核燃料の中間貯蔵を引き受ける場所はない
再稼動で、保管場所もない使用済み核燃料が増え続けている

◆若狭の原発の使用済み核燃料プールは、貯蔵容量の7割以上が埋まっていて、再稼動が続いて数年もすれば満杯になります。とくに、MOX燃料が使用済みになったとき、その放射線量、発熱量は、ウラン燃料に比べて減衰し難く、4倍近くの水冷保管を要します。そのため、プルサーマル運転は、使用済み核燃料プールの満杯を加速することになります。

◆なお、使用済み核燃料プールは脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。使用済み核燃料プールは一刻も早く空にしなければなりません。

◆ところで、関電は、西川福井県知事が求める「使用済み核燃料の県外搬出」について、大飯原発再稼動前の昨年11月、「2018年に具体的な場所を示す」と約束しています。大飯原発を再稼動させるための、無責任な方便です。

◆この約束のために、関電は、原子力関連施設が多い青森県に目をつけ、事業に参画する構想をチラつかせ、地元の反発をかっています。今年1月には、関電の原発から出た使用済み核燃料の一時保管先の候補地として、同県むつ市に東電と日本原子力発電(原電)が建設した中間貯蔵施設の名が挙がり、市が強く反発しています。

◆その後、同県東通(ひがしどおり)村で建設中の東通原発の共同事業化の協議に関電が加わるとの見方も浮上しました。関電には「東通原発に参画すれば、中間貯蔵施設への相乗りが認められるのでは」との思惑が見え隠れします。この他、関電は、今月、青森市に事務処理拠点を開設し、さらに2件目の設置も発表するなど“青森進出”を強めています。

◆なお、関電は、むつ市への使用済み燃料搬入について「方針を固めた事実は一切ない」と否定はしていますが、岩根社長は、使用済み核燃料を福井県外に搬出する候補地について、「あらゆる可能性はある」と発言し、青森県について「対象外ということはない」と話したとも報道されています。

行き場がなく、危険極まりな使用済み核燃料を増やす、原発を全廃しましよう!

東海第2原発、「新規性基準」適合の策動

◆東海第2原発(茨城県東海村)は、日本原子力発電(原電)の原発で、日本で初めて建設された百万kW級(110.0万kW)沸騰水型軽水炉1基を所有しています。1978年11月の運転開始で、今年11月で40年越えとなります。同原発から半径30km圏内に96万人が居住し、東京駅まで直線距離で約120kmしか離れていない、いわば、首都圏の原発です。

◆2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、原子炉が自動停止し、常用の外部電源も停止したため、非常用ディーゼル発電機3台で電源を確保しましたが、1台が津波によって故障したため、2台で原子炉冷却に必要な電源を確保しました。その後、外部予備電源が回復し、3月15日0時過ぎに原子炉水温度が100℃未満の冷温停止状態となりましたが、その間は、注水と水蒸気逃がし弁の綱渡り的な操作で、冷温停止までには通常の2倍以上の時間がかかりました。

◆原発専業会社で、他の発電法を持たない原電は、7年以上も発電してこなかったので、業績と財務状態は最悪で、東電、東北電、関電、中部電からの基本料金収入と債務保証によって、かろうじて命脈を保っています。

◆東海第2原発には、日本原子力研究開発機構・東海再処理施設が近接(約2.5km)していますが、同施設には、東海第二原発の炉心・使用済燃料プールの合計を上回る放射性物質がより無防備な状態で貯留されています。いずれかが緊急事態に陥った場合には、関係者も退避せざるを得ず双方の対処ができなくなる可能性もあります。

◆以上のように、東海第2原発は、首都圏立地、老朽化、地震による設備劣化など、何処から見ても即時廃炉とすべき原発です。しかし、あろうことか原電は、2017年11月、この原発の20年間運転延長を原子力規制委員会(規制委)に申請し、規制委は、去る6月21日、再稼働の条件となる「新規制基準」適合の審査書案を近くとりまとめると発表しました。ただし、実際に再稼働させるには、茨城県と東海村など6市村の同意が必要になります(注1)。一方、安全対策に必要な1740億円の工事費の確保も難題です(今後増える可能性も高い)。

(注1)東海第2原発所がある東海村と周辺の水戸、日立、ひたちなか、那珂、常陸太田の5市で構成する「原子力所在地域首長懇談会」は、3月29日、原電が5市にも実質的な事前了解権を与える安全協定を全国で初めて締結しています。

◆さらに、東海村JCO臨界事故(1999年9月)や福島原発事故、同種の事故につながりかねない東北地方太平洋沖地震の津波によるトラブルなどを経験した地元では、近年、廃炉を求める声が高まっています。最近でも、一部が30km圏内にある高萩市の大部市長、高萩市の北隣の北茨城市豊田市長が「再稼動を反対」を表明し(4月25日)、今月19日には水戸市議会が再稼働に反対する意見書を可決しています。

規制委の「新規性基準」審査が極めていい加減であることは、今までに再稼動した原発の大半が、再稼動前後にトラブルを起こしたことからも明らかです。とくに、高浜1、2号機、美浜3号機の審査が示すように、老朽原発審査は全くの手抜きです。

◆断固として、東海第2原発運転延長を阻止しましよう!

高浜原発4号機の蒸気発生器伝熱管に損傷

◆福井県と規制委は、6月22日、定期検査中の高浜原発4号機で、3台ある蒸気発生器のうち1台の伝熱管2本に傷が見つかったと発表しました。運転開始後33年の高浜原発でも、配管の腐食、減肉が相当進んでいることを示しています。

◆また、規制委が「新規制基準」適合とした原発の大半が再稼動直後にトラブルを起こしている事実は、規制委の検査や電力会社の点検が極めていい加減で、今回のような損傷は、他にも多数ある可能性を示しています。

大飯原発もプルサーマル化を企む

◆関電岩根社長は、6月27日、大飯原発4号機でMOX燃料を使ったプルサーマル発電に取り組む方針を示しました。岩根社長は「大飯原発の1基か2基かをプルサーマルにして、余剰プルトニウムを減らす」としています。(原発を動かすから、プルトニウムが増えるのです。)

◆MOX燃料原発は、運転が難しく、燃料が不均質化しやすく、燃料被覆管の腐食が進み易く、使用済み核燃料の冷却に長期を要するなど、危険極まりありません。とくに、ウラン燃料使用を前提にして審査された原発でMOX燃料を使用するなどもっての他です。さらに、MOX燃料使用は、現在科学技術の手に負えない再処理工場の運転を前提にしています。
(プルサーマルの問題点については、別途述べます。)

プルサーマル発電を阻止し、原発を全廃しましょう!


素晴らしい感性、平和への想い
感激の涙で聞きました
6月23日沖縄「慰霊の日」、
中学3年生の相良倫子さんが詩を朗読


私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕(はら)んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒(しおざい)に耳を傾けて。

私は今、生きている。

私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶(いなな)き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、
照りつける太陽の光。

私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。

ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。

私はこの瞬間を、生きている。

この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。

たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。

七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟(とどろき)に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚(あびきょうかん)の壮絶な戦の記憶。

みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜(むこ)の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。

摩文仁(まぶに)の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。

私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、
絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、
あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭(いと)わないことを。

あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。

今を一緒に、生きているのだ。

だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。

私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。

大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。

これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。

摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。


2018年6月29日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林090-1965-7102)

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◆原発に関わる最近の出来事(6月中旬)

【2018年6月22日,京都キンカンで配付。】

人類の手に負えない原発の即時全廃を!

東電、福島第2原発廃炉検討を表明

◆6月14日、東京電力ホールディングスの小早川智明社長は、福島第2原発の全4基の廃炉を検討すると表明しました。正式決定すれば、福島県内の全原発10基が廃炉になります。福島第2原発には、1982年、1984年、1985年、1987年に運転開始した定格出力110万kwの原発(沸騰水型軽水炉)4基があります。2011年3月11日の東日本大震災では、3本の送電系統のうち2本を失い、その後の津波で残留熱除去系(緊急炉心冷却装置ECCSの一つ)を含む原子炉冷却機能を喪失して、原子炉緊急事態宣言が発令されましたが、炉心溶融は免れました。

◆廃炉には、約30年と約2800憶円を要するとされていますが、国内で実際に商業原発の廃炉を完了した経験はなく、廃炉で生ずる多量の放射性廃棄物の処分や作業員の確保など難題が山積で、期間、費用ともに膨れ上がる可能性があります。なお、今回の表明では、廃炉の具体的な道筋は示さず、実現の目途はたっていません。

汚染水の海洋放出、高放射線地域への避難者の帰還、柏崎刈羽原発再稼働を推進したい東電の思惑を許してはなりません

◆福島県の内堀知事は、2014年10月の知事選で福島の全原発廃炉を公約に掲げ、当選後は、第2原発の早期廃炉を求めていました。しかし、東電は、「国のエネルギー政策などを勘案して、総合的に判断する」、「福島第1原発廃炉の後方支援に必要」などと主張して、廃炉表明を先延ばしにし、事故後7年を過ぎた今、やっと廃炉を表明したのです。

◆この廃炉表明は、地元の要請に応えたかのように見せかけてはいますが、実は、原発事故の当事者・東電の都合で決めているのです。

◆都合の1つは、トリチウムを含む福島第1原発の汚染水の海洋放出です。海洋放出に反対する漁民などの説得に、知事や関係者の協力を得たいためです。今の時期に原発全基廃炉を決定して、今秋の県知事選で再選を目指す内堀知事の成果にして、東電の意向に対する知事の理解を得たいためです。この時期の廃炉表明の裏には、きわめて利己的な思惑があります。

◆都合の第2は、「第2原発が再稼働して、再び事故が起こるかも知れない」とする不安を払拭(ふっしょく)して、高放射線地域への避難者の帰還を迫るためです。

◆都合の第3は、「新規制基準」をクリヤーして再稼働させるには膨大な時間と経費がかかる福島第2原発を廃炉にして、東電が経営再建の柱と主張する柏崎刈羽原発の再稼働に力を集中するためです。今月10日の新潟県知事選の結果も、東電は、柏崎刈羽原発再稼働への追い風と考えているのです。

東海村再処理工場、廃止へ

◆6月13日、原子力規制委員会(規制委)は定例会合で、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す国内初の再処理工場・日本原子力研究開発機構(原子力機構)「東海再処理施設」の廃止措置計画を認可しました。計画では、最もリスクが懸念される高レベル放射性廃液について、2028年度末までにガラス固化処理を終えるとしています。廃止作業には約70年を要し、国費約1兆円が投入されます。

◆東海再処理施設は1977年に、原発の使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す再処理を開始して、これまでに1140トンの使用済み核燃料を処理し、原子力機構は4643キログラム[金属プルトニウム換算(実際の形態は、硝酸プルトニウムや酸化プルトニウム)]のプルトニウムを保有しています(4114キログラムを東海の再処理施設、燃料加工施設で保管、529キログラムを「常陽」、「もんじゅ」、「臨界実験装置」などで保管)。

◆東海再処理施設は老朽化し、また、福島原発事故を踏まえた「新規制基準」に適合するためには、安全対策工事に多額の費用を要することなどから、2014年に廃止が決まり、原子力機構は昨年6月、規制委に廃止措置計画の認可を申請していました。

◆計画では、廃止対象は約30施設です。ガラス固化処理に優先して取り組む一方、分離精製工場など主要4施設の除染などに先行着手し、低レベル放射性廃棄物は2023年度半ば以降に処理を開始するとしています。

◆同機構は、当面10年間で約2170億円をかけて安全対策やガラス固化処理を行い、その後、計約7700億円をかけて施設の解体、放射性廃棄物の処理などを行うとしています。これらの費用の大半は、国費で賄われます。

◆規制委の会合では、更田(ふけた)委員長が「当面の関心は、ガラス固化処理がきちんと終了するかどうかだ。放射性廃棄物の貯蔵の実態についてもつまびらかにしてほしい」と要望しました。

◆後継施設となる日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)は、2009年の完成予定が24回延期され、費用も当初の7600億円から、2兆9500億円(2017年7月)に膨れ上がっています。現在の完成予定は2021年度上半期で、規制委の安全審査は大詰めを迎えていますが、危険極まりない再処理工場の運転は問題山積です。

◆なお、「東海再処理施設」は、1997年3月11日、再処理後に残る低レベル放射性廃液をアスファルトと一緒に固めて処理する施設で爆発事故を起こし、「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故と併せて、当時の運営主体だった「動力炉・核燃料開発事業団」(動燃)の組織改編のきっかけになりました。

「核燃料サイクル」の失敗を反省もせずに、
70年という長期の廃止作業を行おうとする
政府、規制委、原子力機構

◆今までに、枚挙の暇がないほどの重大トラブルを起こした「原子力ムラ」の中枢・旧動燃と統合した原子力機構が、70年という長期にわたって安全に作業を進めることができるか否かは大きな課題です。

70年の長期の間には、想定外の天変地変の可能性があり、政治、経済、社会の変動も起こります。それに対応した対策を念頭に置いて、強い放射線を出す液体や固体などが大量にある再処理工場の廃止計画が立てられているとは、到底考えられません。

◆まず、施設に貯蔵されているおよそ360立方メートルの高レベルの放射性廃液についてです。安全上のリスクを下げるために廃液はガラスと一緒に固めて処理する作業(ガラス固化)が以前から進められていますが、過去に何度もトラブルを起こし運転を停止していて、およそ12年半かかるとする工程が順調に進むかどうかは課題です。また、ガラス固化した高レベル放射性物質の安全保管の困難さも指摘されています。なお、東海の施設には、現在でもガラス固化体約270本があります。

◆さらに、通常、施設の廃止作業は、運用が終わってから行われますが、東海村にある再処理施設は再処理の途中で廃止作業が進められることへの不安です。これについて、規制委の更田委員長は「異例といってもいいかもしれない」と述べていて、同じように核燃料が原子炉に入ったまま廃炉の作業が進められる「もんじゅ」と併せて規制庁に監視チームを設けて安全を徹底するとしていますが、規制委が「新規制基準」適合とした原発の多くが再稼働時にトラブルを起こした事実からしても、規制委の監視は無責任この上ないことは明らかです。

◆次に、使用済み核燃料を再処理する際、核燃料を細かく切った後に残る金属の廃材の保管です。この廃材は、強い放射線を出すため、放射性廃棄物として金属製の容器に入れて保管していますが、容器を後から取り出すことを考慮せずにプールに沈めていて、約800個の容器などがプールの中で山積みになっています。プールには、クレーンなど遠隔操作で容器を取り出す装置を新たに整備する必要があり、原子力機構は、およそ10年後から取り出し作業を始めるとしています。

◆さらに、これらの廃材や、廃液をガラスで固めた高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の処分場の建設は見通しが立っていません。また、再処理工場の廃止に伴って、約7万1千トンの低レベル放射性廃棄物の発生も推定されていますが、その処分先も未定です。
(ここまでは、6月13日のNHKニュースを参照しました。)

◆以上のように、廃止の困難さだけを見ても、再処理工場を動かしてはならないことは明らかです。

玄海原発4号機再稼働

◆6月13日、九州電力(九電)は、佐賀県の玄海原発4号機(1997年運転開始;加圧水型;118万kw)を6年半ぶりに再稼働させました。原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」とする「新規制基準」に適合したことを拠り所にして再稼働した原発は、これで5原発9基になりました。九電では、川内原発1,2号機と玄海原発3号機(1994年運転開始;加圧水型;118万kw;2009年よりプルサーマル運転;本年3月23日再稼働)に次いで4基となりました。

◆玄海4号機は、5月24日に再稼働するとされていましたが、1次冷却水を循環させるポンプでトラブル(循環ポンプの流量が2倍になった)が発生して、点検や部品交換のため延期されていました。一方、3月に再稼働された3号機は、再稼働1週間後に、2次系配管に空いた穴からの蒸気漏れがあり、発送電を一時中止しています。

これらのトラブルは、原発の部品や配管の摩耗、腐食、減肉が相当進んでいることを示し、また、電力会社の安全対策が極めていい加減で、原発の「新規制基準」適合性を審査しながら、トラブルの兆候を見抜けなかった規制委の審査が「手抜き」であることを物語っています。ここでのトラブルは軽微なものかもしれませんが、このトラブルの中には、腐食、減肉、脆化など、重大事故につながるものがあります。さらに、度重なるトラブルで危機感がマヒして、重大事故の兆候を見落とす可能性もあります。

◆玄海原発には、廃炉になった1号機(1975年運転開始;加圧水型;55.9万kw;2015年廃炉決定)、2021年に運転開始から40年を迎える2号機(1981年運転開始;加圧水型;55.9万kw;定期点検中)もあります。2号機は、2020年3月までに運転延長を申請しなければ、原発運転40年の制限により廃炉が決定されます。「新規制基準」に適合させるには多額の安全対策費を要する上に、出力が小さいため、この原発の廃炉が決定される可能性は大きいと言えます。老朽玄海2号機の廃炉を勝ち取りましょう。

新電力への切り替え家庭、10%超え

◆6月18日、経産省は、今年3月末までに新電力に切り替えた家庭が約622万件となり、10%を超えたと発表しました。

◆新電力は、大口電力消費者が電力購入先を選べるようにした規制緩和(大口向け電力小売り自由化:2000年)と家庭向け小売り電力の購入先も選べるようにした規制緩和(電力全面自由化:2016年4月)に伴って新規参入した電力会社です。通信やガスなどの異業種も多く、2018年3月末で約500社にのぼります。

◆新電力への切り替えは、都市部が中心ですが、地方にも広がっています。旧来の電力会社管内の切り替え率を多い順に示すと、次のようになります。

①東京電力(13.9%)、②関西電力(13.1%)、③北海道電力(10.0%)、④中部電力(7.5%)、⑤九州電力(6.5%)、⑥東北電力(4.4%)、⑦四国電力(4.3%)、⑧北陸電力(3.0%)、⑨中国電力(2.9%)、⑩沖縄電力(0.0%)

◆家庭向け電力販売が最多の新電力は東京ガスで、KDDI、大阪ガスが続きました。

原発電力から脱したいとする電力消費者の意向を反映して、新電力への切り替えが進んでいると考えられますが、肝心なことは「まずは節電」です。節電によって、電力は原発なしでも十分足りることを示しましょう!

また、原発がダメなら「再生可能エネルギー」という考えは止めましょう。例えば、メガソーラーは、自然破壊エネルギーで、決して「再生可能エネルギー」ではありません。山林や農地に建設されたメガソーラーは、植物が利用していた太陽光エネルギーを人間が奪って使う施設です。太陽光は降り注いでいますが、人が電気エネルギーに変換して使用したら、「再生」できず、植物の生育を妨げるのです。

原発は止められても、地震は止められません!
原発重大事故を繰り返さないために原発即時全廃を!

◆6月18日午前8時前、大阪府北部を震源とするM6.1、最大震度6弱の地震が発生し、4人が亡くなられ、300人以上が負傷されました。この地震は、1923年に観測を始めて以来、最大の地震です。被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。

◆この地震の震源地のやや南と一昨年の熊本・大分大地震の震源地は中央構造線と呼ばれる日本最大級の断層で結ばれていて、途中には伊方原発があります。中央構造線を南西に延長すれば川内原発、北西に延長すれば玄海原発があります。今回の震源地・大阪府北部の北北東には若狭の原発群があります。この地震は、南海トラフ大地震の予兆であると多くが指摘しています。南海トラフ大地震が発生すれば、原発重大事故は避けられません。

今回の大地震、熊本・大分大地震(2016年)、東日本大地震(2011年)、阪神・淡路大地震(1995年)は、何れも予知できませんでした。日本のような地震大国では、どこでも、大地震が発生する可能性がありますが、現代科学では、それを止めることはもちろん、予知することすらできないのです。

一方、原発は人が動かしているのですから、明日にでも止めることができます。重大事故の前に、原発を全廃しましょう!

原発全廃こそが「原子力防災」です。


高浜原発4号機の再々稼働を許すな!

高浜原発4号機は5月18日、3号機は8月3日に定期検査に入り、4号機については8月下旬から9月初旬に再稼働されようとしています。定期点検入りの高浜原発をそのまま廃炉に追い込みましょう!

老朽高浜原発1,2号機、美浜原発3号機を廃炉に!

40年を超えた標記原発が危険極まりないことは言を待ちません。老朽原発の安全対策費は高騰を続けていますから、廃炉実現の可能性は大です。廃炉実現のために、断固とした大衆運動や裁判闘争を高揚させましょう!


2018年6月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原発立地を歩いて

【2018年6月15日,京都キンカンで配付。】

寄稿

原発立地を歩いて

若狭の原発を考える会・橋田 秀美

◆約4年弱の若狭で行った原発反対行動において、私が見たこと、聞いたこと、そして感じたことなどを中心に披露させていただきたいと思います。1955年、兵庫県の但馬地方に農家の娘として生まれ、高校卒業後、京都の郵便局に就職、定年の2年前に退職、退職後、市民運動に関わるようになった私の経験です。

「おもしろそうだな」から入ったこの運動

◆現地に活動拠点を置き、現地にこだわった反原発活動をする「若狭の原発を考える会」に共感し、「原発立地の住民は原発とどう向き合っていらっしゃるか」、「原発立地で原発との関わりの深い皆さんに原発を拒否していただくにはどうすればよいか」、「原発立地・若狭の住民と原発重大事故では被害地にもなる原発電力消費地・関西の住民との連帯した反原発運動をどう構築したらよいか」などを考えることは「おもしろそうだな」と思い、脱原発、反原発を現地で訴える行動に参加しました。

アメーバデモで原発立地の声を感じる

◆まず、「若狭の原発を考える会」の代表的な行動・アメーバデモで聞いた住民の方たちの声を紹介します。

◆(アメーバデモとは; 関西や福井から原発立地の若狭や周辺の舞鶴、高島に集まり、3~4人が一組になり、徒歩で、鳴り物を鳴らしながら、また、「反原発」の旗を掲げ、肩にかけたスピーカーで呼びかけながら、チラシを若狭の全ての集落の、隅から隅まで配り歩く行動です。通常は2~3グループですが、時には全国からの応援も得て数十グループにもなります。お会いする住民からはできるだけお話をうかがうようにしています。)

◆美浜の畑で仕事の手を止めて、「原発は怖い。よう知ってるんや」と、悲しそうな顔でおっしゃる女性がいました。もう原発はここにある、どうしようもないというあきらめか、はたまた、原発を許してしまった後悔や怒りか・・・、そんな風に思えて胸が詰まりました。

◆スピーカーで「原発反対」を訴えたところ、高浜の畑の老人たちから「おまえら、原発の電気を使ってるやろ!」と罵声(ばせい)を浴びました、こんなことはめったににないので、少しへこみました。

◆おおい町大島の男性に「わしらを責めに来たのか」と言われ、複雑な心境になりました。

◆高浜商店街で店先を掃いている女性にチラシを渡して「原発に反対しています」というと、「若い人は都会の大学に行って、そこで就職するから誰も帰って来ない。私らもう死ぬだけだからいいんや」と、そこに別の女性が話しに加わってこられ「いいや、私は福島の事故を見て考え方が変わった。やっぱり原発はあかん」と3人で原発論議になった。帰り際「あんた、よう声かけてくれたなぁ。しゃべれてよかったわ。」とおっしゃった。

◆「反原発」の旗や、スピーカーを鳴らしながら歩いていると会釈する中、高校生や、手を振る小学生がいます。あまり都会ではない光景に心が安らぎます。

◆かつて原発労働者だったという老人は、「わしら放射能の怖さなんか何にも教えられなかった。胸につけた線量計がピーピーなり出すけど、そこら中で鳴っているから誰のが鳴っているかもわからず、仕事をしていた」とリアルな話に驚いた。仲間は70代で多くが亡くなったとおっしゃった。

◆名田庄での長い立ち話。「住民はみんな反対なのに町長や議員は何で賛成するのか分からない」とのこと。

◆この他にも、アメーバデモの参加者は、計1,000人以上の方々と直接お話を聞きましたが、80~90%が原発反対あるいは原発に疑問を持っておられることが分かりました。原発立地でも、脱原発・反原発の隠れた声が多数であることを実感しています。

◆以上のような、いろんな声に教えられ、また、励まされてきました。身体は疲れるけど、気持ちは何もしんどくない、楽しいと感じるようになりました。

◆都市部の人にこの話をすると「へえー。チラシ配って『ありがとう』って言われるの、いいなー」と興味を示されます。このことは、2月25.26日の若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)に参加された皆さんも実感されました。この行動には、全国から延べ220人の方が参加されましたが、1日目の夜の交流会でも「若狭の人は温かい。ほとんどの人から『ありがとう』、『ごくろうさん』と言われた。都会でチラシ配っても『ありがとう』なんて言われたことがない。来て良かった」との感激の言葉が多数聞かれました。現地の人たちに、反原発をアピールするだけでなく、運動する側の人たちに、現地で行動する意義、喜びを感じてもらえたという意味では本当によい企画だったと思いました。

原発立地に近い立地外住民の思い

◆2018年5月8日の中日新聞朝刊に、小浜湾を挟んで5 km離れた対岸の集落・小浜市内外海(うちとみ)地区での大飯原発再稼働についての世論調査の結果が掲載されました。ほぼ半数が再稼働に反対し、8割以上が廃炉を求めていることが分かりました。私達はその地域にも行ってみました。大飯原発は陸地からは見えないと思っていましたが、泊という地区からは見えました。最初にお話しした人からは、いきなり「原発を動かす政府が悪い」と怒りの言葉でした。出会う人がほとんど「原発反対」とおっしゃいます。原発が目と鼻の先にあり、もし事故がおきたら真っ先に被害を被る。小浜市は原発を拒否したのに、そんな理不尽さも感じ取れました。

(注:小浜市内外海地区の一部は、大飯原発から5 km圏すなわち事故時にすぐ避難が必要な「予防防護措置区域(PAZ)」にありながら、小浜市は原発の立地自治体ではないため、地元同意の手続きから外れています。)

原発立地も変わりつつあります

◆私たちは、高浜で、美浜で、おおいで集会や講演会、デモをしてきました。その集会やデモに現地の人が参加して欲しいという気持ちはもちろんあります。しかし、それはなかなかできないことだというのも分かっています。しかし、私達が現地で声を上げ、行動することで「声をあげていいんだ」、「反対って言っていいんだ」と思う人が増えていっているのは確かだと思います。なにかあったときに、この人たちはきっと立ち上がってくれると信じ期待しています。

◆一昨年の12月18日高浜原発の地元中の地元・音海地区が「40年超え原発運転延長反対」の決議を上げました。地域には「高浜原発運転延長反対」の立て看板がたち、今やのぼりまで立っています。これにあわてふためいたのは関電でした。関電はこの音海対策のために対策本部を設け、人員を配置し懐柔策に乗り出しました。地区の新年会に出席したいと言いだし、一升瓶をぶら下げて来たそうです。この事実から分かることは、やはり、地元から反対の声が上がるということが一番怖いのです。

◆昨年12月3日おおい町で反原発集会とデモをしたとき、「こうして外から来て原発反対運動をしてくれるのはありがたい。こういう運動がなかったら若狭で原発重大事故が起こっていたかもしれない」という住民の方がおられました。私はハッとしました。

◆3.11福島原発事故という大きな犠牲の下、全国で起こった「反原発」の大衆運動や裁判闘争が、電力会社に安全対策を迫ることとなり、事故を防ぐことに繋がっているのです。反対行動が無ければ、多額のお金を要する安全対策などせず、老朽原発を含む原発を次々に動かし、重大事故の確率は格段に高くなっていたでしょう。社会の不条理に無関心であること、声を上げず、行動に表さないことは、無自覚のうちの国策、体制擁護であり、自分を含む多くの人も危険に追い込むことになるのだと改めて考えさせられました。

私にとって昨年は激動の一年でした:少し変わりました

◆昨年、私は、国策に抗(あらが)ういろんな現地に行き、深く考えさせられる経験をしました。

◆私は子供の頃、農業を手伝わされました。そのころは遊びたいし、「土まみれになるしいやだなぁ」と思ったこともありますが、今は農業を経験したことが自分の生き方に大きく影響を与えていると思うようになりました。

◆成田空港建設ではすさまじい農地収奪が行われたということですが、三里塚でお目にかかった、農地を売らずに守り続けている農民が畑で働く姿はなんとも懐かしく、気高くさえ思えて、とても感動しました。「何億とお金を積まれても、土地は売らん。俺たちは1本100円の大根を作り消費者に喜んでもらう方が幸せだ」、そう言って今も続く空港会社や国からの不当な弾圧や嫌がらせに抗って、闘っておられます。

◆岩国の米軍基地も訪れました。今住んでいる京都の北部・京丹後に米軍Xバンドレーダー基地ができ、そこにも基地反対行動に行くようになり、そのつながりで「岩国に行ってみたい」と思ったのです。

◆愛宕山という山が削られて平らになり、そこに作られた米軍高級将校用住宅が建ち並んでいました。1軒が7、8千万円するそうです。建設費、家賃も光熱費も思いやり予算=私達の税金です。米軍用の大きな野球スタジアムもありました。このスタジアムは、私達の税金で立てられたものですが、米軍は「市民も使用してもいいよ」と言っているそうです。現物を見るとほんとに腹が立ちます。この怒りが行動の原動力になります。

◆上関原発建設に反対し続けている祝島(いわいしま)には、岩国の帰りに寄りました。上関原発建設予定地の真向かいにある島です。島民の9割が原発建設に反対しています。「あんな巨大な建物を見て暮らすのはいやだ」、「主要産業である漁業にとって、海が汚されたら生きていけない」、「もし事故が起こったら、こんな離島からどうして逃げるのか」、そんな思いで反対し続けています。非暴力で座り込んで住民は拒否してきたそうです。1割の人が金に目がくらみ、住民を裏切りましたが、未だ闘いは続いています。

◆こうして考えると、お目にかかった農民や漁民の方々には、自然の中で土と共に生きる、海の幸をいただいて生きる、これが人間としての生き方であり、将来にわたっての幸せであるという堅い信念があるのだと思います。だから、農地を手放してはいけない、原発で土や海を汚されたら人間は生きてはいけないことをよく知っていらっしゃいます。祝島の人たちは顔がみんなとてつもなく明るかった。それに比べると、若狭の原発立地の人の顔はどこか暗いものを感じます。それはもう原発があるからという諦めからくるものかもしれないし、原発を許してしまった怒りや後悔なのかもしれません。

◆しかし、先日、湾を挟んで高浜原発の対岸にあり、原発から4~5km の鎌倉という地区を訪れたとき、ハッとさせられたことがありました。高台の小さな集落ですが、棚田と畑が見事な景観を作り出しています。少し腰の曲がった老年の女性がにこにこしながら歩いてこられたので、挨拶して「原発反対のチラシです。読んでいただけますか」と手渡しました。すると、「まあ、ごくろうさん。そこの小さな田んぼと畑を一人でままごとのようにやっているんよ。でもこれで十分生きていけるから満足」とおっしゃったのです。私は、本当の豊かさとはこういうことではないかと思いました。そして、なんと人間らしい生き方かと感服しました。

◆私は、三里塚の農地や働く農民の方たちを見て、命をかけて守ってこられたこの畑を原発事故などで汚してなるものかと思い、祝島で、活き活きと海と共に暮らすこの人たちの暮らしを原発などで失わせてはいけないと思い、高浜町鎌倉の「ままごとのような小さい田んぼと畑で生きていける」とおっしゃった人の暮らしを守りたいと強く思いました。

◆そして、地道に労働争議を闘っているユニオンの方達との出会いもありました。原発事故は職場を奪います。福島原発事故は、大きな犠牲を持って私達にそれを教えてくれました。働く場を失い、復興のめども立たず、事故後4年目くらいから自ら命を絶つ人が増えました。新たな職もなかなか見つからず、家族は疲弊して離散してしまう例もたくさんありました。この責任を誰もとっていないことにほんとうに怒りが込み上げます。

おわりに

◆私のつたない経験と深い思いを書いてみました。最後に、以下を訴えます。

◆困難をいとわず、おもしろい企画を打ち出し、楽しく参加できる反原発運動を展開しましょう。

◆市民運動をしている方はほとんどが退職世代です。若い人が運動に参加しないと嘆く人がいますが、時間だけはある私達・年金世代が活き活きと活動する姿を見せればそれでいいと思っています。

◆現地に行きましょう。自分の目で見て感じたら人は変わります。私は現地行動で育てられたと思います。現地に通いながらいろんなことを発見し、学びました。

◆経済至上主義で壊されてしまった現状から、人間らしい生き方、人間が大事にされる社会を取り返さなければならないと思います。どのような社会が人間らしく生きられる社会なのか、どうしたらそんな社会が創れるのか、一人一人が考え、行動しましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。


新潟県知事選挙では、
惜しくも野党共闘候補が敗れましたが、
この悔しさをバネに
さらに大きな原発全廃運動を構築しましょう!

◆6月10日投開票された新潟県知事選挙は激戦でしたが、野党が一丸となって推薦した候補は僅差で、与党系候補に敗れました。しかし、原発に関しては、新潟県民のNO の声は大きく、この選挙では、与党系候補ですら、前知事が進めた安全性検証を継続するとして、再稼働に慎重な姿勢を示さざるを得なかったのです。また、選挙中だけでなく当選後も、柏崎刈羽原発の再稼働の是非について、出直し知事選で県民に判断を仰ぐ可能性を強調しています。(任期中は原発を動かさないことを宣言したことになります。)

◆さらに大きく、全国的な再稼働阻止の大衆行動や原発運転差し止めの裁判闘争を構築し、原発全廃を実現しましょう!


2018年6月15日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆原発に関わる最近の出来事

【2018年10月9日,京都キンカンで配付。】

人類の手に負えない原発の即時全廃を!

「エネルギー基本計画(改定案)」公表

-脱原発の民意を蹂躙し、原発に固執する計画-

◆経済産業省は5月16日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改定案をとりまとめました。パブコメを求めた後、今夏に閣議決定するといわれています。

◆この計画では、再生可能エネルギーを「主力電源化」する方針を新たに打ち出す一方で、原発については、「依存度は可能な限り低減していく」としつつも、「重要なベースロード電源」とする従来の方針(2015年7月に策定)を維持して、2030年度時点の発電電力量に占める原発の比率を20~22%とする目標は据え置きました。

◆この目標の達成のためには、30基以上の原発が必要となり、運転開始後40年を越える老朽原発の稼働も必要になります。しかし、全老朽原発の稼働を延長したとしても、これらの原発の多くが2050年までに60年越えで廃炉になるため、2050年に稼働中なのは20基に満たないことになります。したがって、中長期で一定の原発活用を見込むのであれば、新増設や建て替えは避けて通れないことになりますが、この基本計画では世論の批判を恐れて、その議論は避けています。

◆なお、今回の計画では、2015年12月に採択された地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を踏まえ、2050年を見据えた長期のエネルギー戦略を新たに盛り込んでいます。再生エネルギーや原発、火力に加え、水素や蓄電池など次世代技術も含めた「あらゆる選択肢の可能性を追求する」と強調しましたが、将来の技術進歩やエネルギー情勢を正確に予測するのは困難として、電源構成の具体的な目標設定は見送っています

◆今回の改定案では、2030年度の発電電力の電源別構成比の目標を次のように定めています。
(比較のために、2015年度および震災前の2010年度の電源構成も併せて示します。)

  • 2030年度(計画)…… LNG27%、石炭26%、再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%、石油3%
  • 2015年度(現状)…… LNG40%、石炭32%、再生可能エネルギー15%、原子力1%、石油12%
  • 2010年度(震災前)… LNG29%、石炭26%、再生可能エネルギー10%、原子力25%、石油10%

問題なのは、「原発依存度は可能な限り低減する」としながら、「原発ゼロ」を目指さないことです。

◆福島原発事故は、多くの人の命を奪い、故郷を奪い、職場を奪い、農地を奪い、海を奪い去りました。事故から7年たった今でも、5万人以上が避難生活を強いられ、事故炉廃炉の見通しも立たず、汚染水が垂れ流され続けています。そのような中でも、政府は、避難された人々に、除染が進んだとするには程遠く、高放射線でインフラも整備されていない故郷への帰還を強要しています。

◆原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さだけでなく、使用済み燃料の処理や保管の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手に負える装置ではありません。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても何の支障もないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は全く見出せません。不要な原発を稼働させて、事故のリスクに怯える必要は全くないのです。そのため、最近のほとんどの世論調査でも、原発反対は賛成の2倍以上となっています。脱原発、反原発が多数の願いであり、民意であることを示しています。

原発は不要なのですから、「原発ゼロ」は可能で、当然のことです。
なぜ、危険極まりない原発とCO2排出量の多い石炭を「ベースロード電源」にするのでしょう?

◆それは、
①使用済み核燃料や事故による損失を度外視すれば、安上がりな原発電力、熱量当たりの単価が化石燃料の中で最も低い石炭での発電によって、電力会社や大企業を儲けさせるためであり、
②原発輸出によって、原発産業に暴利を与えるためであり、
③戦争になり、石油や天然ガスの輸入が途絶えたときの基盤電源を、国内で調達できる原発電力、石炭火力電力で確保するためであり、また、
④核兵器の原料プルトニウムを生産するためです。

◆すなわち、この「エネルギー基本計画」は「巨大資本に奉仕する国造り、戦争出来る国造り」のための計画です。

原発推進の策動を許してはなりません。

◆今回の「エネルギー基本計画」の改定案の公表に関して、原発を推進してきた自治体の首長らは不信感を述べ、原発の建て替えや新設を促すかのような発言をしています。民意を蹂躙する原発推進の策動は、断固として拒否しましょう。

◆高浜原発立地の高浜町の野瀬豊町長は5月31日の会見で「(原発を)やめるなら、やめるで、はっきりしてほしい」と国に注文し、エネルギー基本計画の改定案には原発の建て替えなどが盛り込まれず、中長期的な原子力政策を明らかにしない国に不信感を示しています。改定案では、2030年度の目標とする原発の電源構成を従来通り20~22%に据え置いていますが、目標達成に必要とされる新増設などを先送りしており、野瀬町長は原発を軸とした町内産業の将来を念頭に「(現状のままでは)出口戦略を考えざるを得ない」と指摘しています。

◆総合資源エネルギー調査会の委員でもある西川一誠福井県知事は、「原子力も再生エネルギーもはっきりしない。国民に分かりづらく、各エネルギーへの信頼が低下しかねない」として16日の会議で計画案を批判しています。

◆上関原発(山口県上関町)建設計画への影響について、上関町内の推進派団体でつくる「上関町まちづくり連絡協議会」の古泉直紀事務局長は、改定案が原発の新増設に踏み込まなかったことに関して、「原子力の電源構成を維持していくならば、いずれ新増設が議論されていくのではないか」と分析し、「町は高齢化による人口減少で厳しい。原発建設は一つの選択肢だ」と語りました。一方、予定地対岸の祝島の「上関原発を建てさせない島民の会」の清水敏保代表は「(新増設の不明記は)予想通り。反対派、推進派とも原発は見通しが立たないということで一緒に町づくりに取り組んでいくところだ。計画が白紙撤回されるまで反対を訴える」と強調しています。なお、予定地の公有水面埋め立て免許は来年7月に期限を迎えます。基本計画が原案通りに閣議決定されれば、県は、原発の新増設についての国の方針が不透明なまま、免許延長の可否を判断することになりかねません。村岡嗣政山口県知事は、免許の延長については「中国電力の申請を踏まえて対処する」と述べるにとどめ、基本計画が許可に影響するかどうかについては明言を避けました。

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政府が旗を振るも、
原発輸出計画からの撤退相次ぐ

トルコの原発新設計画から伊藤忠は離脱、三菱重工業は参画も実現は疑問

◆三菱重工、伊藤忠などと日本政府が、トルコ北部の黒海沿岸シノップで、2023年稼働を目指して進めていた原発4基の建設計画から伊藤忠が離脱することが、4月23日、明らかになりました。計画当初(2013年)4基で2.1兆円程度とされていた総事業費が、三菱重工が主体となって行った調査で、2倍以上に膨らむことが判明したためです。政府は、事業費の増加を受けて、トルコ政府に資金面での負担を求めていますが、交渉は平行線をたどっています。伊藤忠が離脱すれば、事業費を負担する企業が減り、事業の実現性はさらに厳しくなります。

東芝、米原発新設から撤退

◆東芝は5月31日、米テキサス州での原発新設計画の取り止めを発表しました。子会社であったウエスチングハウスが昨年3月に経営破綻したのを機に、海外での原発新設から撤退する方針に転じていました。東芝本社は、2009年にテキサス州で原発2基を受注していましたが、電力価格の下落や、福島原発事故後の安全基準の強化に伴う建設費の高騰で採算が取れなくなって撤退を余儀なくされたのです(投じた862憶円は損失として計上済み)。

◆東芝は、英国でも、子会社が原発3基の新設計画を進めていましたが、これも撤退に向け、すでに損失450億円を計上しています。子会社は、韓国電力公社に売却するといわれています。東芝は、今後、新設に比べてリスクの少ない、部品の輸出(ウクライナなどへ)に力を入れるといわれています。

日立製作所が英国で進める原発建設計画にも暗雲

◆日立は、英西部のアングルシー島に、2020年半ばの運転を目指して、原発2基を建設する計画を進めています。しかし、安全基準が厳しくなったことで、当初、1.5兆~2兆円とされていた総事業費は、3兆円程度に高騰しています。目算の狂った日立は、公的支援がなければ事業の継続は困難と判断して、5月3日、中西宏明会長(経団連会長)がメイ首相に、撤退もちらつかせながら直談判して、総額3兆円の中の2兆円を英政府と英金融機関から直接融資する案を引き出しています。残りの1兆円分は、日立、日本の政府系金融機関と電力会社、英政府と現地企業がそれぞれ3000憶円を出資する形で賄う計画ですが、工事遅延などで、巨額損失が発生すれば、深刻な影響が出かねないだけに、思惑通りに日本企業が参画するかどうかは見通せません。

◆また、英議会には過度な支援への反対意見も根強く、一度事故が起これば住民の多くが島に取り残され、美しい自然も失いかねないアングルシー島住民や英消費者の大きな反発もあります。(なお、アングルシー島住民は、5月下旬に福島県を視察し、事故も収束していないのに原発を輸出しようとする日本の姿勢を強く批判しています。)

◆さらに、日英両政府が、原発の新設に絡む債務を保証するために、税金が使われる可能性があることへの両国民の反発もあります。したがって、安倍首相と親しい中西会長を擁する日立は、英原発事業を成長戦略の柱であるインフラ輸出の目玉に据えたい安倍政権の強い期待を感じながらも、慎重な最終判断をせざるを得なくなっています。

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フランスが高速炉計画の縮小を検討

◆日本がフランスとの共同研究を進める高速炉実証炉*「ASTRID(アストリッド)」(2023年に着工し、2030年代の運転開始を目論む)について、フランス政府が、計画の縮小を検討していることを日本側に伝えました(5月31日報道)。開発費の高騰が理由で、出力規模を当初予定の60万キロワットから10万~20万キロワットに縮小する案を検討しています。

◆高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉を決めた日本は、アストリッド計画を当面の高速炉開発の柱にしたい考えでしたが、計画が縮小されれば、日本の高速炉開発計画も、抜本的見直しを迫られることになります。出力規模を大幅に縮小すれば、将来の商用化に必要な実証データが得られなくなる可能性もあります。
(*「実証炉」は「原型炉」より一つ進んだ原子炉で、実用化(商業炉)の一歩手前と位置付けられているもの。)

◆なお、以下は、日本政府が高速炉に固執する理由です。

①原発で出た使用済み燃料全量を再処理して、取り出したプルトニウムでMOX 燃料を再利用する核燃料サイクルを維持するためです。MOXを燃料とする「高速炉」は核燃料サイクル実現の要なのです。(しかし、液体ナトリウムを使う高速炉は技術的に不可能に近く、再処理工場運転も困難を極めることは、すでに実証されています。)

②制御しやすい原爆を作るためには、質量数239のプルトニウムの純度が高いプルトニウムが必要ですが、普通の原発(熱中性子炉)では高純度プルトニウムを得られず、高速炉が必要になります。すなわち、高性能原爆を得るために高速炉が必要なのです

稼働わずか250日の「もんじゅ」に
経費1兆1313億円

◆会計検査院は、5月11日、廃炉が決定している「もんじゅ」に関する検査結果を公表しました。概略は次のようなものですが、現代科学・技術では手に負えず、原発の中でも最も危険な高速増殖炉を、多くの反対意見を踏みにじって運転した政府や科学者(原子力ムラ)の責任については言及していません。

①「保守管理の不備が廃炉につながった」と総括。
②約半世紀にわたり、研究開発に少なくとも1兆1313憶円を投入。
③稼働日数は250日。研究の達成度は16%。
④廃炉費用は国が試算した3750億円を超える可能性。

安倍政権は、それでも高速炉開発を継続しようとしています。「もんじゅ」廃炉で手綱をゆるめることなく、「核燃料サイクル」からの完全撤退を求めましょう!

[注]以前、2011年にも会計検査院はもんじゅにメスを入れていますが、そのときはもんじゅ関連施設として「RETF(リサイクル機器試験施設)」の費用835億円をれて計算していました。今回、なぜかこの費用が入っていません。また、固定資産税は96年度~98年度のものは含まれていません。96年度は70億円を敦賀市が課税したと報道されています。3年分で200億円近くになるとみられています。そうすると、実態は1兆2300億円を超えるものとみられます。

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7原発12基中央制御室ダクト腐食、穴も

◆原子力規制委員会は、島根原発2号機の中央制御室ダクトに腐食による穴(最大で横約100 cm、縦約30 cm)が複数見つかった(2016年12月)ことを受けて行った全国の原発の空調排気系ダクトに関する調査結果を発表しました(5月23日)。ダクトに穴が開いていると、原発事故時に放射性物質が中央制御室に流入し、運転員が被曝する可能性があります。ダクトは鉄や亜鉛メッキ鋼でできています。腐食の原因は、結露、雨水の侵入、塩分の付着です。

◆腐食や穴が確認された原発は、女川原発3号機、東海第2原発、福島第1原発6号機、柏崎刈羽原発3、4、5、7号機、浜岡原発3~5号機、志賀原発1号機、島根原発1号機です。柏崎刈羽原発3号機の穴は横約5 cm、縦約13 cmで、3、7号機では穴や亀裂が計9ヵ所みつかっています。

このように多数の腐食や穴が一挙に見つかった事実は、原発施設の老朽化が深刻であり、原発稼働にお墨付きを与える規制委の調査・検査が、これまで、極めていい加減であったことを物語っています。

新設島根原発3号機の稼働を許すな!

◆日本で唯一の都道府県庁所在地に立地する原発。1号機は2015年に廃炉が決定したものの、建設中の3号機(沸騰水型:福島事故以前に建屋、設備はほぼ完成)の稼働審査が原子力規制委員会に申請されようとしています。この原発が稼働すれば、原発新増設に道を開くことになります。

原発が新増設されなければ、最悪でも、2049年には原発ゼロになります。原発新増設を許してはなりません!

高浜原発4号機の再々稼働を許すな!

◆高浜原発4号機は5月18日、3号機は8月3日に定期検査に入り、4号機については8月下旬から9月初旬に再稼働されようとしています。定期点検入りの高浜原発をそのまま廃炉に追い込みましょう!

老朽高浜原発1,2号機、美浜原発3号機を廃炉に!

◆40年を超えた標記原発が危険極まりないことは、言を待ちません。老朽原発の安全対策費は高騰を続けていますから、廃炉実現の可能性は大です。廃炉実現のために、断固とした大衆運動や裁判闘争を高揚させましょう!

新潟県知事選挙、池田候補に勝利を!

◆6月10日投開票の新潟県知事選挙が戦われています。人類の手に負えない原発の再稼働を許さず、嘘と欺瞞の上に大企業のみに奉仕し、戦争できる国づくりを進める安倍政権を打倒するために、池田千賀子候補を勝利させなければなりません。全国から熱いエールを送りましょう!

2018年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆5月中旬以降に若狭で配布するチラシ

【2018年5月中旬以降に若狭でのアメーバデモで配付。】

大飯原発3、4号機の再稼働は許してしまいましたが、

反原発運動はますます重要になっています

◆福島原発事故から7年になりますが、この事故は、原発が重大事故を起こせば、人の命と尊厳を奪い、職場を奪い、農地を奪い、海を奪い、生活基盤を奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。原発重大事故は、人が人間らしく生きる権利を根底から奪い去るのです。

◆一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても何の支障もないことが実証されました。原発は動いていなくても、電気は十分足りていました。そのため、脱原発、反原発は圧倒的な民意となっています。それでも、関西電力(関電)は、3月14日、5月9日に大飯原発3、4号機を再稼働させました。脱原発、反原発の民意を蹂躙し、脱原発に向かう世界の潮流に逆らうものです。

私たちは、全力で大飯原発再稼働に抗議しました

◆私たちは、この原発再稼働の暴挙を座視してはいませんでした。オール福井反原発連絡会、ふるさとを守る高浜・おおいの会、若狭の原発を考える会の呼びかけで昨年8月に結成された「大飯原発うごかすな!実行委員会」は、10月15日、4月22日に、それぞれ600名、700名の参加を得て、「関電包囲全国集会」と御堂筋デモを貫徹し、関電に原発再稼働阻止の決意を示し、市民や内外からの観光客に原発全廃を訴えました。

◆また、12月3日には500人の参加を得て、「おおい町現地全国集会」と町内デモを行い、おおい町の方々に原発再稼働反対行動への決起を訴えました。2月25、26日には、延べ220名の参加を得て、若狭湾岸一斉チラシ配布(通称拡大アメーバデモ)を実施し、5万枚以上のチラシを配布しました。

◆さらに、大飯原発3、4号機が再稼働されようとした3月13日(100名参加)、14日(70名参加)、5月9日(100名参加)には、おおい町現地でのデモと原発ゲート前での集会を行い、断固として再稼働に抗議しました。

大飯原発再稼働でもトラブルが発生しました

◆5月9日に再稼働した大飯原発4号機では、10日早速、蒸気発生器の水位計が異常を検知したことを示す警報が鳴り、出力上昇が中断されたと報道されています。関電は、蒸気発生器(2次系)の水位は規定値内であり、水位計に問題はなかったとして、出力上昇を再開しました。

◆しかし、関電の説明では、問題がなく正常な水位計が、水位に異常がないのに、警報を発したことになります。警報が鳴った理由は不明で、何かが隠されているとしか考えられません。
これで、福島事故以来再稼動した5原発(川内、高浜、伊方、玄海、大飯)の全てが再稼動前後にトラブルを起こしたことになります。トラブル率100%です。

◆2015年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に復水器冷却細管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の1昨年2月20日,1次冷却系・脱塩塔周辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端(とたん)に警報が鳴り響き、原子炉が緊急停止しました。

◆さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の1昨年7月17日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。去る3月23日に再稼働した玄海原発3号機は、再稼働1週間後の3月30日に、脱気装置からの蒸気漏れを起こしました。配管に直径1.3 cmの穴が開いていたそうです。

◆何れも、重大事故に繋がりかねない深刻なトラブルです。なお、関電の関連企業は、1昨年3月以降、運搬中の鉄塔工事用の資材1トン近くをヘリコプターから落下させる事故を3度も起こしています。また、昨年1月20日には、長さ112メートルのクレーンを2号機の使用済み燃料プール建屋の上に倒壊させました。予測できる程度の強風で倒れたのです。信じられない幼稚な事故です。

◆このように、再稼働を進める全ての電力会社がトラブルを起こしているという事実は、
①原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、
②配管の腐食や減肉(げんにく:厚みの減少)、部品の摩耗などが進んでいることを示しています。また、
③傲慢で安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。さらに、
④規制委員会が適合とした全ての原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委員会の審査が無責任極まりないことを物語っています。

大飯原発の再稼働は許したものの、反原発運動の意義は大きいと考えます

◆大飯原発の再稼働を許したことは本当に残念なことですが、私たちの運動に限らず、各地で毎年行われている福島事故を忘れない3.11集会、全国で毎週行われている脱原発金曜行動などの反原発運動には、次のような意義があると考えられます。

◆第1に、現地での行動は、原発再稼働に抗議するだけでなく、表にはでていないものの、若狭などの原発立地に広範に存在する「原発は嫌だ」の声に呼応し、連帯するものです。

◆第2に、反原発の闘いが、老朽原発を廃炉に追い込んでいます。脱原発、反原発の圧倒的な民意に後押しされた大衆運動のために、傲慢な電力会社と言えども、原発を動かそうとするとき、多額の費用を要する安全対策を施さざるを得なくなり、安全対策費のかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなっています。昨年末からでも老朽大飯原発1、2号機、伊方原発2号機の廃炉が決定しました。これで、福島事故以降に廃炉が決定した商業原発は9機になりました。

◆第3に、脱原発、反原発の大衆運動は、原発重大事故を防いでいるとも言えます。大衆運動がなければ、電力会社は多額の費用を要する安全対策もせずに、老朽原発を含む原発を次々に動かし、重大事故の確率は格段に高くなっていたでしょう。

◆第4に、脱原発、反原発の大衆運動は、国内だけでなく世界にも拡がり、世界的に安全対策費を高騰させ、原発産業を成り立たなくさせています。東芝が破綻し、伊藤忠商事がトルコの原発建設計画から撤退すると報道されています(4月25日)。

◆第5に、反原発の大きな声が、裁判闘争を後押しし、司法を動かしています。福井地裁、大津地裁、広島高裁での原発運転差し止め決定など司法での勝利も、福島原発事故後、格段に多くなっています。

◆以上のように、反原発の大衆運動は、老朽原発廃炉、原発からの企業の撤退、裁判闘争の勝利に貢献していると言えます。

大飯原発3、4号機即時廃止、高浜原発3、4号機の再々稼働反対、
老朽高浜原発1、2号機、老朽美浜原発3号機の再稼働阻止の行動を
さらに大きくしましょう!

◆前述のように、反原発の大衆運動は、原発重大事故の確率を下げることには貢献していますが、完全に原発事故を避けるには、原発全廃しかありません。さらに大きな原発全廃運動を構築しましょう!

①大飯原発3,4号機は再稼働されたとは言え、大衆運動が高揚し、裁判闘争にも勝利すれば止めることができます。粘り強い原発全廃運動が肝要です。

②昨年再稼働された高浜原発4号機、3号機は、5月、8月に定期点検に入り、その2~3か月後に再々稼働されると報道されています。いい加減な定期点検で安全が保たれるものではありません。再々稼働阻止の行動に立ちましょう!
なお、高浜原発3、4号機は、とくに危険なMOX燃料プルサーマル炉です(裏面【1】をご参照ください)。

③高浜原発1、2号機(1974年11月、1975年11月営業運転開始)、美浜原発3号機(1976年3月営業運転開始)は、運転開始後40年を大幅に超えた老朽原発ですが、関電は、高浜原発1、2号機を2019年10月以降に、美浜原発3号機を2020年3月以降に再稼働させようとしています。全国の老朽原発の再稼働への道を開こうとするものです。

◆原発は、老朽になるほどトラブル率が急増します。圧力容器の脆化(ぜいか:金属などが軟らかさを失い、硬く、もろくなること:)、配管の腐食、配線被覆の老化、資料の散逸など、問題点は山積です(下記【2】をご参照ください)。

◆福島原発事故後、老朽大飯原発1、2号機、伊方原発2号機を含め、福島原発を除いても、9機の廃炉がすでに決定しています。膨大な安全対策費を要する老朽原発再稼働は阻止できる可能性があります。原発の40年越え運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、最悪でも2049年には国内の原発はゼロになります。老朽原発再稼働阻止の闘いに今すぐ起ちましょう!

【1】MOX燃料の危険性は、ウラン燃料より格段に高い

◆通常の原発では、燃料としてウラン酸化物を用いています。この燃料のウランは、天然にあるウラン(ウラン235約0.7%、ウラン238約99.3%を含む)とは異なり、核分裂し易いウラン235を2~5%(通常約4%)になるように濃縮したものです。

◆一方、MOX 燃料は、ウラン238とプルトニウム(239が主体)の混合酸化物 (Mixed Oxide;MOX) であり、プルトニウムの含有量は4~9%です。MOX燃料は、原子炉で使い終えた核燃料を溶解して、燃え残ったウランや新たにできたプルトニウムなどを分離抽出して(再処理して)つくります。すなわち、MOX燃料の製造には、危険極まりない再処理が不可欠です。

◆プルサーマル発電とは、プルトニウムを一般的な原子炉で燃す発電方法のことであり、MOXを燃料としています。プルサーマル発電において、原子炉内の燃料の1/3程度をMOX燃料、残りをウラン燃料とした場合、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均50%強となります。高浜3、4号機に装荷されたMOX燃料は、各々24体(全157体中)、4体(全157体中)です。

◆高浜3、4号機のような既存原発のプルサーマル化では、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉のウラン燃料の一部をMOX燃料で置き換えて運転するので、技術的な課題が多くなります。なお、原子力規制委員会の新規制基準適合審査における重大事故対策の有効性評価の解析対象は、ウラン炉心のみであり、MOX炉心については何ら評価されていません。

重大事故の確率が高い理由の例

◆プルトニウムの核分裂では、酸素と結合し難い白金族元素が生成し易いので、プルトニウム酸化物中でプルトニウムと結合していた酸素が遊離しますが、遊離した酸素が被覆管を腐食します。また、プルトニウムはα粒子を放出し易い元素ですが、α粒子はヘリウムガスになりますので、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる可能性が高くなります。

◆当初はMOX燃料中のウラン、プルトニウムを均質に混合していても、核分裂によって高温になった燃料中では、不均質化(プルトニウムスポットの生成)が起こりやすいため、燃料の健全性が失われます。

◆ウラン燃料と比べて、MOX燃料では燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成すること)がより速く進みます。とくに、中性子を吸収しやすいアメリシウム等が生成され易いため、高次化が進んだ燃料を含む原子炉では、運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下します。

使用済みMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難い。核分裂によってMOX燃料から生じる元素(死の灰)の種類は、ウラン燃料から生じるものとは異なりますから、使用済み核燃料の放射線量や発熱量の減衰速度も異なります。
使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難いため、長期にわたって(使用済みウラン燃料の4倍以上)プール内で水冷保管しなければ、空冷保管が可能な状態にはなりません。取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍です。MOX燃料は、その意味でも、極めて厄介な核燃料です。

【2】原発の危険度は、老朽化に伴い急激に増加(理由の例)

◆原発は事故の確率が高い装置ですが、老朽化すると、さらに重大事故の確率が急増します。例えば、原発の圧力容器、配管等は長期に亘って高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(下記注をご参照下さい)、腐食が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です。配管の減肉や腐食、電気配線の老朽化も問題です。

【注】老朽原発圧力容器の脆性破壊 鉄のような金属は、ある程度の軟らかさを持っていますが、高温で中性子などの放射線にさらされると、温度を下げたとき硬化しやすくなり、脆(もろ)くなります(脆化といいます)。脆くなると、ガラスのように、高温から急冷したとき破壊されやすくなります。原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で放射線にさらされていて、運転時間と共に脆くなる温度(脆性遷移温度)が上昇します。例えば、初期には‐18℃で脆化していた鋼鉄も、34年間炉内に置くと98℃で、40年を超えると100℃以上で脆化するようになり、脆くなります。したがって、老朽原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が破裂する危険があります。とくに、不純物である銅やリンの含有量が多い鋼鉄で出来た老朽圧力容器の脆化は著しいと言われています。

【参考】若狭にも原発反対の声は多い

◆中日新聞2018年5月8日朝刊に、小浜湾を挟んで5 km 離れた対岸の集落・小浜市内外海(うちとみ)地区での世論調査の結果が掲載されていました。

小浜の5キロ圏住民、反対が多数 大飯4号機再稼働

◆新聞記事→こちらで読むことができます。

2018年5月発行

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆反原発運動はますます重要

【2018年5月11日,京都キンカンで配付。】

大飯原発3、4号機の再稼働は許してしまいましたが、

反原発運動はますます重要になっています

5月9日、おおい町内デモと原発前集会に100人
ご参加、ご支援ありがとうございました。

◆関西電力(関電)は、3月14日、5月9日に大飯原発3、4号機を再稼働させました。脱原発、反原発の民意を蹂躙し、脱原発に向かう世界の潮流に逆らうものです。

◆私たちは、この暴挙を座視してはいませんでした。オール福井反原発連絡会、ふるさとを守る高浜・おおいの会、若狭の原発を考える会の呼びかけで昨年結成された「大飯原発うごかすな!実行委員会」は、10月15日、4月22日に、それぞれ600名、700名の参加を得て、「関電包囲全国集会」と御堂筋デモを貫徹し、関電に原発再稼働阻止の決意を叩きつけ、市民や内外からの観光客に原発全廃を訴えました。

◆また、12月3日には、おおい町現地全国集会と町内デモを500人の参加を得て闘い、2月25、26日には、延べ220名の参加を得て、若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)を貫徹し、5万枚以上のチラシを配布しました。

◆さらに、大飯原発3、4号機再稼働阻止のために、3月13日(100名参加)、14日(70名参加)、5月9日(100名参加)に、おおい町現地でのデモと原発ゲート前抗議闘争を果敢に闘いました。

毎日新聞(2018-05-19)

京都新聞(2018-05-19)

大飯原発3、4号機の再稼働は許したものの、
反原発運動の意義は大きい!

大飯原発の再稼働を許したことは本当に悔しいことですが、上記ような運動に限らず、各地での福島事故忘れない3.11集会、毎週行われている脱原発金曜行動などの大衆行動には、次のような意義があると考えられます。

◆第1に、現地での行動は、原発再稼働に抗議するだけでなく、表にはでていないものの、若狭に広範に存在する「原発は嫌だ」の声に呼応し、連帯するものです。

◆第2に、反原発の闘いが、老朽原発を廃炉に追い込んでいます。脱原発、反原発の圧倒的な民意に後押しされた大衆行動のために、傲慢な電力会社と言えども、原発を動かそうとするとき、多額の費用を要する安全対策を施さざるを得なくなり、安全対策費のかさむ老朽原発の廃炉を決意せざるを得なくなっています。昨年末からでも老朽大飯原発1、2号機、伊方原発2号機の廃炉が決定しました。これで、福島事故以降に廃炉が決定した商業原発は9機になりました。

◆第3に、脱原発、反原発の大衆運動は、原発重大事故を防いでいるとも言えます。大衆運動がなければ、電力会社は多額の費用を要する安全対策もせずに、老朽原発を含む原発を次々に動かし、重大事故の確率は格段に高くなっていたでしょう。

◆第4に、脱原発、反原発の大衆運動は、国内だけでなく世界にも拡がり、世界的に安全対策費を高騰させ、原発産業を成り立たなくさせています。東芝が破綻し、伊藤忠商事がトルコの原発建設計画から撤退すると報道されています(4月25日)。

◆第5に、反原発の大きな声が、裁判闘争を後押しし、司法を動かしています。福井地裁、大津地裁、広島高裁での原発運転差止め決定など司法での勝利も、福島原発事故後、格段に多くなっています。

◆以上のように、反原発の大衆運動は、老朽原発廃炉、原発からの企業の撤退、裁判闘争の勝利に貢献していると言えます。

大飯原発3、4号機の再稼働は許してしまいましたが、
脱原発、反原発の闘いの手綱を緩めてはなりません!

大飯原発3、4号機即時廃止、
高浜原発4、3号機の再々稼働反対、
老朽高浜原発1.2号機、
老朽美浜原発3号機の
再稼働阻止の行動を強化しよう!

◆前述のように、反原発の大衆運動は、原発重大事故の確率を下げることには貢献していますが、完全に原発事故を避けるには、原発全廃しかありません。さらに大きな原発全廃運動を構築しましょう!

◆①大飯原発3,4号機は再稼働されたとは言え、大衆運動が高揚し、裁判闘争にも勝利すれば止めることができます。粘り強い原発全廃運動が肝要です。

◆②昨年再稼働された高浜原発4号機、3号機は、来る5月、8月に定期点検入りし、その2~3か月後に再々稼働されると報道されています。いい加減な定期点検で安全が保たれるものではありません。断固とした再々稼働阻止の行動に立ちましょう!

◆③高浜原発1、2号機(1974年11月、1975年11月営業運転開始)、美浜原発3号機(1976年3月営業運転開始)は、運転開始後40年を大幅に超えた老原発ですが、関電は、高浜原発1、2号機を2019年10月以降に、美浜原発3号機を2020年3月以降に再稼働させようとしています。全国の老朽原発の再稼働への道を開こうとするものです。

◆原発は、老朽になるほどトラブル率が急増します。圧力容器の脆化(ぜいか;もろくなること)、配管の腐食、配線被覆の老化、資料の散逸など、問題点は山積です。

◆すでに、老朽大飯原発1,2号機、伊方原発2号機を含め、福島原発事故後、福島原発を除いて9機の廃炉が決定しています。膨大な安全対策費を要する老朽原発再稼働は、阻止できる可能性があります。老朽原発の40年越え運転を阻止し、原発新設を阻止すれば、最悪でも2049年には国内の原発はゼロになります。

◆老朽原発再稼働阻止の闘いに今すぐ起ちましょう!

【参考】

中日新聞2018年5月8日朝刊に、小浜湾を挟んで5 km 離れた対岸の集落・小浜市内外海地区での世論調査結果が掲載されていました。ここに転載して、紹介します。→記事のリンク,こちら

2018年5月11日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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